JPH0431301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は除雪の際に用いるスコツプに関するも
のである。

（従来技術） 近年、除雪用具にも色々なものが使用されてい
るが、最も一般的な道具は従来からのスコツプで
ある。該スコツプは除雪のみならず土木工事等の
一般作業を対象としての道具であつて、柄並びに
シヨベル部も比較的重く、頑丈に作られており、
土砂に比べて軽い雪の除去には該道具の方が重す
ぎて疲れてしまうといつた事態が生じる。したが
つて、シヨベル部の鉄板も薄く柄も細くした軽い
除雪専用のスコツプもかなり多用されているが、
これらスコツプと称される道具は除去する雪をシ
ヨベル部に一旦載せ、腕で持ち上げなければなら
ず、除雪しようとする場所によつては非常に疲
れ、また作業が低下するといつた事態も生じる。
例えば、波板等を通路として屋根の雪降ろしをす
る場合、該波板上にスコツプで雪を載せるより、
鍬のような道具で寄せ集めた方が便利である。勿
論、屋根の雪降ろしだけでなく、玄関前の除雪や
軒下の除雪を行なう場合にもスコツプだけでは不
便を感じることがあり、逆に鍬のような道具だけ
でもまた不便である。

（本考案の目的） このように、除雪スコツプは除雪する場合によ
つて使い方も違つてくる訳であり、従来のスコツ
プでは上記のごとき問題がある。本考案はこれら
問題点の解決を図る目的で考案されたもので、１
つのスコツプでもつて雪をすくつたり、また、か
き集めたりする２通りの使用ができる除雪スコツ
プを提供するものである。

（本考案の構成） 本考案に係る除雪スコツプは上記問題点の解決
を図るため次の特徴をもつて構成されている。す
なわち、該除雪スコツプはシヨベル部と柄、さら
に支持枠とで構成されていて、該シヨベル部は柄
に対し角度が自由に変り得るように蝶番をもつて
連結されている。そこで、上記支持枠はシヨベル
部の角度を固定するとともに、該シヨベル部に作
用する力を支えるためのもので、一端はシヨベル
部の先端に、他端は柄に連結している。シヨベル
部の先端にはピンが固定されていて、該ピンを介
して支持枠の一端は軸支され、また、該柄とは締
結金具を介して他端が止着されている。ところ
で、該締結金具はネジにより締め付け、解除自在
であり、解除した状態で柄に沿つて摺動可能であ
る。

以下、本考案に係る除雪スコツプの実施例を図
面に基づいて詳細に説明する。

（実施例） 第１図、第２図は本考案の除雪スコツプの実施
例であつて１はシヨベル部、２は柄、３は支持枠
を表わしている。ここで、該シヨベル部１は除雪
すべき雪を受けるための部材であつて、薄い銅板
若しくはプラスチツク等の材質が用いられてい
る。そして、該シヨベル部１は上記柄２の先端に
固定される訳であつて、固定金具４を介して取着
され、該固定金具４とシヨベル部１とは蝶番５に
より連結され、固定金具４の他端は該柄２の先端
を挿入できるように筒体を形成し、しかも該筒体
の径を縮め得るようにネジ６が付着している。し
かし、このような状態でシヨベル部１を柄２に取
着しても上記蝶番５によつてシヨベル部１は安定
しないため、支持枠３により拘束され、該柄２に
対して所定の傾斜角をもつて固定される。ところ
で、該支持枠３の腕９はシヨベル部１の側板８，
８にピン７，７で連結され、該両腕９，９は中間
部で重なり合つて柄２に取着されている締結金具
１０と連結している。締結金具１０はリング状を
成していて柄２の外側面に嵌合し、蝶ナツト１１
を締め付けることにより、該締結金具１０は柄２
の所定の位置に固定される。逆に締結金具１０の
蝶ナツト１１を緩めることで、締結金具１０は自
由に柄２の軸方向に移動でき、シヨベル部１に適
当な傾斜角を与えることができる。

第２図は従来のスコツプ形式となるようにシヨ
ベル部１を最大限に倒した状態であるが、該シヨ
ベル部１は蝶番５の中心０を支点として揺動する
もので、支持枠３の腕９が該支点０より少なくと
も上方に位置していて、該シヨベル部１に作用す
る荷重Ｆと腕９に作用する反力Ｐとがモーメント
上釣合うことが必要である。したがつて、シヨベ
ル部１がこのように倒れて両腕９が蝶番５の支点
０に近づくと、該腕９には反力Ｐとして非常に大
きな力が作用することになり、締結金具１０を滑
らすのみならず、腕９先端のピン７部を破損させ
る結果を招くため、固定金具４の形状を変えて、
該固定金具４によつてシヨベル部１の背面１２を
支持する方が便利である。

第３図はシヨベル部１を起こし、鍬状にした場
合であつて、締結金具１０の蝶ナツト１１を緩め
て柄２に沿つて持手側へ移動させ、所定の傾斜角
で再び蝶ナツト１１を締め付ければよい。

ところで、上記支持枠３の腕９はシヨベル部１
を所定の傾斜角に支えるためのものではあるが、
単に支持するのみならず、第３図のように鍬の状
態で使用する場合には両腕９，９により雪を切り
裂く作用を成すもので、比較的平らな坂で形成し
た方がよい。

以上述べたように、本考案に係る除雪用スコツ
プは、シヨベル部１を柄２の先端に蝶番５を介し
揺動自在に取着し、該シヨベル部１の両側板８，
８先端にピン７を介して連結した支持枠３によつ
て該シヨベル部１を支え、該支持枠３の他端を柄
２の任意の箇所に固定することで、シヨベル部１
の傾斜角を変更可能としたもので、次のような効
果を得ることができる。

（効果） (1) 本考案に係る除雪用スコツプはシヨベル部を
柄の軸方向に対し、任意の傾斜角度で傾斜・固
定できるため、該シヨベル部を倒した状態では
スコツプとして、逆にシヨベル部を起こした状
態では鍬として使用することができる。すなわ
ち、１つの道具で従来のスコツプと鍬の両機能
を兼ね備えており、除雪すべき場所に応じて適
当に使い分け、除雪作業の能率向上を図ること
ができる。

(2) また、シヨベル部を起こして鍬として用いる
際に、該シヨベル部を支える支持枠の腕は除雪
すべき雪を切り裂く機能を有し、常に適量の雪
をかき寄せることができるため、作業性が良い
のみならず、該作業による疲労を軽減し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案に係る除雪スコツプの
実施例であつて、第１図は平面図を、第２図は正
面図を、さらに第３図はシヨベル部を起こした場
合の正面図をそれぞれ示している。 １……シヨベル部、２……柄、３……支持枠、
４……固定金具、５……蝶番、６……ネジ、７…
…ピン、８……側板、９……腕、１０……締結金
具、１１……蝶ナツト、１２……背面、０……支
点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 柄の先端にシヨベル部を取着する除雪用スコ
   ツプにおいて、該シヨベル部を柄先端に固定し
   た固定金具と蝶番を介して揺動自在に連結し、
   シヨベル部の両側板先端にはピンを固定して、
   該ピンには支持枠の両腕を軸支し、さらに支持
   枠の他端にはリング若しくは筒状を成して該柄
   に沿つて移動可能な締結金具に連結し、該締結
   金具を柄の適当な位置にて固定することで、上
   記シヨベル部に所定の傾斜角を与えたことを特
   徴とする除雪用スコツプ。 (2) 上記支持枠の両腕を一枚の鋼板で形成した実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の除雪用スコ
   ツプ。