JPH04311734A - 陰イオン交換膜 - Google Patents

陰イオン交換膜

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JPH04311734A
JPH04311734A JP3076577A JP7657791A JPH04311734A JP H04311734 A JPH04311734 A JP H04311734A JP 3076577 A JP3076577 A JP 3076577A JP 7657791 A JP7657791 A JP 7657791A JP H04311734 A JPH04311734 A JP H04311734A
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JP
Japan
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anion exchange
membrane
exchange membrane
group
solution
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JP3076577A
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English (en)
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Rutan Furorensu
フロレンス ルタン
Toshikatsu Sada
佐田 俊勝
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に硝酸イオンの選択
透過性に有効な陰イオン交換膜に関する。
【0002】
【従来技術】硝酸イオンは、飲料水中に含まれていると
人体に有害なイオン種である。特に近年、産業排気ガス
に基づく酸性雨の問題、雨の少ない地域における農業用
肥料あるいは家畜類の排せつ物に基づく地下水中に含ま
れる硝酸イオンの増大が深刻な問題となっている。特に
降雨量の少ないヨーロッパにおいては、その現象が顕著
となっている。また、硝酸イオンを含んだ産業廃棄物が
増加しており、これも地球の環境保護の観点から重要な
問題である。
【0003】従来、これらの硝酸イオンを除去するため
に各種の方法が知られている。例えば、硝酸イオンのN
O3 − をN2 とO2 に分解してしまう方法、イ
オン交換樹脂によって吸着除去する方法、嫌気性醗酵に
より分解する方法、そのほか多くの技術が開発されてい
る。また、分離膜を用いる方法としては、例えば逆浸透
膜法、イオン交換膜による電気透析法などがあり、それ
ぞれ目的によって使い別けられ、工業化されている重要
な技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来技術により地下水のような希薄な塩溶液中
に存在する硝酸イオンを除去するには、それぞれ解決す
べき問題を有する。例えばイオン交換樹脂による硝酸イ
オンの吸着除去は、該樹脂の再生操作を必要とし煩雑で
あるばかりでなく再生後の廃液の処理が必要となる。ま
た、膜分離法は、再生の必要がなく、連続的に操作でき
る点で微量の硝酸イオンを除去するために極めて有用で
あるが、硝酸イオンだけを選択的に膜透過させることが
極めて困難である。即ち、逆浸透膜法においては、硝酸
イオンに対する選択透過性がない。電気透析法において
は、通常の陰イオン交換膜を用いると、多価イオンであ
る硫酸イオンが先ず選択的に膜透過し、また塩素イオン
と硝酸イオンの間の選択透過性も殆んどない。従って、
イオン交換膜による電気透析法は、いわゆる脱イオンに
は適しているが、ミネラル成分として必要なイオン種を
残し、硝酸イオンだけ膜透過させることができなかった
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
膜分離法における問題点に鑑み、硝酸イオンに対する選
択透過性の良好な陰イオン交換膜を開発した。即ち、本
発明によれば、炭素数2以上の炭化水素鎖が結合した強
塩基性の陰イオン交換基を有する陰イオン交換膜よりな
り、かつ架橋構造が緻密で弱塩基性および強塩基性の陰
イオン交換基が共存する薄層を有するイオン交換容量が
0.5〜2.0m当量/g−乾燥膜である陰イオン交換
膜が提供される。
【0006】本発明の陰イオン交換膜において、炭素数
2以上の炭化水素鎖が結合した強塩基性の陰イオン交換
基としては、例えばエチル、プロピル、ブチル、アミル
、さらにはオクチル、オクタデシルなど一般に炭素数が
18までの直鎖状あるいは分岐状の炭化水素鎖、脂環式
の炭化水素鎖、芳香族系の炭化水素基、それらにエーテ
ル結合を有する炭化水素鎖、一部反応に関与しないハロ
ゲン基が置換された炭化水素鎖などが少なくとも強塩基
性の陰イオン交換基に結合しているもので、例えばベン
ジルトリエチルアンモニウム塩基、ベンジルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩基、N−ドデシルピリジニウム塩
基などがある。なお、このような本発明の陰イオン交換
膜において、炭素数が2以上の炭化水素基を結合した強
塩基性の陰イオン交換基は、全イオン交換容量の50%
以上、好ましくは70%以上の割合であり、膜内に均一
に存在していてもよく、不均一に存在していてもよい。 即ち、本発明の陰イオン交換膜においては、このような
強塩基性の陰イオン交換基とともに、同様に炭素数2以
上の炭化水素鎖を結合した一級、二級、三級アミンの弱
塩基性の陰イオン交換基を有していてもよい。
【0007】本発明の陰イオン交換膜が有する炭素数2
以上の炭化水素鎖を結合する強塩基性の陰イオン交換基
そのものとしては、第四級アンモニウム塩基、第三級ス
ルホニウム塩基、第四級ホスホニウム塩基、アルソニウ
ム塩基、コバルチシニウム塩基など溶液のpHに関係な
く正の電荷を有する陰イオン交換性を示す基であれば特
に制限されないが、一般に第四級アンモニウム塩基が好
ましく用いられる。この第四級アンモニウム塩基は、例
えばトリメチルベンジルアンモニウム塩基、N−メチル
ピリジニウム塩基など窒素原子に結合しているアルキル
基としてメチル基が一般的であるが、例外的にジメチル
エタノールベンジルアンモニウムなども用いられる。ま
た、第三級スルホニウム塩基、第四級ホスホニウム塩基
においても、炭化水素基としては一般にメチル基が結合
している。
【0008】このような本発明の陰イオン交換膜には上
記の特定した強塩基性の陰イオン交換基が全イオン交換
容量の50%以上に結合しておれば、そのほかに例えば
一級アミン、二級アミン、三級アミンの弱塩基性の陰イ
オン交換基が結合してもよい。また、本発明の陰イオン
交換膜において、強塩基性の陰イオン交換基に炭素数が
2以上の炭化水素基を結合させることができる化合物と
しては、該イオン交換基の構成々分に応じて適宜選択さ
れる。例えば、ハロアルキル基系より得る陰イオン交換
膜の場合は、アルキルアミン、アルキル鎖を少なくとも
1種以上を有するトリアルキルスチビン、トリアルキル
ホスフィンなどが用いられる。また、ビニルピリジン系
より得る陰イオン交換膜の場合には、アルキルハライド
などのハロゲン化合物が用いられる。このようなアミン
およびハロゲン化合物は、直鎖状または分岐状の炭化水
素鎖、脂環式、芳香環を有する化合物のいずれでもよく
、反応活性な三級アミン化合物で窒素原子に結合してい
る炭化水素鎖の炭素数が2以上であれば特に制限されな
い。そのほかアミン化合物には、エーテル結合、反応不
活性なハロゲンが結合していてもよく、またハロゲン化
合物も反応活性なハロゲン基が結合し炭素数2以上の炭
化水素基を有するものであれば特に制限されない。これ
ら反応活性なアミン化合物およびハロゲン化合物は、そ
れぞれ反応活性基を有する高分子膜状物と反応して、炭
素数2以上の炭化水素基を結合した陰イオン交換基とす
ればよい。具体的には、一般にクロルメチルスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体の高分子膜状物に、炭素数2
以上の炭化水素基を有する三級アミン、例えばトリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N
,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルベン
ジルアミンのような三級アミンを均一にあるいは膜の片
面に反応させる。勿論、膜の片面に反応させたときは、
残余のクロルメチル基を例えばトリメチルアミンなどの
他のアミンと反応させることもできる。また、ビニルピ
リジン−ジビニルベンゼン共重合体の高分子膜状物に、
例えばブチルブロマイド、オクチルブロマイド、ドデシ
ルブロマイドなどの炭素数2以上で反応活性なハロゲン
を有する化合物を均一に、あるいは膜の一方または膜の
全体に反応率を低くして反応させた後、残余のピリジン
基には沃化メチル、臭化メチルなどの比較的反応し易い
ハロゲン化合物を反応させることもできる。
【0009】本発明の上記したような陰イオン交換膜に
は、緻密な架橋構造を有し且つ強塩基性と弱塩基性との
陰イオン交換基を混在する薄層を有することが必要であ
る。即ち、このような陰イオン交換膜の薄層部は、強塩
基性の陰イオン交換基を有する基層部よりも高分子鎖の
架橋点間の距離が短かい状態にある層、いわゆる架橋構
造が緻密な層であればよい。この陰イオン交換膜におけ
る架橋点間の距離を具体的に数値で示すことは難しいが
、例えばスチレン−ジビニルベンゼン、ビニルピリジン
−ジビニルベンゼン、クロルメチルスチレン−ジビニル
ベンゼンのような重合系のイオン交換膜にあっては、基
層部よりもジビニルベンゼン含量が20%以上を有する
薄層部を形成させることが望ましい。またビニルピリジ
ン−ジビニルベンゼン系重合体の陰イオン交換膜にあっ
ては、部分的にジハロゲン化合物によって、表層部にア
ルキル化と同時に架橋反応を実施することにより均一な
架橋構造を緻密に形成することが出来る。クロルメチル
スチレン−ジビニルベンゼン系重合体の陰イオン交換膜
にあっては、一級アミン、二級アミンによりクロルメチ
ル基をアミノ化と同時に架橋する方法で、例えばメチル
アミンなどのアルキルアミン、ジメチルアミンなどのジ
アルキルアミンなどによりクロルメチル基をアミノ化及
び架橋する方法;あるいは一級、二級、三級アミンのい
づれかを分子内に2以上有する化合物によりアミノ化と
同時に架橋反応を実施する方法で、例えばエチレンジア
ミン、N、N、N′、N′−テトラメチルエチレンジア
ミン、テトラメチレンヘキサミン、ピペラジン、フェニ
レンジアミン類などの多価アミンの一種以上を用いて架
橋と同時にアミノ化する方法などが用いられる。即ち、
陰イオン交換膜の表層部において、上記した多価アミン
化合物の反応により架橋構造と同時に弱塩基性の陰イオ
ン交換基が形成される。さらにまた、クロルメチルスチ
レン−ジビニルベンゼン系重合体の高分子膜状物に、必
要によりスチレンを共重合させて、H2 SO4 、S
nCl4、AlCl3 、ZnCl2 など公知のフリ
ーデルクラフト触媒によって架橋反応を実施して、表層
部に弱塩基性および強塩基性の陰イオン交換膜を導入す
る方法、ベンジルハロメチル基を有する高分子膜状物の
表層部に部分的に4−ビニルピリジンをマトリックス重
合させる方法、逆にピリジンユニットを有する高分子膜
状物に重合可能なビニル基とハロメチル基を併せ有する
単量体、例えばクロルメチルスチレンを部分的に結合さ
せ、ラジカル発生試薬あるいは電離性放射線、光などに
よって重合する方法などが採用される。この際、上記の
ような反応後の高分子膜状物において、残余の官能基に
は弱塩基性および強塩基性の陰イオン交換基、好ましく
は弱塩基性の陰イオン交換基が導入される。そのほか、
本発明における陰イオン交換膜の薄表層に形成させる緻
密な架橋構造と弱塩基性および強塩基性陰イオン交換基
の共存は、従来公知の方法が何ら制限なく採用できる。
【0010】本発明における陰イオン交換膜の薄層部に
共存する弱塩基性陰イオン交換基と強塩基性陰イオン交
換基との割合は限定的に示されず、弱塩基性陰イオン交
換基の種類などによっても異なるが、一般に、架橋密度
が高い場合は弱塩基性陰イオン交換基の存在量が少なく
てよく、また架橋密度が低い場合には弱酸性陰イオン交
換基の存在量を多くする必要がある。定量的には、前記
したような陰イオン交換膜の母体である高分子膜状物に
全て強塩基性陰イオン交換基を導入した陰イオン交換膜
に比較して、本発明の陰イオン交換膜においては、食塩
の拡散定数(25℃の測定)が一般に1/2以下になる
ように薄層部に弱塩基性と強塩基性の陰イオン交換基を
共存させ且つ架橋構造を形成させればよい。
【0011】本発明の陰イオン交換膜において、架橋緻
密で弱塩基性と強塩基性の陰イオン交換基を併せ有する
薄層は、該陰イオン交換膜の少なくとも片方の表面に存
在すればよいが、両面に存在してもよく、膜内部に薄層
状に存在してもよい。このような、本発明の陰イオン交
換膜は、厚みが通常0.05〜2.0mm、また架橋緻
密で弱及び強塩基性陰イオン交換基を有する薄層の厚み
が5〜100μmの間で好適に選定される。なお、本発
明の陰イオン交換膜に特定した表層部は、積層によって
形成する場合は別として、一般に高分子膜状物に化学反
応によって該層を形成する場合は膜表層部から膜内部に
向って勾配が形成されることは避けられないが、望まし
くは出来るだけ薄層状に勾配のない方が望ましい。さら
に、本発明の陰イオン交換膜においては、特に硝酸イオ
ンの選択透過性を得るために、イオン交換容量を低く一
般に0.5〜2.0m当量/g−乾燥膜に維持すること
が好ましい。
【0012】本発明の陰イオン交換膜とともに陽イオン
交換膜を用いて電気透析を実施する場合、該陽イオン交
換膜は特に限定されず、一般にスルホン酸基のような強
酸性の陽イオン交換基を結合した炭化水素系、フルオロ
カーボン系、パーフルオロカーボン系の公知の陽イオン
交換膜が何ら制限なく用いられる。また、このような陰
イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いて電気透析を実
施する場合、例えば水槽型、締付型電気透析槽、締付型
ではシートフロー型、トーチャスフロー型など従来公知
の電気透析装置のいづれも好適に用いられる。特に塩濃
度の薄い溶液を電気透析する場合は、出来るだけ限界電
流密度を高く保持できるスペーサーを配した電気透析槽
を用いることが望ましい。また、膜面の汚染を防ぐため
に、電気透析槽の電極を周期的に反転して、濃縮室と希
釈室とを交互に変える電気透析も有効である。
【0013】
【作用及び効果】本発明の陰イオン交換膜は、特に雑多
な陰イオンと同時に硝酸イオンが混在する溶液から、硝
酸イオンを何らトラブルなく選択的に溶液中から除去す
ることが出来る。本発明の陰イオン交換膜が、特に硝酸
イオンを選択的に膜透過する機構については明確でない
が、陰イオン交換基に疎水性の基が結合していることに
よる硝酸イオンの膜透過に対する立体的障害、硝酸イオ
ンと疎水性陰イオン交換基の強い相互作用などに基づく
と思われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の内容を具体的に実施例によっ
て説明するが、本発明はこれらの実施例だけに制限され
るものではない。
【0015】なお、本発明においては、有効通電面積1
00cm2 の締付型電気透析槽に陽イオン交換膜とし
てネオセプタCM−1(徳山曹達社、商品名)を用い、
各種の陰イオン交換膜を用いて電気透析を実施した。一
定時間の電気透析後、各陰イオンの濃度をイオンクロマ
トグラフィーによって分析して求めた。それらの結果か
ら、陰イオン相互の透過性を示すために、次式により陰
イオンX− に対する硝酸イオンNO3 − の選択透
過係数PxNo3 を求めた。
【0016】
【0017】実施例1 クロルメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合体よ
りなる架橋度8%で、ポリ塩化ビニルの補強布を支持体
とする厚さ0.1mmの高分子膜状物をジメチルアミン
20%のメタノール溶液中に25℃で8時間浸漬して、
メタノール洗浄後、トリブチルアミンの20%メタノー
ル溶液に50℃で24時間浸漬し、次いでジエチルアミ
ン15%のメタノール溶液に浸漬して、本発明の陰イオ
ン交換膜(A)を得た。上記において、最初のジメチル
アミンとの反応によって得られた膜の陰イオン交換容量
は0.12m当量/g−乾燥膜で、三級アミンと四級ア
ンモニウム塩基の割合は42:58であった。次いで、
トリブチルアミンと反応させた膜の陰イオン交換容量は
1.33m当量/g−乾燥膜であり、さらにジエチルア
ミンと反応させた膜の陰イオン交換容量は、1.76m
当量/g−乾燥膜であった。
【0018】比較のために、上記のクロルメチルスチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体よりなる高分子膜状物を
用いて、そのまま1規定のトリメチルアミンを含むアセ
トン30と水70との溶液に浸漬した陰イオン交換膜(
B)、ジメチルアミンで処理後に同様のトリメチルアミ
ン溶液に浸漬した陰イオン交換膜(C)、ジメチルアミ
ンとの反応をしないでトリブチルアミンと反応した陰イ
オン交換膜(D)およびジメチルアミンと反応してトリ
ブチルアミンと反応した陰イオン交換膜(E)を得た。
【0019】上記した5種の陰イオン交換膜をそれぞれ
所定の陽イオン交換膜と対にして電気透析槽に5対を組
み込んで、下記する溶液の電気透析脱塩に供した。溶液
はNaCl、Na2 SO4 、NaHCO3 および
NaNO3 がそれぞれ2.5mmol/lとなるよう
に含んだ溶液を用いた。電流密度は100mA/dm2
 で、被脱塩液中のNa+ が1/2となるまで脱塩を
実施して、硝酸イオンの他の陰イオンに対する選択透過
係数(PxNo3 )を求めた。温度は25℃で実施し
た。なお、陰イオン交換膜の電気抵抗は0.5規定の食
塩水中(25℃)で1000サイクル交流で測定した。 また、陰イオン交換膜の一方に4.0規定の食塩水を配
して、他方に純水を配してNaClの拡散定数を測定し
た。それらの結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 クロルメチルスチレンと純度が約55%のジビニルベン
ゼンとの共重合体でよりなる、架橋度が20%で、ポリ
塩化ビニル製の補強材の入った膜厚が0.12mmの高
分子膜状物を陰イオン交換膜の製造用原膜として用いた
。これをジメチルアミンの40%アセトン溶液に浸漬し
て25℃で8時間加熱反応させた。この膜は、イオン交
換容量が0.16m当量/g(乾燥膜)であった。次い
で、この膜をトリプロピルアミン20%のエタノール溶
液に浸漬して、60℃で24時間反応させて、得られた
陰イオン交換膜(A)は、イオン交換容量が1.52m
当量/g−乾燥膜であった。他方、上記の高分子膜状物
をそのまま1規定のトリメチルアミンであるアセトン3
0部および水70部の溶液中に浸漬して、30℃で12
時間反応させて得られた陰イオン交換膜(B)は、陰イ
オン交換容量が1.63m当量/g−乾燥膜であった。 また、上記の高分子膜状物をジメチルアミンと反応する
ことなく、トリプロピルアミンとのみ同様に反応したイ
オン交換膜(C)は、交換容量は1.48であった。
【0022】この得られた3種類の陰イオン交換膜(A
,B,C)を実施例1と同様にそれぞれ陽イオン交換膜
と対にして、その5対を組み締付型電気透析槽にセット
した。これらの電気透析槽において、NaCl、Na2
 SO4 、NaHCO3 およびNaNO3 の当量
比がそれぞれ1:1:1:1の溶液で、全濃度が10ミ
リ当量である塩溶液の電気透析を100mA/dm2 
の定電流密度で実施し、濃度が1/2となるまで脱塩し
て、3種の陰イオンに対する硝酸イオンの選択透過性お
よび電流効率を求めた。その結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 4−ビニルピリジンとジビニルベンゼンとの共重合体よ
りなる架橋度が15%で、膜厚が0.11mmである高
分子膜状物を原膜に用いて、本発明の電気透析に用いる
陰イオン交換膜を製造した。この原膜を反応試剤の沃化
メチル、沃化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化
アミン、臭化オクチルとそれぞれ次のように反応させた
。即ち、溶媒としてはメタノールを使い30%溶液とし
て50℃で24時間反応させて、膜を取り出した後、1
規定の苛性に浸漬した後、直ちにNaClOの500p
pmの溶液に40℃で5分間浸漬して、膜表層部の四級
アンモニウム塩基を分解処理した。次いで、この膜をメ
タノールで洗浄したのち、ICH2 CH2 Iの10
%メタノール溶液に4時間浸漬して、膜表層部における
ピリジン環の一部に架橋反応が形成した。この陰イオン
交換膜(A)を1規定の塩酸、0.5規定のアンモニヤ
水溶液でコンディショニングした後、測定溶液に平衡に
した。なお比較のために、上記において膜表層部の分解
処理およびICH2 CH2 Iによる処理を施すこと
なく陰イオン交換膜(B)を得た。
【0025】これら得られた陰イオン交換膜(A,B)
について、実施例1と同様の条件でイオン交換容量、電
気抵抗及びPxNo3 を求めた。それらの結果を、陰
イオン交換膜の反応試剤に応じて表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】実施例4 クロルメチルスチレンと純度55%のジビニルベンゼン
共重合体からなり、ポリ塩化ビニルの補強布が入り、樹
脂部分の架橋度が8%である高分子膜状物を片面のみ反
応できる装置に組み込み、該片面のみをジメチルアミン
のメタノール20%溶液と50℃で12時間反応させた
。得られた膜について、イオン交換容量を測定したとこ
ろ、0.22ミリ当量/g(乾燥膜)であった。次いで
、この膜をエタノールの30%N,N′−ジメチルオク
チルアミン溶液中に浸漬したところ、得られた陰イオン
交換膜(A)は、イオン交換容量が1.55m当量/g
−乾燥膜となり、電気抵抗が7.9Ω−cm2 、乾燥
膜を基準とする含水量(以下、同じ)が0.18であっ
た。比較のために、高分子膜状物をトリメチルアミンと
のみ反応させた陰イオン交換膜(B)は、イオン交換容
量が1.73m当量/g−乾燥膜、電気抵抗が1.6Ω
−cm2 、含水量が0.32であった。また、高分子
膜状物を、ジメチルアミンと処理することなく、N,N
′−ジメチルオクチルアミンとののみ同様の条件で反応
して陰イオン交換膜(C)を得た。
【0028】これら3種類の陰イオン交換膜を用いて、
それぞれ実施例1と同じ条件で電気透析脱塩を実施して
、陰イオン間の選択透過性を求めた。その結果を表4に
示した。
【0029】
【表4】
【0030】実施例5 クロルメチルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼンよ
りなる三元共重合体(架橋度が10%)でポリエチレン
の補強網を補強材として有する膜厚が0.2mmの高分
子膜状物を原膜として用いた。このクロルメチル基を有
する高分子膜状物をジエチルアミンの20%エタノール
溶液に8時間、25.0℃で浸漬したのち、この膜を表
5に示す反応浴に浸漬して、50℃で24時間反応させ
たのち、メタノールで洗浄し、次いで1規定の塩酸と0
.5の1規定のアンモニア水に浸漬した後、最後に1規
定の塩酸に浸漬して5種類の陰イオン交換膜を得た。
【0031】これら5種類の陰イオン交換膜(A)につ
いて、実施例1と同様にイオン交換容量と電気抵抗を測
定するとともに、陰イオン間の選択透過性を求めた。そ
れらの結果を表5に示した。なお、高分子膜状物をジエ
チルアミン処理をしないで直接、表5の反応浴に浸漬し
て得た陰イオン交換膜(B)について、その結果も表5
に示した。
【0032】
【表5】
【0033】実施例6 下記式
【0034】
【化1】
【0035】を有する芳香族縮合系高分子を常法により
、クロルメチルエーテルおよびSnCl2 を用いてク
ロルメチル化してクロルメチル基を導入した。次いで、
このクロルメチル基を導入したポリマーをN−メチルピ
ロリドンの溶媒に20%となるように溶解した溶液を調
製し、これを平板上に流延した後、溶媒を飛散させて、
0.1mmのフィルムとした。このフィルムをジエチル
アミンの10%メタノール溶液中に浸漬して、クロルメ
チル基と反応させた。得られた陰イオン交換膜は、イオ
ン交換容量が0.18m当量/g−乾燥膜であった。さ
らに、この膜状物をトリアミルアミンのエタノール溶液
に浸漬して得られた陰イオン交換膜は、イオン交換容量
が1.1m当量/g−乾燥膜であった。
【0036】この陰イオン交換膜を用いて、実施例1と
同様の方法により陰イオンの選択透過性を求めた。その
結果、PC1NO3 =2.2、PHCO3NO3 =
12.5、PSO4 NO3 =850であった。
【0037】なお、比較のために、上記クロルメチル基
を有する高分子膜状物をジエチルアミンと反応した後、
トリメチルアミンと反応して得た陰イオン交換膜を用い
て、実施例1と同様の方法により、陰イオンの選択透過
性を求めた。その結果は、PC1NO3 =1.3、P
HCO3NO3=10.5、PSO4 NO3 =35
0であった。
【0038】実施例7 スチレン−ジビニルベンゼン−4−ビニルピリジンの共
重合体よりなる高分子膜状物をエピクロルヒドリンの2
0%メタノール溶液に1時間浸漬して、膜表層部に架橋
と4級化反応を一部行った後、この膜をブチルブロマイ
ドのメタノール溶液中に浸漬し、50℃で24時間反応
させてピリジン環にブチル基を結合させた陰イオン交換
膜を製造した。この陰イオン交換膜は、イオン交換容量
が1.30m当量/g−乾燥膜、電気抵抗が10.5Ω
−cm2 、乾燥膜をベースとする含水量が0.11で
あった。また、この陰イオン交換膜を用いて、実施例1
と同様の方法でNaCl、NaNO3 、NaHCO3
 およびNa2 SO4 が1:1:1:1の混合溶液
で、Na+ 濃度が10ミリ当量の液と50ミリ当量の
液とを電気透析による脱塩を実施した。それらの結果、
求めた陰イオンの選択透過性を表6に示した。なお、こ
こで用いた高分子膜状物を沃化メチルで4級化処理して
交換容量を測定したところ1.62m当量/g−乾燥膜
であった。
【0039】
【表6】
【0040】実施例8 スチレン、ジビニルベンゼンおよびクロルメチルスチレ
ンの三元共重合体からなる高分子膜状物で、ポリ塩化ビ
ニルの補強布が入っている0.10mmの厚みの高分子
膜状物を用いた。まず、ジメチルアミンの20%メタノ
ール溶液中に25℃で8時間浸漬して、メタノール洗浄
後、次いでトリブチルアミン反応(20%メタノール溶
液で12時間、50℃)させ、さらにジブチルアミンと
反応(20%メタノール溶液で24時間50℃)させ、
陰イオン交換膜(A)を得た。このような反応による陰
イオン交換膜の陰イオン交換容量は、ジメチルアミンと
の反応で0.16m当量/g−乾燥膜、トリブチルアミ
ンとの反応で1.10m当量/g−乾燥膜、さらにジブ
チルアミンとの反応で1.68m当量/g−乾燥膜であ
った。
【0041】他方、高分子膜状物をジメチルアミン処理
しないでトリブチルアミン処理した膜(B)、ジメチル
アミン処理をしてトリブチルアミンと反応した膜(C)
、ジメチルアミン処理をしないでトリブチルアミン処理
、次いでジメチルアミン処理した膜(D)を得た。
【0042】これら5種類の陰イオン交換膜を用いて、
実施例1と同様に、陰イオン間の選択透過性を測定した
。それらの結果を表7に示した。
【0043】
【表7】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  炭素数2以上の炭化水素鎖が結合した
    強塩基性の陰イオン交換基を有する陰イオン交換膜より
    なり、かつ架橋構造が緻密で弱塩基性および強塩基性の
    陰イオン交換基が共存する薄層を有するイオン交換容量
    が0.5〜2.0m当量/g−乾燥膜である陰イオン交
    換膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012120991A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Daihatsu Motor Co Ltd アニオン交換膜

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JP2012120991A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Daihatsu Motor Co Ltd アニオン交換膜

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