JPH0430871B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は剣道に用いられる竹刀に関する。

従来の技術 一般に竹刀は４本の割竹を寄せて成る竹刀本体
に、先革、中締、柄革を被着し、これらを弦によ
り相互に連結し、さらに柄革上に鍔を装着して用
いている。

しかしながら、このような柄部の柄革は、４本
の割竹の上に単に被着しただけであるため、剣道
の稽古や試合中にすべつて、柄革が捩れるような
問題があつた。

そして、円形状に配設した４本の割竹の上に柄
革を被着するには、多くの時間と労力を費やすた
め、非常に作業能率が悪いという問題点もあつ
た。

また、正方形断面に一体に形成し、四ケの突起
を設けた柄の取付部に嵌合孔をあけた四片の打突
部構成片を四ケの突起にそれぞれ嵌合孔を嵌合し
てとりつけ、元締め円筒によつてそれらを一体と
なした組み立て竹刀が特開昭51−42631号として
知られているが、このものは、打突部構成片とな
る竹片にあけた嵌合孔を正方形断面の柄の取付部
に設けた突起に嵌合したので、剛性の大きな元締
め円筒を用いないと、竹片が柄の取付部に対して
長手方向を横切る方向に移動すると共に、嵌合孔
によつて竹片の強度が低下し、竹片が損傷しやす
いものである。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は上述した如き事情に鑑み、剣道
の稽古や試合中に柄革の捩れを生じることがな
く、かつ柄革の被着作業能率の向上を図り、割竹
の強度の低下を防ぎ、割竹の移動がない竹刀を提
供することにある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するための本発明の竹刀は、
発泡合成樹脂または軽量合成樹脂からなる成形棒
状体で、周囲に複数の溝を軸に沿つて設けた柄芯
と、複数の割竹とを備え、該割竹の柄側端部を前
記柄芯の溝にそれぞれ嵌合し、さらにその外側に
柔軟性の柄革を被着する。

実施例 以下、図面により本発明の一実施例としての竹
刀１について説明すると、第１図〜第５図に示す
ように、竹刀１は、握部となる柄部２の柄芯３
と、複数の割竹６とを備え、柄芯３は、硬質発泡
合成樹脂または軽量合成樹脂を素材として成型さ
れた成形棒状体４から成り、この成形棒状体４は
その周囲に８つの凹溝５を有し、かつ凹溝５は、
成形棒状体４の軸に沿つて設けられている。

また、成形棒状体４の端部４ａの凹溝５の延長
端には、割竹６の抜け止めとなる抜け止め部７が
設けられており、この抜け止め部７は有底の筒状
体で成形棒状体４と一体に形成されている。

割竹６は、表皮が竹刀１の表面を向き、かつ、
一枚の単板の節が隣接する他の単板の節の間にあ
るように貼り合わせた竹の合板より成る芯材１５
の表面に合成樹脂１６を被覆し、成型棒状体４の
凹溝５に収納されるべき柄側端部には合成樹脂１
６を被覆しない状態の素材を用いるが、上記合成
樹脂１６の代りに、グラスフアイバーやカーボン
繊維等を補強材とするFRPを用いるほか、割竹
６として天然の竹を用いてもよい。

また、割竹６は剣先方向に向けて徐々に細くな
るように形成されている。

尚、図中の符号８は刀身、９は中締、１０は剣
先、１１は先革、１２は柄革、１３は弦、１４は
鍔を示している。

竹刀を組み立てるには、柄芯３となる成形棒状
体４に設けられた８つの凹溝５に、それぞれ割竹
６の合成樹脂１６で被覆されていない柄側端部を
収納して刀身８を形成し、これらの割竹６…を中
締９で結束し、剣先１０側の部分を先革１１で包
む一方、柄部２に相当する部分を柔軟性の柄革１
２で覆い、その柄革１２と先革１１とをつなぐよ
うに弦１３を取り付け、さらに柄革１２に鍔１４
を嵌める。

また、成形棒状体４の周囲に設けた凹溝５の数
は割竹６の数に合せて４つにしてもよい。

第６図は、本発明の別の実施例を示すもので、
成形棒状体４の外周の任意の位置に螺旋１８を設
け、凹溝５に割竹６を差し込んだ状態で、割竹６
の外部から内面に螺旋を有するリング１７を嵌込
み、リング１７内面の螺旋を成形棒状体４の外部
に形成した螺旋１８に螺合してリング１７で割竹
６を押えるようにしたものである。

発明の効果 以上詳述したように本発明の竹刀の柄芯は、発
泡合成樹脂あるいは軽量合成樹脂からなり、しか
も長さ方向に凹溝を有している棒状体から成つて
いるため、摩擦が大きいので、柄革と柄芯との摩
擦で柄革のすべりや捩れが発生しにくいほか、外
部に柔軟性の柄革を被着しても、割竹は柄芯に対
して溝の側面で受止められてその長手方向を横切
る方向に移動することがなく、割竹に嵌合用の孔
等を必要とせず、割竹に対する加工が少なくて済
み、製造が容易であると共に、割竹の断面性能を
損なうことがない。

また、割竹が棒状体にバランスよく収納される
ので、柄部の手に与える感じが良くなり、柄革の
すべりや捩れの発生が少なくなるので、革の消耗
が減少するほか、割竹を棒状体に収納して固定し
た状態で柄革を被着することができるため、作業
能率の向上にも寄与しうるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の竹刀の柄芯を示す斜視図、
第２図は、第１図の−拡大矢視断面図、第３
図は、第１図の−拡大矢視断面図、第４図
は、本発明の竹刀の柄芯に割竹を納める状態を示
す斜視図、第５図は、本発明の竹刀を示す平面
図、第６図は、本発明の別の実施例を示す斜視図
である。 １……竹刀、２……柄部、３……柄芯、４……
棒状体、４ａ……端部、５……凹溝、６……割
竹、７……抜け止め部、８……刀身、９……中
締、１０……剣先、１１……先革、１２……柄
革、１３……弦、１４……鍔、１５……芯材、１
６……合成樹脂、１７……リング、１８……螺
旋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 発泡合成樹脂または軽量合成樹脂からなる成
   形棒状体で、外周囲に複数の溝を軸に沿つて設け
   た柄芯と、複数の割竹とを備え、該割竹の柄側端
   部を前記柄芯の溝にそれぞれ嵌合し、さらにその
   外側に柔軟性の柄革を被着したことを特徴とする
   竹刀。