JPH04304843A - スライスチーズ、その製造方法及びそれに用いる成形ノズル - Google Patents

スライスチーズ、その製造方法及びそれに用いる成形ノズル

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JPH04304843A
JPH04304843A JP3089421A JP8942191A JPH04304843A JP H04304843 A JPH04304843 A JP H04304843A JP 3089421 A JP3089421 A JP 3089421A JP 8942191 A JP8942191 A JP 8942191A JP H04304843 A JPH04304843 A JP H04304843A
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秋元 毅一郎
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山本 晴敬
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロック包装後も容易
に一枚一枚剥離できる剥離性の良好なスライスチーズ、
その製造方法及びスライス用成形ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】チーズをあらかじめ所定の形状にスライ
スし、これをまとめてブロック包装したいわゆるスライ
スタイプのチーズは、使用時の簡便性に極めて優れるた
め広汎に用いられている。
【0003】しかし、従来の一般的な製造方法で作られ
たプロセスチーズ製品では、チーズ間の付着性が極めて
強く、チーズを切断後、再び接触させ放置しておくと切
断面は互いに再び結着し、もはや一枚一枚を剥離するこ
とは不可能となる。
【0004】そこで、スライスチーズを実現するために
種々の製法が考え出された。例えば、これまでに剥離性
の良いチーズの製造方法といえば、コールドスライスプ
ロセスチーズが最もよく知られている。この製造方法は
1950年アメリカのKraft  Cheese社が
始めたものであるが、原理は融化したチーズエマルジョ
ンを硬化させるため、冷却ベルト上を通過させながら引
っ張り、冷却したチーズをシート状にして移動させるこ
とである。この幅広いシートをナイフで縦方向に切断・
分割し、それらを8枚層に交互に積み重ねられ、一定幅
に切断されたのち、自動的に包装されるシステムである
。 但し、このシステムを採用するだけでは剥離性を実用レ
ベルまで改良することは困難であった。そこでこのシス
テムで製造されるスライスチーズの剥離性を改良する方
法として種々の改良法が知られるに至っている。例えば
、USP  2902804で示されているような合紙
を挿入する方法で、これはスライスチーズの間にセルロ
ースかプラスチックのフイルムを挟みこんでチーズの結
着を防止する。また、USP  2931729に見ら
れるようなスライスチーズの各スライスの表面にバター
脂を吹き付け、直ちにそれを低温ローラーに通して冷却
する方法、またUSP  2927029にみられるよ
うなセルロースをベースにした溶液をスライスチーズの
表面に吹き付ける方法等である。
【0005】以上の方法で作られたスライスチーズは、
いずれも剥離性の良好なものとはなるが、製造方法とし
ては、合紙を入れたり、吹き付けたりする手間を要し、
又吹き付け方式ではバター脂の酸化あるいはセルロース
混入による製品規格の低下等の問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術に
おいては、スライスチーズの剥離性を実用レベルまで改
良するには、チーズではない異種材料を用いる必要があ
り、この結果、製造工程の煩雑化、異種材料それ自体の
劣化あるいはチーズに異物を混入することによる品質へ
の影響等、チーズ製造技術とは直接関係のないところで
問題が生じていた。
【0007】本発明は、上記従来技術の実情に鑑み、チ
ーズ以外の異種材料をまったく用いることなく、チーズ
の製造技術を応用することにより、チーズを裁断してス
ライス状にした後、再び接触させ放置しても、一枚一枚
の剥離性が確保できるスライスチーズ、その製造方法及
びスライス用成形ノズルを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熟度指標で酸
可溶性窒素(STN)と全窒素(TN)の比STN/T
Nが22%以下である原料チーズからクリーミング作用
の弱い溶融塩を用いて製造されたチーズであって、水分
含量が48%以下である剥離性の良いスライスチーズで
ある。又、このスライスチーズの製造方法であって、熟
度指標である酸可溶性窒素(STN)と全窒素(TN)
の比STN/TNが22%以下である原料チーズにクリ
ーミング作用の弱い溶融塩を添加し、攪拌して加熱、融
化、水分調整後、保形性維持が可能な温度まで冷却し裁
断する工程を包含する剥離性の良いスライスチーズの製
造方法である。
【0009】本発明によれば、スライスされたチーズを
再接触させて包装・冷却後も再び使用する際には一枚一
枚が容易に剥離することができるスライスチーズをチー
ズ製造工程を制御することで容易に実現することができ
る。
【0010】本発明者らは前述した課題、すなわち剥離
性の良いチーズを作るためにチーズの物性に係わる諸特
性と、製造工程及び原料チーズとの関係について鋭意研
究の結果、一定の条件下においては、チーズの剥離性が
飛躍的に向上することを見い出し本発明に至った。これ
は、チーズの物性は一般に多くの因子によって支配され
、例えばチーズ温度、水分含有量、原料チーズの熟成度
、さらには融化条件や溶融塩の種類や量によって変化す
るという前提に基づくものであるが、特定条件下での剥
離性の向上という知見は従来知られていなかったもので
ある。
【0011】本発明において、全窒素(TN)はケルダ
ール法を用いて測定し、酸可溶性窒素(STN)はVa
kalerisおよびPriceの変法(D.G.VA
KALERIS  AND  W.V.PRICE;J
.Dairy  Sci.,42264〜276(19
58))に従い、クエン酸塩酸緩衝液(pH4.4)に
溶ける窒素をケルダール法を用いて測定したものである
。 水分含量は熱風循環式乾燥法(99±1℃,3時間)に
基づいて測定した値である。又、本発明においてスライ
スチーズとはその形状及び手段にかかわらず分割された
チーズ片の一片、及びチーズ片を寄せ集めた集合体の両
方を含む概念である。いずれも社会通念上又は実際の取
引における名称のいかんを問わない。又、スライスチー
ズは主原料がチーズであり、チーズの物性、品質に本質
的影響を与えない限り、例えばナッツやハーブ等あるい
は調味料等の他の食品素材を任意に添加できるものであ
る。
【0012】以下、本発明を詳述する。
【0013】スライスチーズは通常、1種以上のナチュ
ラルチーズを原料チーズとして粉砕し、これに溶融塩を
加えて加熱融化した後、冷却、固化し、得られたチーズ
を所望の大きさに分割しこれをまとめてガスパック等を
施し製品化するのが一般的である。
【0014】本発明においては基本的に上記一般的製法
を採用することができる。
【0015】但し、本発明においては次の3点において
従来技術と相違する。
【0016】1.原料チーズのSTN/TNが22%以
下であること。
【0017】2.溶融塩はクリーミング作用が弱いもの
であること。
【0018】3.製品の水分含量が48%以下であるこ
と。
【0019】この3要件をすべて具備することではじめ
て剥離性の顕著な向上を図ることが可能となる。これに
対し、従来技術においては上記3要件を調整することに
より、異種部材を用いずに剥離性が向上できるという知
見が全くなかったため、それらを測定、評価しチーズを
製造することはなかった。従って、剥離性向上を目的と
して3要件を同時に調整した例はないが、個々の要件を
別個にみれば、従来技術においては経験上原料チーズの
STN/TNは24〜30%程度、溶融塩としてはジリ
ン酸塩(ピロリン酸塩)、トリリン酸塩、テトラリン酸
塩、ペンタリン酸塩、ヘキサリン酸塩、グラハム塩等の
ポリリン酸塩等のクリーミング作用の強い塩との組合せ
、又、製品の水分含量は44〜52%程度というのが一
般的であった。本発明においては、上記3要件による相
互作用を通してはじめて剥離性を有意に向上させるもの
である。
【0020】本発明において、「原料チーズ」は、スラ
イスチーズの原料として用い得るすべてのチーズを意味
する。通常はナチュラルチーズであるが、発酵を完了し
ていないグリーンチーズや、プロセスチーズを用いても
よい。又、1種類に限らず、目的の品質を有するスライ
スチーズとすべく複数種のチーズを配合することは有効
である。スライスチーズは通常半硬質−軟質チーズに分
類されることを勘案すれば、原料チーズとしては、チェ
ダー、ゴーダ、エダム、グリエール等あるいはそれらの
グリーンチーズ、及びそれからなるプロセスチーズ等を
例示し得る。熟度の調整の観点からはグリーンチーズの
使用は有効である。
【0021】2種以上のチーズを配合する場合は、それ
ぞれのチーズの熟成度、酸度、風味等を考慮する。ここ
で原料チーズのSTN/TNが22%以下とは、原料チ
ーズ全体の平均値としての値であり、用いる原料チーズ
は各々の値をいみしない。従って、一つの原料チーズは
STN/TNが22%以上でも全体として(混合物とし
て)のSTN/TNが22%以下であればよい。実際に
は、製造前に事前に混合原料チーズのSTN/TN値を
測定しておけばよい。
【0022】STN/TNの値はチーズ中の全窒素に含
まれる酸可溶性窒素の割合を示し、チーズ中の蛋白分解
度を表す。これはチーズの熟度と関連がある。従って、
一般的には熟度の進んでいないチーズを用いるとよいと
いえるが、特にSTN/TNで22%以下、好ましくは
20%以下であると、得られるスライスチーズの剥離性
は大幅に向上する。STN/TNの熟度が22%を越え
ると効果が著しく低減し、25%を越えると他の条件を
調整しても剥離性の改良効果は不充分なものにとどまる
【0023】この理由は明らかではないが、熟度が進み
、蛋白質の低分子化が進みすぎると組織が構造的に軟化
し、クリーミング効果が大きくなるためと考えられる。 STN/TNの下限は剥離性向上の観点からは特に規定
することを要しないが、小さすぎれば組織が硬く風味も
淡泊となる。従って、好ましいSTN/TNとしては1
2〜20%程度がよい。
【0024】次に、「溶融塩」には「クリーミング作用
」の弱いものを用いる。
【0025】溶融塩は溶融状態にある原料チーズ中の蛋
白質を解膠する作用であるイオン交換力を有する。本発
明では溶融塩の本質的作用・効果であるイオン交換力は
あるが、膨潤・吸水性が低いものを用いる。「クリーミ
ング作用」とは、蛋白質の膨潤・吸水性を起す作用をい
う。
【0026】現時点ではクリーミング作用の現象は科学
的に説明されていないが、経験的にはクリーミング作用
が進行するとチーズ中の蛋白質は多量の水分を吸収する
。そして蛋白質の網目構造(ネットワーク)が大きく膨
潤し、安定したエマルジョンを形成する。その結果プロ
セスチーズの組織は緻密で結着性の強い製品となる。 これに対しクリーミング作用の弱い溶融塩を使用すると
柔らかく緩い組織のチーズとなる。従って、一旦製造さ
れたチーズをスライス(分割)し再び接触させブロック
とするスライスチーズにおける剥離性向上の観点からす
れば、クリーミング作用は弱い方がよい。
【0027】イオン交換力があり、クリーミング作用の
弱い溶融塩としては、モノリン酸塩、クエン酸塩等を例
示し得る。これらの塩としてはナトリウム塩が一般的で
あるが、カリウム塩等も用い得る。具体的には、リン酸
二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム
、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム等を挙げる
ことができる。これらは単独であるいは2種以上の混合
塩として用いることができる。
【0028】一方、イオン交換力がありクリーミング作
用の強い溶融塩の例としては、ポリリン酸塩であり、い
ずれも保水性、解膠性等に優れた効果を示すものである
【0029】従って、これらの溶融塩は本発明において
は好ましくない。但し、前述クリーミング作用の弱い溶
融塩を主要溶融塩とし、副次的に併用する範囲であれば
、これを排除するものではない。ここに、クリーミング
作用の「弱い」とは上述したクリーミング作用の弱い例
示化合物に認められる程度とクリーミング作用の強い例
示化合物に認められる程度との対比において相対的に定
まる概念である。換言すればポリリン酸塩等の溶融塩に
比べクリーミング作用が弱いものは「弱い」といえる。
【0030】溶融塩の添加量はチーズの品質に影響を与
えるので、目的とするチーズの品質により定まる量であ
る。従って、添加量は特に規定されるものではないが、
通常2.0〜3.0%程度がよい。添加量が不足または
過多の乳化系は極端な場合には全体が凝集し、程度の差
はあるが、脂肪分離を起こし崩壊する。
【0031】次に、製品水分含量は48%以下であるこ
とを要件とする。製品水分含量が50%を越えるとチー
ズの剥離性は極端に劣化する。水分含量は剥離性及びチ
ーズの物性に関与する。48%以下であれば良好な剥離
性を示すが、48%では物性的にやや軟らかく、チーズ
を剥離する際にまがり、若干変形を起すこともある。こ
の点から、好ましくは46%以下がよい。水分含量の下
限は目的とするチーズの物性により定まるものであり特
に限定を要しないが通常44%以上がよい。水分含量が
少なすぎれば組織がハードで、剥離する際におれること
がある。
【0032】上述スライスチーズの製造は、熟度指標で
ある酸可溶性窒素(STN)と全窒素(TN)の比ST
N/TNが22%以下である原料チーズにクリーミング
作用の弱い溶融塩を添加し、攪拌して加熱、融化、水分
調整後、保形性維持が可能な温度まで冷却し裁断する工
程を包含する製造方法により実施できる。基本的製造技
術は公知技術に基づき構成することができる。
【0033】上述のようにして選択された原料チーズお
よび溶融塩を加えて乳化する融化機としては、できるだ
け低速攪拌を原則とし、エマルジョン形成を促進させな
い構造のものが剥離性向上の観点から好ましい。なぜな
ら攪拌速度が速いと高度に乳化が進行しクリーミング作
用の弱い溶融塩を用いていてもチーズ組織に起るクリー
ミング作用が促進され、結果的に、組織が比較的緻密で
結着性の強いチーズとなり易いからである。
【0034】但し、前述3要件を具備する限り、攪拌の
影響は主要なものでなく、好ましい条件下では、攪拌が
強く(高速攪拌)ともチーズの剥離性向上を達成できる
。とくに使用する原料チーズの熟度が20%以下では、
高速攪拌でもクリーミング作用が進行せず剥離性が劣化
しにくい。
【0035】好ましい融化機としてはケトルあるいはダ
ムロークッカー等の融化機を例示できる。ケトル融化機
を用いる場合は、低速攪拌とは概ね70〜120rpm
程度をいう。他の融化機を用いた場合はそれに相当する
攪拌作用を発揮する速度とすればよい。
【0036】目的の製品水分含量に調整するには原料チ
ーズ配合が決定された段階で原料チーズの固形分と最終
製品の固形分から添加水を算出する。加熱、融化の温度
は通常80〜85℃程度でよい。融化後、チーズは冷却
され、保形性維持が可能な程度となった後、所望の大き
さに裁断する。保形性維持が可能な温度はチーズの種類
等により異なるが、通常25℃〜30℃程度で充分であ
る。冷却の手段としてはエクストルーダーあるいはサー
モシリンダー等が冷却効率等の点から好適である。
【0037】裁断の大きさは特に制限がなく、所望によ
り設定すればよい。例えば厚み1.5〜3mm、縦80
〜85mm、横80〜85mm程度の板状や、一口大の
ブロック状(カルトンチーズ)とすることができる。目
的とする厚みによりチーズの有すべき物性が異なるので
、この点を考慮して条件を設定する。即ち、薄くなれば
、組織のよりしっかりしたチーズとするよう、原料チー
ズの熟度を下げ、製品水分含量を少なくすればよい。
【0038】裁断にあたっては、好ましくは冷却したチ
ーズを成形ノズルに供給し、帯状に成形するとともに裁
断カッターを用いてまず縦方向(長手方向)にスライス
し、次に別の裁断カッターにより横方向のスライスを行
う。
【0039】スライスチーズの剥離性向上の観点から、
裁断した後互いに直ちに切り離さず一定時間あるいはノ
ズル内の一定距離の間、裁断前の形状を維持することが
効果的である。この理由は、裁断後、形状を維持するこ
とによってノズル出口の圧力緩和による剥離防止になる
と考えられる。
【0040】この方法を具体化した成形ノズルの例を図
1に示す。即ち、溶融したチーズをサーモシリンダーも
しくはエクストルーダーのような熱交換機を用いて冷却
したチーズ成形及び縦方向(長手方向)スライスを行う
成形ノズルであって、裁断カッターがノズル出口から1
5mm以上内部に配置されていることを特徴とする成形
ノズルである。成形ノズルは冷却されたチーズを帯状に
成形するとともに内部に設えられている裁断カッターに
より縦方向にスライスする。裁断後の形状の維持はノズ
ル内で移動するチーズの移動距離で15mm以上である
とよい。
【0041】裁断カッターで裁断されたチーズはノズル
内に一定距離持続させたのち、ノズル出口で所定の寸法
に連続的に大切される。
【0042】成形ノズルの形状は図1のものに限らず冷
却したチーズを成形するための出口形状を有しているも
のであればよく、出口形状は任意に選択し設計すること
ができる。このノズルの特徴は裁断カッターを出口より
所定距離内側に配置したこと、又、ノズルに供給される
チーズはすでに冷却され保形性を有しているため、ノズ
ルの形状としては出口と同じ断面図を有する助走路をあ
る程度長くとること、そして最も重要なことはノズル出
口の断面積よりも、ノズル入口部の断面積を大きくする
ことにある。このことによってノズル内にはチーズが充
満し、成形後の安定性も良くなる。実際のノズルの設計
にはノズル形状による圧力損失も考慮に入れる。
【0043】裁断カッターとしては、ピアノ線もしくは
刃を用い得るが、チーズ屑を出さない、また切断面がき
れいな点では刃が良好である。ただし、押しだし抵抗が
ピアノ線よりも大きくなるので刃にテフロン加工等を施
して抵抗を小さくするとよい。
【0044】以上のようにして裁断されたチーズはガス
パック等により1つの容器内に個別包装等、他の異種物
を何ら用いることなくパックすることができる。このも
のは冷蔵、常温流通に付することができ、使用に際し、
一枚一枚を容易に剥離することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 チェダーチーズ35kgとグリーンチーズ(ゴーダ)3
5kgを粉砕して混合し、この原料チーズ(STN/T
N=18%)に溶融塩(クエン酸ナトリウム)を1.7
5kgを添加し、ケトル融化機を用いて120rpmで
攪拌しながら82℃の温度まで加熱・融化した。
【0046】次いで、この融化チーズを圧送定量ポンプ
(クリマリーパッケージ社製)によりサーモシリンダー
(岩井機械製)に圧送し、攪拌回転数60rpmで冷却
を行った。尚、サーモシリンダーのジャケット側冷媒温
度は−5℃の冷却水を循環させた。このようにして保形
性維持が可能な温度すなわち25℃〜28℃に冷却した
チーズを図1に示したピアノ線付きノズルを通過させる
間に一枚一枚が6mm巾に切断されたチーズを得た。こ
のチーズをノズル出口に接続されたベルトで移動させな
がら60mm長さにピアノ線で切断したのち、ピロー包
装し、最終的にはカルトン包装で冷蔵した。製品の水分
含量は45%であった。
【0047】得られた製品は、風味も好ましく、さらに
一枚一枚の剥離性も極めて良好であった。
【0048】尚、図1の成形ノズルの寸法は、出口の内
寸が31mm×129.5mm、ノズルの入口部、即ち
ユニオンとのジョイント部はφ3インチ、助走部分の長
さが190mmであり、裁断カッタはφ0.5mmのテ
フロン加工ピアノ線で6mm間隔で出口から20mmの
ところに配置したものである。実施例2チェダーチーズ
35kgとゴーダチーズ15kgそしてグリーンチーズ
(ゴーダ)20kgを粉砕して混合し、この原料チーズ
(STN/TN=21%)に溶融塩(クエン酸ナトリウ
ム70%とモノリン酸ナトリウム30%からなる複合溶
融塩)1.75kgを添加し、ケトル融化機を用いて1
20rpmで攪拌しながら82℃の温度まで加熱融化し
た。
【0049】次いで、圧送定量ポンプ(クリマリーパッ
ケージ社製)によりサーモシリンダー(岩井機械製)に
圧送し、攪拌回転数60rpmで冷却を行った。尚サー
モシリンダーのジャケット側冷媒温度は−5℃の冷却水
を循環させた。冷却後は実施例1と同様にピアノ線付き
のノズルで切断したのち、ピロー包装およびカルトン包
装し冷蔵した。製品の水分含量は44%であった。得ら
れた製品は風味も好ましく、剥離性も極めて良好であっ
た。 実施例3−9、比較例1−3 実施例1の要領で、原料チーズ(ミックス)の熟度(S
TN/TN)、溶融塩の種類、ケトル融化機の攪拌回転
数、製品水分値をそれぞれ変えて、スライスチーズを製
造した。結果を表1に示す。剥離性はスライスチーズ再
接触後10℃、48時間後に測定し20枚中きれいに剥
離した枚数の百分率で表してある。
【0050】
【表1】 表から明らかなように原料チーズの熟度が22%以下、
クリーミング作用の弱い溶融塩(クエン酸ナトリウム)
を使用、製品水分値が48%以下の3要件を具備する実
施例3−9ではいずれも剥離が可能であり、実施例8の
攪拌回転数を高速とした例を除いてすべて100%の剥
離率であった。即ち攪拌回転数が高速でも原料チーズの
熟度が20%以下であれば剥離率は100%である。上
記3要件のいずれかを具備しない比較例1−5ではいず
れも剥離性が悪く、0%であった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、原料チーズの熟度
、溶融塩及び製品水分を一定の範囲で調整することによ
り、他の別部材をまったく用いることなくスライスチー
ズ同士の剥離性を飛躍的に向上させることができる。 従って、スライス面に別の加工を施す必要がないので製
造工程を簡略化でき、又チーズの品質を何ら劣化させる
ことなく、風味の良好なスライスチーズを提供できる。 又、製造工程は一貫した連続工程とすることが可能で生
産効率上も向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融したチーズを冷却後、成形、スライスする
ための成形ノズルの模式図であり(a)は平面図、(b
)は側面図、(c)は正面図である。
【符号の説明】
1  裁断カッター(ピアノ線) 2  成形ノズル 3  ノズル出口 4  ユニオン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  熟度指標である酸可溶性窒素(STN
    )と全窒素(TN)の比STN/TNが22%以下であ
    る原料チーズからクリーミング作用の弱い溶融塩を用い
    て製造されたチーズであって、水分含量が48%以下で
    ある剥離性の良いスライスチーズ。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載のスライスチーズの製
    造方法であって、熟度指標である酸可溶性窒素(STN
    )と全窒素(TN)の比STN/TNが22%以下であ
    る原料チーズにクリーミング作用の弱い溶融塩を添加し
    、攪拌して加熱、融化、水分調整後、保形性維持が可能
    な温度まで冷却し裁断する工程を包含する剥離性の良い
    スライスチーズの製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1に記載のスライスチーズの成
    形及び縦方向(長手方向)スライスを行う成形ノズルで
    あって、裁断カッターがノズル出口から15mm以上内
    部に配置されていることを特徴とする成形ノズル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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