JPH04298698A - 液体ポンプ装置 - Google Patents

液体ポンプ装置

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JPH04298698A
JPH04298698A JP3063073A JP6307391A JPH04298698A JP H04298698 A JPH04298698 A JP H04298698A JP 3063073 A JP3063073 A JP 3063073A JP 6307391 A JP6307391 A JP 6307391A JP H04298698 A JPH04298698 A JP H04298698A
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JP
Japan
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liquid
seal
blood
bearing
sealing
Prior art date
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JP3063073A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Kijima
木島 利彦
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として血液等の生物学
的流体を送液するための液体ポンプ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血液及び血漿等の生物学的流体を搬送す
るターボ型ポンプ装置としては、米国特許番号第458
9822号、特公昭57−23114号などが知られて
いる。これらは何れも、ほぼ密閉状態でポンプチヤンバ
ー内に回転可能に保持される羽根車に、外部から回転力
を伝達するためのマグネツト継ぎ手装置がリツプシール
、フエースシール等のシール装置を介して接続されてい
る。羽根車を回転可能に保持するための軸受けは、ポン
プチャンバー外部の、上記のシール装置によりポンプチ
ヤンバーから隔絶された部位に、配設されており、マグ
ネット継ぎ手装置の回転軸の軸受けを兼用している。
【0003】また、米国特許番号第3608088号に
おいては、羽根車のある第1の送液チヤンバーと連通し
た羽根車下部の第2のチヤンバー内で、搬送液体である
血液によつて潤滑される動圧軸受によつて羽根車の回転
を支持することが提案されている。また、米国特許番号
第4135253号に於いては、羽根車のある第1のチ
ヤンバーと羽根車下部の第2のチヤンバーとをリツプシ
ールにより隔絶し、第2のチヤンバー内のマグネツト継
ぎ手装置と一体化された軸受を、送液チヤンバー内より
高い圧力で生理食塩水によつて還流することにより、リ
ツプシールからの血液の侵入を防ぐことが提案されてい
る。
【0004】また、特願昭59−503706号におい
ては、血液チヤンバー内に摩擦接触界面がないパージシ
ールにより軸受部への血液の侵入を防ぐことが提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記の米国特許番号第4589822号、特公昭57−2
3114号の様に、軸受部を血液成分から保護するため
にリツプシール等のシール装置のみを用いる構造のポン
プ装置に於ては、シール装置からの漏れが数時間程度で
始まり、軸受部に血液が侵入し、凝固することにより、
ポンプが停止してしまうと言う問題点がある。また、局
所的な熱発生の問題が生じ、このことがシール部での好
ましくない血栓形成を促進すると言う問題がある。
【0006】この様な問題点を解決する手段として、米
国特許番号第4589822号では、ポンプシール部に
ヒートシンク構造を付加し、さらにシール部周囲の血流
速度を高くする事が提案されている。この提案によれば
、シール部周囲の血液をなるべく凝固しにくくすること
ができるので、軸受けの回転不良を軽減することができ
ると共に、シール部での好ましくない血栓形成を抑制す
ることができ、シール不良を生じにくくすることができ
る。しかしながら、たとえ、シール部において、好まし
くない血栓形成が抑制できたとしても、リップシール等
のシール装置のみを用いたポンプ装置においては、多か
れ、少なかれ、血液成分のシール部への侵入を免れるこ
とはできず、本質的な問題解決とはならない。
【0007】また、米国特許番号第4135253号や
特願昭59−503706号に於ては、シール部に生理
食塩水等の無害な液体をパージ流体として供給する事に
より、熱発生及び血栓形成の問題を解決しようとしてい
るが、この様な構造のポンプ装置では使用開始時にパー
ジ流体回路も注意深くプライミングする必要があり、操
作や、管理が煩雑になるという問題点がある。
【0008】また、米国特許番号第3608088号に
開示されている提案においては、第2チヤンバー内の動
圧軸受の放熱効果が悪く、第2チヤンバー内の血液の入
れ替わりもわずかであるため、軸受内で血液が凝固しや
すいという問題点がある。従って、本発明の液体ポンプ
装置は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、操作や管理が容易で、血液成分の
シール部への侵入を、より確実に防止できるとともに、
シール部での放熱効果の高い液体ポンプ装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の液体ポンプ装置は、ポン
プ室内で回転することにより、該ポンプ室内の被送液体
の送液を行う回転体と、該回転体の回転軸を回転可能に
支持するための軸受けと、前記回転軸の軸線方向に並ん
で離間して配置され、前記軸受けを、前記ポンプ室から
二重に隔絶するための第1及び第2のシール手段と、前
記第1及び第2のシール手段の間に存在するシール空間
に、充填液体を供給するための供給ポートとを具備する
ことを特徴としている。
【0010】また、この発明に係わる液体ポンプ装置に
おいて、前記シール空間には、潤滑性の充填液体が、前
記供給ポートを介して供給され、前記供給ポートは、前
記充填液体の供給後、封止されることを特徴としている
。また、この発明に係わる液体ポンプ装置において、前
記被送液体は血液であって、前記シール空間には、血液
と共存し得る充填液体が、前記供給ポートを介して供給
され、前記供給ポートは、前記充填液体を継続的に供給
すべく、開放されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】以上の様にこの発明に係わる液体ポンプ装置は
構成されているので、第1のシール手段と第2のシール
手段の間のシール空間に潤滑性の液体を封入することに
より、シール手段のシール効果を高めることが出来ると
ともに、シール部での発熱を抑制して、好ましくない血
栓の形成を防止することが出来る。
【0012】また、シール空間に、血液と共存し得る液
体を継続的に供給することにより、シール部から、ポン
プ室内にこの液体が漏れ出し、血液が、この液体の流れ
に逆らって、シール空間内に侵入することを防止出来る
ので、シール手段のシール効果をより向上させることが
出来る。また、シール部の冷却効果も、さらに高めるこ
とが出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面を参照して詳細に説明する。図1は第1の実施例の液
体ポンプ装置の概略構造を示した図である。実施例の説
明においては、被送液体を血液として説明する。血液流
入口101、及び血液流出口102とを有する第1のハ
ウジング103と第2のハウジング104とによつて構
成されるポンプ室105内には、多極円盤状従動マグネ
ツト106を下部のシユラウド107内に埋設する羽根
車108が格納されている。この羽根車108は、第2
のハウジング104に固定されたシヤフト109と、シ
ユラウド107の中央部に配設されたボールベアリング
110とによつて、第2のハウジング104内で回転可
能に支持されている。そして、シュラウド107内のボ
ールベアリング110が装着されている部分と、ポンプ
室105とは2つのシールリップ111と112とを有
するシール部材113によつて隔絶されている。また、
シヤフト109のシールリップ111と112とにはさ
まれた部分には外部の液体供給装置203と接続可能な
潤滑液供給孔114が穿設されている。
【0014】一方、羽根車108を回転駆動するための
回転トルクは、外部のモータ115の回転軸と同軸に固
定された駆動マグネツト116から従動マグネツト10
6に伝達される。これにより、モータ115の回転に伴
って羽根車108が回転し、流入口101より吸入され
た血液は、羽根車108によつて遠心力を得て流出口1
02より流出する。なお、モータ115を、偏平型のス
テータコイルのみで構成し、従動マグネツト106をス
テータコイルにて直接駆動する偏平型ブラシレスモータ
構造とすることも可能である。
【0015】シャフト109に穿設された潤滑液供給孔
114は、シヤフト109の中心軸に沿って、ハウジン
グ104底部の延出部117の先端まで伸びている。そ
して、延出部117には、塩化ビニール、エチレンビニ
ルアルコール等の軟質樹脂製の導入管118が接続され
ており、この導入管118を経て外部から供給される、
グリセリン、シリコンオイル等の潤滑液は、潤滑液供給
穴114を通してシール部材113とシヤフト109に
囲まれたシール空間119に送り込まれる。潤滑液がシ
ール空間119に送り込まれた後、導入管118の先端
部はヒートシール等の手段により封止され、γ線滅菌が
施された後に、このポンプ装置は使用可能となる。また
、モータ115は、図示した様に、モータハウジング1
15aに固定された中心軸115b内に、この中心軸1
15bの軸線に沿って伸びる貫通穴120を有しており
、導入管118は、この貫通穴120を通して、モータ
115の外部にその先端部121を露出させている。
【0016】なお、この様に、潤滑液がシール空間11
9内及び導入管118内に密封されている状態では、第
1の実施例の液体ポンプ装置は、シール装置のみで軸受
を保護する形式の従来の血液ポンプ装置と類似の構造と
なる。したがって、血液が、シールリップ111、11
2とシャフト109の間を徐々に通過して、ボールベア
リング110が装着されている部分にまで漏れ込み、凝
固するため、上記の状態の液体ポンプ装置の耐久性は、
概略2日程度である。ただし、潤滑液がシール空間11
9内に密封されている上記の状態でも、潤滑液の種類に
よっては、シールリップのみでシールを行う場合に比べ
て、シール効果を向上させる作用があるので、従来の血
液ポンプ装置よりは、耐久性の向上を図ることができる
【0017】一方、導入管118の先端部121はモー
タ115の外部に露出しているので、この先端部121
をメス等で切断すれば、容易に導入管118の封止状態
を解除することができ、図2に示した様に、外部の液体
供給容器201と接続する事が出来る。この様な状態で
、液体供給容器201から、導入管118を通して、シ
ール空間119内に生理食塩水等の体内に連続注入する
ことが可能な液体202を、継続的に輸液すると、液体
202はシールリップ111とシャフト109との間か
らポンプ室105内へと漏れ出す状態となり、血液がシ
ール空間119内へ侵入することをより確実に防ぐ事が
出来る。また、シールリップ111、112とシャフト
109との間で生ずる摩擦熱を、生理食塩水等が持ち去
るので、シールリップ111、112とシャフト109
の接触部分での温度上昇を防ぐことができ、この部分で
の好ましくない血栓形成を防止することができる。その
ため、液体ポンプ装置の寿命は1週間程度にまで延長さ
れる。なお、液体供給装置203としては公知技術のロ
ーラポンプ、シリンジポンプなどが使用可能である。
【0018】また、輸液を行なわない場合は、前述した
様にシール空間119内にグリセリン、シリコンオイル
等の潤滑性に優れた液体を封入しておく事が、シールラ
インでの好ましくない発熱を避ける為に好ましいが、生
理食塩水などを輸液剤として用いる場合においても、生
理食塩水などは潤滑効果が少ないので、シールリップ1
12の潤滑を維持するために、シール部材113とボー
ルベアリング110の間の空間122にシリコングリー
ス、シリコンオイル等の潤滑剤を封入しておく事が好ま
しい。また、さらにボールベアリング110とキヤツプ
123に囲まれた空間124にも、同様の潤滑剤を封入
すれば更によい。
【0019】次に、図3は図1の第1の実施例のボール
ベアリング110を滑り軸受301で置き換えた第2の
実施例である。第2のハウジング104に固定されたシ
ヤフト302には、フランジ部材306、スぺーサー3
04、フランジ部材305が、この順番で挿入された状
態でナツト303により固定されている。この状態にお
いて、フランジ部材306と305とは、スぺーサー3
04により、シャフト302の長さ方向に所定距離を離
間して固定されており、このフランジ部材306と30
5の間には、羽根車308の中心部にインサート成形さ
れた回転部材307が保持されている。そして、この回
転部材307の内径は、スペーサー304の外形よりも
僅かに大きくされており、また、その長さは、スペーサ
ー304の長さよりも僅かに小さくされているので、回
転部材307は、フランジ部材306と305に挟まれ
た状態で、シャフト302の回りに回転可能となってい
る。従って、羽根車308は、シャフト302により、
第2のハウジング104に対して回転可能に支持されて
いる。
【0020】なお、この第2の実施例では、フランジ部
材306、305、スペーサー304、及び回転部材3
07により構成される滑り軸受301の周囲は、軸受潤
滑液309で満たされている必要がある。そのため、回
転部材307がインサート成形されたシユラウド311
の上部開口穴311aに接着または溶着等の方法により
、キャップ310を取りつけた後、軸受け潤滑液309
が、シヤフト302に設けられた潤滑液供給孔314と
連通した貫通孔312を通して、滑り軸受け301の周
囲に供給される。また、軸受潤滑液309を、シュラウ
ド311の上部開口穴311aから、滑り軸受け301
の周囲の空間に充填した後に、キャップ310をシュラ
ウド311に取りつける様にすれば、輸液である液体2
02と軸受潤滑液309との混合を避けることができる
。また、潤滑液供給孔314と連通しない、第2の貫通
孔をシャフト302に形成する様にしてもよい。
【0021】次に、図4は軸受部をモータ115側のハ
ウジング401に配設した、第3の実施例を示したもの
である。ハウジング401に、その外輪を固定されたボ
ールベアリング402の内輪には、ボルト403により
シヤフト404が固定されている。そして、このシャフ
ト404の先端部には、雄ネジ部404aが形成されて
おり、この雄ネジ部404aが羽根車シユラウド405
に形成された雌ネジ部405aにねじ込まれることによ
り、羽根車シュラウド405が、シャフト404に固定
される。これにより、羽根車シュラウド405は、ポン
プ室406内で回転可能に支持される。
【0022】一方、ポンプ室406とボールベアリング
402の境界には、第1のフェースシール機構415と
第2のフェースシール機構416が配設されている。第
1のフェースシール機構415は、シユラウド405に
固定された第1の弾性部材407とハウジング401に
固定された第1のカウンタフエース408にて構成され
ている。また、第2のフェースシール機構416は、シ
ヤフト404に固定された第2の弾性部材409とハウ
ジング401に固定された第2のカウンタフエース41
0にて構成されている。
【0023】そして、ハウジング401の、カウンタフ
エース408と410とに挟まれた部分には潤滑液供給
孔411が設けられている。潤滑液供給孔411はハウ
ジング401下部の延出部412の下端まで伸びており
、延出部412には導入管413が接続されている。 この導入管413は、図1に示した第1の実施例におけ
る導入管118と同様のものである。
【0024】図5は図4に示した第3の実施例に、潤滑
液排出孔501と潤滑液導出管502を追加した第4の
実施例である。図6は図1に示した第1の実施例に、潤
滑液排出孔601と潤滑液導出管602を追加した第5
の実施例である。図7は図1に示した第1の実施例にお
いて、シール部材113を、弾性部材701とカウンタ
フエース702で構成されるフエースシール705と、
1つのみのシールリップを有するシール部材703によ
つて置換した第6の実施例である。
【0025】図8は図1に示した第1の実施例において
、シール部材113を、ベロフラム801と摺動部材8
02とカウンタフェース803から成るメカニカルシー
ル806と、弾性部材804とカウンタフェース803
から成るフェースシール808とで置換した第7の実施
例である。メカニカルシール806は、アルミナ、Si
Cなどのセラミツクもしくはカーボンなどで成形された
摺動部材802が、同様の素材で成形されたカウンタフ
エース803に押しつけられるようにして構成されてい
る。また、フェースシール808は、弾性部材804が
カウンタフエース803に押しつけられる様にして構成
されている。なお、ベロフラム801はシリコンゴム等
で成形された弾性部材等で置換してもよい。また、カウ
ンタフエース803の材料としては、摩擦熱を血液に逃
がす為に熱伝導性の高いSiC、アルミナなどが特に好
ましく、できるだけ表面積も大きくする事が好ましい。
【0026】図9は図1に示した第1の実施例を変形し
た、第8の実施例である。そして、この第8の実施例に
おいては、血液流入口901の中心軸は羽根車902の
回転軸に対してほぼ垂直な平面内にある。流入口901
から流入した血液は、流入口901に連続的に形成され
るハウジング903に固定されたシヤフト904の周囲
を旋回しながら、羽根車902の周囲に移動し、遠心力
を得た後に流出口905から流出する。前記ハウジング
903に固定されたシヤフト904と、羽根車902の
下部シユラウド部906の中央部に配設されたボールベ
アリング907とによつて、羽根車902が回転可能に
支持されている。
【0027】ボールベアリング907とポンプ室908
とは、2つのシールリップ909と910とを有するシ
ール部材911によつて隔絶されており、シヤフト90
4のシールリップ909と910とにはさまれた部分に
は、外部の液体供給装置203と接続可能な潤滑液供給
孔912が穿設されている。潤滑液供給孔912はハウ
ジング903上部の延出部913の先端まで伸びており
、延出部913には導入管914が接続されている。
【0028】図10は軸受を流入口側のハウジング10
01内に配設した第9の実施例であり、ハウジング10
01に、その外輪を固定されたボールベアリング100
2の内輪には、ボルト1003によりシヤフト1004
が固定されている。そして、このシャフト1004の先
端部には、雄ネジ部1004aが形成されており、この
雄ネジ部1004aが羽根車シユラウド1005に形成
された雌ネジ部1005aにねじ込まれることにより、
羽根車シュラウド1005が、シャフト1004に固定
される。これにより、羽根車シュラウド1005は、ポ
ンプ室1006内で回転可能に支持される。
【0029】一方、ポンプ室1006とボールベアリン
グ1002の境界には、第1のシール部材1007と第
2のシール部材1008が配設されており、ハウジング
1001の、シール部材1007と1008に挟まれた
部分には、潤滑液供給孔1009が設けられている。潤
滑液供給孔1009はハウジング1001側面の延出部
1010の中心部を貫通して、延出部1010の先端ま
で伸びており、延出部1010には導入管1011が接
続されている。
【0030】以上説明した様に、上記の実施例に示した
液体ポンプ装置では、開心術、危険度の高いPTCA実
施時のサポート、心筋硬塞などの緊急時に経皮的に血液
循環を補助する緊急用補助循環システムなどの様な、せ
いぜい6時間程度までの短時間の血液循環に用いる場合
には、外部からの潤滑液導入管の先端を封止した状態、
すなわち2重のシール部材の間の空間(シール空間)に
潤滑液が密封された通常の状態で使用すればよく、従来
のシール装置のみを用いた血液ポンプ装置同様の簡単な
操作で用いることが出来る。
【0031】一方、開心術後の補助循環、心臓移植まで
の一時的な循環維持などの、連続1週間程度までの比較
的長時間の動作が必要とされる場合には、液体ポンプ装
置の外部に露出している、封止された潤滑液導入管の先
端部を切断し、この導入管を外部の液体供給装置に接続
するという簡単な操作を行い、2重のシール部材の間の
空間(シール空間)に生理食塩水等の無害な液体を供給
する様にすればよい。この様にすることにより、血液の
軸受け部への侵入をより確実に防ぐことができ、且つ軸
受け部での血栓形成も低減することができるので、液体
ポンプ装置の寿命を1週間程度まで伸ばすことができる
【0032】また、このとき、外部から供給する液体に
ヘパリン等の抗血液凝固剤を加えれば、軸受け部での血
栓形成防止効果を一層高めることができる。また、6時
間程度の短時間使用であれば、シール空間内への血液成
分の侵入は殆どなく、シール空間内で凝集塊を生じるこ
ともないため、必要に応じ、後から輸液操作を追加する
ことも可能である。
【0033】この様に上記実施例の液体ポンプ装置は非
常に融通性に富んでおり、数時間の開心術から、1週間
程度の循環維持までの殆ど全ての用途に対応した、血液
循環維持装置として使用する事が出来る。また、米国特
許番号第4135253号や特願昭59−503706
号に見られるような構造では、軸受部全体が輸液または
還流液(主に血液)中に浸されるため、軸受として炭素
クロム鋼等を用いた最も工業的に一般的なボールベアリ
ングを使用した場合、錆やボールベアリング等の潤滑剤
が血液中に混入するという問題が発生すると共に、ボー
ルベアリング自体の潤滑性も損なわれる等の問題が発生
する。
【0034】これに対し、上記実施例の液体ポンプ装置
では、シール空間のみを液体が通過する構造のため、こ
のような汎用ボールベアリングの使用が可能となるとい
う利点がある。次に、まとめとして、各実施例の特徴に
ついて述べる。まず、図1に示した第1の実施例におい
ては、軸受けに一般的な高炭素クロム鋼を用いたボール
ベアリングを使用した場合、シールリップからわずかに
にじみ出す水分等により、ボールベアリングの各部が錆
びる可能性が若干残されている。これに対し、図3に示
した第2の実施例においては、滑り軸受の素材として錆
びる心配のない、樹脂、セラミツク等を用いる事ができ
、従って錆の心配がなく、より信頼性の高い液体ポンプ
装置を提供することができる。
【0035】また、図4に示した第3の実施例では、軸
受部をハウジング内に収納しているため、羽根車シユラ
ウド内に軸受部を収納する第1の実施例にくらべ、ポン
プ室の体積を小さく設計する事が出来、よりコンパクト
な液体ポンプ装置を提供することができる。また、図1
に示した第1の実施例及び図4に示した第3の実施例で
は、輸液を行なった場合、あらかじめシール空間及び潤
滑液導入管に封入してある潤滑液を血液ポンプ室内に押
し出す事になる。このとき、潤滑液がグリセリン、生理
食塩水、ビタミンE等の血液に混入しても全く問題がな
い液体であれば、これら潤滑液が血液へ混入しても問題
を引き起こすことはない。
【0036】一方、潤滑液が、より潤滑性に優れたシリ
コンオイル等であった場合でも、シール空間内部の容積
が約2cc(軸径6mm、シール内径10mm、シール
間距離4mmとした場合)、また、シヤフト及び導入管
内の潤滑液の体積が約0.8cc(内径1mm、全長1
00mmとした場合)であることから考えると、血液に
混入する潤滑液の総量は、約3cc弱とわずかであり、
また、シール空間内の全ての潤滑液が一度にポンプ室内
に出て行くわけではないので、人体に害を及ぼす様なこ
とはないと考えられる。
【0037】しかしながら、たとえ、人体に害がないと
は言え、血液中に大量に混入した場合には、血管閉塞を
起こす可能性もあるシリコンオイル等の潤滑液を、少量
であっても、血液に混入させることはあまり好ましいこ
とではない。その点、図5、及び図6の実施例では、潤
滑液の排出孔を備えているので、輸液時にあらかじめシ
リコンオイル等を排出する事が可能となり、潤滑液が血
液中に混入することを防止できるので好ましい。
【0038】また、図7に示した第6の実施例及び図8
に示した第7の実施例では、シユラウドとハウジングの
間の空間にシール機構を配設しているため、軸方向に、
よりコンパクトな設計が可能となる。図8に示した第7
の実施例で用いたメカニカルシールは、弾性部材と硬質
部材の摩擦接触を用いたオイルシールなどに比べ、シー
ル性能が高いため、より確実なシール効果が得られると
いう利点もある。
【0039】図9に示した第8の実施例及び図10に示
した第9の実施例では、シール界面を流速が早く洗浄効
果が高い流入部に配置しているため、放熱効果も高く、
シール部の周囲で、血液の凝集塊が成長しにくいという
利点がある。また、潤滑液の導入管がモータ内部を通る
必要がないため、通常の中実構造のモータを用いる事が
出来るという利点もある。
【0040】なお、上記実施例では、被送液体が血液で
ある場合について説明したが、本発明は血液に限定され
ることはなく、熱により変性しやすい物質を含む液体で
あれば、どんな液体に適用してもよい。また、上記実施
例では、遠心式ポンプ装置を代表して説明したが、他の
ターボ型ポンプ装置である軸流型ポンプ装置等にも本発
明は適応可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の液体ポンプ
装置によれば、第1のシール手段と第2のシール手段の
間のシール空間に潤滑性の液体を封入することにより、
シール手段のシール効果を高めることが出来るとともに
、シール部での発熱を抑制して、好ましくない血栓の形
成を防止することが出来るという効果がある。
【0042】また、シール空間に、血液と共存し得る液
体を継続的に供給することにより、シール部から、ポン
プ室内にこの液体が漏れ出し、血液が、この液体の流れ
に逆らって、シール空間内に侵入することを防止出来る
ので、シール手段のシール効果をより向上させることが
出来る。また、シール部の冷却効果も、さらに高めるこ
とが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の液体ポンプ装置の概略構造を示
した図である。
【図2】液体ポンプ装置と外部の液体供給容器との接続
状態を示した図である。
【図3】第2の実施例の構成を示した図である。
【図4】第3の実施例の構成を示した図である。
【図5】第4の実施例の構成を示した図である。
【図6】第5の実施例の構成を示した図である。
【図7】第6の実施例の構成を示した図である。
【図8】第7の実施例の構成を示した図である。
【図9】第8の実施例の構成を示した図である。
【図10】第9の実施例の構成を示した図である。
【符号の説明】
105    ポンプ室 106    従動マグネット 108    羽根車 110    ボールベアリング 113    シール部材 114    潤滑液供給穴 115    モータ 118    導入管 119    シール空間 201    液体供給容器 203    液体供給装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポンプ室内で回転することにより、該
    ポンプ室内の被送液体の送液を行う回転体と、該回転体
    の回転軸を回転可能に支持するための軸受けと、前記回
    転軸の軸線方向に並んで離間して配置され、前記軸受け
    を、前記ポンプ室から二重に隔絶するための第1及び第
    2のシール手段と、前記第1及び第2のシール手段の間
    に存在するシール空間に、充填液体を供給するための供
    給ポートとを具備することを特徴とする液体ポンプ装置
  2. 【請求項2】  前記シール空間には、潤滑性の充填液
    体が、前記供給ポートを介して供給され、前記供給ポー
    トは、前記充填液体の供給後、封止されることを特徴と
    する請求項1に記載の液体ポンプ装置。
  3. 【請求項3】  前記被送液体は血液であって、前記シ
    ール空間には、血液と共存し得る充填液体が、前記供給
    ポートを介して供給され、前記供給ポートは、前記充填
    液体を継続的に供給すべく、開放されていることを特徴
    とする請求項1に記載の液体ポンプ装置。
JP3063073A 1991-03-27 1991-03-27 液体ポンプ装置 Pending JPH04298698A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008194482A (ja) * 1996-09-13 2008-08-28 Thoratec Corp 血液冷却軸受け付き移植可能電気軸流血液ポンプ
JPWO2013183114A1 (ja) * 2012-06-05 2016-01-21 広和エムテック株式会社 表層液回収装置

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