JPH0429808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、台所の流し上部などに設けられる
吊り戸棚に関するものである。

［従来の技術］ 従来、台所の壁面上部に吊り戸棚を設け、この
吊り戸棚に食器類を納めることによつて、台所の
上部空間を格納スペースとして利用し、乱雑にな
り勝ちな食器類などを整頓し格納している。そし
て吊り戸棚が上方に位置し格納する物品の出入れ
が行ない難い点を考慮して、第２図および第３図
に示すように、外箱ａの天板ｂに設けられた滑車
ｃにワイヤｄを掛け渡しこのワイヤｄにて中箱ｅ
を吊支して他端の重りとバランスさせ、引き降ろ
し可能にしたもの、また伸縮するパンタグラフｆ
にて棚ｇを昇降可能に吊支したものがあり、中箱
や棚を引き降ろし手前に位置させて物品の出入れ
が行ない易いように図られていた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、ワイヤやパンタグラフにて吊支
された中箱や棚を有する従来の吊り戸棚にあつて
は、ワイヤの一端に設けられた重りの昇降スペー
スや縮んだパンタグラフからの逃げを外箱内に設
けなければならず、必然的に外箱が大きくなり、
吊り戸棚全体が大形になつてしまう問題点があつ
た。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、上記した従来の欠点を考慮してな
されたもので、前面に取出口を有した収納体を、
壁面などに取着固定され前記収納体の背面に相対
した取付板が上下方向に移動可能に支持し、かつ
前記収納体を、取付板の上端から前方に張り出さ
れて収納体の上面に相対する庇板が下方に向けて
引き下ろし可能に吊支してなる昇降棚部を備え、
前記取付板は、該取付板の縦方向に亘つて、上部
及び下部がその端部方向に向かつて徐々に開いた
ガイドを有し、前記収納体は、該収納体の上面の
ガイドに対応する位置にバネ部材からなりこのガ
イドを摺接可能に挟持する挟持部を有することを
特徴とする吊り戸棚を提供して、従来の問題点を
解消するものである。

［作用］ この考案においては、収納体を上下方向に移動
可能に支持する取付板が収納体の背部に位置し、
かつ前記収納体を下方に向けて引き降ろし可能に
吊支する庇板が収納体の上部に位置して、収納体
を有する昇降棚部を小形にした。

［実施例］ つぎに、この考案を第１図に示す一実施例に基
づいて詳細に説明する。

図中１は台所の壁面上部などに取着固定される
吊り戸棚で、固定棚部２と昇降棚部３とを並設し
ていて、前記昇降棚部３は、第１図に示すよう
に、前面４０を取出口として開放した箱状の収納
体４と側面形状が略Ｌ字形状の支持体５とからな
るものである。

上記支持体５は、壁面に取着固定され収納体４
の背面に相対する取付板６とこの取付板６の上端
から前方に張り出し収納体４の上面と相対する庇
板７からなり、前記取付板６には収納体４との間
に介在するスライドレール６０のロアレール６１
が左右対にして取付けられ、該ロアレール６１そ
れぞれに対応して収納体４の背面に設けられたア
ツパーレール６２がロアレール６１に摺動自在に
装着されており、前記収納体４はスライドレール
６０を介して取付板６に上下方向に移動自在に支
持されているのである。

また取付板６の中央の縦方向に亘つてはガイド
６３が設けられている。前記ガイド６３は上端お
よび下端において徐々に開いた形状となつてお
り、このガイド６３を、収納体４の上面中央に位
置した一対のバネ板材４２からなる挟持部４１が
挟持し、前端のローラを介して当接している前記
バネ板材４２の押圧力によつて、上下方向に移動
する収納体４が上位停止地点および下位停止地点
に近くなつた場合に、ガイド６３の側面に案内さ
れて前記挟持部４１が開き収納体に対して制動力
が加わるように設けられている。前述したよう
に、収納体４と取付板６との間には細長いスライ
ドレール６０とガイド６３のみが配されていて、
収納体４と取付板６とは間隔を広くすることなく
近接配置されているのである。

上記庇板７には、帯体７１を収納体４の上面に
連結させた一対の定出力バネ７０が取付けられて
おり、この定出力バネ７０を介して収納体４が下
方に向けて引き降ろし可能に吊支されている。前
記収納体４が上位停止地点に位置している場合に
あつては、収納体の上面に設けられたタツチラツ
チ８が庇板７のフツク７２に着脱自在に係止して
収納体４を支持し、そして収納体４と庇板７との
間には定出力バネ７０が位置する空間だけとなつ
て近接しており、昇降棚部３全体の形状が小形に
保たれているのである。

なお上記一実施例においては、収納体１台を用
いているが、昇降棚部の奥行方向に２台またはそ
れ以上の収納体を配しそれぞれが引き降ろし可能
に構成されているものであつてもよい。。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案にれば、収納体
の背面に相対する取付板が収納体を上下方向に移
動可能に支持し、収納体の上面に相対する庇板が
収納体を引き降ろし可能に吊支することから、収
納体と庇板および取付板との間を広くせずに、収
納体をガタ付きなく下方へ引き降ろすことができ
るとともに、収納体が下方停止位置付近、上方停
止位置付近の近くまで来ると収納体に制動力が加
わつて緩やかに停止できる昇降棚部が得られて昇
降棚部の小形化が図れ、吊り戸棚全体形状を何ら
変更する必要がないなど、実用性にすぐれた効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る吊り戸棚の一実施例を
示す斜視図、第２図は従来例を示す説明図、第３
図は同じく他の従来例を示す説明図である。 １……吊り戸棚、２……固定棚部、３……昇降
棚部、４……収納体、５……支持体、６……取付
板、７……庇板、６０……スライドレール、７０
……定出力バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面に取出口を有した収納体を、壁面などに取
   着固定され前記収納体の背面に相対した取付板が
   上下方向に移動可能に支持し、かつ前記収納体
   を、取付板の上端から前方に張り出されて収納体
   の上面に相対する庇板が下方に向けて引き下ろし
   可能に吊支してなる昇降棚部を備え、 前記取付板は、該取付板の縦方向に亘つて、上
   部及び下部がその端部方向に向かつて徐々に開い
   たガイドを有し、前記収納体は、該収納体の上面
   のガイドに対応する位置にバネ部材からなりこの
   ガイドを摺接可能に挟持する挟持部を有すること
   を特徴とする吊り戸棚。