JPH04288452A - 冷凍機の運転方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍機の運転方法に関
する。なお、本明細書においては、冷凍機には、ヒート
ポンプをも包含するものとする。

【０００２】

【従来技術とその問題点】従来、冷凍機油としては、パ
ラフィン系、ナフテン系などの鉱油、アルキルベンゼン
系、エステル系などの合成油が知られている。これらの
油は、主にトリクロロフルオロメタン（フロン１１）、
ジクロロジフルオロメタン（フロン１２）などを冷媒と
する冷凍機に使用されている。しかしながら、近年大気
中に放出されら場合に、フロン１１およびフロン１２な
どの含塩素完全ハロゲン化炭化水素が成層圏のオゾン層
を破壊し、その結果、人類を含む地球上の生態系に重大
な悪影響を及ぼすことが指摘されている。従って、フロ
ン１１およびフロン１２などの特定のフロンについては
、国際的な取り決めにより、その使用および生産が制限
されるに至っている。

【０００３】フロン１１およびフロン１２に代るものと
して、ＣＨ２　ＦＣＦ３　（フロン１３４ａ）などの水
素含有フッ素化炭化水素が提案されている。これらは、
オゾン層を破壊するおそれはないが、従来の冷凍機油と
の相溶性が非常に低い。そのため、これらの水素含有フ
ッ素化炭素を冷媒とする冷凍機に従来の冷凍機油を適用
すると、冷凍機の冷却能力および成績係数が著しく低下
する。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記のよ
うな従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねてきた。 その結果、ヘキサフルオロプロピレンを冷媒とする冷凍
機において、特定の含ハロゲンポリエーテル油を冷凍機
油として使用する場合には、冷凍機の冷却能力および成
績係数が、フロン１２（冷媒）と鉱油系冷凍機油とを組
合わせて使用する従来技術に比しても、劣らないものと
なることを見出した。

【０００５】すなわち、本発明は、下記の冷凍機の運転
方法を提供するものである； １．　　蒸発温度が−２０〜２０℃で且つ凝縮温度が３
０〜６０℃の範囲内において、熱伝達用冷媒としてヘキ
サフルオロプロピレンを使用することを特徴とする冷凍
機の運転方法。

【０００６】２．　　冷凍機油として含ハロゲンポリエ
ーテル油を使用する上記項１に記載の冷凍機の運転方法
。

【０００７】３．　　含ハロゲンポリエーテル油が下記
一般式で示される繰返し単位を有する含ハロゲンポリエ
ーテルからなる上記項２に記載の冷凍機の運転方法；−
（ＣＨ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ａ−（ＣＨＣｌＣＦ２ＣＦ２
Ｏ）ｂ−（ＣＣｌ　２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｃ−（ＣＨＦＣ
Ｆ　２ＣＦ２Ｏ）ｄ−（ＣＦＣｌＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｅ−
（ＣＦ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｆ−［上記式中、ａ、ｂ、ｃ
、ｄ、ｅおよびｆは、それぞれ０または正の整数であっ
て、２≦ａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＋ｅ＋ｆ≦２００およびａ＋ｃ
＋ｄ＋ｆ≧１を満足する数である。］ ４．　　含ハロゲンポリエーテル油が下記一般式で示さ
れる繰返し単位を有するフルオロポリエーテルからなる
上記項２に記載の冷凍機の運転方法； −（ＣＦ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｌ−　（ＣＨＦＣＦ２ＣＦ
２Ｏ）ｍ−（ＣＨ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｎ−［上記式中、
ｌ、ｍおよびｎは、いずれも０以上の整数であって、 ２≦ｌ＋ｍ＋ｎ≦２００および ６０≦（ｍ＋２ｌ）／２（ｌ＋ｍ＋ｎ）×１００≦９５
を満足する数である。］本発明で使用するフルオロポリ
エーテル油としては、例えば、下記のものを挙げること
ができる。下記式中ａ乃至ｆに対応する（ａ）乃至（ｆ
）で示される繰り返し単位からなる群から選ばれた２〜
２００、好ましくは１０〜５０の繰り返し単位を有し、
繰り返し単位（ａ）、（ｃ）、（ｄ）および（ｆ）のう
ち少なくとも１種を含む含ハロゲンポリエーテル。

【０００８】 −（ＣＨ２　ＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ａ　−　　（ａ）−
（ＣＨＣｌＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｂ　−　　　　　　　
　（ｂ）−（ＣＣｌ２　ＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｃ　−（
ｃ）−（ＣＨＦＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｄ　−　　　　　
　　　　　（ｄ）−（ＣＦＣｌＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｅ
　−　　　　　　　　（ｅ）−（ＣＦ２　ＣＦ２　ＣＦ
２　Ｏ）ｆ　−　　（ｆ）繰り返し単位（ｂ）〜（ｆ）
の数が０である含ハロゲンポリエーテルおよびその製法
は、特開昭６０−１３７９２８号公報に記載され、繰り
返し単位（ｂ）、（ｃ）および（ｅ）の数が０である含
ハロゲンポリエーテルおよびその製法は、特開昭６０−
２０２１２２号公報に記載され、更に繰り返し単位（ｂ
）、（ｃ）および（ｅ）の少なくとも１つを含む含ハロ
ゲンポリエーテルおよびその製法は特開昭６１−１１３
６１６号公報に記載されている。例えば、繰り返し単位
（ｂ）〜（ｆ）の数が０である含ハロゲンポリエーテル
は、２，２，３，３−テトラフルオロオキセタンを、一
般には、開始剤（例えば、ハロゲン化アルカリ金属、強
いルイス酸性を示す化合物）の存在下に開環重合させる
ことにより製造できる。 繰り返し単位（ｂ）〜（ｆ）の少なくとも１つを含むハ
ロゲンポリエーテルは、先に得られた含ハロゲンポリエ
ーテルをフッ素化および／または塩素化することにより
、容易に製造できる。

【０００９】また、含ハロゲンポリエーテルは、特開平
１−８５２１８号に記載されているように、光カップリ
ングしたものでもよいし、特開平１−１３１１３２号に
記載されているように、末端基を変性したものでもよい
し、特願昭６３−９７６８２号に記載されているように
、ポリアルキレングリコール基を有するものでもよい。

【００１０】上記の含ハロゲンポリエーテルの中でも、
下記Ｉ）〜ＩＶ）のものが好ましい。これらは、冷媒と
して使用するヘキサフルオロプロピレンとの相溶性に特
に優れている。またこれらは体積固有抵抗が高くかつ誘
電率が低いため、電気絶縁性に優れ、漏電防止に有用で
ある。

【００１１】Ｉ）式（ｆ）−ＣＦ２　ＣＦ２　ＣＦ２　
Ｏ−で示される繰り返し単位を含む含フルオロポリエー
テル。 例えば、式 Ｆ−（ＣＦ２　ＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｎ　−ＣＦ２　Ｃ
Ｆ３　（ｎは２〜２００の整数を示す） で表わされるものを挙げることができる。

【００１２】ＩＩ）両末端の少なくとも一方に、置換基
として、

【００１３】

【化１】

【００１４】から選ばれた基を有する含ハロゲンポリエ
ーテル。

【００１５】ＩＩＩ）式 　　　　−（ＣＦ２　ＣＦ２　ＣＦ２　Ｏ）ｌ　−（Ｃ
ＨＦＣＦ　２　ＣＦ２　Ｏ）ｍ　−（ＣＨ２　ＣＦ２　
ＣＦ２　Ｏ）ｎ　−で示される繰り返し単位を含有し、
ｌ、ｍおよびｎが、いずれも０以上の整数であって、 ２≦ｌ＋ｍ＋ｎ≦２００、 ６０≦（ｍ＋２ｌ）／２（ｌ＋ｍ＋ｎ）×１００≦９５
の関係を満たす含ハロゲンポリエーテル。

【００１６】ＩＶ）上記ＩＩ）およびＩＩＩ）の条件を
満たす含ハロゲンポリエーテル。該ポリエーテルとして
は、例えば、式

【００１７】

【化２】

【００１８】（式中、ｌ、ｍおよびｎは上記に同じ。）
で表わされるものを挙げることができる。

【００１９】上記のポリエーテル油中では、ＩＩＩ）式
で表わされるものが最も好ましい。

【００２０】本発明では、使用する冷凍機油の性能に悪
影響を与えない範囲で、従来の冷凍機油を混合してもよ
い。これにより、コストを低下させることができる。特
に、適量混合の場合には、相互に不溶性の両者が、予想
外にも乳化して、広い温度範囲に亘って非常に安定な均
一層を形成することができる。そのため、この混合物を
本発明で使用する特定の冷媒と組み合わせて使用した時
に、冷凍機油として好ましく機能する。

【００２１】従来の冷凍機油としては、例えば、鉱油（
例えば、パラフィン系、ナフテン系など）、アルキルベ
ンゼン類、ポリブテン類、α−オレフィンオリゴマー類
、ポリアルキレングリコール類、ジエステル類、ポリオ
ールエステル類、リン酸エステル類、ケイ酸エステル類
、シリコーン類、ポリフェニルエーテル類などを挙げる
ことができる。

【００２２】本発明においては、冷媒としてヘキサフル
オロプロピレンを使用することを必須とする。ヘキサフ
ルオロプロピレンは、冷凍能力と成績係数とを総合的に
評価すると、冷媒として、フロン２２にも匹敵する優れ
た性能を備えている。ヘキサフルオロプロピレンは、冷
凍機油として使用する含ハロゲンポリエーテル油との相
溶性に優れており、−７０〜９５℃の温度範囲において
、均一に混り合い、層分離を生じない。また、冷凍機で
使用される各種の材料との反応性が極めて低い。さらに
、冷凍機で使用される各種材料との接触下での熱安定性
にも優れている。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、冷媒として使用するヘ
キサフルオロプロピレンと冷凍機油として使用するフル
オロポリエーテル油との相乗的効果により、下記の様な
顕著な効果が達成される。

【００２４】（１）ヘキサフルオロプロピレンは、塩素
および臭素を含まないので、オゾン層破壊問題を生じる
危険性はない。

【００２５】（２）ヘキサフルオロプロピレンは、冷凍
能力と成績係数とにおいてバランスのとれた冷媒として
の性質を発揮する。

【００２６】（３）ヘキサフルオロプロピレンは、冷凍
機油として使用する含ハロゲンポリエーテル油との相溶
性に優れている。

【００２７】（４）ヘキサフルオロプロピレンは、冷凍
機で使用される各種の材料との反応性が極めて低く、さ
らに、これら材料との接触下での熱安定性にも優れてい
るので、既存の冷凍機器において、材料の変更を行なう
ことなく、そのまま使用可能である。

【００２８】

【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。

【００２９】実施例１第１表に示す条件下にヘキサフル
オロプロピレンを冷媒とし、下記のフルオロポリエーテ
ル油を冷凍機油として冷凍機を２８５６時間運転した。 その結果を第１表にはフロン２２を基準とする冷凍能力
および成績係数（ＣＯＰ）として示す。

【００３０】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　第　　１　　表　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　蒸発温度　　　　
蒸発器出口　　　　凝縮温度　　　　凝縮器出口　　　
　　　冷凍能力　　ＣＯＰ（℃）　　　　　　過熱度（
℃）　　（℃）　　　　　　過冷却度（℃）　　　　（
％）　　（％）　　　　５　　　　　　　　　　８　　
　　　　　　　　５５　　　　　　　　　　６　　　　
　　　　　　　　８０　　　　１１０＊パーフルオロポ
リエーテル油： Ｆ−（ＣＦ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｎ−ＣＦ　２ＣＦ３［フ
ッ素系オイル、平均分子量４５００、商標名「デムナム
Ｓ６５」、ダイキン工業（株）製］参考例１ 相溶性 実施例１で使用したと同様のパーフルオロポリエーテル
油２０，５０および８０重量％とヘキサフルオロプロピ
レン８０，５０および２０重量％とをそれぞれ混合した
後、−７０〜９５℃の範囲で温度を変化させたが、完全
に相溶状態を維持し続けた。

【００３１】これに対し、パーフルオロポリエーテル油
に代えてナフテン系鉱油（スニン）或いはポリアルキレ
ングリコール系合成油（ＰＡＧ）を使用した場合には、
２成分が相互に分離してしまった。

【００３２】参考例２ 熱安定性 実施例１で使用したと同様のパーフルオロポリエーテル
油５重量％とヘキサフルオロプロピレン９５重量％との
混合物と鉄、アルミニウムまたは銅の試片（５ｍｍ×５
０ｍｍ×２ｍｍ）とをガラス管内に封入し、１２０℃で
３０日間加熱した後、混合物をイオンクロマトグラフで
分析し、フッ素イオンの溶出量によりパーフルオロポリ
エーテル油の熱安定性を評価した。

【００３３】いずれの金属の場合にも、フッ素イオンの
溶出量は、１ｐｐｍ以下であった。これは、フロン２２
とナフテン系鉱油との混合物による同様の試験における
フロン２２の熱安定性にほぼ等しい値であった。

【００３４】参考例３ ヘキサフルオロプロピレン（ＨＦＰＰ）を各種の高分子
材料約１ｇが全体に浸漬されるようにガラス管内に封入
し、５０℃で１４日間保持した後、材料の重量変化（％
）から膨潤率（重量増加）および抽出率（重量減少）を
測定した。

【００３５】第２表に膨潤率（上段）および抽出率（下
段）として結果を示す。第２表には、フロン１２および
フロン２２についての結果をも併せて示す。

【００３６】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　第　　２　　表　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　材　　　　　
　料　　　　　　　　　　フロン１２　　　　　　フロ
ン２２　　　　　　ＨＦＰＰニトリルゴム　　　　　　
　　　　　　　　　　１２．５　　　　　　１０４．４
　　　　　　　　２．７　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　−１．７　　　　　　　
　−４．０　　　　　　−０．２シリコンゴム　　　　
　　　　　　　　　　１０６．９　　　　　　　　７９
．２　　　　　　１４．４　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　−２．６　　　　　　
　　−２．０　　　　　　−１．０フッ素ゴム　　　　
　　　　　　　　　　　　　　２３．２　　　　　　　
　７３．９　　　　　　２３．７　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　−０．１　　　
　　　　　−４．４　　　　　　　　０アクリルゴム　
　　　　　　　　　　　　　　　２９．２　　　　　　
１６６．７　　　　　　　　５．８　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　−１．８　　
　　　　　　−１．９　　　　　　　　０．１ワニス　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１．
９　　　　　　　　１７．１　　　　　　　　２．４　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　−１．３　　　　　　　　　　０　　　　　　　　
　　−１．６ポリエステル糸　　　　　　　　　　　　
　　−８．６　　　　　　　　−４．２　　　　　　−
２．１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　−１０．５　　　　　　　　−８．８　　　　
　　−４．３ポリエステルフィルム　　　　　　　　　
　１．７　　　　　　　　　　９．０　　　　　　　　
０．８　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　　　　０　
　　　　　　　　　−０．３リード線　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　−１．５　　　　　　　　　
　０．１　　　　　　　　０．３　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　−２．４　　　
　　　　　−１．７　　　　　　−０．４　　第２表に
示す結果から、ヘキサフルオロプロピレンは、冷凍機で
汎用されている各種の材料に対する攻撃性が低いことが
明らかである。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　蒸発温度が−２０〜２０℃で且つ凝縮
   温度が３０〜６０℃の範囲内において、熱伝達用冷媒と
   してヘキサフルオロプロピレンを使用することを特徴と
   する冷凍機の運転方法。
2. 【請求項２】　　冷凍機油として含ハロゲンポリエーテ
   ル油を使用する請求項１に記載の冷凍機の運転方法。
3. 【請求項３】　　含ハロゲンポリエーテル油が下記一般
   式で示される繰返し単位を有する含ハロゲンポリエーテ
   ルからなる請求項２に記載の冷凍機の運転方法；−（Ｃ
   Ｈ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ａ−（ＣＨＣｌＣＦ２ＣＦ２Ｏ）
   ｂ−（ＣＣｌ　２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｃ−（ＣＨＦＣＦ　
   ２ＣＦ２Ｏ）ｄ−（ＣＦＣｌＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｅ−（Ｃ
   Ｆ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｆ−［上記式中、ａ、ｂ、ｃ、ｄ
   、ｅおよびｆは、それぞれ０または正の整数であって、
   ２≦ａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＋ｅ＋ｆ≦２００およびａ＋ｃ＋ｄ
   ＋ｆ≧１を満足する数である。］
4. 【請求項４】　　含ハロゲンポリエーテル油が下記一般
   式で示される繰返し単位を有するフルオロポリエーテル
   からなる請求項２に記載の冷凍機の運転方法；−（ＣＦ
   ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｌ−　（ＣＨＦＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｍ
   −（ＣＨ２ＣＦ２ＣＦ２Ｏ）ｎ−［上記式中、ｌ、ｍお
   よびｎは、いずれも０以上の整数であって、 ２≦ｌ＋ｍ＋ｎ≦２００および ６０≦（ｍ＋２ｌ）／２（ｌ＋ｍ＋ｎ）×１００≦９５
   を満足する数である。］