JPH04285164A - 潤滑性に優れた耐摩耗性TiまたはTi基合金部材 - Google Patents
潤滑性に優れた耐摩耗性TiまたはTi基合金部材Info
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- JPH04285164A JPH04285164A JP3072486A JP7248691A JPH04285164A JP H04285164 A JPH04285164 A JP H04285164A JP 3072486 A JP3072486 A JP 3072486A JP 7248691 A JP7248691 A JP 7248691A JP H04285164 A JPH04285164 A JP H04285164A
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑性に優れた耐摩耗
性Ti又はTi基合金部材に関し、特に耐摩耗性および
潤滑性等を高めることにより摺動機械部品等としても利
用できる様にしたTi又はTi基合金部材に関するもの
である。尚以下の説明ではTiを代表的にとりあげるが
、本発明は種々のTi基合金に対して同様に適用するこ
とができる。
性Ti又はTi基合金部材に関し、特に耐摩耗性および
潤滑性等を高めることにより摺動機械部品等としても利
用できる様にしたTi又はTi基合金部材に関するもの
である。尚以下の説明ではTiを代表的にとりあげるが
、本発明は種々のTi基合金に対して同様に適用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】Tiは、高融点,軽量,高強度等の特長
を有すると共に耐腐食性にも優れており、その特長を生
かすことのできる化学プラントや原子力プラント等の分
野における需要が次第に増加している。しかるにTiは
、鋼等に比べると摩耗し易いという欠点があり、特に無
潤滑状態での摩擦係数が大きい(0.5〜0.6 )為
、例えばTiを摺動部や他金属との接触部に使用すると
焼付きの問題が生じ、このことがTiを摺動機械部品等
の材料としての使用を妨げる原因となっている。尚潤滑
剤を使用することによって摩擦係数を下げることはでき
るが、長期の使用に耐えることができず、例えば自動車
部品としての使用には適さない。
を有すると共に耐腐食性にも優れており、その特長を生
かすことのできる化学プラントや原子力プラント等の分
野における需要が次第に増加している。しかるにTiは
、鋼等に比べると摩耗し易いという欠点があり、特に無
潤滑状態での摩擦係数が大きい(0.5〜0.6 )為
、例えばTiを摺動部や他金属との接触部に使用すると
焼付きの問題が生じ、このことがTiを摺動機械部品等
の材料としての使用を妨げる原因となっている。尚潤滑
剤を使用することによって摩擦係数を下げることはでき
るが、長期の使用に耐えることができず、例えば自動車
部品としての使用には適さない。
【0003】Tiの焼付きを防止するという観点から種
々の表面処理法が提案されており、その一例としては、
■ガス窒化法、■Crめっき法、■MoS2コーティン
グ法等の表面処理法を挙げることができる。これらの方
法は、他の分野でそれなりの成果をあげているにもかか
わらず、Ti表面の処理法としてはいくつかの問題があ
る。例えば■ガス窒化法では極めて長い処理時間を要す
るという欠点があり、また■Crめっき法の場合には、
Ti素地に対するめっき皮膜の密着性が悪いので、密着
性を高める為の前処理工程として下地めっきを施す必要
があり、工程が煩雑になると共に依然としてめっき皮膜
が剥離し易いという問題がある。さらに■MoS2コー
ティング法においても表面皮膜の密着性が悪いことが問
題点として挙げられ、MoS2は単なる潤滑剤としての
作用を発揮するにとどまる。
々の表面処理法が提案されており、その一例としては、
■ガス窒化法、■Crめっき法、■MoS2コーティン
グ法等の表面処理法を挙げることができる。これらの方
法は、他の分野でそれなりの成果をあげているにもかか
わらず、Ti表面の処理法としてはいくつかの問題があ
る。例えば■ガス窒化法では極めて長い処理時間を要す
るという欠点があり、また■Crめっき法の場合には、
Ti素地に対するめっき皮膜の密着性が悪いので、密着
性を高める為の前処理工程として下地めっきを施す必要
があり、工程が煩雑になると共に依然としてめっき皮膜
が剥離し易いという問題がある。さらに■MoS2コー
ティング法においても表面皮膜の密着性が悪いことが問
題点として挙げられ、MoS2は単なる潤滑剤としての
作用を発揮するにとどまる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした事情
に着目してなされたものであって、簡素な工程で短時間
に処理を完了することができ、しかもTi素地との密着
性に優れた表面処理層を形成することができるような技
術、殊にそのような表面処理層を形成することによって
得られる潤滑性および耐摩耗性の優れたTi部材を提供
することを目的とするものである。
に着目してなされたものであって、簡素な工程で短時間
に処理を完了することができ、しかもTi素地との密着
性に優れた表面処理層を形成することができるような技
術、殊にそのような表面処理層を形成することによって
得られる潤滑性および耐摩耗性の優れたTi部材を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして上記目的を達成
した本発明のTi部材は、Ti(又はTi基合金)部材
の表面に、Crイオンをイオン注入し、TiまたはTi
基合金の表層部にCr濃度富化層を形成したものである
点に要旨を有するものである。
した本発明のTi部材は、Ti(又はTi基合金)部材
の表面に、Crイオンをイオン注入し、TiまたはTi
基合金の表層部にCr濃度富化層を形成したものである
点に要旨を有するものである。
【0006】
【作用】本発明で利用されるイオン注入の手法は、加速
された高エネルギーのイオンを目的深さまで打ち込んで
Ti部材の表面を改質するものであり、半導体分野にお
ける不純物ドーピング手段として利用されている他、鋼
を中心とする金属材料の表面改質にもその適用が進めら
れているが、半導体分野を除けばこれまでのところ実用
化はあまり進んでいない。
された高エネルギーのイオンを目的深さまで打ち込んで
Ti部材の表面を改質するものであり、半導体分野にお
ける不純物ドーピング手段として利用されている他、鋼
を中心とする金属材料の表面改質にもその適用が進めら
れているが、半導体分野を除けばこれまでのところ実用
化はあまり進んでいない。
【0007】本発明に係るTi部材は、このようなイオ
ン注入の手法をTi部材の表面改質に利用したものであ
り、Ti部材表層部にはイオン注入によって非熱平衡物
質層が形成される。即ちこれまで行なわれてきた熱プロ
セスによる合金化や表面処理では、熱的平衡状態にある
合金層あるいは表面皮膜が形成され、該合金層は熱平衡
物質層であるが故にその物性改造にも自ずから限度があ
った。これに対し本発明では非熱平衡物質層を形成する
ことにより、非熱平衡状態に基づくストレスに起因して
、熱平衡物質からは予測できない特性を得ることができ
る。換言すればイオン注入される元素と同じ元素を添加
したTi合金を形成しても本発明Ti部材のような耐摩
耗性の発揮は期待することができないのである。
ン注入の手法をTi部材の表面改質に利用したものであ
り、Ti部材表層部にはイオン注入によって非熱平衡物
質層が形成される。即ちこれまで行なわれてきた熱プロ
セスによる合金化や表面処理では、熱的平衡状態にある
合金層あるいは表面皮膜が形成され、該合金層は熱平衡
物質層であるが故にその物性改造にも自ずから限度があ
った。これに対し本発明では非熱平衡物質層を形成する
ことにより、非熱平衡状態に基づくストレスに起因して
、熱平衡物質からは予測できない特性を得ることができ
る。換言すればイオン注入される元素と同じ元素を添加
したTi合金を形成しても本発明Ti部材のような耐摩
耗性の発揮は期待することができないのである。
【0008】ところでTi部材の特性を改善するに当た
ってはTi部材にイオン注入を行ないさえすれば良いと
言うものではなく、改善しようとする特性に合せて特定
の元素イオンを注入する必要がある。即ち本発明におい
ては、種々の元素イオンについてイオン注入実験を重ね
た結果、Ti部材の耐焼き付き性を改善する為には、C
rイオンを注入する必要があることを知った。尚Ti部
材にCrイオンを注入することにより形成される非熱平
衡状態の具体的な物性の変化としては、■表面硬度が上
昇する、■摩擦係数が低下する、■摩耗の際の相手材と
の凝着現象が緩和される、■イオン注入時のスパッタに
よって表面が清浄化される、■摩擦時の表面酸化挙動が
変化する等の現象をあげることができる。
ってはTi部材にイオン注入を行ないさえすれば良いと
言うものではなく、改善しようとする特性に合せて特定
の元素イオンを注入する必要がある。即ち本発明におい
ては、種々の元素イオンについてイオン注入実験を重ね
た結果、Ti部材の耐焼き付き性を改善する為には、C
rイオンを注入する必要があることを知った。尚Ti部
材にCrイオンを注入することにより形成される非熱平
衡状態の具体的な物性の変化としては、■表面硬度が上
昇する、■摩擦係数が低下する、■摩耗の際の相手材と
の凝着現象が緩和される、■イオン注入時のスパッタに
よって表面が清浄化される、■摩擦時の表面酸化挙動が
変化する等の現象をあげることができる。
【0009】またイオン注入では高エネルギーイオンを
Ti部材の表層部に強制的に添加するが、表面層に別物
質層が形成される訳ではないので、注入層と基材層はマ
トリックス構造が同じである。従ってめっき等の表面処
理のように基材と異なる材質の皮膜を密着させる場合と
異なり、イオン注入表層部の基材層との一体性は極めて
良好であり、摩擦状態下でも剥離することがない。
Ti部材の表層部に強制的に添加するが、表面層に別物
質層が形成される訳ではないので、注入層と基材層はマ
トリックス構造が同じである。従ってめっき等の表面処
理のように基材と異なる材質の皮膜を密着させる場合と
異なり、イオン注入表層部の基材層との一体性は極めて
良好であり、摩擦状態下でも剥離することがない。
【0010】本発明に係るTi部材は上記作用効果を奏
するものであるが、これらの効果を得るにはCrイオン
を5×1015イオン/cm2以上注入することが望ま
れる。 一方過剰に注入しても処理時間が長くなるだけで耐摩耗
性等が一定以上に向上することはないので注入量は合計
で1×1019イオン/cm2以下に抑えることが望ま
しい。
するものであるが、これらの効果を得るにはCrイオン
を5×1015イオン/cm2以上注入することが望ま
れる。 一方過剰に注入しても処理時間が長くなるだけで耐摩耗
性等が一定以上に向上することはないので注入量は合計
で1×1019イオン/cm2以下に抑えることが望ま
しい。
【0011】
【実施例】実験1
表1に示す各種イオン注入Ti部材についてボール・オ
ン・プレート型摩耗試験装置を用いて摩耗試験を行ない
、動摩擦係数および相対的な摩耗量を比較したところ、
表1に併記する様な結果が得られた。摩耗条件はアルミ
ナ,鋼およびTiを相手材とし、荷重1kgf で空気
中で試験を行なった。尚摩耗量は、イオン未注入材の摩
耗量を1として相対摩耗量を算出した。
ン・プレート型摩耗試験装置を用いて摩耗試験を行ない
、動摩擦係数および相対的な摩耗量を比較したところ、
表1に併記する様な結果が得られた。摩耗条件はアルミ
ナ,鋼およびTiを相手材とし、荷重1kgf で空気
中で試験を行なった。尚摩耗量は、イオン未注入材の摩
耗量を1として相対摩耗量を算出した。
【0012】
【表1】
【0013】実験2
Crのイオン注入量を変化させた場合に、イオン注入量
と相対摩耗量との関係を求めたところ、図1に示す結果
が得られた。図1に示されるようにイオン注入量が増加
するに従って相対摩耗量は減少していくが、その傾向が
顕著に現われるのはイオン注入量が1×1016イオン
/cm2となる付近からであり、1×1017イオン/
cm2以上ではその効果は飽和していることが分かった
。
と相対摩耗量との関係を求めたところ、図1に示す結果
が得られた。図1に示されるようにイオン注入量が増加
するに従って相対摩耗量は減少していくが、その傾向が
顕著に現われるのはイオン注入量が1×1016イオン
/cm2となる付近からであり、1×1017イオン/
cm2以上ではその効果は飽和していることが分かった
。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
潤滑性および耐摩耗性に優れ、焼き付きに対して優れた
耐久性を示すTi(又はTi基合金)部材を得ることが
できる。かくして耐食性に優れたTi部材を従来適用困
難であった摺動機械部品等の用途にも適用することがで
きるようになった。
潤滑性および耐摩耗性に優れ、焼き付きに対して優れた
耐久性を示すTi(又はTi基合金)部材を得ることが
できる。かくして耐食性に優れたTi部材を従来適用困
難であった摺動機械部品等の用途にも適用することがで
きるようになった。
【図1】イオン注入量と相対摩耗量の関係を示すグラフ
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 TiまたはTi基合金部材の表面に、
Crイオンをイオン注入し、TiまたはTi基合金の表
層部にCr濃度富化層を形成したものであることを特徴
とする潤滑性に優れた耐摩耗性Ti又はTi基合金部材
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3072486A JPH04285164A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | 潤滑性に優れた耐摩耗性TiまたはTi基合金部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3072486A JPH04285164A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | 潤滑性に優れた耐摩耗性TiまたはTi基合金部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285164A true JPH04285164A (ja) | 1992-10-09 |
Family
ID=13490702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3072486A Pending JPH04285164A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | 潤滑性に優れた耐摩耗性TiまたはTi基合金部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04285164A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61250169A (ja) * | 1985-04-26 | 1986-11-07 | Tech Res Assoc Highly Reliab Marine Propul Plant | 往復動内燃機関用平軸受 |
JPS6252217A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-06 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 軸受 |
JPS62174377A (ja) * | 1986-01-24 | 1987-07-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | タ−ビン翼 |
JPH01156457A (ja) * | 1987-12-11 | 1989-06-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | チタン製品の表面硬化方法 |
-
1991
- 1991-03-11 JP JP3072486A patent/JPH04285164A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61250169A (ja) * | 1985-04-26 | 1986-11-07 | Tech Res Assoc Highly Reliab Marine Propul Plant | 往復動内燃機関用平軸受 |
JPS6252217A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-06 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 軸受 |
JPS62174377A (ja) * | 1986-01-24 | 1987-07-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | タ−ビン翼 |
JPH01156457A (ja) * | 1987-12-11 | 1989-06-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | チタン製品の表面硬化方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19981124 |