JPH04279697A - 樹脂摺動部材 - Google Patents

樹脂摺動部材

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JPH04279697A
JPH04279697A JP6778091A JP6778091A JPH04279697A JP H04279697 A JPH04279697 A JP H04279697A JP 6778091 A JP6778091 A JP 6778091A JP 6778091 A JP6778091 A JP 6778091A JP H04279697 A JPH04279697 A JP H04279697A
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Yoshikuni Akiyama
義邦 秋山
Takaaki Miyoshi
貴章 三好
Yoshio Ota
佳生 大田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動性、ウェルド強度
、耐熱性に優れ、電気・電子分野、自動車分野、各種工
業材料分野で利用できる樹脂摺動部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは機械的性質、
電気的性質、耐熱性に優れ、吸水性が低くかつ寸法安定
性に優れるため、例えば工業部品、電気・電子部品、事
務機器、ハウジング、自動車部品、精密部品などの各種
用途に実用化されている。
【0003】しかしながら、これら実用化されているポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物は非結晶性樹脂の欠
点ともいえる自己潤滑性が悪く、動摩擦係数が高いため
、摩擦熱により溶融し、軸受、ギアー等の接触・回転等
の部位をもつ摺動部材として使用できない欠点を有して
いる。このため、例えば、特開昭50−22040号公
報では、ポリフェニレンエーテルに鉱油等を添加するこ
とにより摺動性を改良する提案がなされているものの、
成形物表面に銀条痕が発生し、実用に耐えないのが現状
である。また、特開昭61−185560号公報には、
ポリフェニレンエーテル系樹脂にチタン酸カリウムウィ
スカー及び粉末状高密度ポリエチレンを含む組成物が耐
摩粍性に優れた摺動部材用樹脂組成物を与える旨の提案
があるが、ここで得られる組成物の成形体は極度な層剥
離現象が起こるほかに、連続摩擦走行試験後の摩擦面に
変形(窪み)を生ずるのが現状である。
【0004】さらに、特開昭62−141062号公報
には、ポリフェニレンエーテル系樹脂とアルキルジフェ
ニルエーテルからなる樹脂組成物が提案され、動摩擦係
数の低下、限界PV値の向上が見られるものの添加剤に
起因した耐熱性の低下があり、連続摩擦走行試験中に溶
融現象が起こり、摩擦摩粍量も多くなり実用に耐えない
のが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、先行技術
で見られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の摺動
性の改良は、ポリフェニレンエーテルに動摩擦係数の低
い樹脂や滑剤等を配合することで達成しようとする試み
がなされているが、その成形体としての性能は不充分で
ある。なかでも、ポリフェニレンエーテルにポリフェニ
レンエーテルよりも動摩擦係数が低い高密度ポリエチレ
ンを配合し、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の摺動性を改良しようとする手段は容易に類推でき
、かつ合理的な手法であるものの、現実的にはポリフェ
ニレンエーテルと高密度ポリエチレンからなる樹脂組成
物の成形体は各々の成分が非相溶であることに起因して
層剥離現象が著しく起こり、各種工業製品の高度化して
いる樹脂摺動部材の要求性能に対応できていない問題点
を残している。
【0006】本発明の目的は、上記した先行技術では達
成できなかったポリフェニレンエーテルとポリオレフィ
ンを含んだ樹脂組成物の層剥離を改良し、ウェルド強度
、耐熱性、摺動性に優れた樹脂摺動部材を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、ポリフェニレンエーテルに高摺動性を付
与させるため、動摩擦係数の低いポリオレフィンとポリ
フェニレンエーテルから成る樹脂摺動部材に関して鋭意
検討を重ねた結果、分散相を形成するポリオレフィンお
よびコンパティビライザーを特定の分散状態に制御する
ことにより、層剥離を改良し、摺動性、ウェルド強度、
耐熱性、耐衝撃性に優れた樹脂摺動部材をもたらすこと
を見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は:樹脂摺動部材が、(
a) 連続相がポリフェニレンエーテルであって、(b
) 分散相が■  実質的に短軸径0.5μm以下で分
散したポリオレフィン外層に、ビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物共重合体およびビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物共重合体の水素添加物から選ばれる少な
くとも1種の共重合体が凝集し、かつ、■  該共重合
体が単独で実質的に短軸径0.3μm以下で分散してい
ることを特徴とする樹脂摺動部材を提供するものである
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。ここで
実質的に短軸径が0.5μm以下とは、透過型電子顕微
鏡で撮影した40,000倍写真(18cm×25cm
)をもとに短軸径の最大値を測定して計算し、その90
%以上が0.5μm以下の短軸径で分散していることを
いう。また同様に、実質的に短軸径0.3μm以下で分
散しているという意味も、上記と同様にして定義される
ものである。
【0010】本発明の樹脂摺動部材の連続相を形成する
ポリフェニレンエーテル(以下、単にPPEと略記)は
、結合単位:
【化1】 (ここで、R1 、R2 、R3 、およびR4はそれ
ぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級また
は第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基
、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なくと
も2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てて
いるハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択されるも
のであり、互いに同一でも異なっていてもよい。)から
なり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、
30℃測定)が0.15〜0.70の範囲、より好まし
くは0.20〜0.60の範囲にあるホモ重合体および
/または共重合体である。
【0011】このPPEの具体的な例としては、例えば
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル
)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,
4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−
1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2
,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば
、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6
−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニ
レンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0012】かかるPPEの製造方法は公知の方法で得
られるものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、米国特許第3,306,874号明細書記載のHa
yによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒とし
て用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合するこ
とにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,
306,875号明細書、同第3,257,357号明
細書、および同第3,257,358号明細書、特公昭
52−17880号公報および特開昭50−51197
号公報及び同63−152628号公報等に記載された
方法で容易に製造できる。
【0013】また、本発明で用いるPPEは、上記した
PPEのほかに、該PPEとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在
下で溶融状態、溶液溶解状態、スラリー状態で80℃〜
350℃の温度下で反応させることによって得られる公
知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導
体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)PPE
であってもよく、さらに上記したPPEと該変性PPE
の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0014】そして、さらに、9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナントレンをPPE1
00重量部に対し0.2〜5重量部添加し、溶融混練し
たリン化合物処理PPEも色調に優れたPPEとして供
することができる。
【0015】つぎに、本発明の樹脂摺動材の分散相を形
成するポリオレフィンは、通常の成形材料として用いら
れる数平均分子量が30,000以上のポリオレフィン
であり、例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、密度0.90未満の超低密度ポリエチレン、
アイソタクチックポリプロピレンや、エチレン、プロピ
レン、他のα−オレフィン、不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体の中から選ばれる2種以上の化合物の共重合体
、例えばエチレン/ブテン−1共重合体、エチレン−(
メタ)アクリル酸エステル共重合体、プロピレン/エチ
レン(ランダム、ブロック)共重合体、プロピレン/1
−ヘキセン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体、およびポリ(4−メチル−1−ペンテ
ン)、ポリブテン−1等を挙げることができ、これらは
1種のみならず2種以上を併用することができる。
【0016】これらのポリオレフィンのうち、ポリエチ
レンが好ましく、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリ
エチレンが好ましい。
【0017】つぎに、本発明の樹脂摺動部材の分散相を
形成するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合
体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合体の
水素添加物(以下、コンパティビライザーと略記)は、
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物を共重合して得
られる共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合
物を共重合して得られる共重合体の水素添加物(共重合
した共役ジエン化合物に基づくオレフィン性二重結合の
少なくとも50%以上、好ましくは80%以上が水素添
加されている)であり、これらの少なくとも1種が用い
られる。
【0018】このコンパティビライザーの共重合形態と
して、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト
共重合体およびこれらの組合せが挙げられ、中でもブロ
ック共重合体が好ましい。このコンパティビライザーを
構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブ
チルスチレン、ジフェニルエチレン等のうちから1種ま
たは2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。 また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン
、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以
上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれ
らの組合せが好ましい。
【0019】このようなコンパティビライザーの一例と
しては、アニオン重合して得られるスチレン−ブタジエ
ン共重合体、さらにこのスチレン−ブタジエン共重合体
の水素添加物が挙げられ、これらは、例えば、英国特許
第1,130,770号明細書および米国特許第3,2
81,383号明細書および同第3,639,517号
明細書に記載された方法や英国特許第1,020,72
0号明細書および米国特許第3,333,024号明細
書および同第4,501,857号明細書に記載された
方法で容易に製造できる。
【0020】これらのコンパティビライザーのうち、ヤ
ング率が1,500 Kg/cm2 以上のビニル芳香
族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、ヤング
率が1,500 Kg/cm2 以上のビニル芳香族化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物
が好ましい。このコンパティビライザーとしては、例え
ば、旭化成工業株式会社より「タフプレン」、「ソルプ
レン」、「タフデン」、「アサプレン」、「タフテック
」という商品名で市販されているものを用いることがで
きる。
【0021】本発明は前述のとおり、以下の特徴をもつ
樹脂摺動部材である。 (a) 連続相がポリフェニレンエーテルであって、(
b) 分散相が■  実質的に短軸径0.5μm以下で
分散したポリオレフィン外層に、ビニル芳香族化合物−
共役ジエン化合物共重合体およびビニル芳香族化合物−
共役ジエン化合物共重合体の水素添加物から選ばれる少
なくとも1種の共重合体が凝集し、かつ、■  該共重
合体が単独で実質的に短軸径0.3μm以下で分散して
いる構造をもつことを特徴とする。
【0022】このような特殊なモルフォロジーを示すこ
とにより、本発明の樹脂摺動部材は前述の優れた効果を
達成するが、樹脂摺動部材を構成する各成分の量比は、
好ましくは以下のごとく選ばれる(ただし、これに限ら
れるわけではない)。すなわち、通常、上記のポリオレ
フィンを20重量%未満、ビニル芳香族化合物−共役ジ
エン化合物共重合体およびビニル芳香族化合物−共役ジ
エン化合物共重合体の水素添加物から選ばれる少なくと
も1種の共重合体を50重量%以下、ポリフェニレンエ
ーテルを20〜95重量%含んだ樹脂摺動部材であり、
中でもポリオレフィンを3〜15重量%、ビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物共重合体およびビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物から選
ばれる少なくとも1種の共重合体を10〜45重量%、
ポリフェニレンエーテルを90〜25重量%含んだもの
は、耐熱性、摺動性に優れた樹脂摺動部材となり得る。
【0023】このように、本発明の樹脂摺動部材は、2
種の分散相(上記の■および■)を有するものであるが
、かかる特徴の中で、コンパティビライザーであるビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合体およびビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加
物から選ばれる少なくとも1種がマトリックスを形成す
るPPE中に単独で実質的に短軸径0.3μm以下、好
ましくは0.1μm以下で分散することによりウェルド
ラインをもつ樹脂摺動部材のウェルド強度に多大な良い
結果をもたらす。
【0024】しかしながら、かかるポリオレフィンの短
軸径分散が実質的に0.5μmを越えたり、あるいは単
独で分散するコンパティビライザーの短軸径分散が実質
的に0.3μmを越える樹脂摺動部材は、層剥離が顕著
に見られ、ウェルド強度が低下し実用に耐えない。なお
、PPE中に分散相を形成するポリオレフィンおよびコ
ンパティビライザーの分散状態は、通常、電子顕微鏡で
容易に確認することができ、これらの分散相は(長軸径
/短軸径)≧1の分散を示し、具体的には長軸径=短軸
径の時には円状の分散形態、そのほかに(長軸径/短軸
径)>の時に、ラメラ構造の分散形態、またはフィブリ
ル構造の分散形態をとる。
【0025】また、実質的に短軸径0.5μm以下で分
散したポリオレフィン外層に凝集したコンパティビライ
ザーの状態も同様に電子顕微鏡で容易に確認できる。本
発明で凝集とは、具体的には、かかるコンパティビライ
ザーが分散したポリオレフィンを微粒子状で取り囲んだ
分散形態や、コンパティビライザーがポリオレフィン外
周層を層状で取り囲んだ分散形態を意味するものであり
、これらの形態に付け加えて、コンパティビライザーが
ポリオレフィンに融け込んでいても良い。本発明の樹脂
摺動部材は、電子顕微鏡で確認することができる上述の
これらの形態の1種または2種以上からなることを特徴
とする。
【0026】以下、本発明の樹脂摺動部材をなす樹脂組
成物の製造方法について説明する。この本発明の樹脂摺
動材を得るためには、当然ながら、提供するポリフェニ
レンエーテル種、ポリオレフィン種、コンパティビライ
ザー種の選択、提供する各素材の量比関係の選択および
溶融混合条件等の選択が重要となるが、得られる樹脂摺
動部材の層剥離、ウェルドラインを持つ樹脂摺動部材の
ウェルド強度を格段に改良するには、樹脂摺動部材をな
す樹脂組成物において、分散層であるポリオレフィンお
よびコンパティビライザーが上記した特定の微分散構造
をもたなければならない。
【0027】かかる本発明の樹脂摺動部材をなす樹脂組
成物の分散状態を得る方法は; ■  上記した各成分を溶融混練するための溶融混練機
が、ニーディングブロックをスクリューの任意の位置に
組み込むことが可能な二軸以上の多軸押出機であり、用
いるスクリューの全ニーディングブロック部分を実質的
に(L/D)≧1.5、さらに好ましくは(L/D)≧
5〔ここでLは、ニーディングブロックの長さ、Dはニ
ーディングブロックの最大外径を表す〕に組み込み、か
つ(π・d・N/h)≧50〔ここでπ;3.14、d
;メタリングゾーンに相当するスクリュー外径、N;ス
クリュー回転数(回転/秒)、h;メタリングゾーンの
溝深さ〕を満たし、そしてさらに
【0028】■  上記した各成分を、同時に押出機に
供給し、かつ、■で示したニーディングブロック部分を
組み込んだ位置に該当する押出機のバレル設定温度をP
PEのガラス転移温度(約210℃)以下にして溶融混
練する必要がある。これら■、■に加えて、コンパティ
ビライザーとして、少なくともヤング率1,500 K
g/cm2 以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン化
合物共重合体、および少なくともヤング率1,500 
Kg/cm2 以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン
化合物共重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1
種の共重合体を選択することにより、本発明の樹脂摺動
部材をなす樹脂組成物を望ましく得ることができる。
【0029】このような条件で製造した樹脂摺動部材を
なす樹脂組成物は、層剥離やウェルド強度が大幅に改良
されるため、樹脂摺動部材として好ましく活用できる。 本発明の樹脂摺動部材では、上記の成分のほかに、本発
明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他
の付加的成分、例えば、ポリスチレン系樹脂(ポリスチ
レン、ハイインパクトポリスチレン等)や、酸化防止剤
、耐候性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤
、無機または有機の充填材や補強材(ガラス繊維、カー
ボン繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、炭酸カルシウ
ム、チタン酸カリウム、ワラストナイト等)、難燃化剤
、可塑剤(トリフェニルフォスフェート等のリン系化合
物等)、各種着色剤、帯電防止剤、離型剤等を添加して
もかまわない。
【0030】本発明の樹脂摺動部材は、ポリフェニレン
エーテル中に分散したポリオレフィン、コンパティビラ
イザーが、上記した特定の微分散状態を示すものであれ
ば、いかなる成形方法で得られた樹脂摺動部材であって
もよく、例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形、中空
成形等により各種部品の樹脂摺動部材として得ることが
できる。これら各種部品として、例えば、ギア、カム、
ガイドレール、キャリッジ、スイッチ部品、ブッシング
、ベアリング、スリーブ、スリップシリンダー、キート
ップ等の構造材および機構材として好適に使用でき、さ
らには、ここに記載した以外の各種部品の摺動部材とし
て好適に活用できる。
【0031】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1〜8および比較例1〜4 還元粘度0.54のポリフェニレンエーテルa、ポリス
チレンb(スタイロン685;旭化成工業株式会社製)
、低密度ポリエチレンc(サンテックLD−M1804
;旭化成工業株式会社製)、高密度ポリエチレンd(サ
ンテックHD−F180S;旭化成工業株式会社製)、
スチレン−ブタジエン共重合体e(アサフレックス81
0;ヤング率4600 Kg/cm2 、旭化成工業株
式会社製)、スチレン−ブタジエン共重合体f(ソルプ
レンT406;ヤング率2100 Kg/cm2 、日
本エラストマー株式会社製)、スチレン−ブタジエン共
重合体の水素添加物g(ポリブタジエン部の水素添加率
99.9%、ヤング率5300 Kg/cm2 )、ス
チレン−ブタジエン共重合体の水素添加物h(ポリブタ
ジエン部の水素添加率99.9%、ヤング率850 K
g/cm2 )を表1に示す組成で配合し、同方向回転
二軸押出機(ZSK−40;ウェルナー社製)を用い、
全ニーディングブロックのL/D=9.3、(π・d・
N/h)=157、スクリューのニーディングブロック
部分を200℃に設定し、他の部分を270℃に設定し
て溶融混練し、押し出したストランドをペレットとして
得た。
【0032】ここで得たペレットを射出成形し、外径2
5.6mm×内径20mm×高さ15mm、接触面積2
cm2 の円筒型試料を得て、スラスト摩擦摩粍試験機
(東洋精機製作所製)を用いて摩擦相手材料として自材
および炭素鋼S45Cを選び、雰囲気温度20℃、無潤
滑、各々の相手材に対しそれぞれ面圧2 kg/cm2
 、面圧10 kg/cm2 と一定にし、摺動速度1
cm/秒以上で変化させ、試料の溶融直前までの面圧と
摺動速度の積を限界PV値として求め、さらに溶融直前
までの摩擦係数の平均値を平均摩擦係数として求めた。 また、上記で作成した円筒型試料を自材同志で摺動速度
6cm/秒、面圧2 kg/cm2 で摩擦走行距離5
0kmの連続運転走行し、単位距離当たりの摩粍量を求
めた。
【0033】さらに、ウェルドラインを作ることが可能
なモールドを用いて、引張試験用テストピース(中央部
にウェルドラインを持つASTM  Type  Iの
ダンベル片;厚さ1/8インチ)を射出成形し、引張試
験(ASTM  D−638)を行い、ウェルド強度保
持率(ウェルドラインがあるテストピースの引張強度÷
ウェルドラインがないテストピースの引張強度×100
%)を求めた。
【0034】層剥離の有無は、ウェルドラインの無い引
張試験テストピースの引張強度試験後のサンプルの破断
面より目視で確認した。これらの結果を表1に載せた。 なお、上記で作成した円筒型試料を電子顕微鏡で観察し
たところ、実施例1〜8のものはポリオレフィンが実質
的に0.5μm以下で分散し、かつコンパティビライザ
ーが実質的にPPE中に単独で0.3μm以下で分散し
て、該ポリオレフィン外周層に存在することが確認され
た。しかしながら、比較例1〜4のものは、ポリオレフ
ィンの分散径、コンパティビライザーの分散径の少なく
ともいずれかの一方が本発明で規定した条件を満足して
いなかった。
【0035】
【表1】
【0036】 <単位>  動摩擦係数:〔−〕 限界PV値:〔 Kg/cm2 ・cm/sec〕摩粍
量    :〔×10−4g/km〕ウェルド強度保持
率:〔%〕
【0037】実施例9 実施例5の配合組成100重量部に対して、難燃剤のブ
ロム化ポリスチレン(PYRO−CHEK68PB:フ
ェロ社製)13部、三酸化アンチモン3部を配合し、実
施例5と同じ方法で溶融混練及びテストピースを成形し
、実施例5と同じ方法で摺動特性を測定したところ、摩
粍量0.77×10−4g/kmであった。また、ウエ
ルド強度保持率は100%であり、なんら層剥離現象は
認められなかった。そして、ASTM−D−648(1
8.6kg/cm2 荷重)に準拠した耐熱性を測定し
たところ102℃であった。なお、UL94に準拠した
燃焼性試験を実施したところ、V−0相当を満たしてい
た。
【0038】なお、摺動特性測定用の円筒型試料を電子
顕微鏡で観察したところ、ポリオレフィンが実質的に0
.5μm以下で分散し、コンパティビライザーが実質的
にPPE中に単独で0.3μm以下で分散し、かつ該ポ
リオレフィン外周層に存在することが確認された。
【0039】実施例10 実施例4の配合組成に100重量部に対して、トリフェ
ニルフォスフェート12部を配合し、実施例4と同じ方
法で摺動特性を測定したところ、摩粍量は9.74×1
0−4g/kmであった。また、ウエルド強度保持率は
100%であり、なんら層剥離現象は認められなかった
。 そして、ASTM−D−648(18.6kg/cm2
 荷重)に準拠した耐熱性を測定したところ100℃で
あった。なお、UL94に準拠した燃焼性試験を実施し
たところ、V−0相当を満たしていた。
【0040】なお、摺動特性測定用の円筒型試料を電子
顕微鏡で観察したところ、ポリオレフィンが実質的に0
.5μm以下で分散し、コンパティビライザーが実質的
にPPE中に単独で0.3μm以下で分散し、かつ該ポ
リオレフィン外周層に存在することが確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明は、PPE中にポリオレフィン及
びコンパティビライザーが特定の微分散構造をとるため
、層剥離が改良され、ウエルド強度、摺動特性、中でも
耐摩擦摩粍性に優れた樹脂摺動部材を提供する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  樹脂摺動部材が、(a) 連続相がポ
    リフェニレンエーテルであって、(b) 分散相が■ 
     実質的に短軸径0.5μm以下で分散したポリオレフ
    ィン外層に、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共
    重合体およびビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共
    重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種の共重
    合体が凝集し、かつ、■  該共重合体が単独で実質的
    に短軸径0.3μm以下で分散していることを特徴とす
    る樹脂摺動部材。
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