JPH04278918A - 薄膜積層デバイス用プラスチック基板およびそれを用いた薄膜積層用デバイス - Google Patents

薄膜積層デバイス用プラスチック基板およびそれを用いた薄膜積層用デバイス

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JPH04278918A
JPH04278918A JP3033627A JP3362791A JPH04278918A JP H04278918 A JPH04278918 A JP H04278918A JP 3033627 A JP3033627 A JP 3033627A JP 3362791 A JP3362791 A JP 3362791A JP H04278918 A JPH04278918 A JP H04278918A
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JP
Japan
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thin film
film
substrate
insulating
hard carbon
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Pending
Application number
JP3033627A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Ota
英一 太田
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Hitoshi Kondo
均 近藤
Yuji Kimura
裕治 木村
Masayoshi Takahashi
高橋 正悦
Kenji Kameyama
健司 亀山
Makoto Tanabe
誠 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、薄膜積層デバイス用、アクテイ
ブマトリックス用プラスチック基板、および薄膜積層用
蒹液晶表示装置用プラスチック基板に関する。また、本
発明はそれを使用した薄膜積層デバイスおよびOA機器
用、TV用等のフラットパネルディスプレー等に好適な
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来技術】OA機器端末機や液晶TVは大面積液晶パ
ネルの使用の要望が強く、そのため、アクティブマトリ
ックス方式では各画素ごとにスィッチを設け、電圧を保
持するように工夫されている(特開昭62−62333
、同61−260219号公報)。また、近年液晶パネ
ルの軽量化、低コスト化が盛んに行なわれており、スイ
ッチング素子の基板にプラスチックスを用いることが検
討されている(特開平1−47769号公報)。しかし
、プラスチック基板上に薄膜積層デバイスを形成する場
合、以下の問題点を生じる。■  プロセス工程中、酸
、アルカリ、水等の溶液に基板が浸漬されるため、それ
ら成分がプラスチック内に残留し、デバイス特性の劣化
を引き起こす。また基板伸縮の原因ともなる。■  基
板上に堆積されるデバイス作製用の薄膜の内部ストレス
によって基板がカール及び伸縮する。■  一般に、プ
ラスチックフィルム基板にはフィラーあるいは延伸処理
による凸凹が存在し、デバイスの欠陥(ショート、断線
)の原因となる。これらを回避するために、プラスチッ
ク基板の少なくとも片面(薄膜積層デバイスの形成され
ている面)、好ましくは両面に絶縁性薄膜を形成するこ
とが考えられる。このような薄膜を形成する場合は、上
記■〜■の問題を解決するためには、つぎの理由により
可能なかぎりできるだけ厚く形成しなければならない。 a)上記■は絶縁性薄膜中を酸、アルカリ、水等が拡散
(浸透)することにより起こるが、拡散の方程式から考
えて、膜厚を厚くすれば防ぐことができる。 b)上記■で基板がカール、伸縮するのはプラスチック
基板部分であり、絶縁性薄膜を厚く形成すれば、基板の
合成のヤング率(プラスチック+絶縁性薄膜)が高くな
り変形を少なくできる。 c)表面の平坦化(レベリング)を高めるには、被膜を
厚くし、かつ、被膜形成法として塗付法を用いる方が一
層効果が大きい(気相法では一旦凸凹ができると、それ
より厚くしてもその凹凸にならってしまうが塗付法では
リフローが可能である。)。 絶縁性薄膜の形成法としては大別すると気相法と塗布法
があるが、気相法では堆積速度が遅く、かつ、膜の内部
ストレスが大きいために数μm程度に形成するのは実用
的ではない。また、塗布法では塗付後の焼成温度が45
0℃以上と高く、耐熱性基板にかぎられる。したがって
、いずれの方法も満足すべきものではない。
【0003】
【目的】本発明の目的は上記問題を解決し、特性が良好
で劣化の少ない薄膜積層デバイスを形成し得るプラスチ
ック基板を提供する点にある。すなわち、本発明の目的
は、プラスチックスへの水分等の進入を防ぐとともに、
プラスチックスが含有している水分等の素子への進入を
防ぐことのできるかつ、カール、基板伸縮の発生しない
プラスチック基板を提供する点にある。本発明の他の目
的は、前記改良されたプラスチック基板を用いた薄膜積
層デバイス、とくに薄膜二端子素子を提供する点にある
【0004】
【構成】本発明の第1は、少なくとも片面に絶縁性薄膜
を形成した薄膜積層デバイス用プラスチック基板におい
て、前記絶縁性薄膜が金属有機化合物よりなる被膜形成
材料をスピン・オン塗布法により塗膜形成後、プラズマ
処理を受けた塗膜であることを特徴とする薄膜積層デバ
イス用プラスチック基板に関する。本発明の第2は、前
記絶縁性薄膜の上層、下層または上下両層に前記絶縁性
薄膜より密着性とパッシベーション効果(すなわち膜の
密度)の高い無機材料よりなる第2の絶縁性薄膜を有す
る前記薄膜積層デバイス用プラスチック基板に関する。 本発明の第3は、前記基板上に薄膜二端子素子を積層し
てなる薄膜積層デバイスに関する。本発明の第4は、前
記薄膜二端子素子中の絶縁膜が硬質炭素膜である請求項
3記載の薄膜積層デバイスに関する。本発明において、
基板上に絶縁性薄膜を形成する方法を図1において、工
程順に(a)、(b)、(c)で示す。(a)はスピン
・オン塗布をする前のプラスチック基板断面図、(b)
はスピン・オン塗布を行った後の断面図、(c)はプラ
ズマ処理により塗膜が絶縁性薄膜に変化している様子を
示す断面図である。以下に、図面を参照しながら具体的
に説明する。プラスチック板またはプラスチックフィル
ム基板1はフィラー5や延伸処理により図3(a)にみ
られるように表面に凹凸が存在する。そこで、先ず被膜
形成剤2をスピナー、ロールコーターでプラスチック基
板1上に塗布し、リフロー及び溶剤を蒸発させる意味で
〜100℃、1時間程度、空気中で加熱する(図1(b
))。次に不活性ガスあるいは微量の酸素を含む不活性
ガスのプラズマ中で処理する。この時の温度は室温〜2
50℃であって好ましくは50℃〜150℃であった。 また不活性ガスとしてはAr,N2,He等であるが特
にこれらに限定されるものではない。処理圧力は1/1
02〜数torr、好ましくは0.05〜1torrで
あった。プラズマ発生手段は通常使用される平行平板型
のものであり、RF・パワーとしては、数〜数100W
(電極径φ100cm)、好ましくは10〜200Wで
あった。使用する被膜形成剤は、主成分が金属有機化合
物(金属アルコキシド、金属有機錯体、金属アルコラー
ト等)であり、具体的には、Si(OR)x(OH)y
(x=0〜4、yは4−xである)R−COO−Si,
Al(OR)x(OH)y(x=0〜4、y=3−xで
ある)等であるが特にこれらに限定されるものではない
。被膜形成剤を塗布するために用いる溶剤としては、ア
ルコール、エステル、ケトン等が使用できる。プラズマ
処理の効果はプラズマ中の不活性ガスイオン、酸素イオ
ンが被膜形成剤(塗付後)中に物理的にピーニングし(
かなり深くまで浸入することが我々のIR測定による残
留−OR,−OHの分析結果から明らかとなっている。 膜厚として数μmまでは効果がある。)、R及びHの膜
中からの脱離を促進するものである。プラズマ処理を行
なわない場合は、焼成温度としては450〜500℃が
必要であったが上記方法では室温〜250℃、好ましく
は50〜150℃で目的を達成することができる。プラ
ズマ処理により得られた膜は100%完全な無機膜では
なく、膜中には被膜形成剤の成分である−OH,−R,
−ORなどの基が一部残留しているが、そのIRスペク
トルから推定するとその残留量はおおむね15wt%以
下である。図1では片面にしか絶縁性薄膜を形成してい
ないが、前記問題点の■、■を考えると基板の両面に形
成した方がその効果が高いことは容易に理解される。膜
厚は数100Å〜数μmであって、好ましくは1000
Å〜3μm程度である。さらに前記問題点■、■をより
一層完全に解消するために図2(a)(b)に示すよう
に絶縁性薄膜3の上層もしくは下層により密着力が高く
パッシベーション効果の高い無機物質からなる第2のコ
ート膜4を形成することは、効果を著しく高めるもので
ある。図2の(a)の構成も(b)の構成もパッシベー
ション効果という点では同一であるが、基板1に対する
密着力についてみると、第1の絶縁性薄膜3との密着力
>第2の絶縁性薄膜4のときは(a)の構成を、第1の
絶縁性薄膜3との密着力<第2の絶縁性薄膜4のときは
(b)の構成をとることが好ましい。具体的には、前記
無機物質としてはSiO2,Si3N4,SiON,A
l2O3,AlN,硬質炭素等であり、これらはスパッ
タリング、P−CVD,ECR−CVD等で形成可能で
ある。密着性、パッシベーション効果は材料の固有値で
はないので一般的な値を特定できないが,本発明では主
にパッシベーション効果の補充が目標であるから、この
意味ではパッシベーション効果の代用特性として密度に
注目できる。例えば、SiO2系であれば第2の絶縁性
薄膜4の密度が第1の絶縁性薄膜3より大きく、2.1
0(g/cm3)〜2.50(g/cm3)である。前
述のような特徴を有する本発明の基板は、種々の薄膜積
層デバイス、例えばフラットパネルディスプレー用スイ
ッチング素子、原稿読取用センサー、光プリンター用光
源等に使用し得るが、特に液晶ディスプレー用アクティ
ブマトリックス基板として好適に使用される。本発明の
薄膜積層デバイスとしては、金属−絶縁体−金属層構成
のMIM型素子、特開昭61−275811号公報で言
うところのMSI素子(Metal−Semi−Ins
ulator)、半導体−絶縁体−半導体層構成のSI
S素子、特開昭64−7577号公報に記載の金属−絶
縁体−金属−絶縁体−金属のMIMIM素子などがある
。アクティブマトリクス基板においては各画素毎にスイ
ッチング素子を設けてなるが、該スイッチング素子とし
ては第1導体と第2導体間に絶縁膜を介在させてなる薄
膜二端子素子がコスト、開口率等の点で特に有利である
。さらに前記絶縁膜として硬質炭素膜を用いることによ
り、広範囲でのデバイス設計が可能で、しかも素子特性
のバラツキが少なく、またしきい値電圧、耐圧に優れ、
歩留りのよい薄膜二端子素子が得られる。本発明の特徴
とする基板を用いたMIM素子の作製方法について図3
を参照して説明する。まず、ガラス、プラスチック板、
プラスチックフィルム等の透明絶縁性基板1の少なくと
も片面に絶縁性薄膜3を数百Å〜数μm厚に形成し、こ
の上に画素電極用透明電極材料を蒸着、スパッタリング
等の方法で堆積し、所定のパターンにパターニングし、
画素電極5とする。次に、蒸着、スパッタリング等の方
法で下部電極用導体薄膜を形成し、ウェット又はドライ
エッチングにより所定のパターンにパターニングして下
部電極となる第1導体7とし、その上にプラズマCVD
法、イオンビーム法等により硬質炭素膜8を被覆後、ド
ライエッチング、ウエットエッチング又はレジストを用
いるリフトオフ法により所定のパターンにパターニング
して絶縁膜とし、次にその上に蒸着、スパッタリング等
の方法によりバスライン用導体薄膜を被覆し、所定のパ
ターンにパターニングしてバスラインとなる第2導体(
上部電極)9を形成し、最後に下部電極の不必要部分を
除去し、透明電極パターンを露出させ、画素電極6とす
る。この場合、MIM素子の構成はこれに限られるもの
ではなく、MIM素子の作成後、最上層に透明電極を設
けたもの、透明電極が上部又は下部電極を兼ねた構成の
もの、下部電極の側面にMIM素子を形成したもの等、
種々の変形が可能である。ここで下部電極、上部電極及
び透明電極の厚さは通常、夫々数百〜数千Å、数百〜数
千Å、数百〜数千Åの範囲である。硬質炭素膜の厚さは
、100〜8000Å、望ましくは200〜6000Å
、さらに望ましくは300〜4000Åの範囲である。 又プラスチック基板の場合、いままでその耐熱性から能
動素子を用いたアクティブマトリックス装置の作製が非
常に困難であった。しかし硬質炭素膜は室温程度の基板
温度で良質な膜の作製が可能であり、プラスチック基板
においても作製が可能であり、非常に有効な画質向上手
段である。次に本発明で使用されるMIM素子の材料に
ついて更に詳しく説明する。下部電極となる第1導体7
の材料としては、Al,Ta,Cr,W,Mo,Pt,
Ni,Ti,Cu,Au,W,ITO,ZnO:Al,
In2O3,SnO2等種々の導電体が使用される。次
にバスラインとなる第2導体9の材料としては、Al,
Cr,Ni,Mo,Pt,Ag,Ti,Cu,Au,W
,Ta,ITO,ZnO:Al,In2O3,SnO2
等種々の導電体が使用されるが、I−V特性の安定性及
び信頼性が特に優れている点からNi,Pt,Agが好
ましい。絶縁膜として硬質炭素膜8を用いたMIM素子
は電極の種類を変えても対称性が変化せず、またlnI
∝√vの関係からプールフレンケル型の伝導をしている
ことが判る。またこの事からこの種のMIM素子の場合
、上部電極と下部電極との組合せをどのようにしてもよ
いことが判る。しかし硬質炭素膜と上部電極との密着力
や界面状態により素子特性(I−V特性)の劣化及び変
化が生じる。これらを考慮すると、Ni,Pt,Agが
良いことがわかった。本発明のMIM素子の電流−電圧
特性は図4のように示され、近似的には以下に示すよう
な伝導式で表わされる。
【0005】
【数1】
【0006】 I:電流 V:印加電圧 κ:導電係数 β:プールフ
レンケル係数 n:キャリヤ密度  μ:キャリヤモビリティ  q:
電子の電荷量 Φ:トラップ深さ  ρ:比抵抗  d:硬質炭素の膜
厚(Å)k:ボルツマン定数  T:雰囲気温度  ε
1:硬質炭素の誘電率 ε2:真空誘電率
【0007】本発明における硬質炭素膜について詳しく
説明する。硬質炭素膜を形成するためには有機化合物ガ
ス、特に炭化水素ガスが用いられる。これら原料におけ
る相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要は
なく、加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て
気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能で
ある。原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例え
ばCH4,C2H6,C3H8,C4H10等のパラフ
ィン系炭化水素、C2H4等のアセチレン系炭化水素、
オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さら
には芳香族炭化水素などすベての炭化水素を少なくとも
含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも
、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エス
テル類、CO,CO2等、少なくとも炭素元素を含む化
合物であれば使用可能である。本発明における原料ガス
からの硬質炭素膜の形成方法としては、成膜活性種が、
直流、低周波、高周波、或いはマイクロ波等を用いたプ
ラズマ法により生成されるプラズマ状態を経て形成され
る方法が好ましいが、より大面積化、均一性向上、低温
成膜の目的で、低圧下で堆積を行なうため、磁界効果を
利用する方法がさらに好ましい。また高温における熱分
解によっても活性種を形成できる。その他にも、イオン
化蒸着法、或いはイオンビーム蒸着法等により生成され
るイオン状態を経て形成されてもよいし、真空蒸着法、
或いはスパッタリング法等により生成される中性粒子か
ら形成されてもよいし、さらには、これらの組み合せに
より形成されてもよい。こうして作製される硬質炭素膜
の堆積条件の一例はプラズマCVD法の場合、次の通り
である。 RF出力:0.1〜50W/cm2     圧    力:1/103〜10Torr堆積
温度:室温〜950℃ このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンと
に分解され反応することによって、基板上に炭素原子C
と水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微
結晶質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少くとも
一方を含む硬質炭素膜が堆積する。また、硬質炭素膜の
諸特性を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】注)測定法; 比抵抗(ρ)  :コプレナー型セルによるI−V特性
より求める。 光学的バンドギャップ(Egopt):分光特性から吸
収係数(α)を求め、数4式の関係より決定。
【0010】
【数2】
【0011】膜中水素量〔C(H)〕:赤外吸収スペク
トルから2900/cm近のピークを積分し、吸収断面
積Aを掛けて求める。すなわち、 〔C(H)〕=A・∫α(v)/v・dvSP3/SP
2比:赤外吸収スペクトルを、SP3,SP2にそれぞ
れ帰属されるガウス関数に分解し、その面積比より求め
る。 ヒ゛ッカース硬度(H):マイクロビッカース計による
。 屈折率(n)   :エリプソメーターによる。 欠陥密度    :ESRによる。
【0012】こうして形成される硬質炭素膜はラマン分
光法及びIR吸収法による分析の結果、夫々、図4及び
図3に示すように炭素原子がSP3の混成軌道とSP2
の混成軌道とを形成した原子間結合が混在していること
が明らかになっている。SP3結合とSP2結合の比率
は、IRスペクトルをピーク分離することで概ね推定で
きる。IRスペクトルには、2800〜3150/cm
に多くのモードのスペクトルが重なって測定されるが、
夫々の波数に対応するピークの帰属は明らかになってお
り、図5の如くガウス分布によってピーク分離を行ない
、夫々のピーク面積を算出し、その比率を求めればSP
3/SP2を知ることができる。また、X線及び電子回
折分析によればアモルファス状態(a−C:H)、及び
/又は約50Å〜数μm程度の微結晶粒を含むアモルフ
ァス状態にあることが判っている。一般に量産に適して
いるプラズマCVD法の場合には、RF出力が小さいほ
ど膜の比抵抗値および硬度が増加し、低圧力なほど活性
種の寿命が増加するために基板温度の低温化、大面積で
の均一化が図れ、かつ比抵抗、硬度が増加する傾向にあ
る。 更に、低圧力ではプラズマ密度が減少するため、磁場閉
じ込め効果を利用する方法は比抵抗の増加には特に効果
的である。さらに、この方法は常温〜150℃程度の比
較的低い温度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を形成で
きるという特徴を有しているため、MIM素子製造プロ
セスの低温化には最適である。従って、使用する基板材
料の選択自由度が広がり、基板温度をコントロールし易
いために大面積に均一な膜が得られるという特徴をもっ
ている。また硬質炭素膜の構造、物性は表1に示したよ
うに、広範囲に制御可能であるため、デバイス特性を自
由に設計できる利点もある。さらには膜の比誘電率も2
〜6と従来のMIM素子に使用されていたTa2O5,
Al2O3,SiNxと比較して小さいため、同じ電気
容量を持った素子を作る場合、素子サイズが大きくてす
むので、それほど微細加工を必要とせず、歩留りが向上
する(駆動条件の関係からLCDとMIM素子の容量比
はC(LCD)/C(MIM)=10:1程度必要であ
る)。 また、素子急峻性β∝1/√ε・√dであるため、比誘
電率εが小さければ急峻性は大きくなり、オン電流Io
nとオフ電流Ioffとの比が大きくとれるようになる
。このためより低デューティ比でのLCD駆動が可能と
なり、高密度のLCDが実現できる。さらに膜の硬度が
高いため、液晶材料封入時のラビング工程による損傷が
少なくこの点からも歩留りが向上する。以上の点を顧み
るに、硬質炭素膜を使用することで、低コスト、階調性
(カラー化)、高密度LCDが実現できる。さらにこの
硬質炭素膜が炭素原子及び水素原子の他に、周期律表第
III族元素、同第IV族元素、同第V族元素、アルカ
リ金属元素、アルカリ土類金属元素、窒素原子、酸素元
素、カルコゲン系元素又はハロゲン原子を構成元素とし
て含んでもよい。構成元素の1つとして周期律表第II
I族元素、同じく第V族元素、アルカリ金属元素、アル
カリ土類金属元素、窒素原子又は酸素原子を導入したも
のは硬質炭素膜の膜厚をノンドープのものに比べて約2
〜3倍に厚くすることができ、またこれにより素子作製
時のピンホールの発生を防止すると共に、素子の機械的
強度を飛躍的に向上することができる。更に窒素原子又
は酸素原子の場合は以下に述べるような周期律表第IV
族元素等の場合と同様な効果がある。同様に周期律表第
IV族元素、カルコゲン系元素又はハロゲン元素を導入
したものは硬質炭素膜の安定性が飛躍的に向上すると共
に、膜の硬度も改善されることも相まって高信頼性の素
子が作製できる。これらの効果が得られるのは第IV族
元素及びカルコゲン系元素の場合は硬質炭素膜中に存在
する活性な2重結合を減少させるからであり、またハロ
ゲン元素の場合は、1)水素に対する引抜き反応により
原料ガスの分解を促進して膜中のダングリングボンドを
減少させ、2)成膜過程でハロゲン元素XがC−H結合
中の水素を引抜いてこれと置換し、C−X結合として膜
中に入り、結合エネルギーが増大する(C−H間及びC
−X間の結合エネルギーはC−X間の方が大きい)から
である。これらの元素を膜の構成元素とするためには、
原料ガスとしては炭化水素ガス及び水素の他に、ドーパ
ントとして膜中に周期律表第III族元素、同第IV族
元素、同第V族元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類
金属元素、窒素原子、酸素原子、カルコゲン系元素又は
ハロゲン元素を含有させるために、これらの元素又は原
子を含む化合物(又は分子)(以下、これらを「他の化
合物」ということもある)のガスが用いられる。ここで
周期律表第III族元素を含む化合物としては、例えば
B(OC2H5)3,B2H6,BCl3,BBr3,
BF3,Al(O−i−C3H7)3,(CH3)3A
l,(C2H5)3Al,(i−C4H9)3Al,A
lCl3,Ga(O−i−C3H7)3,(CH3)3
Ga,(C2H5)3Ga,GaCl3,GaBr3,
(O−i−C3H7)3In,(C2H5)3In等が
ある。周期律表第IV族元素を含む化合物としては、例
えばSi3H6,(C2H5)3SiH,SiF4,S
iH2Cl2,SiCl4,Si(OCH3)4,Si
(OC2H5)4,Si(OC3H7)4,GeCl4
,GeH4,Ge(OC2H5)4,Ge(C2H5)
4,(CH3)4Sn,(C2H5)4Sn,SnCl
4等がある。周期律表第V族元素を含む化合物としては
、例えばPH3,PF3,PF5,PCl2F3,PC
l3,PCl2F,PBr3,PO(OCH3)3,P
(C2H5)3,POCl3,AsH3,AsCl3,
AsBr3,AsF3,AsF5,AsCl3,SbH
3,SbF3,SbCl3,Sb(OC2H5)3等が
ある。アルカリ金属原子を含む化合物としては、例えば
LiO−i−C3H7,NaO−i−C3H7,KO−
i−C3H7等がある。アルカリ土類金属原子を含む化
合物としては、例えばCa(OC2H5)3,Mg(O
C2H5)2,(C2H5)2Mg等がある。窒素原子
を含む化合物としては、例えば窒素ガス、アンモニア等
の無機化合物、アミノ基、シアノ基等の官能基を有する
有機化合物及び窒素を含む複素環等がある。酸素原子を
含む化合物としては、例えば酸素ガス、オゾン、水(水
蒸気)、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、亜酸化
炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、五酸化
二窒素、三酸化窒素等の無機化合物、水酸基、アルデヒ
ド基、アシル基、ケトン基、ニトロ基、ニトロソ基、ス
ルホン基、エーテル結合、エステル結合、ペプチド結合
、酸素を含む複素環等の官能基或いは結合を有する有機
化合物、更には金属アルコキシド等が挙げられる。カル
コゲン系元素を含む化合物としては、例えばH2S,(
CH3)(CH2)4S(CH2)4CH3,CH2=
CHCH2SCH2CH=CH2,C2H5SC2H5
,C2H5SCH3,チオフェン、H2Se,(C2H
5)2Se,H2Te等がある。またハロゲン元素を含
む化合物としては、例えば弗素、塩素、臭素、沃素、弗
化水素、弗化炭素、弗化塩素、弗化臭素、弗化沃素、塩
化水素、塩化臭素、塩化沃素、臭化水素、臭化沃素、沃
化水素等の無機化合物、ハロゲン化アルキル、ハロゲン
化アリール、ハロゲン化スチレン、ハロゲン化ポリメチ
レン、ハロホルム等の有機化合物が用いられる。液晶駆
動MIM素子として好適な硬質炭素膜は、駆動条件から
膜厚が100〜8000Å、比抵抗が106〜1013
Ω・cmの範囲であることが有利である。なお、駆動電
圧と耐圧(絶縁破壊電圧)とのマージンを考慮すると膜
厚は200Å以上であることが望ましく、また、画素部
と薄膜二端子素子部の段差(セルギャップ差)に起因す
る色むらが実用上問題とならないようにするには膜厚は
6000Å以下であることが望ましいことから、硬質炭
素膜の膜厚は200〜6000Å、比抵抗は5×106
〜1013Ω・cmであることがより好ましい。硬質炭
素膜のピンホールによる素子の欠陥数は膜厚の減少にと
もなって増加し、300Å以下では特に顕著になること
(欠陥率は1%を越える)、及び、膜厚の面内分布の均
一性(ひいては素子特性の均一性)が確保できなくなる
(膜厚制御の精度は30Å程度が限度で、膜厚のバラツ
キが10%を越える)ことから、膜厚は300Å以上で
あることがより望ましい。また、ストレスによる硬質炭
素膜の剥離が起こりにくくするため、及び、より低デュ
ーティ比(望ましくは1/1000以下)で駆動するた
めに、膜厚は4000Å以下であることがより望ましい
。これらを総合して考慮すると、硬質炭素膜の膜厚は3
00〜4000Å、比抵抗率は107〜1011Ω・c
mであることが一層好ましい。
【0013】
【実施例】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PET)基板上にスピン
・オフ法により、Si(OH)4を主成分とする被膜形
成剤を約12000Å塗付し、下記表2のごとく条件で
プリベーク及びプラズマ処理を行なって、絶縁性薄膜を
形成した。この上に図3に示した薄膜二端子素子を以下
に述べた作製ステップによって形成した。まずITOを
スパッタリング法により800Å厚に堆積後、パターン
化して画素電極5を形成した。次にAlを蒸着法により
1000Å厚に堆積後、パターン化して下部導体7を形
成した。その上に絶縁膜8として、硬質炭素膜をプラズ
マCVD法により900Å堆積させたのち、ドライエッ
チングによりパターン化した。さらにこの上にNiをE
B蒸着法により1000Å厚に堆積後、パターン化して
上部導体(走査電極を兼ねる)9を形成した。この時の
硬質炭素膜の成膜条件は以下表3の通りである。 (以下余白)
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】実施例2 ポリアリレート基板の両面にスピン・オン法により、S
i(OH)3(OCH3)1を主成分とする被膜形成剤
を約8000Å塗付し、表4のような条件でプリベーク
及びプラズマ処理を行なって、絶縁性薄膜を形成した。 この上に薄膜二端子素子を以下に述べた工程で作製した
。まずITOをスパッタリング法により700Å厚に堆
積後、パターン化して画素電極5を形成した。次にAl
を蒸着法により600Å厚に堆積後、パターン化して下
部導体7を形成した。その上に絶縁膜8として、硬質炭
素膜を表5の条件のプラズマCVD法により1100Å
堆積させ、続いてNiをEB蒸着法により1000Å厚
に堆積後、エッチングにより、パターン化して上部導体
(走査電極を兼ねる)9を形成した。最後にドライエッ
チングにより硬質炭素膜をパターニングした。この時の
硬質炭素膜の成膜条件は以下の通りである。なお、薄膜
二端子素子の構成としては、実施例1、2の構成に限定
されるものではなく、下部導体7と上部導体9が入れか
わったもの、下部導体と上部導体とが一平面に配置され
たもの(いわゆるコプレナー型)等、種々のものを採用
できる。
【0017】
【表4】
【表5】
【0018】
【効果】(1)請求項1に対応する効果絶縁性薄膜がス
ピン・オン塗布法によって被膜形成剤を塗布後、プラズ
マ雰囲気中で処理形成したものであるので■酸、アルカ
リ、水等の浸透によるデバイス特性の劣化、あるいは基
板伸縮がなくなる。■基板の合成のヤング率が高くなり
、カール、伸縮がなくなる。■フィラー、延伸処理によ
る凸凹がカバーされ素子の欠陥がなくなる。 (2)請求項2に対応する効果 絶縁性薄膜が少なくも2層であるため上記効果の主に■
,■に特に効果がある。 (3)請求項3に対応する効果 さらに薄膜積層デバイスが第1導体と第2導体間に絶縁
膜を介在してなる2端子素子であるので、ディスプレー
に利用したときTFTに比べて、低コスト、開口率が高
いという特徴が生まれる。 (4)請求項4に対応する効果 絶縁膜に硬質炭素膜を用いることで、 1)  プラズマCVD法等の気相合成法で作製される
ため、成膜条件によって物性が広範に制御でき、従って
デバイス設計上の自由度が大きい、 2)  硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を
受け難く、また厚膜化によるピンホールの減少も期待で
きる、 3)  室温付近の低温においても良質な膜を形成でき
るので、基板材質に制約がない、 4)  膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デ
バイス用として適している、 5)  誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要
とせず、従って素子の大面積化に有利であり、さらに誘
電率が低いので素子の急峻性が高くIon/Ioff比
がとれるので、低デューティ比での駆動が可能である、
等の特長を有し、このため特に信頼性の高い液晶表示用
スイッチング素子として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、基板上に絶縁性薄膜を形成す
る方法を工程順に(a)、(b)、(c)で示す。 (a)はスピン・オン塗布をする前のプラスチック基板
断面図、(b)はスピン・オン塗布を行った後の断面図
、(c)はプラズマ処理により塗膜が絶縁性薄膜に変化
している様子を示す断面図である。
【図2】第2の本発明に対応する第1と第2の絶縁性薄
膜を有する薄膜積層デバイス用基板の2つの実施態様に
相当する断面図を(a)、(b)に示す。
【図3】第3の本発明に対応するMIM素子の1例を示
す断面図である。
【図4】a,bはMIM素子のI−V特性曲線、lnI
−√v特性曲線をそれぞれ示す。
【図5】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜のIRスペクトルのガウス分布を示す。
【図6】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜をラマン分光法で分光した分析結果を示すスペクト
ル図である。
【図7】本発明のMIM素子の絶縁層に使用した硬質炭
素膜をIR吸収法で分析した分析結果を示すスペクトル
図である。
【符号の説明】 1  プラスチック基板 2  スピン・オン塗布された被膜形成剤3  絶縁性
薄膜(第1の絶縁性薄膜)4  絶縁性薄膜(第2の絶
縁性薄膜)5  フィラー 6  画素電極 7  第1導体(下部電極) 8  硬質炭素膜 9  第2導体(上部電極)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  少なくとも片面に絶縁性薄膜を形成し
    た薄膜積層デバイス用プラスチック基板において、前記
    絶縁性薄膜が金属有機化合物よりなる被膜形成材料をス
    ピン・オン塗布法により塗膜形成後、プラズマ処理を受
    けた塗膜であることを特徴とする薄膜積層デバイス用プ
    ラスチック基板。
  2. 【請求項2】  前記絶縁性薄膜の上層、下層または上
    下両層に無機材料よりなる第2の絶縁性薄膜を有する請
    求項1記載の薄膜積層デバイス用プラスチック基板。
  3. 【請求項3】  請求項1または2記載の基板上に薄膜
    二端子素子を積層してなる薄膜積層デバイス。
  4. 【請求項4】  前記薄膜二端子素子中の絶縁膜が硬質
    炭素膜である請求項3記載の薄膜積層デバイス。
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