JPH0427571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、塗料を圧送して連続塗装を行なうロ
ーラー刷毛に関するもので、ローラー刷毛に対
し、均一な塗料供給を行なうことのできる装置に
関する。特に、粘度の異なる塗料を圧送供給する
場合でも、安定して均一な塗料供給を行なうこと
のできるローラー刷毛を可能とする。

［従来の技術］ 中心部の塗料導入管より外周のコアを通し、刷
毛部分に塗料を供給するローラーは、数多くみら
れるが、いずれも前記コアの通孔は導入管の通孔
より等距離とは限らず、その位置はまちまちであ
つた。

また、塗料の流出量をローラーの長手方向に対
し均一化するため、塗料導入管に数ケ所の孔をあ
け、個々の孔径を入口側から徐々に大きくする等
して流出量の調整をはかつていたものもあつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 塗料圧送式ローラー刷毛は、中心部の塗料導入
管より刷毛部分に供給された塗料が全体に均一な
量になつて、はじめて仕上がりの良い作業のしや
すいものとなる。塗料導入管の長手方向に数ケ所
の孔を明けた場合、例えば、塗料粘度が変るとそ
れぞれの流出する量が変化してしまう。すなわ
ち、水のように粘性の低い塗料を用いると、塗料
は塗料導入管の末端部に集中し、該末端側の流出
量は多くなりバラツキガ出る。

また、塗料の粘度が高くなるにつれてこの傾向
は少なくなり、逆に塗料導入管の入口側の方が多
い流出量となつて、末端部にまで行き届かなくな
る。したがつて、粘度範囲の異なる塗料を使う場
合は、塗料導入管にとりつける圧送ローラー刷毛
そのものの交換が必要となつてくる。

このために、作業の複雑化や仕上がりの低下を
招くことになり、これらに影響されない圧送ロー
ラーが要求される。

［問題を解決するための手段］ 本考案は、上記の問題を解決するため、塗料圧
送式ローラー刷毛の塗料供給通路を、塗料導入管
よりローラー刷毛部分に供給されるまでいずれの
通路を通つても等距離で同じ通路となつて刷毛部
分に供給されるようにしたことを特徴とする。ロ
ーラー刷毛に一体のコアにあげられた孔より塗料
は刷毛部分に供給されるが、本考案はこのコアと
塗料導入管との間に複数の隔壁を設け、各々の隔
壁には塗料導入管に設けた通孔より等距離の位置
になるよう倍数で増加する通孔を設けると共に、
それぞれの通孔を等間隔になるように配置してい
る。すなわち、回転する刷毛の中心部に設けた塗
料導入管より塗料を導入し、刷毛部に塗料を供給
する塗料圧送式ローラー刷毛において、塗料導入
管３とローラー刷毛１のコア２との間に複数の隔
壁９，１０，１１をそれぞれ設け、各々の隔壁
９，１０，１１に通孔Ｂ，Ｃをそれぞれ設けて連
通させると共に、該通孔Ｂ，Ｃは、塗料導入管３
よりコア２に向かつて倍数で増加させ、かつ塗料
導入管３の通孔Ａから前記コアの通孔Ｄまでの経
路距離は等距離とし、各隔壁９，１０，１１の通
孔Ｂ，Ｃは互いに当間隔となるように配置してな
る塗料圧送式ローラー刷毛を提供するものであ
る。

［作用］ これによつて、塗料導入管の通孔より出た塗料
は、同じ距離と経路（但し、方向は異なる）を経
てコアの孔に到達する。したがつて、その間の通
路抵抗は全く同一であり、塗料粘度や流出量によ
つて変化することもなく、常に全体として平均し
た流出量がえられる。

［実施例］ 図面は、本考案の実施例を示している。まず、
第１図、第２図は、中心部より放射状に４方向の
通孔を設けた例であるが、ローラー刷毛１は、コ
ア２と一体に形成され、取外し交換可能となつて
いる。中心部の塗料導入管３は、ローラー刷毛１
の支持軸も兼用され把手とつながつている。第１
図に示すように塗料導入管３の両側は支持具４，
５によつて固定され、支持具４は、塗料導入管３
の外周との間に洩れ防止用パツキン６を挿入して
あり、先端の支持具５は、塗料導入管３の先端と
固定され、その開口部をふさいでいる。各々の支
持具４，５の外周には回転溝７に嵌入された回転
環８が設けられ、コア２は、該回転環８の外周に
嵌め入まれ回転する構造となつている。

両支持具４，５の間は、塗料導入管３とコア２
との間にそれぞれ適当な環状のスキマを形成し
て、パイプ状の隔壁９，１０，１１が嵌合されて
いる。これらの隔壁には通孔がそれぞれ設けられ
ているが、塗料導入管３の通孔Ａに対し、次の隔
壁９の通孔Ｂは、通孔Ａの両側に等距離に２ケ所
あけられる。更に次の隔壁１１の通孔Ｃは、各壁
９の通孔Ｂのそれぞれの両側に等距離に４ケ所あ
けられる。更に次のコア２の通孔Ｄに対しても同
様、隔壁１１の通孔Ｃの各通孔に対し等しい距離
に倍数の通孔Ｄがあけられている。この例の場
合、隔壁は３ケ所であるが、隔壁９と隔壁１０の
通孔は全く同一になつており、１つと考えても良
い。また、放射状にあけられているが、円周状の
通孔に対しては流出量が異なつても回転により均
一化され、それほど重要でなく、長手方向での均
一さの方が強く要求される。

第３図、第４図に示す例は別の実施例で塗料導
入管３の流出口は円周方向に１ケ所となつてい
る。この場合も、前記の如くローラー刷毛の回転
により各孔に均一に供給されるので、円周方向で
の問題はない。また、長手方向も前記第１図の例
と同様、各隔壁の通孔が配置されているので、塗
料導入管３の通孔Ａを出た塗料は通行口Ｄから出
る時に全く同じ距離と経路を経た後に流出するこ
とになり、それぞれ均一な流出量が得られる。

［考案の効果］ 以上の如く本考案によれば、使用する塗料の粘
度の高低にかかわらず、ローラー刷毛に流出する
塗料の量は各位置で均一であり、したがつて塗膜
厚が均一化する。また、塗面全体を均一にするの
にローラーの塗り回数が少なくて、よく作業性が
大巾に改善される効果をあげることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示すローラー刷毛
の断面図、第２図は第１図の−断面図、第３
図は他の実施例を示す断面図、第４図は第３図の
−断面図である。 １……ローラー刷毛、２……コア、３……塗料
導入管、９，１０，１１……隔壁、Ａ，Ｂ，Ｃ，
Ｄ……通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転する刷毛の中心部に設けた塗料導入管より
   塗料を導入し、刷毛部に塗料を供給する塗料圧送
   式ローラー刷毛において、塗料導入管３とローラ
   ー刷毛１のコア２との間に複数の隔壁９，１０，
   １１を設け、各々の隔壁９，１０，１１に通孔
   Ｂ，Ｃをそれぞれ設けて連通させると共に、該通
   孔Ｂ，Ｃは、塗料導入管３よりコア２に向かつて
   倍数で増加させ、かつ塗料導入管３の通孔Ａから
   前記コアの通孔Ｄまでの経路距離は等距離とし、
   各隔壁９，１０，１１の通孔Ｂ，Ｃは互いに当間
   隔となるように配置してなる塗料圧送式ローラー
   刷毛。