JPH04271754A

JPH04271754A - 家畜、家禽用飼料および畜肉の生産方法

Info

Publication number: JPH04271754A
Application number: JP3053763A
Authority: JP
Inventors: Kunitoshi Sekimoto; 関本　邦敏; Tokunori Koike; 小池　徳典; Masakatsu Kusanagi; 草薙　正克; Takatsugu Yajima; 矢嶋　隆次; Kazuhiro Watanabe; 渡辺　和紘
Original assignee: NIPPON NOUSAN KOGYO KK; Nihon Nosan Kogyo Co Ltd
Current assignee: NIPPON NOUSAN KOGYO KK; Nihon Nosan Kogyo Co Ltd
Priority date: 1991-02-26
Filing date: 1991-02-26
Publication date: 1992-09-28

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は脳や視神経細胞の活性化
、生体内の脂質代謝改善作用、抗ガン、抗アレルギ−作
用等に有効なω３系列脂肪酸を高含有する畜肉を生産す
るための飼料および畜肉の生産方法に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】食肉は食生活の洋風化に伴い、子供から
老人まで幅広く消費されてきた。特に、動物性蛋白質源
として重要であり、料理の種類も多く、日本人の体格の
向上に大いに貢献している。しかし、近年の食の健康指
向により、動物性脂肪、特に飽和脂肪酸を多く含有する
ことから、肉食中心の食事は肥満、動脈硬化、心筋梗塞
等々の成人病の原因として敬遠される傾向がある。

【０００３】一方、若者を中心とするファ−ストフ−ド
の普及、並びに外食産業の伸びが一層の食肉中心の食形
態を作り上げており、魚介類を主体とした伝統的な日本
型食生活は若者には全く受入れられないのが実態である
。このような肉食中心の高カロリ−食の生活により、従
来の日本にはあまり多く発生してなっかた成人病が欧米
並のレベルに近づいてきており、従って心筋梗塞、動脈
硬化、アトピ−性皮膚炎等のアレルギ−、腸ガン、乳ガ
ン等が増大してきている。これらは、食生活の変化、特
に脂肪の摂取に関係していると言われており、脂肪を構
成している脂肪酸の内の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との
比率、並びに不飽和脂肪酸の内のω３／ω６の比率が健
康に重要であることが判ってきた。即ち、飽和脂肪酸の
比率を下げ、なおかつω３系列脂肪酸の比率を高めるこ
とがこれらの疾病対策に重要であることは、疑いのない
事実である。

【０００４】我々を取り巻く食品類のうち、畜肉を中心
とする動物性食品には飽和脂肪酸が多く、また、サラダ
やフライに使う油は植物性油であるが、リノ−ル酸（ω
６系列脂肪酸）が主体であるため、ω３系列脂肪酸の比
率が著しく低いのが実態である。また、これらの不飽和
脂肪酸は酸化されやすく、不安定であり、生成する過酸
化物が生体に悪影響を及ぼすことはよく知られている。しかしながら、食の欧風化を逆戻りさせることは困難で
あるし、食肉のよさを無視する危険性もある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記難点を解
決し、生体にとって必須の脂肪酸で、しかも脳や視神経
細胞を活性化する生理活性をもつ機能性成分として確認
されているα−リノレン酸を主体とするω３系列脂肪酸
を多く、しかも安定的に畜肉に移行させることで、飽和
脂肪酸を少なくし、健康に良い畜肉を生産することを目
的とし、しかも化学的方法などで抽出したり、合成した
化学物質を投与するのでなく、物理的方法で処理した通
常の飼料原料を家畜や家禽に与えることで家畜や家禽に
とって自然で安全であり、しかもヒトによっては健康に
良い畜肉の生産方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するため、種々研究を行なった結果、配合飼料
原料に生大豆をエクストル−ダ−で加工処理した全脂大
豆粉を使用することにより、畜肉中の脂肪酸組成を変え
、ω３系列脂肪酸を高含有させ、ω３／ω６比を改善し
、しかも健康な家畜、家禽を作出することを見いだし本
発明を完成した。

【０００７】すなわち、本発明はエクストル−ダ−加工
した全脂大豆を配合してなることを特徴とする家畜、家
禽用飼料であり、またエクストル−ダ−加工した全脂大
豆を配合してなる飼料を家畜、家禽に給与し、ω３系列
脂肪酸を高含有させることを特徴とする畜肉の生産方法
である。ここで言う畜肉とは、牛肉や豚肉等の家畜類の
肉と鶏肉等の家禽類の肉の両者を含むものである。

【０００８】本発明におけるエクストル−ダ−加工とは
、押出機を用い加圧、加熱処理してダイ孔より押出す処
理方法をいい、使用するエクストル−ダ−としては１軸
型のものでも２軸型のものでもよく、また、蒸気を使用
しないドライエクストルーダ−でもよく、また蒸気を使
用するエクストルーダーでもよい。生大豆をエクストル
−ダ−加工する際は、半割り大豆程度のものであれば、
そのままエクストル−ダ−に投入してエクストル−ダ−
加工できるものであるが、四つ割程度に粗砕して処理す
るのが望ましい。また、生大豆には約１９％程度の油脂
が含有されているので、特に蒸気あるいは水を添加する
ことなくエクストルーダー加工することができるが、必
要であれば適宜蒸気などを添加してもよい。蒸気を添加
しないで加工が可能なドライエクストルーダーは比較的
操作が簡単で、処理コストも安いので好ましく、その温
度条件としてはバレル内の品温が１００〜１５０℃程度
となるような条件を満たすように適宜エクストル−ダ−
のスクリュ−、バレル、ダイを選択して処理加工すれば
よい。このような条件にて生大豆をエクストルーダー加
工すると大豆に含まれるトリプシンインヒビターなどの
有害物質およびウレア−ゼの活性が失活し、しかも大豆
の有効な栄養成分は変化せず、なおかつ高含有する油脂
が安定した状態の顆粒状の全紙大豆を得ることができる
。

【０００９】本発明においてエクストルーダー加工した
全脂大豆を配給する配合飼料としては、通常の家畜、家
禽用飼料であれば、特に制限されるものではないが、畜
肉中の脂肪酸組成を替え、ω３系列脂肪酸を高含有させ
、ω３／ω６比を改善するためには、とうもろこし、マ
イロ、小麦、大麦等の穀類、脱脂米糠、綿実粕、脱脂大
豆等の植物油粕類などを主体とし、魚粉、肉骨粉などの
動物性原料は必要最低限で使用するか或は使用しないで
家畜、家禽用飼料とするのが望ましい。

【００１０】エクストル−ダ−加工した全脂大豆は配給
量が少ないと生産する畜肉へω３系列脂肪酸を高含有さ
せることができず、また多く配合し過ぎても飼料の栄養
バランスが崩れるので、５〜３０重量％程度の配合とす
るのが望ましい。また、エクストルーダー加工した全脂
大豆は、大豆中にふくまれるビタミンＥの作用およびエ
クストルーダー加工により大豆が剪断、摩擦、混練等の
作用を受けるためか、極めて油脂が安定したものであり
、飼料中における油脂の酸敗はおこらないものであるが
、生産された畜肉の脂肪をより安定させるために、生大
豆のエクストルーダー加工時、或は家畜、家禽用飼料の
製造時にビタミンＥを２０〜１００ｐｐｍ程度添加配合
するのが望ましい。

【００１１】本発明の家畜、家禽用飼料は牛、豚、ブロ
イラ−等の飼料に適用され、その飼料の形状としてはマ
ッシュ、ペレットおよびクランブルなどの飼料として使
用可能である。

【００１２】本発明の家畜、家禽用飼料を用い、畜肉の
ω３系列脂肪酸を高含有させるには、上記の飼料を通常
の通り給餌して牛、豚、ブロイラ−等を飼育すれば生産
することが出来る。この際、子牛、子豚、雛の時期には
特に給餌する必要はなく、少なくとも飼育終了前の４週
間程度に上記飼料を給餌すればよい。

【００１３】

【実施例】粗砕機で四つ割程度に粗砕した生大豆を、ド
ライエクストルーダーに投入し、バレル内の最高品温が
１５０℃となる条件にてエクストルーダー加工を行った
。得られたエクストルーダー加工全脂大豆の成分値は、
粗蛋白質４０％、粗脂肪２１．６％、粗繊維７．８％、
粗灰分５．１％であり、油脂中のω３系列脂肪酸は約８
％であり、ω６系列脂肪酸は５５％であった。

【００１４】次に、表１に示す配合組成の飼料原料を適
宜粉砕し、配合、混合して豚肉飼料を製造した。配合内
容は粗蛋白質１６％、粗脂肪５％、粗繊維３％、粗灰分
５％、ＴＤＮ８％、ＤＣＰ１４％と成るように設計した
。上記飼料を各区１０頭の子豚（開始時体重平均４０Ｋ
ｇ）に８３日間にわたって自由摂取させ飼育した。

【００１５】飼育期間中における各区の飼料摂取量、増
体重および飼料要求率には差がなかった。また、飼育開
始８４日後に屠殺し、カタ、モモ、ロ−ス、バラの４部
位別に筋肉中の脂肪酸量を分析し、ω３系列脂肪酸を求
めた結果は表２に示す通りであり、本発明によるエクス
トルーダー加工の全脂大豆を１０％および２０％配合し
たＢ区およびＣ区は、対照のＡ区に比べω３系列脂肪酸
は有意に高含有していた。また、豚肉中のビタミンＥ含
有量も表３に示す通り、本発明のＢ、Ｃ区は対照区に比
べて約２倍に増加していた。

【００１６】

【発明の効果】本発明は生大豆をエクストルーダー加工
した全脂大豆を顆粒状にして使用することから、大豆に
含有される油脂、特にα−リノレン酸を主体とするω３
系列脂肪酸が安定した状態で家畜、家禽用飼料に配合で
き、しかも顆粒状のものを使用することから家畜、家禽
にとって摂取し易い飼料となる効果がある。

【００１７】またこれらの飼料を家畜、家禽に摂餌させ
ることにより生理活性をもつ機能性成分として確認され
ているα−リノレン酸を主体とするω３系列脂肪酸を多
く、しかも安定的に畜肉に移行させることができ、かつ
飽和脂肪酸を少なくし、健康に良い畜肉を生産すること
ができるなどの効果がある。しかも、エクストルーダー
加工の全脂大豆は抽出したり、合成した化学物質ではな
く、通常の天然物である飼料原料として家畜に与えるこ
とが出来るので、家畜や家禽にとっても自然で安全であ
り、しかもヒトにとっては健康に良い畜肉を供給するこ
とが出来る。

【表１】

【表２】

【表３】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　エクストル−ダ−加工した全脂大豆を
配合してなることを特徴とする家畜、家禽用飼料。
【請求項２】　　エクストル−ダ−加工した全脂大豆を
配合してなる飼料を家畜、家禽に給与し、ω３系列脂肪
酸を高含有させることを特徴とする畜肉の生産方法。