JPH04271280A - 多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、荷電粒子の加速等に
用いるものであって、交流電圧をダイオードとコンデン
サとによって整流平滑して直流高電圧を発生させる高電
圧発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コッククロフトーワルトン型、シ
ェンケル型、絶縁変圧器型などの高電圧発生装置が知ら
れている。コッククロフトーワルトン型やシェンケル型
の高電圧発生装置の場合、ダイオードやコンデンサの耐
圧を低くするためには段数を多くしなければならず、そ
うすると、リップルの増加を招いたり、負荷変動に対し
て追従するのに応答遅れが生じて制御特性の悪化を招く
という問題があった。逆に、段数を減らすと、ダイオー
ドやコンデンサの耐圧を高くしなければならず、これら
の部品が大きくなるほか、励振部としても高電圧出力の
ものを必要とし、装置全体が大型化してしまうという問
題があった。

【０００３】このような問題を解決するために、絶縁変
圧器型の高電圧発生装置が開発された。その例を第６図
に示す。この絶縁変圧器型高電圧発生装置は、励振部１
に接続された１次コイル２を巻き付けた絶縁磁心３に複
数の２次コイル４を巻き付け、各２次コイル４にダイオ
ードとコンデンサの組み合わせからなる整流回路５を接
続し、各整流回路５の直流出力を直列に接続することに
よって直流高電圧を得るようにしたものである。この絶
縁変圧器型高電圧発生装置によれば、整流回路数を増や
せば、整流回路５を構成するダイオードやコンデンサと
して耐圧の低いものを用いることができ、また、負荷変
動に対する応答遅れが小さくて制御特性も良くなる。

【０００４】しかし、第６図の絶縁変圧器型高電圧発生
装置の場合には、あまり高電圧になると、絶縁磁心３を
用いているといっても２次コイル４と絶縁磁心３の表面
との間で放電が発生したり、絶縁磁心３を構成している
絶縁材料内の絶縁が破れて内部で放電が発生するおそれ
があるために、高電圧化には限度があった。そこで、本
発明者らは、第７図に示すような多段式絶縁変圧器型高
電圧発生装置を開発し、すでに出願を行っている（特願
昭１−１３９４６４号参照）。

【０００５】この多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置は
、３つの磁心Ｂ１　、Ｂ２　、Ｂ３　を並べ、各磁心Ｂ
１　、Ｂ２　、Ｂ３　に受電コイルＤ１　、Ｄ３　、Ｄ
５　と送電コイルＤ２　、Ｄ４　をそれぞれ巻き付け、
受電コイルＤ１　を交流の高電圧を出力する励振部Ａに
接続し、送電コイルＤ２　と受電コイルＤ３　とを送電
ラインＦ１　を介して接続し、送電コイルＤ４　と受電
コイルＤ５　とを送電ラインＦ２　を介して接続するこ
とにより、３段の絶縁変圧器を構成している。また、磁
心Ｂ１　、Ｂ２　、Ｂ３　にそれぞれ２つの２次コイル
（Ｅ１１、Ｅ１２）、（Ｅ２１、Ｅ２２）、（Ｅ３１、
Ｅ３２）を巻き付けてそれぞれに整流回路Ｃ１１、Ｃ１
２、Ｃ２１、Ｃ２２、Ｃ３１、Ｃ３２を接続し、各整流
回路Ｃ１１〜Ｃ３２の直流出力を直列に接続してある。

【０００６】そして、各磁心Ｂ１　、Ｂ２　、Ｂ３　の
電位を、その磁心に設けた一対の整流回路（Ｃ１１、Ｃ
１２）、（Ｃ２１、Ｃ２２）、（Ｃ３１、Ｃ３２）のう
ち中間の電位をもつ整流回路Ｃ１１、Ｃ２１、Ｃ３１の
出力電位と同一に固定化してあり、また、各送電ライン
Ｆ１　（Ｆ２　）の電位を、前段の磁心Ｂ１　（Ｂ２　
）に設けた最後段の整流回路Ｃ１２（Ｃ２２）と次段の
磁心Ｂ２　（Ｂ３　）に設けた最前段の整流回路Ｃ２１
（Ｃ３１）との接続点Ｐ４　（Ｐ５　）の電位と同一に
固定してある。したがって、２次コイルと磁心との間お
よび送電コイルや受電コイルと磁心との間での放電、な
らびに、磁心内部での放電を防止することができ、全体
として、耐圧の比較的低い部品で整流回路を構成するこ
とができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の多段式絶縁変圧
器型高電圧発生装置は、上記のように構成されているが
、第７図の二次コイルＥ１１〜Ｅ３２は高電圧を発生さ
せる必要があるため、どうしても巻数が多くなり、それ
とともに線間容量との間で共振を生じてくる。従って、
励振部の励振周波数がこの共振周波数に近づくと、複数
の２次コイルの線間容量のわずかな差によって２次コイ
ルの出力電圧にアンバランスが生じる。このようなアン
バランスが生じると、各整流回路Ｃ１１〜Ｃ３２の直流
出力に差が発生するので、各整流回路の出力には各整流
回路の規定出力より低下するものあるいは規定出力を越
えるものが生じる。規定出力を越えるものが生じると、
磁心との間で放電が発生するので、規定出力を越える整
流回路の出力が規定出力以下となるように、励振部の励
振電圧を下げる必要が生じ、結果的に合成した直流高電
圧の上限が下がってしまうという問題があった。

【０００８】一方、励振部の励振周波数は通常２次コイ
ルの共振周波数よりも低い周波数に設定し、この励振周
波数をより低い周波数に設定することにより２次コイル
出力の電圧アンバランスを防止することはできるが、周
波数を低くすると各整流回路の出力のリップルが増加す
るので、あまり低くすることができないという問題があ
った。この発明は上記のような従来技術の問題点を解消
するために創案されたものであり、直流高電圧出力のリ
ップル率を小さく抑えるとともに、各整流回路出力のア
ンバランスを防止し、所望の直流高電圧を得ることがで
きる多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置を提供すること
を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置は、
複数の磁心のそれぞれに送電コイルと受電コイルを巻き
付け、端部の磁心の受電コイルを励振部に接続し、互い
に隣接する一方の磁心の送電コイルと他方の磁心の受電
コイルとを送電ラインを介して順次接続し、各磁心にそ
れぞれ複数の２次コイルを巻き付け、各２次コイルに整
流回路を接続し、各整流回路の直流出力を順次直列に接
続するとともに、各２次コイルに平行に抵抗が挿入され
ている。

【００１０】

【作用】この発明の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置
は上記のように構成されており、２次コイルとこの２次
コイルの線間容量からなる並列共振回路に並列に抵抗が
入っているので、共振回路のＱ値を下げることができ、
２次コイルの出力電圧のアンバランスを減少させること
ができ、結果的に所望の高電圧を得ることができる。ま
た、この抵抗は高電圧発生装置で放電が生じた際のサー
ジ吸収にも役立つ。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。第１図はこの発明の多段式絶縁変圧器
型高電圧発生装置の回路図である。３つの磁心Ｂ１　、
Ｂ２　、Ｂ３　を並べ、磁心Ｂ１　に受電コイルＤ１　
と送電コイルＤ２　を、磁心Ｂ２　に受電コイルＤ３　
と送電コイルＤ４　を、磁心Ｂ３　に受電コイルＤ５　
をそれぞれ巻き付け、受電コイルＤ１　を交流の高電圧
を出力する励振部Ａに接続し、送電コイルＤ２　と受電
コイルＤ３　とを送電ラインＦ１　を介して接続し、送
電コイルＤ４　と受電コイルＤ５　とを送電ラインＦ２
　を介して接続することにより、３段の絶縁変圧器を構
成している。

【００１２】そして、磁心Ｂ１　に２つの２次コイルＥ
１１、Ｅ１２を巻き付けてそれぞれに整流回路Ｃ１１、
Ｃ１２を接続し、磁心Ｂ２　にも２次コイルＥ２１、Ｅ
２２を巻き付けてそれぞれに整流回路Ｃ２１、Ｃ２２を
接続し、磁心Ｂ３　にも２次コイルＥ３１、Ｅ３２を巻
き付けてそれぞれに整流回路Ｃ３１、Ｃ３２を接続し、
各整流回路Ｃ１１〜Ｃ３２の直流出力を直列に接続して
ある。なお、各整流回路Ｃ１１〜Ｃ３２は、例えば２段
のコッククロフトーワルトン型整流回路が用いられる。

【００１３】また、磁心Ｂ１　における一対の整流回路
Ｃ１１、Ｃ１２の接続点Ｐ１　と磁心Ｂ１　における任
意の点Ｑ１　とを導線Ｇ１　を介して接続し、磁心Ｂ２
　における一対の整流回路Ｃ２１、Ｃ２２の接続点Ｐ２
　と磁心Ｂ２　における任意の点Ｑ２　とを導線Ｇ２　
を介して接続し、磁心Ｂ３　における一対の整流回路Ｃ
３１、Ｃ３２の接続点Ｐ３　と磁心Ｂ３　における任意
の点Ｑ３　とを導線Ｇ３　を介して接続してある。すな
わち、各磁心Ｂ１　、Ｂ２　、Ｂ３　の電位を、その磁
心に設けた一対の整流回路（Ｃ１１、Ｃ１２）、（Ｃ２
１、Ｃ２２）、（Ｃ３１、Ｃ３２）のうち中間の電位を
もつ整流回路Ｃ１１、Ｃ２１、Ｃ３１の出力電位と同一
に固定化してある。

【００１４】また、整流回路Ｃ１２、Ｃ２１の接続点Ｐ
４と送電ラインＦ１　上の点Ｑ４　とを導線Ｇ４　を介
して接続し、整流回路Ｃ２２、Ｃ３１の接続点Ｐ５　と
送電ラインＦ２　上の点Ｑ５　とを導線Ｇ５　を介して
接続してある。すなわち、各送電ラインＦ１　（Ｆ２　
）の電位を、前段の磁心Ｂ１　（Ｂ２　）に設けた最後
段の整流回路Ｃ１２（Ｃ２２）と次段の磁心Ｂ２　（Ｂ
３　）に設けた最前段の整流回路Ｃ２１（Ｃ３１）との
接続点Ｐ４　（Ｐ５　）の電位と同一に固定してある。

【００１５】各整流回路Ｃ１１〜Ｃ３２それぞれの直流
出力電圧をＶ０　とすると、それらを直流接続した多段
式絶縁変圧器型高電圧発生装置の直流出力電圧は６×Ｖ
０　となり、高電圧が得られる。この最終段の整流回路
Ｃ３２から得られる電圧を、複数段階の電圧に分圧して
選択的に取り出せるようにするために、整流回路Ｃ３２
の出力側とアース間に分圧抵抗Ｒ１　〜Ｒ６　を介在さ
せている。そして、各２次コイルＥ１１〜Ｅ３２には並
列に抵抗ｒ１１〜ｒ３２が挿入されており、各２次コイ
ルと各２次コイルの線間容量からなる並列共振回路のＱ
値が下がるので、各２次コイルの出力電圧のアンバラン
スが減少する。

【００１６】第２図は抵抗ｒを挿入しない場合の２次コ
イルの等価回路であり、下記の式１で決まる共振周波数
ｆ０　で共振を起こし、２次コイルの出力電圧Ｖ０　は
第３図のように無限大（実際には回路の損失があるため
有限値）になる。なお、下記の式１において、Ｌは２次
コイルのインダクタンス、Ｃは２次コイルの線間容量で
ある。

【００１７】

【式１】

【００１８】

【００１９】複数の２次コイルの線間容量Ｃのアンバラ
ンスにより各共振回路の共振周波数ｆ０　にアンバラン
スが発生するので、励振周波数ｆがｆ０　に近づくと、
２次コイルの出力電圧Ｖ０　が大きく変化してしまう。 このため、各整流回路Ｃ１１〜Ｃ３２の出力にもアンバ
ランスが生じ、このうち最大出力のものが所定値を越え
る磁心との間で放電が起きるため、この放電が起こらな
いように、励振部の励振電圧を下げなければならず、結
果的に合成した直流高電圧の値が下がることとなった。

【００２０】一方、第４図は第１図の本発明の多段式絶
縁変圧器型高電圧発生装置の２次コイルの等価回路であ
り、抵抗ｒが入っているので、共振回路のＱ値はＱ＝２
πｆ０　Ｃｒとなり、第５図のように励振周波数ｆ＝ｆ
０　のときの共振回路の出力電圧Ｖ０　が下がるだけで
なく、ｆ＜ｆ０　の場合でも、２次コイルの線間容量Ｃ
の変化による共振回路の出力電圧Ｖ０　への影響が減少
する。

【００２１】上記実施例では、各磁心に２つの２次コイ
ルを設けているが、各磁心に１つの２次コイルを設けた
場合にも、本発明を適用することができ、また、上記実
施例では、各磁心および各送電ラインの電位を各整流回
路の出力電位に固定することにより、放電を防止する場
合について説明したが、各磁心および各送電ラインの電
位は図示の例に限らず、例えば、各磁心Ｂ１　、Ｂ２、
Ｂ３　の電位をその磁心に設けた一対の整流回路の最低
の電位をもつ点の電位と同一にし、各送電ラインの電位
を各整流回路の中間の電位に固定してもよく、また、絶
縁磁心により放電を防止できるような電圧範囲で使用す
る場合には、各磁心および各送電ラインの電位を特に固
定しなくてもよい。

【００２２】

【発明の効果】この発明の多段式絶縁変圧器型高電圧発
生装置は、上記のように構成されており、励振部の励振
周波数を共振周波数よりもかなり低い周波数に設定する
必要がないので、直流高電圧出力のリップルが増加する
ことがなく、また、各整流回路出力のアンバランスがな
くなるので、放電を誘発することなく、各整流回路の出
力電圧を所望の値まで上げることができ、所望の直流高
電圧を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置の
一実施例を示す図である。

【図２】従来の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置の２
次コイルの等価回路を示す図である。

【図３】図２の回路の２次コイル出力電圧の周波数特性
を示す図である。

【図４】本発明の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置の
２次コイルの等価回路を示す図である。

【図５】図４の回路の２次コイル出力電圧の周波数特性
を示す図である。

【図６】従来の絶縁変圧器型高電圧発生装置を示す図で
ある。

【図７】従来の多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置を示
す図である。

【符号の説明】

Ａ　　　　　　　　　　　　　　　　励振部Ｂ１　〜Ｂ
３　　　　　　　　　磁心 Ｃ１１〜Ｃ３２　　　　　　　　整流回路Ｄ１　、Ｄ３
　、Ｄ５　　　受電コイルＤ２　、Ｄ４　　　　　　　
　　送電コイルＥ１１〜Ｅ３２　　　　　　　　２次コ
イルＦ１　、Ｆ２　　　　　　　　　送電ラインＧ１　
〜Ｇ５　　　　　　　　　導線 Ｒ１　〜Ｒ６　　　　　　　　　分圧抵抗ｒ１１〜ｒ３
２　　　　　　　　抵抗

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数の磁心のそれぞれに送電コイルと
   受電コイルを巻き付け、端部の磁心の受電コイルを励振
   部に接続し、互いに隣接する一方の磁心の送電コイルと
   他方の磁心の受電コイルとを送電ラインを介して順次接
   続し、各磁心にそれぞれ２次コイルを巻き付け、各２次
   コイルに整流回路を接続し、各整流回路の直流出力を順
   次直列に接続した多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置に
   おいて、各２次コイルに並列に抵抗を挿入したことを特
   徴とする多段式絶縁変圧器型高電圧発生装置。