JPH04258721A - 異常検知装置 - Google Patents

異常検知装置

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JPH04258721A
JPH04258721A JP3019717A JP1971791A JPH04258721A JP H04258721 A JPH04258721 A JP H04258721A JP 3019717 A JP3019717 A JP 3019717A JP 1971791 A JP1971791 A JP 1971791A JP H04258721 A JPH04258721 A JP H04258721A
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JP
Japan
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feature extraction
equipment
extraction data
function
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JP3019717A
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English (en)
Inventor
Shigeru Matsumoto
茂 松本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電プラントその他の
各種プラントにおける設備機器の異常を、音響信号の過
渡変化に基づいて自動検知する異常検知装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】発電所などの各種プラントにおいて、設
備機器から発する音としては、液体または気体の流動音
や回転機の運転に伴う周期的な音が多い。このため設備
機器の異常監視の手段として、定時パトロールによって
上記の流動音や周期音を聴覚で捕えて異常の有無を判断
することが一般に行われている。しかしながら、機器の
異常は、比較的短期間の過渡的な音響として発せられる
ことが多く、従って定時パトロールだけでは検知できな
いことが多い。上記の過渡的な音響を確実に捕えるため
には、音響を常時自動的に監視する手段が必要である。
【0003】近年は、可燃物による爆発音や高圧流体の
突発的な漏洩,あるいは蒸気配管のハンマリング現象に
伴う異音など、過渡音として聴覚で識別できる異常を、
音響信号の処理技術を応用して自動検知する方式が種々
試みられている。その1つの方式として、配管のハンマ
リング音を検知する例を図11に示す。
【0004】図11において、配管1からハンマリング
音が発生すると、その近傍に設置されたマイクロホン2
がその音響信号を捕え、この信号が音響処理装置3で解
析されてハンマリングの有無が検出される。
【0005】図12は、マイクロホン2で捕えた音響信
号の周波数スペクトルを示すもので、正常時のスペクト
ル4に対して、ハンマリング音の発生時には瞬間的に一
定区間の周波数帯域でスペクトルレベルの増分5が生ず
るので、これをスペクトルの経時的な変化として捕える
ことによって、図13に示すような周波数軸と時間軸の
二次元座標に対するスペクトルレベルデータ6が得られ
る。
【0006】従って周波数スペクトルの経時変化を示す
データ6を、予め記憶させておいた当該機器に対する典
型的な異常時のデータあるいは正常時のデータと比較す
ることによって異常の有無を判定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発電プ
ラントなど大規模なプラントにおいては、膨大な数の機
器が有機的に連動して運用されるので、監視対象とする
機器および周辺に配置された多数の機器群の運用状態の
変化に従って、図14の7に示すように、周波数スペク
トルの経時変化を示すデータは、正常時にも複雑に変動
し、このため、図15に示すように異常に起因して発せ
られる過渡的なスペクトルの増分5が暗騒音の変動の中
に埋没され、異常の検知が困難となる。
【0008】従って、周波数スペクトルの経時的な変化
を捕える手法においては、判定に用いるしきい値として
、機器の多様な運用状態に対応した個別のデータを設定
する必要がある。
【0009】本発明は、機器の運用状態の変化に伴う暗
騒音の変動を考慮してなされたもので、機器の運用状態
の変化に伴う音響信号の変動が比較的大きな監視箇所に
対しても、音響信号を処理することによって機器の異常
を確実に捕えることができるようにした異常検知装置を
提供することを目的としている。[発明の構成]
【00
10】
【課題を解決するための手段と作用】上記の目的を達成
するために、本発明の異常検知装置は、マイクロホンを
介して得た音響信号を一定のサンプリング周期でディジ
タル量として取込む入力部と、入力した過渡的な音響信
号から、周波数スペクトルの時系列的な変化過程を表す
特徴抽出データを生成する特徴抽出データ生成機能、機
器の運用状態に応じて複数の特徴抽出データを基準デー
タとして記憶する保存機能、および異常判定のために取
込んだ音響信号における特徴抽出データを基準データと
比較し両者が一致するか否かによって機器の正常異常を
識別する判定機能をもつ演算部と、上記の判定結果を通
報装置に出力する出力部とからなる音響処理装置を備え
、監視対象となる機器から発する過渡音を解析して得ら
れた周波数スペクトルの経時変化を示すデータが、機器
の運用状態による変動に埋没されて異常検知精度が低下
するのを防止すると共に、機器の運用状態の変化に伴な
う音響信号の変動が大きな箇所に対しても異常の検知を
可能としたものである。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図4に示す。
【0012】図1は本発明の機器構成を示すもので、音
響処理装置3はマイクロホン2を介して得た音響信号を
ディジタル化して取り込む入力部9と、ディジタル化さ
れた音響信号を処理して監視対象機器の正常・異常を判
定する演算部10と、判定結果を出力する出力部11か
ら構成されている。12は判定結果を表示するCRTな
どの通報装置である。
【0013】図2は図1における音響処理装置3の機能
構成を示すもので、入力機能13は音響処理装置3の入
力部9が持つ機能であり、特徴抽出データ生成機能14
,保存機能15,および判定機能16は演算部10に属
する機能であり、出力機能17は出力部11が持つ機能
である。異常判定の開始に先立って予め蓄積される、異
常判定の基準的データとしての音響信号は、図2の入力
機能13によって一定のサンプリング周期でディジタル
量として取り込まれ、さらに、音響信号に影響する機器
の運用状態を示す運用状態識別情報22も同時に取り込
まれる。
【0014】次に特徴抽出データ生成機能14が、入力
された音響信号から、図3に示すような周波数スペクト
ルの帯域別の時系列的な変化過程を示す特徴データ20
を抽出し、各帯域のデータを一括して特徴抽出データ2
1として生成する。
【0015】さらに保存機能15が図4に示すよな手順
で特徴抽出データ21を基準データ23として保存する
。すなわち、機器の運用状態識別情報22をタグ情報と
して特徴抽出データ21に結び付けて基準データ23を
作成し、基準データ23の保存を、監視する機器の運用
状態全般にわたって繰り返すことにより、機器の運用状
態識別情報22に応じて客観的に分類された基準データ
群が蓄積される。
【0016】監視対象の機器から発せられた音響信号は
、機器の運用状態識別情報22と共に入力機能13によ
って取り込まれ、取り込まれた音響信号は特徴抽出デー
タ生成機能14によって特徴抽出データ21に変換され
、判定機能16によって、機器の運用状態識別情報22
をタグ情報として、同一のタグ情報を持つ基準データ2
3が抽出され、入力された音響信号の特徴抽出データと
比較される。
【0017】入力された音響信号の特徴抽出データ21
が基準データ23に合致している場合には、監視対象の
機器は基準データ23を保存した時点と同様の状態にあ
ると判定され、反対に入力した音響信号の特徴抽出デー
タ21が何れの基準データ23とも相違している場合に
は、機器は基準データ23を保存した時点での状態とは
異る状態にあると判定され、判定結果は出力機能17を
介して通報装置12に出力され、これによって異常の有
無が検知される。 次に本発明の異常検知装置を火力発電プラントの設備機
器の異常監視に用いた場合の、具体的な動作について説
明する。
【0018】図5は運用状態識別情報22として取り込
まれるタービン発電機出力の一例を示すもので、一般に
、火力発電プラントにおいては、各機器の運用状態はタ
ービン発電機の出力に影響され、暗騒音の周波数スペク
トルも大きく変動するので、タービン発電機出力に応じ
て蓄積した基準データ23を用いて判定を行うことによ
り、監視する機器やその周囲に配置されている機器群か
ら発する暗騒音の変動による影響を排除できる。
【0019】暗騒音は、タービン発電機の起動前から停
止後に到る発電機出力の変化に対して、出力値と出力変
化率に対して大きく影響されるという特徴を有するので
、本例においては、基準データの保存を図5に示すよう
に、系統併入前24、出力上昇過程25、一定中間出力
26、定格出力27、出力下降過程28、解列後29、
という6つの運用状態に区分して行っている。
【0020】すなわち、基準データ23の蓄積を行うと
きは、図2の入力機能13によって音響信号を一定のサ
ンプリング周期で連続して取り込むと共に、機器の運用
状態識別情報22としてタービン発電機の出力値および
出力の変化率を取り込む。
【0021】特徴抽出データ生成機能14は、図3に示
すうよに音響信号から周波数スペクトルの帯域別の時系
列的な変化過程を示す特徴データ20を抽出し、各帯域
特徴データを一括して特徴抽出データ21として生成し
、さらにタービン発電機の出力値と出力の変化率から、
図5に示す6つの運用状態のうちの何れに該当するかを
識別する。保存機能15は、図6に示すように、各特徴
抽出データ21に対してそれぞれの運用情報に対応する
タグ情報30を付加して基準データ23として保存する
。この基準データ23の保存を、プラント起動時から停
止時まで、繰り返し行うことによって、各運転状態に応
じて分類された基準データ群が蓄積される。
【0022】なお、基準データ保存時に同一のタグ情報
30を持つデータが既に保存されている場合には、両者
の特徴抽出データを比較して異なっている場合のみ新た
に保存するようにすれば、同一の特徴抽出データ21を
持った基準データ23が重複して保存されることが防止
される。また図6に示すように、判定用補助情報31と
して、音響信号入力時の監視対象機器の正常、異常の区
別および異常の内容をオペレータの指示に応じて基準デ
ータ23に付加して保存することも可能である。
【0023】機器の異常検知では、先ず監視対象機器か
らの音響信号が入力機能13によって連続して取り込ま
れ、同時に機器の運用状態識別情報22としてタービン
発電機の出力値および出力の変化率が取り込まれ、次に
特徴データ抽出機能14によって、図3に示すように音
響信号から周波数スペクトルの帯域別の時系列的な変化
過程を示す特徴データ20が抽出され、各帯域のデータ
を一括して特徴抽出データ21が生成され、さらにター
ビン発電機の出力値と出力変化率から、図5に示す3つ
の運用状態のうちの何れに該当するかが識別され、判定
機能16によって図6に示す基準データ群の中から、入
力した運用状態識別情報22と同一の運用状態に該当す
るタグ情報30を持つ基準データ23が抽出され、それ
ぞれ入力された音響信号の特徴抽出データ21と比較さ
れる。
【0024】比較によって、入力した音響信号と同一の
特徴抽出データ21を持つ基準データ23が発見された
ときは監視対象の機器は基準データを保存した時点と同
じ状態にあると判定され、その基準データに付帯してい
る判定用補助情報31を出力機能17に出力し、入力し
た音響信号と同一の特徴抽出データを持つ基準データが
保存されていない場合には、未経験の異常が検出された
と判定して、これを出力機能17に出力し、出力機能1
7は判定機能16の判定結果に基づいて正常、異常の区
別および異常の内容を通報装置10に出力する。
【0025】上述した本発明の実施例においては、プラ
ントの機器群の運用状態に広く影響を与える共通のプロ
セス量を機器の運用状態識別情報22として取り込むこ
とによって、監視する機器およびその周辺に配置されて
いる機器群より発せられる暗騒音の変動による影響を排
除できるので、多数の機器が隣接して設置されているよ
うな箇所に対しても異常音の識別が可能となり異常の検
知精度が向上する。
【0026】図7〜図9は本発明の他の実施例を示すも
ので、周波数スペクトルの時系列変化過程を、周波数帯
域別に構築した複数のARモデルから特徴抽出データを
導出して多様な機器が連動して運用されることに起因し
て音響信号に生じる多様なゆらぎの影響を排除して高精
度の異常判定を行うものである。
【0027】発電所などの大形のプラントにおいては、
膨大な数の機器が有機的に連動して運用され、個々の機
器の運用状態は周辺の機器の運用状態と互いに干渉し、
これによって多様なゆらぎを持った音響信号が発生する
【0028】このような、多様なゆらぎによる音響信号
の変化を、機器の運用状態識別情報のみで分類して別個
の基準データとして保存すると入力すべき運用状態識別
情報の種類が非常に多くなり、保存すべき基準データの
数も膨大となるので、実用的な検知速度が得られず、さ
らに異常判定結果に対する信頼性も低下する。
【0029】本実施例は、周波数スペクトルの時系列変
化過程に対して周波数帯域別に構築した複数のARモデ
ルから特徴抽出データを導出し、この特徴抽出データを
基準データとして蓄積し、これを用いて異常検知を行う
ことにより、多様な機器が連動して運用されることに起
因して音響信号に生ずる多様なゆらぎの影響を排除して
高精度の異常検知が行えるよにするものである。
【0030】図7は連続的に入力された音響信号を、周
波数帯域をm組に分割して、それぞれを時系列的にnデ
ータずつ並べたものである。入力された信号に機器の運
用に伴うゆらぎが高い割合で含まれている場合は、この
データをそのまま特徴抽出データ21として判定を行う
と、異常による変動分はゆらぎの成分に埋没し、異常の
検知ができない可能性が生ずる。
【0031】図8は周波数帯域別に各時系列変化過程を
ARモデルに同定する方法を説明する図であり、m組に
分割した時系列データ群のうち第i組の時系列データ{
xi,j }(j=1〜n)を例として示している。図
8において、時系列データ{xi,j }(j=1〜n
)は下記(1)式によりARモデルとして同定される。     yi,n+1 =ai,1 ・xi,1 +a
i,2 ・xi,2 +…            +
ai,n ・xi,n +ei,n+1       
              …(1)
【0032】こ
こでai,j は時系列データxi,j に対応するA
R係数、xi,n+1 は図中8の33に示したように
時系列データ{xi,j }(j=1〜n)から導かれ
る時点n+1における予測値、ei,n+1 は予測値
xi,n+1 に付帯する白色雑音成分である。なお、
(1)式におけるAR係数{ai,j }(j=1〜n
)は時系列データ{xi,j }(j=1〜n)をもと
にユールウォーカ方程式を導出したのち、レビンソンダ
ービンのアルゴリズムなどを用いて算出することができ
る。
【0033】(1)式に基づいて周波数帯ごとのm組の
時系列データ{xi,j }(j=1〜n)をそれぞれ
ARモデルとして同定すると、下記(2)式によって一
括して示すことができる。
【0034】
【数1】
【0035】本実施例においては、(2)式によって同
定されたAR係数{ai,j }(i=1〜m,j=1
〜n)を用いて、図9の35に示すような構成で特徴抽
出データを生成することができる。AR係数は時系列デ
ータにおける変化過程の特徴を受け継いでおり、従って
図9の35に示す特徴抽出データによって、音響信号の
周波数スペクトルの全帯域について変化過程の特徴を表
現することができる。
【0036】本実施例では、先ず特徴抽出データ生成機
能14が(2)式で導出された各周波数帯域のAR係数
{ai,j }(i=1〜m,j=1〜n)から図9の
特徴抽出データ35を生成する。
【0037】なお、発電プラントにおけるタービン発電
機出力のように、音響信号の変動に対して特に影響の大
きいプロセス量については、機器の運用状態識別情報2
2として限定して取り込むことによって検知精度を一層
高めることが可能である。
【0038】保存機能15は、機器の運用状態識別情報
22をタグの形で特徴抽出データ35に結び付けて基準
データ18として保存する。基準データ18の保存は異
常検知に先立ち監視する機器の運用状態全般について繰
り返し行い、これによって十分に精度の高い基準データ
18として蓄積しておく。
【0039】判定機能16は、機器の運用状態識別情報
22をタグ情報として同一のタグ情報を持つ基準データ
18を抽出し、入力した音響信号の特徴抽出データ35
と比較する。本実施例では、パラメータミスマッチング
規範(SSPM)と呼ばれる規範量を用いて判定を行っ
ており、周波数帯域ごとにm組のAR係数のデータを用
いてそれぞれ下記(3)式を計算する。 ここでai,j は基準データにおけるAR係数,bi
,j は異常検知を行うために取り込んだ音響信号をも
とに算出した特徴抽出データのAR計数である。
【0040】各周波数帯におけるSPPM(i),(i
=1〜m)がいずれも予め定めたしきい値ε以下となっ
たときは、監視対象の機器は基準データを保存した時点
と同一の状態にあると判定され、反対に各周波数帯にお
けるSPPM(i),(i=1〜m)のいずれかがしき
い値を超えたときは、監視対象の機器は基準データを保
存した時点と相違した状態にあると判定される。なお、
本実施例では、判定にパラメータミスマッチング規範を
用いているが、例えば赤池が提案しているAIC法など
、他の手法を用いることも可能である。判定結果は出力
機能17を介して通報装置12に出力される。
【0041】本実施例によれば、音響信号における周波
数スペクトルの時系列変化過程に対して周波数帯域別に
構築した複数のARモデルから特徴抽出データを導出し
、この特徴抽出データを基準データとして保存し、これ
に基づいて異常判定を行っているので、多様な機器が連
動して運用されることに起因する音響信号のゆらぎによ
る影響を排除した高精度の検知が可能となる。また、図
10は本発明の他の実施例を示すもので、この場合は演
算部10の保存機能15および判定機能16をニューラ
ルネットワークによって実現している。
【0042】ニューラルネットワークを適用する利点は
、多変数の入力情報に対して全体的な特徴を単純化して
認識し、保存する,いわゆる学習能力が利用できること
である。すなわち音響信号の特徴抽出データ21および
機器の運用状態識別情報22をニューラルネットワーク
に入力することにより、ネットワークの内部に基準デー
タ18が自動的に蓄積され、基準データの保存や特徴抽
出データとの比較のための複雑な手続きが不用となり、
高精度かつ高速度の異常検知が可能となる。本実施例の
ニューラルネットワークは、図10の中の38〜42に
示すように入力層,中間層,出力層の3層から成る階層
型を用いている。
【0043】入力層は、特徴抽出データ37における周
波数軸および時間軸のデータ数に対応させて二次元平面
的に配置した特徴抽出データ入力用ニューロン38と、
機器の運用状態識別情報22を入力するための運用状態
入力用ニューロン39から成り、特徴抽出データ入力用
ニューロン38は、特徴抽出データ37の構成に合せて
周波数軸方向に5個,時間軸方向に5個としてマトリク
ス状に合計25個のニューロンが配置され、運用状態入
力用ニューロン39は、タービン発電機の出力値と出力
の変化率を入力するために合計2個配置されている。中
間層は入力信号に対して必要な分解能が確保できる程度
にニューロン40の個数を選択して配置されている。
【0044】また、出力層は、判定結果として出力させ
たい正常あるいは異常の内容に対応させてニューロンが
配置され、本例では、正常音識別用ニューロン41とハ
ンマリング音識別用ニューロン42の合計2個が設けら
れている。入力層,中間層,出力層は情報伝達用のシナ
プス43で結ばれ、入力層から出力層に向かって情報が
流れるようになっている。
【0045】本例においては、基準データ18を蓄積す
るためのネットワークの学習を、異常判定に先立って予
め行う必要がある。ネットワークの学習では、先ずネッ
トワークに入力する特徴抽出データ37を生成し、本例
では入力した音響信号における周波数スペクトルの時系
列変化を示すデータ36から、周波数帯域別に5組のA
Rモデルを構築し、各モデルからそれぞれ5個のAR係
数を取り出して特徴抽出データ37を導出する。
【0046】次に5×5のマトリクス状に配置した特徴
抽出データ入力用ニューロン38のそれぞれに対して周
波数軸および時間軸を合せて特徴抽出データ37を入力
し、また、同様にしてタービン発電機の出力値および出
力値の変化率を運用状態入力用ニューロン39に入力す
る。
【0047】上記、入力層への入力信号は、情報伝達用
シナプス43と中間層のニューロン40を介して正常音
か異常音かの識別が行われ、最終的に出力層にまで到達
する。十分な学習を行ったネットワークの出力層では、
入力した特徴抽出データ37および機器の運用状態識別
情報22に応じて正常音であれば正常音識別用のニュー
ロン41からの出力値が増加し、逆に入力した音響信号
がハンマリングによる異常音であればハンマリング音識
別用ニューロン42からの出力値が増加する。
【0048】学習が不十分なネットワークでは入力信号
に対して正しい出力値は得られないので、学習時におい
て、現在入力している信号が正常音であるか、異常音で
あるのかを識別するための情報を、ニューラルネットワ
ークにおける教師信号として図10の中の教師信号の入
力線を介して出力層の各ニューロンに入力する。この教
師信号を用いた学習を繰り返し行うことによって、誤判
定の出力値が矯正され、ニューラルネットワークの内部
に特徴抽出データ37と機器の運用状態識別情報22お
よび機器に対する正常,異常を識別する情報の3者が結
び合わされた正しい基準データ18が順次形成される。
【0049】一方、機器の異常検知では、判定を行う音
響信号の特徴抽出データ37および機器の運用状態識別
情報22を入力層の各ニューロンに入力することにより
、ニューラルネットワークの内部で自動的に正常音か異
常音かの識別が行われ、出力層のニューロンから判定結
果として出力される。
【0050】この実施例では、周波数スペクトルの時系
列的な変化過程を示す特徴抽出データと監視対象の機器
の運用状態を示す識別情報をニューラルネットワークに
入力し、ニューラルネットワークの内部で基準データの
蓄積および正常,異常の判定を行っているので、運用状
態が多様に変化する機器に対しても特徴抽出データの量
が膨大となることなく、高精度かつ高速度で異常音の検
出が可能となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、監
視対象となる機器から発生する過渡的な音響信号を、周
波数スペクトルの時系列的な変化過程としてデータ化し
、機器の運用状態を反映した識別情報と共に基準データ
として蓄積し、実際の運転中に検出した音響信号をこの
基準データを比較して異常を判定しているので、機器の
運用状態の変化に伴う音響信号の変動による影響が排除
でき、検知精度が向上し、また、学習を行うことによっ
て自動的かつ客観的に基準データが調整できるのでオペ
レータの個人能力によらない検知精度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常検知装置の一実施例を示す機
器構成図。
【図2】本発明による異常検知装置の一実施例を示す機
器構成図。
【図3】本発明における特徴抽出データの作成手法を説
明するための模式図。
【図4】本発明における基準データ保存機能を説明する
ための模式図。
【図5】本発明における機器の運用状態認識情報の利用
方法を説明するための模式図。
【図6】本発明における基準データの利用方法を説明す
るための模式図。
【図7】本発明の対象となるプラント機器の音響信号の
ゆらぎを説明するためのグラフ図。
【図8】本発明における、周波数スペクトルの時系列変
化過程をARモデルとして同定する方法を説明するため
のグラフ図。
【図9】本発明におけるAR係数によって構成された特
徴抽出データを説明するためのデータ図。
【図10】本発明における、ニューラルネットワークを
用いた保存機能および判定機能を説明するための模式図
【図11】配管のハンマリング音に対する従来の検知方
法を説明するための模式図。
【図12】ハンマリング音によるスペクトルレベルの増
分を説明するためのグラフ図。
【図13】周波数軸と時間軸との二次元座標における周
波数スペクトルの経時変化の一例を示すグラフ図。
【図14】音響信号の正常時における経時変化の一例を
示すグラフ図。
【図15】異常に起因する過渡的な音響信号が暗騒音に
埋没する状態の一例を説明するためのグラフ図。
【符号の説明】
1…配管、2…マイクロホン、3…音響処理装置、9…
入力部、10…演算部、11…出力部、12…通報装置
、13…入力機能、14…特徴抽出データ生成機能、1
5…保存機能、16…判定機能、17…出力機能、18
,23…基準データ、21…特徴抽出データ、22…運
用状態識別情報。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  複数の機器から成るプラントの各機器
    から発生する音響信号を検出して各機器の異常を自動検
    知する異常検知装置において、各機器の音響信号を、当
    該機器の運用状態識別情報と共に所定のサンプリング周
    期でディジタル量として取込む入力部と、入力した音響
    信号から周波数スペクトルの時系列的な変化過程を表わ
    す特徴抽出データを生成する特徴抽出データ生成機能、
    機器の運用状態に応じて複数の特徴抽出データを基準デ
    ータとして記憶する保存機能、および異常判定のために
    取込んだ音響信号からの特徴抽出データを基準データと
    比較し、両者が合致するか否かによって機器の正常か異
    常かを識別する判定機能から成る演算部と、上記の判定
    結果を通報装置に出力する出力部を備えた音響処理装置
    を設けたことを特徴とする異常検知装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006522396A (ja) * 2003-03-31 2006-09-28 ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー データ分析のシステム及び方法
JP2018010632A (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 照明装置内の音響センサを用いた、構成要素の状態評価

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