JPH0425816B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は上下肢その他身体の運動機能障害に対
するリハビリテーシヨン用浴槽装置に関する。

従来の技術 従来よりリハビリテーシヨン用の浴槽装置とし
て床面設置の浴槽は種々実用化されている。例え
ば一人用の浴槽内に座位又は下肢を延ばした状態
で湯の中で上下肢等の運動を可能にしたもの、浴
槽内に温度計や撹拌機を備えたもの等がみられ
る。（J.A.PRESTON CORPORATION製U.S.
A）。

発明が解決しようとする問題点 上記のようなリハビリテーシヨン用浴槽におい
ては、床面設置の浴槽で移動や設置には便利であ
つても、床面上で浴槽壁を越えるためにリフトを
用意したり、浴槽内の温湯を調整するための撹拌
機を備えたりして個人用としては便利ではある
が、注入される温湯の温度維持が難しく、リハビ
リ用として多くの患者が温湯によりリハビリテー
シヨンを繰返えすためには適当な水位と温度を維
持しつつ、患部の運動と適切な温湯接触が要求さ
れる。

本発明は上記要求を満足できる床面設置の浴槽
であり且つ貯湯槽を室外に備え、常時浴槽と貯湯
槽間で湯を循環させることにより素早く患者に応
じた適温をうると共に患者を立位で入浴させるこ
とを原則として浮力の増減を利用して安全且つ円
滑に運動機能の回復を図ることができ、患部のリ
ハビリテーシヨンに適した浴槽装置を提供するこ
とを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的達成のため、あらかじめ40℃
前後の適温湯を浴槽の一回分を超える量を準備す
るための容積を有し、外壁を保温材で覆われ、水
位制御弁と温度調整のミキシングバルブを備えた
室外設置の貯湯槽と、浴室全体の予熱装置を有
し、患者が立位で入ることができ又は椅子に腰掛
けできる程度の大きさで且つ水位調節部を有し、
前面開閉式扉をもち、一部又は全面に透視部を有
する浴槽を備えた室内床面設置の浴室ユニツト
と、前記貯湯槽と前記浴室ユニツトとを連結する
給湯弁と、この給湯弁を介して前記浴槽内の水位
を保ちつつ貯湯槽との間でストレーナ及び循環濾
過器を経て湯を循環させる循環ポンプと、前記浴
槽底部に設けたブロー弁と緊急開放弁とから成る
リハビリテーシヨン用浴槽装置とした。

作 用 本発明は室外設置の貯湯槽と室内設置の浴室ユ
ニツトを備えているので、あらかじめ貯湯槽にお
いて水位制御弁と温度調整のミキシングバルブに
よつて適量で適温の湯が準備される。浴室には予
熱装置を備えているので、あらかじめ患者の入浴
前に浴室全体を予熱して安堵して入室できるよう
にしてある。リハビリテーシヨンの開始にあたつ
ては、浴槽の前面開閉扉をあけて患者を浴槽内に
座らせ、扉をしめて水密にすると共に水位調節部
により患者の体型に応じた水位を定めて給湯弁を
ゆるめて入湯する。浴槽内の水位が上昇して設定
水位を超えると循環ポンプが働き、浴槽内の湯と
貯湯槽との間で湯水の循環がなされる。入湯され
た量に応じて患者の浮力に差ができるので回復の
度合いやリハビリテーシヨンの目的に応じた水位
における運動機能回復のための体重負担を設定す
ることができる。この湯水の循環の間ストレーナ
及び循環濾過器を経るようになつているので、体
毛やバンデージ等の粗大ゴミを除去して循環で
き、又循環濾過器では内部のエレメントにより濾
過精度を調節して不純物を除去することができ
る。

リハビリテーシヨン中に異常が発生した時に
は、緊急開放弁を開放し、水位を下げてブロー弁
による排出ができるようになつている。リハビリ
テーシヨンの終了時には給湯弁を閉じ、水位を下
げてブロー弁により排出する。

連続してリハビリテーシヨンを行なう場合は、
貯湯槽の温度を確認してから、再度上記の順序に
従つて行なわれる。

実施例 図において、１は貯湯槽、２は浴室ユニツト
で、浴槽３を備えている。貯湯槽１は室外に設置
され、外壁を保温材４で覆われている。５は水位
制御弁で温水自動弁を用いている。貯湯槽１内の
水位を液面スイツチのハイレベル（LCIH）とロ
ーレベル（LCIL）間で調整し、浴槽の一回分
（およそ1400）を超える湯水を貯蔵でき、設定
水位に至るまで前記温水自動弁が開閉するように
なつている。６，６ａはミキシングバルブで、上
水７と80℃の熱水８とを混合して適温（例えば39
℃）を保持している。６は貯湯槽側のミキシング
バルブ、６ａは浴室ユニツト側に設けたミキシン
グバルブを示す。貯湯槽１への湯の温度が設定値
になると循環ポンプ９により貯湯槽内で循環し適
温を保持する。浴室ユニツト２は予熱装置１０、
浴槽３から成り、予熱装置１０は予熱自動弁と散
水器とを備え、リハビリテーシヨンの開始前、浴
室全体を予熱して、患者に安心感を与えるように
している。

適温で適量準備された湯水は、給湯弁１１によ
り、浴槽３内と連通され、循環ポンプ１２により
貯湯槽１と浴槽３間で循環される。１３及び１３
ａは循環路を示す。１４はストレーナ、１５は循
環濾過器を示す。浴槽３には水位調節部１６があ
り、底部には緊急開放弁１７及びブロー弁１８を
備えている。

貯湯槽１で準備された温湯は、リハビリテーシ
ヨンに適温なおよそ39℃で1400が準備される。
外壁の保温材４は保温状態を維持できる。リハビ
リテーシヨンをする直前に39℃、1400の温水を
準備するに冬季の水温を10℃としておよそ40分か
かり、夏季の水温をおよそ25℃とすれば25分で準
備できるようになつている。貯湯槽１には熱水と
上水とがミキシングバルブ６，６ａにより混合さ
れ調節、補給される。適温の湯水は循環ポンプ９
により内部で撹拌され、温度むらがないようにし
てある。このように熱水を直かに供給することに
より、温度制御をし易く、又貯湯準備の立上り時
間を短縮できる。

浴室ユニツト２には浴槽３があり、これには水
密を保存できる前面開閉式の扉を備え（図示して
いない）、身体の不自由な患者も利用できるよう
になつている。又床面設置であるので、浴槽壁の
乗り越えなどを不要とした。

リハビリテーシヨンの開始に先立ち、浴室全体
の予熱を予熱装置１０の予熱自動弁と散水器を用
いて行なう。これによつて浴室があらかじめ温ま
り、患者が利用し易くなつている。予熱用温水は
ミキシングバルブ６ａを利用して浴室へ直接供給
されるようになつている。

患者が浴室内に入り、椅子に腰掛けて利用でき
る他、立位でも使用できる。立位の場合、症状に
応じて安全ベルト等の保護具を利用して体重調節
をしたり、不意の出来事についても患者を保護す
ることもできる。

準備作業が終ると、給湯弁１１から、あらかじ
め貯湯槽１に準備された湯が注入される。水位調
節部１６により水位を予め設定しておき、この水
位を超えると循環ポンプ１２が駆動して、浴槽３
と貯湯槽１間で湯は循環されるようになる。この
間ストレーナ１４及び循環濾過器１５により不純
物を除去される。

緊急時には緊急開放弁１７を開け、水位調節部
の水位を下げ、ブロー弁１８を開けて、排水す
る。

リハビリテーシヨン終了後は、給湯弁１１を閉
じ、水位を下げてブロー弁１８を開放する。

再び他人のリハビリテーシヨンを引続いて行な
う場合、浴室の予熱から再び行なうようにすれば
よい。

発明の効果 本発明では室外側の貯湯槽であらかじめ適温
（例えば39℃）に設定された湯を準備することが
でき、この準備量は一回入浴分を超える量となつ
ている。準備された湯は外壁を保温材で覆われて
おり、保温がされる。

貯湯槽には水位制御弁とミキシングバルブがあ
り、適量に応じた水位を設定し、ミキシングバル
ブによる撹拌によつて、適温の湯が調整される。
又浴室ユニツトは室内に設置され、あらかじめ浴
室全体の予熱をして、患者の不安感を除去するこ
とができる。浴槽は前面開閉式扉を有しているの
で、患者は浴槽壁を乗り越える必要はなく、車椅
子や徒歩により浴槽内へ導くことができる。患者
は立位で又は椅子にかけた状態で適当な水位設定
された量の湯水を給湯弁から得られ、患者の体重
によるリハビリテーシヨン、特に下肢等の運動機
能障害の回復等に役立つようになつている。湯水
による浮力が作用して、下肢の動きを円滑にす
る。なお、浴槽内には上肢による体重の支え装置
を設置することにより、より容易に行なうことが
できる。

給湯槽と浴室ユニツト間には、これらを連結す
る給湯弁を設けてあり、水位調節弁によつて設定
された水位を保持しつつ貯湯槽と浴槽との間で湯
水が循環される。この間ストレーナによる粗大不
純物の除去と循環濾過器によるエレメントでの清
浄化により常時清潔な湯水の循環が行なわれる。
緊急時には緊急開放弁の開放と水位の下降及びブ
ロー弁の使用により安全を保つことができる。リ
ハビリテーシヨンの終了時には、ブロー弁による
排水が行なわれ、引続き他の患者のリハビリテー
シヨンをするに際しては、貯湯槽への湯水の準備
から再度繰返して行なわれる。尚、前段階のリハ
ビリテーシヨンによる湯水の再利用も清潔度を検
査して行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の概略図を示す系統図であ
る。 １……貯湯槽、２……浴室ユニツト、３……浴
槽、４……保温材、５……水位制御弁、６……ミ
キシングバルブ、１０……予熱装置、１１……給
湯弁、１２……循環ポンプ、１４……ストレー
ナ、１５……循環濾過器、１６……水位調節部、
１７……緊急開放弁、１８……ブロー弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ あらかじめ40℃前後の適温湯を浴槽の一回分
   を超える量を準備するための容積を有し、外壁を
   保温材で覆われ、水位制御弁と温度調整のミキシ
   ングバルブを備えた室外設置の貯湯槽と、浴室全
   体の予熱装置を有し、患者が立位で入ることがで
   き又は椅子に腰掛けできる程度の大きさで且つ水
   位調節部を有し、前面開閉式扉をもち、一部又は
   全面に透視部を有する浴槽を備えた室内床面設置
   の浴室ユニツトと、前記貯湯槽と前記浴室ユニツ
   トとを連結する給湯弁と、 この給湯弁を介して前記浴槽内の水位を保ちつ
   つ貯湯槽との間でストレーナ及び循環濾過器を経
   て湯を循環させる循環ポンプと、 前記浴槽底部に設けたブロー弁と緊急開放弁と
   から成ることを特徴とするリハビリテーシヨン用
   浴槽装置。