JPH04257523A

JPH04257523A - 家禽・家畜用剤

Info

Publication number: JPH04257523A
Application number: JP3018941A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Suzuki; 鈴木　溥司; Shoji Suzuki; 昌治鈴木; Kenichiro Takei; 竹井　謙一郎; Hisaya Suda; 須田　久也; Zen Hai Jan; ジヤン　ゼン　ハイ; Io Rian Hoan; ホアン　イオウ　リアン; Wan Chin Wan; ワン　ワン　チン; Tsue Shia Riyan; リヤン　ツエ　シア; I Pen; ペン　イ
Original assignee: FUUUPEISHION NONIEKUUUSHIYUEYUEN JIIIUUBAOFUU IENCHIOOSUOUU; Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: FUUUPEISHION NONIEKUUUSHIYUEYUEN JIIIUUBAOFUU IENCHIOOSUOUU; Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1991-02-12
Filing date: 1991-02-12
Publication date: 1992-09-11

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家禽・家畜用剤に係り、
特に、飼料効率改善剤および下痢治療剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、家禽や家畜の発育・肥育促進
あるいは家禽の産卵率の向上を図ること等を目的として
、種々の家禽・家畜用剤が開発されている。その一つと
して飼料効率改善剤がある。この飼料効率改善剤は、飼
料摂取量に対する家畜や家禽の発育・増体量、あるいは
飼料摂取量に対する家禽の産卵率を向上させるものであ
り、これまでに抗生物質を有効成分とする種々の飼料効
率改善剤が開発されている。また、抗生物質を有効成分
とする他の家禽・家畜用剤として、下痢治療剤が開発さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
抗生物質を有効成分とする家禽・家畜用飼料効率改善剤
や家禽・家畜用下痢治療剤剤には、抗生物質が家畜の肉
や乳等、あるいは家禽の肉や卵等に残留し易いという問
題点があった。

【０００４】したがって本発明の目的は、有効成分であ
る抗生物質が家畜の肉や乳等あるいは家禽の肉や卵等に
残留し難い、家禽・家畜用飼料効率改善剤および家禽・
家畜用下痢治療剤を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために各種の抗生物質についてその飼料効率
改善効果、下痢治療効果および残留性を試験した。その
結果、抗生物質Ｂ−３５４３物質が優れた飼料効率改善
効果および下痢治療効果を示し、かつその残留性は極め
て低いことを見出だして、本発明を完成するに至った。

【０００６】すなわち本発明の家禽・家畜用飼料効率改
善剤は、そのナトリウム塩が下記（１）　〜（１０）の
理化学的性質および生物学的特性を有している抗生物質
Ｂ−３５４３物質および／またはその塩を有効成分とす
ることを特徴とするものである。（１）　元素分析：炭素３９．３５％、水素５．５５％
、窒素８．７１％、酸素２５．４５％、硫黄４．４８％
、ナトリウム１１．２６％。（２）　融点：１７０℃から変色、１９０℃以上で分解
。（５）　赤外線吸収スペクトル（ＫＢｒ法）：３４００
、１７７０、１６００、１４００、１３２０、１２６０
、１１２５、１０８０、１０４０ｃｍ−１。（６）　溶解性：水に易溶。メタノ―ル、含水エタノ―
ル、含水アセトンに可溶。ブタノ―ル、酢酸エチル、ク
ロロホルム、ベンゼンに不溶。（７）　呈色反応：過マンガン酸カリウム、ニンヒドリ
ン、ヨウ素反応は陽性で、塩化鉄反応は陰性である。（８）　物質の色：白色ないし微黄色粉末。（９）　アミノ酸分析：加水分解した結果、主なアミノ
酸として、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、プロ
リン、グリシン、バリン、システインを含む。（１０）抗菌スペクトル：グラム陽性菌、グラム陰性菌
及び植物病原菌に抗菌活性を示す。また本発明の家禽・
家畜用下痢治療剤は、上述した抗生物質Ｂ−３５４３物
質を有効成分とすることを特徴とするものである。

【０００７】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
家禽・家畜用飼料効率改善剤および家禽・家畜用下痢治
療剤（以下、本発明の家禽・家畜用剤と総称することが
ある）における有効成分である抗生物質Ｂ−３５４３物
質（以下、単にＢ−３５４３物質という）は、特開平１
−２５２２９７号公報に開示されているように、青黴菌
属に類似の菌種、例えばＢ−３５４３菌株（Ｐａｅｃｉ
ｌｏｍｙｃｅｓ　ｓｐ．　　Ｂ−３５４３）（微工研菌
寄第９７５６号。工業技術院微生物工業技術研究所に寄
託）により産生される公知の抗生物質である。そして、
このＢ−３５４３物質のナトリウム塩は上記（１）　〜
（１０）の理化学的性質および生物学的特性を有してお
り、Ｂ−３５４３物質およびその塩は、植物病害の防除
に極めて顕著な効果がある抗生物質として知られている
。また、このＢ−３５４３物質およびその塩の安全性は
極めて高く、マウス腹腔内投与のＬＤ５０はいずれも２
００ｍｇ／ｋｇを超える。

【０００８】このようなＢ−３５４３物質および／また
はその塩を有効成分とする本発明の家禽・家畜用剤は、
鶏、うずら、家鴨、七面鳥等の各種家禽および牛、馬、
羊、山羊、豚等の各種家畜を投与対象とすることができ
る。

【０００９】本発明の家禽・家畜用剤は、Ｂ−３５４３
物質および／またはその塩の精製物のみからなっていて
もよいし、Ｂ−３５４３物質の産生菌の培養物に噴霧乾
燥等の処理を施すことにより得られるＢ−３５４３物質
含有粗精製物からなっていてもよい。また、Ｂ−３５４
３物質の産生菌の培養物からなっていてもよいし、Ｂ−
３５４３物質産生菌からなっていてもよい。さらには、
これらの精製物、粗精製物、培養物、および産生菌から
なる群より選択される少なくとも１つと適当な担体とを
配合した混合物からなっていてもよい。このときの担体
は、本発明の家禽・家畜用剤の剤形や投与対象となる動
物の種類に応じて適宜選択されるが、例えば大豆粉、小
麦粉、炭酸カルシウム、米ぬか、ふすま、トウモロコシ
粉、コーンスターチ、籾殻、魚粉、酵母菌体等を挙げる
ことができる。

【００１０】そして本発明の家禽・家畜用剤は、粉末、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、ペースト、シロップ
等の適宜の経口投与剤形に、常法により製剤化して使用
することができる。また、本発明の家禽・家畜用剤の１
つである家禽・家畜用下痢治療剤については、注射剤と
して投与してもよい。この場合にはＢ−３５４３物質お
よび／またはその塩の精製物を用い、溶剤としては、注
射用蒸溜水、生理食塩水、リンゲル液等の水性溶剤等を
用いることができる。

【００１１】本発明の家禽・家畜用飼料効率改善剤を家
禽や家畜に投与するにあたっては、直接経口投与しても
よいが、飼料あるいは飲料水に本剤を配合して、採餌あ
るいは飲水にともなって本剤が家禽や家畜に摂取される
ようにした方が好ましい。また、本発明の家禽・家畜用
下痢治療剤の家禽や家畜への投与方法は、剤形に応じて
、直接経口投与、飼料あるいは飲料水への配合、注射等
の投与方法の中から適宜選択される。

【００１２】本発明の家禽・家畜用飼料効率改善剤を飼
料あるいは飲料水へ配合して投与する場合の配合量は、
家禽や家畜の種類、年齢、体重、性別、飼料の種類等に
より異なるが、通常は、有効成分であるＢ−３５４３物
質および／またはその塩の総量の濃度が０．１〜２００
ｐｐｍ　、好ましくは０．５〜１００ｐｐｍ　となる量
とすることが望ましい。そして、家禽を投与対象とする
場合には、有効成分の摂取量が０．１〜１００ｍｇ／１
ｋｇ体重／日、好ましくは０．５〜５０ｍｇ／１ｋｇ体
重／日となるように本剤を投与することにより、所望の
飼料効率改善効果を得ることができる。また、家畜を投
与対象とする場合には、有効成分の摂取量が０．１〜５
０ｍｇ／１ｋｇ体重／日、好ましくは０．５〜２５ｍｇ
／１ｋｇ体重／日となるように本剤を投与することによ
り、所望の飼料効率改善効果を得ることができる。

【００１３】また、本発明の家禽・家畜用下痢治療剤を
飼料あるいは飲料水へ配合して投与する場合の配合量も
、家禽や家畜の種類、年齢、体重、性別、飼料の種類等
により異なるが、通常は、有効成分であるＢ−３５４３
物質および／またはその塩の総量の濃度が１〜２００ｐ
ｐｍ　、好ましくは５〜１００ｐｐｍ　となる量とする
ことが望ましい。そして、家禽を投与対象とする場合に
は、有効成分の摂取量が０．５〜２００ｍｇ／ｋｇ体重
／日、好ましくは１〜１００ｍｇ／ｋｇ体重／日となる
ように本剤を投与することにより、所望の下痢治療効果
を得ることができる。また、家畜を投与対象とする場合
には、有効成分の摂取量が０．５〜１００ｍｇ／ｋｇ体
重／日、好ましくは１〜５０ｍｇ／ｋｇ体重／日となる
ように本剤を投与することにより、所望の下痢治療効果
を得ることができる。なお本発明の家禽・家畜用剤は、
他の薬剤または飼料添加物と組み合わせて投与してもよ
い。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実施例１（飼料効率改善剤の試験例）５日齢のブロイラー初生雛５０羽（雌雄各２５羽）を５
群（雌雄各５羽／群）に分け、本発明の家禽・家畜用飼
料効率改善剤としてＢ−３５４３物質の単離精製物を用
いて、各群をバタリー育雛器で４週間、それぞれ以下の
要領で飼育した。５群のうちの１群は対照群とし、この
群の各個体には、飼料としてブロイラー用前期飼料（日
本配合飼料（株）製）のみを不断給与した。残りの４群
はそれぞれ試験群とし、これらの群の各個体には、試験
群毎に、飼料としてＢ−３５４３物質の単離精製物を１
２．５ｐｐｍ　、２５ｐｐｍ　、５０ｐｐｍ　または１
００ｐｐｍ　の濃度で含有させたブロイラー用前期飼料
（日本配合飼料（株）製）のいずれか１種を不断給与し
た。４週間飼育後、１羽当りの増体量を群毎に算出した
。また群毎に、１羽当りの飼料摂取量を求めた。さらに
、これらの増体量および飼料摂取量から、飼料要求率を
算出した。これらの結果を表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】表１から明らかなように、本発明の家禽・
家畜用飼料効率改善剤を投与した各試験群における１羽
当りの増体量は対照群における１羽当りの増体量より２
〜１１％多く、各試験群の飼料要求率は対照群の飼料要
求率よりも２〜４％低い。すなわち、各試験群において
は飼料効率が２〜４％改善された。

【００１７】実施例２（飼料効率改善剤の試験例）二元
交雑種離乳子豚２２頭を性比および平均体重が近似する
ように２群（１１頭／群）に分け、群毎に平均体重を求
めた後、本発明の家禽・家畜用飼料効率改善剤としてＢ
−３５４３物質の単離精製物を用いて、各群を実験用豚
房で３０日間、それぞれ以下の要領で飼育した。２群の
うちの１群は対照群とし、離乳子豚用飼料のみを不断給
与した。残りの１群は試験群とし、対照群で用いた離乳
子豚用飼料にＢ−３５４３物質の単離精製物を２５ｐｐ
ｍ　の濃度で含有させたものを飼料として不断給与した
。３０日間飼育後、各個体の体重を測定し、１頭当りの
増体量を群毎に算出した。また群毎に、１頭当りの飼料
摂取量を求めた。さらに、これらの増体量および飼料摂
取量から、飼料要求率を算出した。これらの結果を表２
に示す。

【００１８】

【表２】

【００１９】表２から明らかなように、本発明の家禽・
家畜用飼料効率改善剤を投与した試験群における１頭当
りの増体量は対照群における１頭当りの増体量より２５
％多く、試験群の飼料要求率は対照群の飼料要求率より
も１４％低い。すなわち、試験群においては飼料効率が
１４％改善された。

【００２０】実施例３（下痢治療剤の試験例）急性下痢
症状を呈している離乳子豚８頭を２群（４頭／群）に分
け、本発明の家禽・家畜用下痢治療剤としてＢ−３５４
３物質の単離精製物を用いて、各群を実験用豚房でそれ
ぞれ以下の要領で飼育した。２群のうちの１群は対照群
とし、離乳子豚用飼料を不断給与した。残りの１群は試
験群とし、対照群で用いた離乳子豚用飼料を不断給与し
た他に、Ｂ−３５４３物質の単離精製物を２５ｍｇ／ｋ
ｇ体重／日の割合で４日間連続経口投与した。飼育５日
目に各群の個体の病状を診断した結果、試験群では全個
体の下痢が全快していたのに対し、対照群では依然とし
て下痢症状が続いていた。

【００２１】実施例４（残留性試験）実施例１の試験終了後、Ｂ−３５４３物質を２５ｐｐｍ
　の濃度で含有させた飼料で飼育した試験群およびＢ−
３５４３物質を１００ｐｐｍ　の濃度で含有させた飼料
で飼育した試験群からそれぞれ４羽を任意に抽出し、こ
れらの８羽を０、１、３および５日の休薬日数で経時的
に屠殺した。そして、それぞれの個体から肝臓、腎臓、
脂肪、筋肉、小腸および血液をサンプリングし、各サン
プル中のＢ−３５４３物質の残留量を高速液体クロマト
グラフィーにより測定した。この結果を表３に示す。

【００２２】

【表３】

【００２３】表３から明らかなように、Ｂ−３５４３物
質を１００ｐｐｍ　の濃度で含有させた飼料で飼育した
試験群から抽出した個体のうち、休薬日数０日で屠殺し
た個体では、肝臓および小腸に０．０３ｐｐｍ　の濃度
でＢ−３５４３物質が残留していたが、他の個体におい
てはＢ−３５４３物質の残留は認められなかった。この
ことから、本発明の家禽・家畜用剤の有効成分であるＢ
−３５４３物質の残留性は極めて低いということが判る
。

【００２４】実施例５（製剤例）Ｂ−３５４３物質の単離精製物１重量部とコーンスター
チ９９重量部とを用い、これらを粉砕した後に均一に混
合して、粉末状の家禽・家畜用剤を得た。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の家禽・家
畜用飼料効率改善剤は優れた飼料効率改善効果を示し、
本発明の家禽・家畜用下痢治療剤は優れた下痢治療効果
を示す。そして、これらの家禽・家畜用剤の有効成分で
あるＢ−３５４３物質の残留性は、極めて低い。したが
って本発明の家禽・家畜用剤を用いることにより、人体
に対して安全な食用肉、乳製品、卵等を高い生産性の下
に提供することが可能となる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】そのナトリウム塩が下記（１）　〜（１０
）の理化学的性質および生物学的特性を有している抗生
物質Ｂ−３５４３物質および／またはその塩を有効成分
とすることを特徴とする家禽・家畜用飼料効率改善剤。（１）　元素分析：炭素３９．３５％、水素５．５５％
、窒素８．７１％、酸素２５．４５％、硫黄４．４８％
、ナトリウム１１．２６％。（２）　融点：１７０℃から変色、１９０℃以上で分解
。（５）　赤外線吸収スペクトル（ＫＢｒ法）：３４００
、１７７０、１６００、１４００、１３２０、１２６０
、１１２５、１０８０、１０４０ｃｍ−１。（６）　溶解性：水に易溶。メタノ―ル、含水エタノ―
ル、含水アセトンに可溶。ブタノ―ル、酢酸エチル、ク
ロロホルム、ベンゼンに不溶。（７）　呈色反応：過マンガン酸カリウム、ニンヒドリ
ン、ヨウ素反応は陽性で、塩化鉄反応は陰性である。（８）　物質の色：白色ないし微黄色粉末。（９）　アミノ酸分析：加水分解した結果、主なアミノ
酸として、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、プロ
リン、グリシン、バリン、システインを含む。（１０）抗菌スペクトル：グラム陽性菌、グラム陰性菌
及び植物病原菌に抗菌活性を示す。
【請求項２】　　抗生物質Ｂ−３５４３物質および／ま
たはその塩を有効成分とすることを特徴とする家禽・家
畜用下痢治療剤。