JPH04256430A - リポソームの製造方法 - Google Patents

リポソームの製造方法

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JPH04256430A
JPH04256430A JP10061591A JP10061591A JPH04256430A JP H04256430 A JPH04256430 A JP H04256430A JP 10061591 A JP10061591 A JP 10061591A JP 10061591 A JP10061591 A JP 10061591A JP H04256430 A JPH04256430 A JP H04256430A
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liposome
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drug solution
rotor
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Yoshitaka Ogata
嘉貴 緒方
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1277Processes for preparing; Proliposomes

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品あるいはその担
体として利用されるリポソームの製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、リポソームに
カプセル化される薬液を高濃度に濃縮することにより、
薬液のカプセル化効率及びカプセル化収率を高めたリポ
ソームの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、  リポソームを水溶性の薬物の
担体として利用する試みが広く行われている。また、リ
ポソームの内水相に、酸素運搬体であるヘモグロビンを
含有させ、リポソームを人工の赤血球として使用する試
みも行われている(特開昭62−178521)。これ
らの試みに於て、リポソームを薬物の担体として使用す
るにあたり、内包させる薬物を効率よくリポソームにカ
プセル化する技術が多く研究されてきた。
【0004】一つの方法としてはリポソームの径を大き
くししかもリポソーム膜を薄くするという方法であり、
これらのリポソームはLUV(Large  Unil
ammera  Liposome)と呼ばれ、リポソ
ーム膜形成法に特徴があった。
【0005】もう一つの方法としては、内包する薬物の
濃度を上げ、単位重量当たり薬物濃度を上げる方法であ
る。内包する薬液、特に生理活性を持つタンパク等の濃
度を高くすると溶液の粘度が上昇し、リポソーム形成が
難しくなるという問題があったが、溶液が高粘度でも効
果的にリポソームを形成させる方法として、高速撹拌法
や高圧吐出法等の技術が確立されてきた(特開昭62−
42827)。しかしながら、高速撹拌法や高圧吐出法
により懸濁処理を行う場合には、薬液の粘度、濃度を十
分に高めないと、十分なカプセル化効率を達成すること
が難しいという問題があった。従来、これら薬液の濃縮
には、限外濾過法、減圧濃縮法あるいは遠心濃縮法等が
至適に用いられてきたが、限外濾過法や減圧濃縮法では
粘度の上昇とともに濃縮が困難となり、濃縮に限界があ
った。また減圧濃縮法では薬液が熱感受性物質であると
失活の虞があり、さらに遠心濃縮法では薬液の沈降係数
が十分に大きくないと濃縮が不可能であり、またスケー
ルアップが困難であるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、リ
ポソームに内包される薬液を変成させることなく、高濃
度、高粘度まで濃縮でき、これにより高いカプセル化効
率およびカプセル化収率のリポソームを得ることが可能
なリポソームの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、真空槽内に配設された伝熱面を有するロータを回
転させ、この真空槽内に生理活性物質を含有する薬液を
供給して、ロータの回転力により伝熱面に薬液の薄膜を
形成しつつ、当該薄膜を瞬間的に加熱して水分を蒸発さ
せ、薬液を高濃度かつ高粘度に濃縮する第1の工程と、
濃縮された薬液にリポソーム形成脂質混合物を添加混合
し、得られた混合物に懸濁処理を施し、リポソームを形
成する第2の工程とを有することを特徴とするリポソー
ムの製造方法である。
【0008】前記薬液中の塩濃度は、0.05重量%以
下に調整されてなるものであることが好ましい。
【0009】前記薬液中の生理活性物質濃度が、30〜
70重量%になるまで濃縮を行うことが好ましい。
【0010】前記薬液の粘度が、200〜4000cP
になるまで濃縮を行うことが好ましい。
【0011】前記懸濁処理は、高速撹拌法あるいは高圧
吐出法であることが好ましい。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】しかして、本発明に係るリポソームの製造
方法は、真空槽内に配設された伝熱面を有するロータを
回転させ、この真空槽内に生理活性物質を含有する薬液
を供給して、ロータの回転力により伝熱面に薬液の薄膜
を形成しつつ、当該薄膜を瞬間的に加熱して水分を蒸発
させ、薬液を高濃度かつ高粘度に濃縮する第1の工程と
、濃縮された薬液にリポソーム形成脂質混合物を添加混
合し、得られた混合物に懸濁処理を施し、リポソームを
形成する第2の工程とを有することを特徴とするもので
ある。
【0014】なお、本発明におけるリポソームのカプセ
ル化効率とは、生理活性物質単位重量当たりのリポソー
ム構成脂質重量を意味し、リポソームのカプセル化収率
とは、供給された生理活性物質のうち、リポソームに内
包化された割合を意味するものである。
【0015】本発明におけるリポソームに内包される薬
液は、水溶性の生理活性物質(薬物)を主成分として含
有するものである。この生理活性物質としては、in 
 vitroまたはin  vivoで不安定なもの、
体内で徐々に放出され、あるいは特定の臓器に速やかに
分布することが所望されているものが好適に使用される
。具体的な例としては、ヘモグロビン、インシュリン、
ヘパリン、ウロキナーゼ、ユビデカノン、メトトレキセ
ートン、ネオマイシン、プレオマイシン、テトラサイク
リン、チトクロムC、アスパラギナーゼ、シチシシンア
ラビノシド、βーグルクロンターゼ、ヘキソサミンター
ゼ、アミノグルコシダーゼ等があげられる。特に生理活
性物質がヘモグロビンである場合には、赤血球を常法に
従い無菌的に生理食塩水によって洗浄した後、倍容量の
純水にて溶血し、0.2μmフィルターにてストローマ
を除去し、その後分画分子量30万フィルターにより残
存する赤血球膜成分を除去したSFH(Stroma 
 Free  hemogrobin)が好ましく用い
られる。
【0016】また、生理活性物質が生体由来の蛋白質等
の塩(例えば、塩化ナトリウム等)を含有する物質であ
る場合には、薬液中の生理活性物質を高濃度に濃縮しよ
うとすると、塩も同時に高濃度に濃縮されてしまう。こ
のような高濃度の塩の存在下においては、溶液のイオン
強度の増加からリポソームの形成が困難になり、薬液を
高濃度、高粘度まで濃縮しても、リポソームのカプセル
化効率及びカプセル化収率が著しく低下してしまう。従
って、生理活性物質が塩を含有する物質である場合には
、後述する濃縮工程に先立って、ホローファイバー型透
析器等により、薬液の塩濃度を0.05重量%以下、よ
り好ましくは0.01重量%以下になるまで透析を行う
ことが望まれる。もちろん、塩を含有しない薬液をリポ
ソーム化する場合には、脱塩工程は不要である。なお、
比較的少量の薬液を透析操作する場合には、半透膜より
なる透析チューブを用いて透析を行うこともできる。
【0017】この脱塩操作により、濃縮された後の薬液
の塩濃度を、1重量%以下、より好ましくは0.2重量
%以下に調整する。なお、濃縮後の薬液の塩濃度を1重
量%以下に調整するためには、例えば、あらかじめ濃縮
率から濃縮前の塩濃度を算出し、その濃度に達するまで
透析を行うことが望ましい。場合によっては、濃縮後の
薬剤を透析することも可能であるが、透析により生理活
性物質濃度が低下してしまったり、粘度が高い場合には
透析が困難である場合があるために、濃縮前に透析操作
を行うことが好ましい。また、透析操作によって、薬液
のpHが酸性領域に傾く場合があるが、一般に酸性領域
においては蛋白質等の生理活性物質の変性が進行するた
め、予め濃縮前に重炭酸ナトリウム等のアルカリ緩衝剤
を添加して、pHを6.8〜7.2程度になるように調
整することが望まれる。なお、薬液の濃縮操作により、
緩衝剤も同時に濃縮されるので、濃縮後のSFHのpH
は7.3〜7.6程度となる。
【0018】次に、薬液を濃縮する工程について説明す
る。
【0019】図1は、本発明に係るリポソームの製造方
法に使用される蒸発装置の構造を示す模式図である。
【0020】すなわち、蒸発装置1は、内部が真空とさ
れた真空槽2と、当該真空槽内に回転可能に配設された
伝熱面3aを有するロータ3と、伝熱面3aを加熱する
ための加熱媒体(蒸気等)を供給する媒体供給パイプ4
、処理前の薬液を導入する薬液導入パイプ5、処理後の
薬液を導出する薬液導出パイプ6とを備えるものである
。また、図中、7はドレン排出チューブであり、また8
、9は真空ポンプを示す。
【0021】前述の操作により塩濃度調整が施された薬
液は、薬液導入パイプ5から導入され、真空槽2内に供
給され、さらにロータ3の伝熱面3aで加熱、脱水され
て濃縮される。ここで、真空下にて薬液に加熱処理を施
すので、薬液の沸点を下降させ、低温度で水分を蒸発さ
せることができる。従って、本方法を適用することによ
り、特に、蛋白質等の熱変性を受けやすい物質を好適に
濃縮することができる。ロータ3の回転数としては、薬
液の種類によって好ましい範囲は異なるが、一般には1
000〜2000r.p.mであることが望まれる。
【0022】真空槽2内に供給された薬液は、ロータ3
の回転力により伝熱面3aに押し付けられ、薬液の薄膜
を形成する。この際、薬液は伝熱面3aに押し付けられ
ながら、薄膜の状態でロータ3の周縁方向に移動するの
で、発泡が抑制されるとともに、局所的な加熱が発生し
ない。従って、薬液を効率よく高濃度、高粘度まで濃縮
することができる。なお、薬液の薄膜の厚さとしては、
薬液の種類によっても異なるが、一般には、0.05〜
0.20mm程度であることが望まれる。
【0023】薄膜状態とされた薬液は、ロータ3aの周
縁方向に移動しながら、瞬間的に加熱される。加熱温度
としては、薬液の種類によって好ましい範囲が異なるが
、一般には、70〜120℃程度とされることが望まれ
る。特に、薬液がヘモグロビン、ヘパリン等の熱変性を
受けやすい物質の溶液である場合には、50〜70℃程
度とされる。また、薬液の蒸発温度としては、10〜6
0℃程度とされ、薬液の加熱時間(ロータ3の伝熱面3
aに接触している時間)は、0.5〜2秒程度であるこ
とが望まれる。
【0024】これら一連の濃縮操作は、市販の遠心式薄
膜真空蒸発装置(例えば、大川原製作所製:商品名エバ
ポール、アルファーラバル社製:商品名セントリサーム
等)を使用して行うことができる。
【0025】上記濃縮操作によって、薬液は、熱変性を
受けることなく、高濃度かつ高粘度に濃縮される。濃縮
の程度としては、後述する高速撹拌時、高圧吐出時のエ
ネルギー効率、あるいはリポソームのカプセル化効率の
点から、生理活性物質の濃度が30〜70重量%、粘度
が200〜4000cP(4℃)になるまで濃縮操作を
施すことが望まれる。
【0026】濃縮された薬液は、続いて高速撹拌法また
は高圧吐出法に供して、薬剤内包リポソームとされる。
【0027】発明における高速撹拌法とは、一般には撹
拌型細胞破砕機として知られる、密閉容器内で高速に(
通常10000rpm以上)カッター様の撹拌羽を回転
させることで、該容器内の細胞浮遊液を撹拌し、細胞を
破壊する目的に使用される機械(例えば、ワーリング社
製:商品名ワーリングブレンダー)を使用し、これにリ
ポソーム形成用脂質と、濃縮された薬液を入れ、高速で
撹拌することによりリポソームの形成を行う方法である
【0028】また、高圧吐出法とは、一般にフレンチプ
レス細胞破砕器として知られ、高圧(100psi〜1
500psi)で非常に狭い間隙より、圧力を保ちなが
ら細胞浮遊液を吐出させることで細胞を破壊する目的に
使用される機械を使用し、リポソーム形成用脂質と、濃
縮された薬液を入れ、高圧で吐出することでリポソーム
の形成を行う方法である。
【0029】両方法とも処理する処理液の粘度が高いほ
ど、かかるエネルギーが大きくなり、リポソーム形成能
が高まるために、均一で、良質なリポソームが得られる
。従って、薬液の粘度を高めるほど、良質なリポソーム
を得ることができる。このため、本発明においては、濃
縮された薬液を、この高速撹拌法、あるいは高圧吐出法
と組み合わせる方法で最も高いリポソーム効率及び収率
を得ることができるが、これ以外の超音波照射法、逆相
法、凍結融解法でもリポソーム形成は可能である。
【0030】本発明におけるリポソーム形成脂質は特に
制限なく、リポソームを形成するものであれば天然また
は合成のリン脂質が使用可能である。その例としては、
レシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエ
タノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセ
リン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジール
グリセロール、スフインゴミエリン、あるいはこれらを
常法に従って水素添加したものが挙げられ、これらを組
み合わせて用いることもできる。さらに膜安定剤として
コレステロール、コレスタノール等ステロール類や、膜
荷電物質としてホスファチジン酸、ジセチルフォスフェ
ート、高級脂肪酸等を添加しても良く、さらにはビタミ
ンE等の抗酸化剤を添加することもできる。
【0031】薬液を内包するリポソーム懸濁液を得るに
は、上述のリポソーム形成物質に所望により前述のよう
な膜安定剤、膜荷電物質、抗酸化剤を添加し、混合物を
クロロホルム、ジクロロメタン等の適当な有機溶媒に溶
解した後、エバポレーション、スプレードライ等の手法
により有機溶媒を除去し脂質混合物を得る。次いで、脂
質混合物に対して等容量〜倍容量の純水を添加し、60
℃〜130℃の条件下で水和、膨潤させる。この際、1
21℃、20分のオートクレーブ殺菌条件によって密閉
容器内にて膨潤を行うことで、無菌的な操作が可能とな
る。得られた膨潤脂質混合物に所望の薬液を加え、リポ
ソーム形成法を施すが、これには前述の通り高速撹拌法
あるいは高圧吐出法が最も至適に用いられるが、これ以
外でも超音波照射法、逆相法、凍結融解法等公知のリポ
ソーム形成法を用いても良い。さらに、リポソーム形成
処理を行った懸濁液を、遠心洗浄あるいはリポソーム凝
集物質としてヒドロキシエチルスターチ等を添加し洗浄
を行うことで、リポソーム中に内包されなかった生理活
性物質を除去し、薬液を内包するリポソームの懸濁液を
得ることができる。
【0032】次に実施例および比較例を示して本発明を
さらに詳細に説明する。
【0033】
【実施例】〈実施例〉人濃厚赤血球1リットルを生理食
塩水にて遠心洗浄を3回行った後、倍容の純水を添加し
赤血球を溶血させた。この溶血血液から0.2μmのフ
ィルターを用いてストローマを除去し、さらに分画分子
量30万のフィルターを用いて赤血球膜残存物質を除去
した。この時のSFH溶液のヘモグロビン濃度は9.0
重量%、塩化ナトリウム濃度は0.31重量%であった
。このSFH溶液をホローファイバー型透析器を用い、
純水を透析液として透析を行ったところ、ヘモグロビン
濃度6.0重量%、塩化ナトリウム濃度0.01重量%
、pH6.2となった。これにpHが7.0となるまで
重炭酸ナトリウムを添加した。このSFH溶液を遠心薄
膜式蒸発装置(大川原製作所製:商品名エバポール)を
用い、ヘモグロビン濃度が60重量%となるまで濃縮を
行い、濃縮SFH400mlを得た。なお、この際の処
理条件は、ロータ回転数1500r.p.m、加熱温度
55℃、蒸発温度22℃、加熱時間1秒とされた。また
、得られた濃縮SFH溶液の塩化ナトリウム濃度は0.
1重量%、メト化率は1.4%、粘度は4℃において9
00cPであった。
【0034】水素添加大豆レシチン20g、コレステロ
ール10g、ミリスチン酸2.5gの脂質混合物をジク
ロロメタンに溶解後、スプレードライにより乾燥し脂質
粉末とした。この脂質粉末に等量部の純水を添加し、1
21℃、20minの条件でオートクレーブ滅菌した。 オートクレーブ滅菌した脂質混合物を室温まで放冷した
後、前述の濃縮SFH溶液200mlを加え、高速撹拌
機(ワーリング社製)にて14000rpmで3分間の
処理を10回繰り返した。得られた処理液に1000m
lの生食を加え、6万Gの遠心加速度で遠心洗浄を3回
行った。得られたリポソームのペレットに1000ml
の生食を加え再浮遊させた。このリポソーム懸濁液を0
.45μmのフィルター(ミリポア社製)により濾過し
、濾液を限外濾過により濃縮し、ヘモグロビン濃度5重
量%のヘモグロビン溶液内包リポソーム580mlを得
た。この時のリポソームのカプセル化効率は0.46m
g/mgHb、ヘモグロビンのカプセル化収率は24.
2%であった。
【0035】〈比較例1〉実施例と同様の方法で洗浄、
溶血、ストローマ除去を行ったSFH溶液を、透析処理
を行わずに遠心薄膜式蒸発装置を用いてヘモグロビン濃
度60重量%に濃縮を行い、濃縮SFH溶液を400m
lを得た。このSFH溶液の塩化ナトリウム濃度は2.
1重量%であった。この濃縮SFH溶液を用い、実施例
と同様の方法で調整した脂質混合物を加え、同様の方法
でリポソーム形成、洗浄、濾過、濃縮処理を行ったとこ
ろ、ヘモグロビン濃度5重量%のヘモグロビン溶液内包
リポソームは100mlしか得られなかった。この時の
リポソームのカプセル化効率は1.67mg/mgHb
、ヘモグロビンのカプセル化効率は4.2%であった。
【0036】〈比較例2〉実施例と同様の方法で洗浄、
溶血、ストローマ除去を行ったSFH溶液を、実施例と
同様に透析処理を行い、さらに限外濾過法により濃縮を
行った。ヘモグロビン溶液は、濃縮とともにその粘度が
上がり、ヘモグロビン濃度45重量%、粘度250cP
までしか濃縮できなかった。また、得られた濃縮SFH
溶液の容量は500ml、メト化率は1.2%であった
。なお、限外濾過法では塩の濃縮が起こらないため、得
られたSFH溶液の塩化ナトリウム濃度は0.02重量
%であった。この濃縮SFH溶液を用い、実施例と同様
の方法で調整した脂質混合物を加え、同様の方法でリポ
ソーム形成、洗浄、濾過、濃縮処理を行ったところ、ヘ
モグロビン濃度5重量%のヘモグロビン溶液内包リポソ
ームが280ml得られ、この時のリポソームのカプセ
ル化効率は0.67mg/mgHb、ヘモグロビンのカ
プセル化効率は15.6%であった。
【0037】この結果、透析処理を行ったSFH溶液を
限外濾過で濃縮した場合は、遠心薄膜式蒸発法に比較し
て濃縮度が上がらず、また、その塩濃度は低かったにも
関わらず実施例の遠心薄膜式蒸発法を使用した例よりカ
プセル化効率及びカプセル化収率が劣ることが確認され
た。また、遠心式薄膜真空蒸発法を用いた場合において
も、加熱時間および蒸発温度を下げることで、限外濾過
を用いた場合とほぼ同様のメト化変性率に抑えることが
可能であった。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明に係るリ
ポソームは、真空槽内に配設された伝熱面を有するロー
タを回転させ、この真空槽内に生理活性物質を含有する
薬液を供給して、ロータの回転力により伝熱面に薬液の
薄膜を形成しつつ、当該薄膜を瞬間的に加熱して水分を
蒸発させ、薬液を高濃度かつ高粘度に濃縮する第1の工
程と、濃縮された薬液にリポソーム形成脂質混合物を添
加混合し、得られた混合物に懸濁処理を施し、リポソー
ムを形成する第2の工程とを有することを特徴とするの
で、リポソームに内包される薬剤、特に薬液を変成させ
ることなく、高濃度、高粘度まで濃縮でき、これにより
高いカプセル化効率およびカプセル化収率のリポソーム
を得ることが可能である効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るリポソームの製造方法に
使用される蒸発装置の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1    蒸発装置 2    真空層 3    ロータ 3a  伝熱面 4    媒体供給パイプ 5    薬液導入パイプ 6    薬液導出パイプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)真空槽内に配設された伝熱面を有するロータを回
    転させ、この真空槽内に生理活性物質を含有する薬液を
    供給して、ロータの回転力により伝熱面に薬液の薄膜を
    形成しつつ、当該薄膜を瞬間的に加熱して水分を蒸発さ
    せ、薬液を高濃度かつ高粘度に濃縮する第1の工程と、
    濃縮された薬液にリポソーム形成脂質混合物を添加混合
    し、得られた混合物に懸濁処理を施し、リポソームを形
    成する第2の工程とを有することを特徴とするリポソー
    ムの製造方法。
  2. (2)前記薬液中の塩濃度は、0.05重量%以下に調
    整されてなるものである請求項1記載のリポソームの製
    造方法。
  3. (3)前記薬液中の生理活性物質濃度が、30〜70重
    量%になるまで濃縮を行うことを特徴とする請求項1又
    は2記載のリポソームの製造方法。
  4. (4)前記薬液の粘度が、200〜4000cPになる
    まで濃縮を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のリポソームの製造方法。
  5. (5)前記懸濁処理が、高速撹拌法あるいは高圧吐出法
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のリポソームの製造方法。
  6. (6)前記薬液がヘモグロビンであることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のリポソームの製造方法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012137834A1 (ja) * 2011-04-04 2012-10-11 学校法人早稲田大学 小胞体の製造方法
JP2020069470A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 株式会社げんてん本店 リポソームの製造方法、及び、リポソーム含有液の製造方法

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