JPH04235207A - 高炉装入物分布制御装置 - Google Patents

高炉装入物分布制御装置

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JPH04235207A
JPH04235207A JP14762791A JP14762791A JPH04235207A JP H04235207 A JPH04235207 A JP H04235207A JP 14762791 A JP14762791 A JP 14762791A JP 14762791 A JP14762791 A JP 14762791A JP H04235207 A JPH04235207 A JP H04235207A
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JP
Japan
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flow
blast furnace
gas flow
action
furnace
Prior art date
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Pending
Application number
JP14762791A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Inaba
稲葉 護
Taichi Aoki
太一 青木
Takashi Sumikama
隆志 炭竃
Atsuhisa Takekoshi
竹腰 篤尚
Masaaki Sakurai
桜井 雅昭
Shinichi Matsubara
真一 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉の炉内における
装入物分布の制御を通じてガス流分布を制御し、操業の
安定化を図る制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は装入物分布制御と炉内状況を示
した図であり、図18は溶融帯の位置及び形状と操業状
況を示した図である。一般にコークスの燃焼によって発
生する還元ガス(以下ガスと称す)が高炉の炉内中心部
に多く流れることを中心流、炉壁部に多く流れることを
周辺流と呼んでいる。通常、高炉に装入される原料はコ
ークスの方が鉱石より粒経が大きく、またコークスは還
元粉化も起こらないためコークスの方が通気性も良い。 さらに鉱石が溶けるゾーン(以下溶融帯と称す)では鉱
石層の通気抵抗はコークス層の200〜300倍になり
、ガスはコークス層(溶融帯でのコークス層を以下スリ
ットと称す)を通過して流れる。
【0003】高炉では中心部に多くコークスを装入する
と中心流になり、溶融帯形状も富士山形になり、スリッ
ト数も増えてガス流が安定する。また炉壁部に多くコー
クスを装入すると周辺流になり、炉壁付着物の除去に役
立つといわれている。しかし、極端な中心流や周辺流は
吹抜けやスリップなど突発的な異常炉況を誘発する原因
になる。このため、安定操業には装入物の分布を制御し
てガス流を安定にすることが不可欠である。
【0004】ベル式高炉の場合、原料の装入は大ベルの
開閉動作によって行われる。そして1回の大ベル開閉動
作をバッチと呼び、コークスと鉱石は数バッチ(例えば
コークス2バッチ、鉱石3バッチ)に分けて装入される
。これを5バッチ装入といい、5バッチをまとめて1チ
ャージと呼んでいる。通常操業でチャージ間隔は約10
分である。
【0005】図19はMAの設置状況を示す図であり、
(a)はその平面図、(b)は側面図である。大ベルか
ら自由落下する原料の着地位置を制御するため、高炉に
は約20個のMAが円周方向に均一に設置されていて、
MAのストロークを炉壁部から中心部に向かって移動で
きるようになっている。そして、装入物の分布制御はチ
ャージを周期としてバッチ単位にMAのストロークを変
えることにより行われる。
【0006】このMAと装入物分布の関係については、
例えば『材料とプロセス(3)1988,p74』に開
示されている。しかし、その内容は炉内のコークスと鉱
石の層厚分布をゾンデで測定した結果や、屋外模型実験
で得られた結果に基づきMAのアクションと装入物分布
の関係を定式化したものであり、実操業におけるガス流
の強度や推移傾向などからMAのアクション量を決定し
、MAのストロークを制御してガス流分布の最適化を狙
ったような一貫したシステム技術はまだ確立されていな
い。また、センサ情報をもとに吹抜けやスリップなどを
予知する技術は、例えば特開昭62−270712号公
報に開示されている。しかし、これは吹抜けやスリップ
の予知を目的としたシステムで、高炉のガス流分布の最
適化を目的とした一貫したシステムではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、この様な
状態を鑑みてなされたものであり、高炉の炉内における
ガス流の強度や推移傾向、装入待や減風、MAの操作履
歴、配合変更などの操業状態を加味して、炉内のガス流
分布を最適化するためのMAのアクション量を決定し、
自動制御することを可能にした高炉装入物分布制御装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る高炉装入
物分布制御装置は、高炉操業に関する知識を知識ベース
として登録・修正する手段と、高炉に設置された各種セ
ンサからデータを所定の周期でプロセスコンピュータに
取込む手段と、取込んだデータに含まれるノイズを除去
する手段と、操業経験やモデル実験で得られた知識ベー
スをもとにノイズを除去したデータをセンサ別に中心流
や周辺流の強度と推移傾向として推論する手段と、その
結果を装入待や減風などに関する情報と知識ベースをも
とに中心流や周辺流の強度と推移傾向として合成する手
段と、合成結果を操業経験をもとに作られたガス流の強
度判定マトリックスと推移傾向判定マトリックスに当て
はめ、ガス流の強度と推移傾向を決定する手段と、その
結果をモデル実験などにより作られたMAアクション決
定マトリックスに当てはめて、MAのアクション量を決
定する手段と、このMAのアクション量をMAの操作履
歴や、送風圧力の変更など一過性の要因に伴う要素を加
味してこのMAのアクション量を補正する手段と、配合
変更など現在のガス流分布だけでは判断できない要素を
先取りしてこのMAのアクション量を補正する手段と、
補正後のMAのアクション量をPCに送信してMAを自
動制御する手段と、補正後のMAのアクション量をオペ
レータにガイダンスする手段とを備えている。
【0009】
【作用】この発明においては、高炉操業に関する知識が
知識ベースとして登録・修正され、また、高炉に設置さ
れた各種センサからデータが所定の周期でプロセスコン
ピュータに取込まれる。そして、取込まれたデータに含
まれたノイズが除去され、操業経験やモデル実験で得ら
れた知識ベースをもとにノイズを除去したデータについ
てセンサ別に中心流や周辺流の強度と推移傾向として推
論する。その推論結果を装入待や減風などに関する情報
と知識ベースをもとに中心流や周辺流の強度と推移傾向
として合成し、合成結果を操業経験をもとに作られたガ
ス流の強度判定マトリックスと推移傾向判定マトリック
スに当てはめ、ガス流の強度と推移傾向を決定する。そ
の結果をモデル実験などにより作られたMAアクション
決定マトリックスに当てはめて、MAのアクション量を
決定する。このMAのアクション量をMAの操作履歴や
、送風圧力の変更など一過性の要因に伴う要素を加味し
、或いは配合変更など現在のガス流分布だけでは判断で
きない要素を先取りして補正する。そして、補正後のM
Aのアクション量をPCに送信してMAを自動制御する
。また、補正後のMAのアクション量をオペレータにガ
イダンスする。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る高炉装入物分
布制御装置の概念図である。図において、10は高炉で
あり、炉壁上部には円周方向に固定ゾンデ(温度、成分
)やシャフト温度計が、その下には水平ゾンデ(半径方
向のガス温度、成分)が設置されている。また炉頂部に
は炉口ゾンデ(半径方向のガス温度、成分)、装入物ゾ
ンデ(半径方向の装入物表面形状、コークスと鉱石の層
厚分布)、炉口テレビ(装入物表面温度分布)、炉頂ガ
ス温度計など各種センサとMAが設置されている。
【0011】20は従来から高炉の制御に用いられてい
るプロセスコンピュータである。このコンピュータ20
には、高炉に設置された各種センサからデータを所定の
周期でプロセスコンピュータに取込む手段21と、取込
んだデータに含まれるノイズを除去する手段22と、装
入待や減風23、MAの操作履歴24、配合変更25な
どの情報を随時取込んで保存するファイル手段26と、
推論結果や過程をオペレータガイダンスする手段27と
、ガイダンス結果をPLC40に送信してMAを自動制
御する手段28と、およびプロセスコンピュータが持っ
ているデータを知識処理コンピュータ30に送信したり
、知識処理した結果を受信したりする手段29とを、そ
のシステムプログラムにより実現している。
【0012】30は知識処理コンピュータであり、高炉
操業に関する知識を知識ベース31として登録・修正す
る手段と、プロセスコンピュータ20から受信したデー
タと知識ベース31をもとにセンサ別に中心流や周辺流
の強度と推移傾向として推論する手段32と、その結果
を装入待や減風などに関する情報と知識ベースをもとに
中心流や周辺流の強度と推移傾向として合成する手段3
3と、合成結果を操業経験をもとに作られたガス流の強
度判定マトリックスと推移傾向判定マトリックスに当て
はめ、ガス流の強度と推移傾向を決定する手段34と、
その結果をモデル実験などにより作られたMAのアクシ
ョン決定マトリックスに当てはめて、MAのアクション
量を決定する手段35と、このMAのアクション量をM
Aの操作履歴や、送風圧力の変更など一過性の要因に伴
う要素を加味する手段36と、配合変更など現在のガス
流分布だけでは判断できない要素を先取りする手段37
と、推論に必要なデータをプロセスコンピュータ20か
ら受信し、推論結果をプロセスコンピュータに送信する
手段38とを、そのシステムプログラムにより実現して
いる。
【0013】このようにプロセスコンピュータ20と知
識処理コンピュータ30とに装置が分かれているのは、
従来のシステム技術で処理する部分と、人工知能応用技
術で処理すべき部分とを分けた方がシステム開発上都合
が良いからであって、この発明にとって本質的なことで
はない。従って、1台のコンピュータを論理的に分割し
て双方の手段を実現すれば、1台のコンピュータでシス
テムを実現することができる。
【0014】各種のセンサデータはプロセスコンピュー
タ20の定周期処理機能により、所定の周期で取込まれ
、ファイル211に格納した後データに含まれるノイズ
を除去して、制御情報として意味ある情報を抽出するた
めに前処理が行われる。
【0015】(1) 前処理方法前処理としてはセンサ
の種類とセンサデータに含まれるノイズの状態を考慮し
、ガス流判断に有効なデータとするため指数平滑や1次
回帰などの手法でデータ処理している。a.指数平滑

数1】   Sn=(1−1/t)*Sn−1+Rn/t   
 Sn:時刻nにおける指数平滑後の値      n
,t単位は分    Sn−1:時刻n−1における指
数平滑後の値    Rn:時刻nにおける指数平滑前
の値    t:時定数1≦tでセンサ毎に定める。
【0016】b.1次回帰
【数2】 τ≦ti≦0:基準点は推論実行時刻、τ:時定数、n
:有効データ数Xo:1次回帰データそしてSnまたは
Xo はガス流の強度や推移傾向の判断に使われる。
【0017】(2) ガス流の強度判定前処理結果は知
識コンピュータ30に送られ、センサ別に学習制御され
た基準値を基準にして中心流や周辺流の強度を判断する
。以下に基準値の決め方と中心流や周辺流の強度の判断
例を示す。
【0018】(2−1) 基準値の決め方基準値は日平
均値をもとに指数平滑法を用いて決定し、設備や操業の
経時的変化に容易に対応できるようにした。
【数3】 α:指数平滑定数0≦α≦1 Yn:今日の推論に用いる基準値 Yn−1:昨日の推論に用いた基準値 また、指数平滑定数α(0≦α≦1)は、装入待時間、
減風時間、MAアクション回数、配合変更回数などの関
数とし、更に装入待時間、減風時間、MAアクション回
数、配合変更回数の影響度も関数表現(図2)して、特
種操業要素を除去している。
【0019】
【数4】   α=α1*α2*α3*α4     α1=f(装入待時間)、α2=f(減風時間
)    α3=f(MAアクション回数)、α4=f
(配合変更回数)ここで装入待時間(装入から次の装入
までの間隔)は、平均装入待時間より待ち時間が長いも
のを対象とし、
【数5】     n:装入待時間>平均装入待時間であった装入
回数    i :装入待時間>平均装入待時間となっ
たi番目の装入待時間として計算している。
【0020】また、減風時間(目標送風量より送風量を
減らした時間)は、減風した時間と減風量をもとに経験
的に次式で計算している。
【数6】
【0021】(2−2) 中心流や周辺流の強度判定水
平ゾンデ、炉口ゾンデ、炉口テレビなど半径方向のガス
流分布を計算できるものは、中心流や周辺流の判断に利
用できる。また固定ゾンデなどは周辺流の判断に利用で
きる。図3はガス流強度とガス温度や成分の関係を示し
たものであり、ガス流が強いとガス温度は高く、ガス利
用率(CO2/CO) は低くなる。
【0022】(2−2−1) 水平ゾンデ(図4)設置
状況を図4の(a)に示す。水平ゾンデは1日に数回、
炉内装入物の中にゾンデを挿入して、炉内半径方向のガ
ス温度と成分(将来はガス流速も追加予定)を測定して
いる。一般に、炉内の熱レベルが高ければガス温度は高
めに、逆に熱レベルが低ければガス温度も低めに計測さ
れるが、熱レベルのガス温度や成分分布への影響は少な
い。このため測定データを操業経験で得られたパターン
や前回の測定データと比較してガス流状況を判定するこ
とにした。図4の(b)は測定データと操業経験で得ら
れたパターンとの比較例であり、中心流が強く、周辺流
が弱いことを示している。
【0023】(2−2−2) 炉口ゾンデ(図5)設置
状況を図5の(a)に、測定データを図5の(b)に示
す。炉口ゾンデは炉頂部の装入物表面上部に東西、南北
方向に設置されていて、複数の温度計と分析計でガス温
度とガス成分を連続的に測定している。ここでは半径方
向のガス流を正確に判断するため、操業経験をもとに周
辺部のガス温度が中心部よりある値以上高い時(成分C
O2/COは低い時)は、低い方(高い方)のセンサが
異常と判断してそのセンサデータを除去した後、東西南
北の平均を取っている。そしてガス温度は、炉頂ガス温
度との比較、ガス成分は水平ゾンデと同じ方法にてガス
流状況を判断している。以下にガス温度に関する処理方
法を示す。
【0024】図5の(c)はガス温度の強度(x)を縦
軸にした時のガス流状況を示しており、この例では中心
流が強く、周辺流が弱いことを示している。ここで、

数7】X=(Xi−t)−(Xib−Tb)Xi:炉口
ガス温度の平均値、t:炉頂ガス温度Xib:炉口ガス
温度の基準値、Tb: 炉頂ガス温度の基準値 であり、炉口ガス温度は東西南北の平均値である。なお
、炉頂ガス温度は、高炉で発生するガスが集合した所で
測定しているので、炉口ガス温度を炉口の表面積で加重
平均して求めた値より精度が良い。
【0025】(2−2−3) 炉口テレビ(図6)測定
生データを図6の(a)に示す。炉口テレビは炉頂部で
装入物表面の温度分布を熱画像として連続的に測定して
いる。装入物表面温度はチャージ完了後、徐々に上昇し
、次のチャージが始まる前に最大となる。またチャージ
直後は発塵のため装入物表面温度を正確に捕らえられる
ことができない。このためチャージ後4〜5分したのち
の熱画像をもとに炉口ゾンデの測温点に対応したデータ
(図6の(b))を作り、次に炉口ゾンデの処理と同じ
方法でガス流状況を判断している。
【00026】(2−2−4) 固定ゾンデ温度(図7
)設置状況を図7の(a)に、測定データを図7の(b
)に示す。固定ゾンデは高炉シャフト上部の炉壁部に円
周方向に複数個(時には更に上下方向に数段)設置され
ていて、装入物内部のガス温度と成分を測定している。 このため周辺流の判断に利用できる。また、円周方向の
分布を考慮すれば局所流の判断ができる。一般にセンサ
が不良になったり、付着物がある時はガス温度や成分は
極端に低くなる。このため相隣り合うセンサデータを比
較し、両者の差がある値以上ある時は、低い方のセンサ
を異常とし、残りのセンサデータの平均値(Xt)を計
算する。また周辺流強度(X)を平均値(Xt)と基準
値(Xo)をもとに計算して、ガス流状況を判断してい
る。
【数8】X=Xt−Xo
【0027】(2−2−5) その他 シャフト温度は炉壁部に円周方向と上下方向に複数個設
置されていて、炉壁レンガ内の温度を測定しているので
、固定ゾンデと同じ様にして周辺流の判断に利用できる
。しかし、直接ガス温度を測定しているわけでは無いの
で、固定ゾンデよりガス流情報としての精度が落ちる。 また、中心流の時は溶融帯の形状がシャープ(図8の(
a))になり、還元ガスが通過するコークスのスリット
数も増えるためガス流が安定し、通風抵抗指数や送風圧
力が低く、熱損失やセンサデータの変動も減少し、ガス
利用率(CO2/CO)は高くなる。逆に周辺流の時は
溶融帯の形状が擂鉢状(図8の(b))になり、スリッ
ト数も減り、ガス流が不安定になり、通風抵抗指数や送
風圧力が高く、熱損失やセンサデータの変動も増加し、
ガス利用率は低くなる。このためガス利用率、通風抵抗
指数、送風圧力、熱損失、センサデータの変動などにつ
いて、現在値と基準値を比較すればガス流強度の判定が
できる(図8の(c),(d),(e))。
【0028】(2−3) 中心流や周辺流の推移傾向の
判定ガス流の推移傾向は、ガス流強度の判定に用いたセ
ンサ情報の時系列的推移がそのまま利用できる。例えば
本装置では図9の(a)に示す情報が上昇傾向の時や、
図9の(b)に示す情報が下降傾向の時に中心流と判断
している。また、図9の(c)に示す情報が上昇傾向の
時や、図9の(d)に示す情報が下降傾向の時に周辺流
と判断している。
【0029】(3) 中心流や周辺流の強度と推移傾向
の合成 センサデータは設置状況、操業状況(装入待、減風など
)より大きく変化する。また、炉口ゾンデ温度や炉口テ
レビなどほぼ同じ傾向を示すもので精度に違いのあるも
のがあり、ガス流状況を最終的に判断する時は、これら
の要素を旨く考慮してシステム化する必要がある。ここ
では以下のようにして、精度の良い装置としている。
【0030】(3−1) 半径方向に複数点計測してい
るセンサ情報の合成 水平ゾンデ、炉口ゾンデ、炉口テレビなど半径方向に複
数点計測しているセンサ情報は中心(または炉壁)部の
センサ値のみでガス流を判断するのではなく、測定位置
を加味して合成することにより、センサ情報精度の向上
を図っている。例えば次式により中心流及び周辺流を求
めている。
【数9】 例えばi=5の時はai=0.7,a2=0.3,a3
=a4=a5=0 b1=b2=b3=0,b4=0.3,b5=0.7の
ようにして、強度や推移傾向を合成している。
【0031】 (3−2) 中心流や周辺流の強度と推移傾向の合成中
心流と周辺流の強度と推移傾向について別々に合成を行
う。表1は合成に使うセンサデータの状況例を示す。 表1で○印は大きい(Qは小さい)ほど強度や推移傾向
が強いことを意味している。
【表1】
【0032】以下に中心流強度の合成例を示す。
【数10】 ここで、aiは各センサの寄与度、fiは装入待や減風
などを加味した確信度である。ここでは図2の(a),
(b)の積として決めている。nは○印の数、mはセン
サ値の数である。周辺流の強度や中心流、周辺流の推移
傾向も同じ様にして決めている。
【0033】(3−4) 合成結果の基準化本装置では
できるだけオペレータの操業経験に近付けて制御を行う
ため、(3−2) の項での合成値を1〜5のレベルに
基準化することにした。図10の(a)に基準化例を示
す。本装置では中心流と周辺流の強度と推移傾向につい
て、別々に操業経験をもとに判断基準値k1,k2,k
3,k4を決めて1〜5の5段階の判断をしている。図
10の(a)で数値は以下の状態を示す。1:非常に弱
い、2:弱い、3:ちょうど良い、4:強い、5:非常
に強いなお、図10の(b)に示す様な関数で表現して
判断すれば、よりきめ細かく判断できることは自明であ
るが、ここではオペレータに近い判断方法を採用してい
る。
【0034】(3−3) MAパターン変更量の推論図
11にMAパターン変更量の推論例を示す。MAパター
ン変更量は操業経験をもとに決定した強度判定マトリッ
クス、推移傾向判定マトリックス、MAアクション決定
マトリックスを使って推論する。例えば中心流強度が2
、周辺流強度が3の時ガス流の強度は強度判定マトリッ
クスよりW1となる。また、中心流推移傾向が2,周辺
流推移傾向が4の時ガス流の推移傾向は推移傾向判定マ
トリックスよりW1となる。この結果をMAアクション
決定マトリックスに当てはめれば+2となる。これは現
在のMAパターンより2つだけ中心流指向のMAパター
ンNOを選択することを意味している。ここでも図10
の(b)に従って判断した結果を四捨五入してMAパタ
ーンNOの変更量を決めればよりきめ細かく制御できる
ことは自明である。なお、本装置では装入物分布に関す
る模型実験で得られた結果をMAパターンとして、周辺
流から中心流に向かって登録している。(図12)
【0
035】(4) MAアクション量診断MAパターンN
o.を変更した時、ガス流は装入物の降下とともに徐々
に変化する。そして、MAパターンNOの変更の影響が
無くなるまでには約12時間かかる。このため、実操業
ではMAの操作履歴を加味する必要がある。また、出銑
作業時は数時間減風を行うため送風圧力などが一時的に
大きく変化してガス流も乱れる。これらの一過性の要因
に伴う要素を除去する必要がある。また、配合変更など
ガス流だけでは判断できない要素もある。本装置ではこ
れらの要素を以下のように加味している。
【0036】(4−1) MAの操作履歴図13にMA
の操作履歴を加味したMAアクションの補正例を示す。 横軸は時刻、縦軸はMAパターンNo.の変更量である
。例えばMAパターン変更量の推論(3−4) 項でM
Aパターン変更量として+2の指示が10時間続き(図
13(a))、時刻0の時にMAパターンNo.を+2
だけ変更したとする(図13の(c))。するとその効
果は装入物の降下とともに徐々にガス流に現れてくる(
図13の(b))。実操業ではこの点を加味し、MAパ
ターンNo.を+2変更した効果が+1だけ現れる時間
(約6時間後)を想定して、改めてMAパターンNOを
+1だけ変更する。なお、ここでもMAパターンNo.
の変更量に曖昧さ(−1〜1)を持たせ、更に図13の
(b)で求めた値を使えばもう少しきめ細く制御できる
が、オペレータの操業に近付けるため本装置の様にした
【0037】(4−2) 送風圧力など一過性の要因出
銑作業時は数分間減風を行うため送風圧力などが一時的
に大きく変化する。このため同じ方向にMAパターンN
o.の変更指示が2回以上連続した時に初めて実アクシ
ョンを取るようにして、一過性要因を除去している。 また残銑量が多い時はガス流が乱れる。このため残銑量
を図14に示すようなメンバシップ関数で表現して、ア
クション量の補正を行ってきめ細かく制御している。
【0038】(4−3) 配合変更などガス流だけでは
判断できない要素 図15の(a)に配合変更などガス流を乱す要素の先取
例を示す。横軸は時刻、縦軸はMAパターンNOの変更
量を示す。例えば直送焼結鉱に変えて、粒径のやや小さ
いヤード焼結鉱の使用割合を増やす時は、徐々に中心流
がつぶれていく傾向にある。このため本装置ではヤード
焼結鉱の使用割合の増加量(X)をもとにMAパターン
NO変更量(Y)を計算し、実際にヤード焼結鉱を使用
する時刻の数時間前から焼結鉱がとけて溶銑となるまで
の間、(4−2) の項で決まった値に対してYだけ中
心流指向のパターンNo.を選択するようにしている。 ここでも図15の(b)に示したようなメンバシップ関
数で表現してアクション量の補正を行えばよりきめ細か
く制御することができる。
【0039】(4−4) MAアクションの実施(4)
 項の結果は表示装置(CRT)と警報装置でオペレー
タに通知されると共に、制御モードが自動の時は、その
信号がMA制御装置(PLC)に送信されMAのストロ
ークが自動的に制御して装入物分布制御に繋げている。 また、手動モードの時はオペレータが表示結果を見てM
A制御装置のストロークの設定変更を行い、装入物分布
制御に繋げている。
【0040】(5) 操業実績 図16の(a)はガス流と炉熱(溶銑温度)の日内変動
を示した図であり、ガス流と炉熱(溶銑温度)の日内変
動を計算して、本装置による制御を行う前と後を比較し
た。その結果、ガス流と炉熱の日内変動は約20%減少
した。図16の(b)は本装置による制御を開始してか
らの操業指数の推移を示したもので、本装置による制御
の実現により徐々に効果も拡大していることが分かる。
【0041】
【発明の効果】以上のようにこの発明は、操業技術の高
位標準化と伝承、操業の自動化を目的に装入物分布制御
に関する高度な操業知識をもとにシステム化したもので
あり、以下の効果が得られている。 1)操業技術の高位標準化、伝承 2)オペレータの作業負荷低減、操業の自動化3)セン
サ情報の高度加工によるガス流判断の適正化(高精度化
) 4)リアルタイムな監視、制御の実現 5)(上記1)〜4)の結果として)従来のオペレータ
制御より決め細い制御の実現 6)(1)〜4)の結果として)図16の(a)及び(
b)の操業効果の確認
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る装入物分布制御装置
の概念図のブロック図である。
【図2】は指数平滑定数の決定方法を示す図であり、(
a)は装置待時間、(b)は減風時間、(c)はMAア
クション回数であり、(d)は配合変更回数をそれぞれ
示している。
【図3】中心流(周辺流)強度の判定例を示す図である
【図4】水平ゾンデの設置と測定データ例を示す図であ
る。
【図5】炉口ゾンデの設置と測定データ例を示す図であ
る。
【図6】炉口テレビの生データと測定データ加工例を示
す図である。
【図7】固定ゾンデの設置と測定データ例を示す図であ
る。
【図8】その他の情報によるガス流判断例を示す図であ
り、(a)は中心流傾向の状態、(b)は周辺流傾向の
状態、(c)はガス流とガス利用率、(d)はガス流と
通気抵抗指数、(e)はガス流と圧力損失をそれぞれ示
している。
【図9】中心流や周辺流の推移傾向の判定例を示す図で
あり、(a),(b)は中心流推移傾向を、(c),(
d)は周辺流推移傾向をそれぞれ示している。
【図10】合成結果の基準化例を示す図である。
【図11】MAパターンNo.の変更量の推論例を示す
図である。
【図12】MAパターンNo.の登録状況を示す図であ
る。
【図13】MAの操作履歴を加味した補正例を示す図で
ある。
【図14】残銑量の補正関数例を示す図である。
【図15】外乱要素の先取例を示す図である。
【図16】この実施例の操業実績を示す図であり、(a
)はガス流と炉熱の変動例を、(b)操業状況を示す。
【図17】装入物の分布制御と炉内状況を示した図であ
る。
【図18】溶融帯体の位置及び形状と操業状況を示した
図である。
【図19】MAの設置状況を示した図である。
【符号の説明】
10  高炉 20  プロセスコンピュータ 30  知識処理コンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  高炉操業に関する知識を知識ベースと
    して登録・修正する手段と、高炉に設置された各種セン
    サからデータを所定の周期でプロセスコンピュータに取
    込む手段と、取込んだデータに含まれるノイズを除去す
    る手段と、操業経験やモデル実験で得られた知識ベース
    をもとにノイズを除去したデータをセンサ別に中心流や
    周辺流の強度と推移傾向として推論する手段と、その推
    論結果を装入待や減風などに関する情報と知識ベースと
    に基づいて中心流及び周辺流の強度と推移傾向として合
    成する手段と、その合成結果を操業経験をもとに作られ
    たガス流の強度判定マトリックスと推移傾向判定マトリ
    ックスに当てはめ、ガス流の強度と推移傾向を決定する
    手段と、その結果をモデル実験などにより作られたムー
    バブルアーマ(以下MAと称す)アクション決定マトリ
    ックスに当てはめて、MAのアクション量を決定する手
    段と、前記MAのアクション量をプログラマブルコント
    ローラ(以下PCと称す)に送信してMAを自動制御す
    る手段とを有することを特徴とする高炉装入物分布制御
    装置。
  2. 【請求項2】MAの操作履歴や、送風圧力の変更など一
    過性の要因に伴う要素を加味して前記MAのアクション
    量を補正する手段と、配合変更などガス流分布だけでは
    判断できない要素を先取りして前記MAのアクション量
    を補正する手段と、を有する請求項1記載の高炉装入物
    分布制御装置。
  3. 【請求項3】前記MAのアクション量をオペレータにガ
    イダンスする手段を有する請求項2記載の高炉装入物分
    布制御装置。
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