JPH04212054A - アコースティック・エミッションセンサー - Google Patents

アコースティック・エミッションセンサー

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JPH04212054A
JPH04212054A JP3034610A JP3461091A JPH04212054A JP H04212054 A JPH04212054 A JP H04212054A JP 3034610 A JP3034610 A JP 3034610A JP 3461091 A JP3461091 A JP 3461091A JP H04212054 A JPH04212054 A JP H04212054A
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sensor
wave
synthetic resin
piezoelectric bodies
ceramic
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Teruo Kishi
輝雄 岸
Mitsuharu Shiba
光晴 志波
Keishin Ohara
佳信 尾原
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティック・エ
ミッション(Acoustic Emission )
を検出するアコースティック・エミッションセンサーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体が破壊または塑性変形するとき、そ
れまで内部歪みとして蓄えられていたエネルギーを弾性
波(音波及び超音波)として放出するが、この現象をア
コースティック・エミッション(以下、AEと略す)と
呼んでおり、上記弾性波をAE波と呼んでいる。そして
、このAE波を材料に荷重をかけながら観測することに
より、その材料における傷の発生または破壊の発生の前
兆を補足する方法、いわゆるAE法は、「鉄鋼便覧」第
3版、第IV巻第468頁に記載されているように、材
料の疲労試験や材料研究に応用されている。
【0003】AE波の検出を行うAEセンサーには、超
音波受信素子としての圧電素子が通常使用されているが
、特開昭51−20890号公報に開示されているよう
に、圧電素子と被検体との接触部を電気的絶縁材料で構
成し、かつ、圧電素子を2段重ねにすることにより、電
気的ノイズに強く、しかも各圧電素子で検出されるAE
信号の間に位相差を生じにくくした平衡型AEセンサー
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波が物
体中を伝播するとき、縦波の方が横波よりも速く伝播す
る。このため、AE波中の縦波だけを検出すれば、AE
発生源におけるAE発生強度の変化を忠実に検出できる
が、上記従来の構成では、縦波だけでなく横波も検出さ
れてしまうという問題点を有する。
【0005】そこで、AE波中の縦波(縦振動モード)
だけを検出できるように、角柱状のセラミックス圧電体
を高さ方向に分極して、合成樹脂マトリックス中に配列
した合成樹脂−セラミックス複合圧電素子をAEセンサ
ーに用いることが考えられる。
【0006】しかし、この場合も、AE波の検出時、検
出し得るAE波の周波数域が狭いために、各種信号処理
を行うには情報量があまりに少なく、このために精度の
高いAE波形解析ができないという問題点を有している
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアコースティッ
ク・エミッションセンサーは、上記の課題を解決するた
めに、複数の柱状のセラミックス圧電体をその高さ方向
が互いにほぼ平行となるように合成樹脂マトリックス中
に配列した合成樹脂−セラミックス複合圧電素子により
アコースティック・エミッションを検出するアコーステ
ィック・エミッションセンサーにおいて、上記合成樹脂
マトリックス中には高さが異なり、かつ、高さ方向に分
極された柱状のセラミックス圧電体が同心円状に配列さ
れていることを特徴としている。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、柱状のセラミックス圧電
体を高さ方向に分極させたので、高さ方向に伝播して来
るAE波中、縦振動モードに対してのみ、合成樹脂−セ
ラミックス複合圧電素子の両端面に電位差を生じる。こ
れにより、縦振動モードだけが検出される。また、異な
る高さの柱状のセラミックス圧電体を用いたので、高さ
の種類だけ共振点が現れ、AE波の検出周波数域が広く
なる。このため、AE信号の立ち上がり時間も短くなり
、応答性が向上すると共に、検出感度も向上する。また
、セラミックス圧電体を同心円状に配列したので、無指
向性であり、AE波の伝播方向に依らずほぼ一定の検出
感度が得られる。
【0009】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0010】本発明のアコースティック・エミッション
センサー(以下、AEセンサーと略す)は、図2の縦断
面図に示すように、被検体からのAE波を受ける受波板
2、受波板2上に設けられてAE波を電気信号に変換す
る合成樹脂−セラミックス複合圧電素子1から主に構成
されている。
【0011】合成樹脂−セラミックス複合圧電素子1は
、複数の柱状のセラミックス圧電体3…をその高さ方向
がほぼ平行となるように合成樹脂マトリックス4中に配
列させて、その両端面には電極5・6を設け、下部外周
面には電極6に電気的に接続されている電極6’を設け
た構成になっており、各柱状のセラミックス圧電体3に
おいて、圧電体結晶粒子の結晶軸を高さ方向(図2の上
下方向)に配向させて、その方向に分極させた構成にな
っている。
【0012】また、図1の横断面図に示すように、セラ
ミックス圧電体3…は、合成樹脂マトリックス4中に同
心円状に配列されている。また、各同心円上では、セラ
ミックス圧電体3…の高さはほぼ等しいが、同心円間で
は、セラミックス圧電体3の高さは一様ではなく、異な
る高さのセラミックス圧電体3が用いられている。本実
施例では、図2のように、外周側の同心円になるほど、
セラミックス圧電体3の高さが高くなるように配置され
ている。このため、下端面の電極6は平坦であるが、上
端面の電極5は段付きになっている。
【0013】なお、上記同心円状に配列するとは、同心
円の円周上にセラミックス圧電体3…を配列するという
意味であり、有限のセラミックス圧電体3…を配列する
ことにより完全な同心円を形成できないことは言うまで
もない。したがって、各同心円上、すなわち、合成樹脂
−セラミックス複合圧電素子1の中心からほぼ等距離の
位置にセラミックス圧電体3…を配置した場合、これら
は厳密には多角形を形成することになる。
【0014】なお、合成樹脂−セラミックス複合圧電素
子1の下端面の電極6と受波板2とは接着剤により接着
されている。
【0015】上記の構成において、受波板2を被検体の
表面に密着させると、被検体の内部で発生したAE波は
被検体中を伝播して表面に到達し、受波板2と下側の電
極6を介して、合成樹脂−セラミックス複合圧電素子2
に伝達され、柱状のセラミックス圧電体3…をその高さ
方向に伸縮する。そして、この伸縮により柱状のセラミ
ックス圧電体3…の両端に電位差を生じ、これがAE信
号として取り出される。
【0016】本発明のAEセンサーでは、柱状のセラミ
ックス圧電体3…は高さ方向に結晶軸が配向し、その方
向に分極している構成であるので、高さ方向に伸縮され
た時だけ、その両端に正負の電荷を生じるが、それ以外
の方向、例えば高さ方向に直交する方向に伸縮されても
、その両端に電荷を生じない。すなわち、被検体の内部
から表面に到達するAE波中、縦振動成分が主に検出さ
れることになる。また、セラミックス圧電体3の横振動
成分は合成樹脂マトリックス4中で速やかに減衰するの
で、リンギングの少ないAE信号が得られる。
【0017】これにより、時間的空間的に異なるAEに
起因した縦波と横波とが、伝播速度が異なるために、同
時にAEセンサーに到達したとしても、縦振動成分だけ
が検出されて、被検体の内部で発生したAEの強度及び
その変化を忠実に検知できる。
【0018】ところで、AE波により合成樹脂−セラミ
ックス複合圧電素子1の電極5・6間に生じる電位差は
、柱状のセラミックス圧電体3の材質及び形状により決
まる固有のものである。したがって、予備実験において
、強度が分かっている超音波を受信して、そのとき、電
極5・6間に生じる電位差の関係を求めておけば、この
関係を用いて、実際の被検体で計測された電極5・6間
の電位差からAE波の強度を算出できることになる。
【0019】また、本実施例のAEセンサーでは、合成
樹脂−セラミックス複合圧電素子1は、異なる高さの柱
状のセラミックス圧電体3より構成されているので、い
わゆる共振分散型になっており、各柱状のセラミックス
圧電体3…の高さに応じて異なる共振周波数(共振点)
を持っている。このため、AEセンサーの検出周波数域
が広くなると共に、共振を利用しているので充分な感度
特性が得られる。
【0020】また、本実施例のAEセンサーでは、セラ
ミックス圧電体3…は合成樹脂マトリックス4中に同心
円上に配置されているので、AE波の受波時、受波方向
の依存性が少ない。
【0021】柱状のセラミックス圧電体3の材料として
、具体的には例えば、チタン酸バリウム焼結体、チタン
酸鉛焼結体、または、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)
焼結体等を使用することがAEの検出感度上好ましいが
、圧電特性を有し、高さ方向に分極されておれば、いか
なるものでも使用できる。また、その形状としては、柱
状であって、その高さと底面の1辺の長さとの比が、1
以上である必要があり、2以上であることがAEの検出
感度上好ましく、この比が、2〜6の範囲であるとさら
に好ましい。また、セラミックス圧電体3の弾性率は、
6000kgf/mm2 以上であることがAEの検出
感度上好ましい。
【0022】合成樹脂マトリックス4に使用される合成
樹脂は、柱状のセラミックス圧電体3と結合して、一体
化し得るものであれば、いかなるものでもかまわない。 具体的には例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム、ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム
、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、エチレン−アクリル
ゴム、ポリエステルエラストマー、エピクロルヒドリン
ゴム、アクリルゴム、または、塩素化エチレンゴムがあ
るが、シリコンゴム、ウレタンゴム、または、ブタジエ
ンゴムを使用することが、AEの検出感度上好ましく、
横振動モードを大きく減衰させて、縦振動モードだけを
検出する上でも好ましい。また、合成樹脂の弾性率は、
1〜50kgf/mm2 であることがAEの検出感度
上好ましく、AEセンサーと被検体(図1)との音響イ
ンピーダンスを整合させることがさらに好ましい。。
【0023】また、合成樹脂−セラミックス複合圧電素
子1において、柱状のセラミックス圧電体3…全体の容
積と合成樹脂マトリックス22の容積の比は、8/92
〜40/60の範囲であることがAEの検出感度上好ま
しい。
【0024】以下、合成樹脂−セラミックス複合圧電素
子1の具体例として、ウレタンゴム−PZT(チタン酸
ジルコン酸鉛)複合圧電素子を挙げ、その製法とこれを
用いたAEセンサーの性能について説明する。
【0025】円柱状のセラミックス圧電体3の材料とし
て、円柱形(φ10mm×6mm)の分極済みPZT焼
結体(本多電子社製、型番HC−50GS、比誘電率=
1050、圧電定数g33=32×10−3Vm/N、
電気機械結合係数k33=67%、機械的品質係数Q=
1000)を使用し、これを加工して、φ0.7mmで
高さが4mm、2mm、1mmの円柱が合計61本、厚
さ2mmのPZT円板上に同心円状に配列して、直立し
たPZT微細加工物を得た。各同心円の直径を外周側か
ら内周側に順に挙げると、φ8.5、φ6.4、φ4.
3、φ2.1であり、それぞれの同心円は高さ4mm×
24本、高さ2mm×18本、高さ1mm×12本、高
さ1mm×6本の円柱状PZTから構成されている。ま
た、中央には高さ1mm×1本の円柱が配置されている
。以上の加工には、S45C(構造用炭素鋼)からなる
工具を備えた超音波加工装置(日本電子工業社製、形式
UM−5000  DA)が使用された。
【0026】このようにして得られたPZT微細加工物
をシリコン成形型にはめ込み、この成形型に合成樹脂マ
トリックス4の材料としての電気絶縁用ウレタンゴム(
サンユレジン社製、商品名SU−2153−9、硬度5
2、黒色)を充填し、室温で1日放置した後、乾燥機に
て60℃、5時間の硬化処理を行ってウレタンゴムを硬
化させて、成形型から取り出すことにより、PZT円板
上にウレタンゴム−PZTが形成されたウレタンゴム−
PZT複合物を調製した。
【0027】次に、上記ウレタンゴム−PZT複合物の
PZT円板部をダイヤモンドブレード(マルトー社製ク
リスタルカッター)で切り落として、ウレタンゴムのマ
トリックスに、3種類の異なる高さのPZTからなる円
柱計61本が、規則正しく同心円状に配列したウレタン
ゴム−PZT複合圧電体を調製し、さらに、両端面をサ
ンドペーパーで研磨した。
【0028】そして、段差の付いた側の端面部及び段差
部、それから反対の端面に近い外周には、銀ペースト(
デグザ社製、商品名DEMETRON  6290−0
275)を塗布し、120℃、30分の焼付処理を行う
ことにより、電極5・6’としての銀電極が形成された
。また、もう一方の段差のない端面部には、スパッター
法により電極6としての金電極が形成された。そして、
この金電極面には、受波板2としての厚さ0.2mmの
アルミナ薄板(三菱鉱業セメント社製、型番MAB−L
201K−10φ)が接着剤により接着された。それか
ら、電極5・6’にリード線が半田付けされて、ウレタ
ンゴム−PZT複合圧電素子からなるAEセンサーが得
られた。
【0029】このAEセンサーの周波数特性を確認する
ため、φ0.5mmのシャープペンシル替芯(ペンテル
社製、硬度2H)を圧折して擬似AE波を発生させ、こ
れを上記AEセンサーで受信し、AE信号電圧を測定し
た。
【0030】図3に測定系の概略構成を示す。
【0031】測定系は、伝達媒体としてのアルミニウム
板8と、アルミニウム板8のほぼ中央に密着されたAE
センサー7と、AEセンサー7の出力を増幅するプリア
ンプ10と、プリアンプ10の出力波形を記憶するウェ
ーブメモリ12と、ウェーブメモリ12の入力側に設け
られたインピーダンス・マッチングのための終端抵抗1
1と、ウェーブメモリ12に記憶されたデータをインタ
ーフェース・ライン13を介して受け取り、フーリエ変
換を行って周波数スペクトルを求めるマイクロコンピュ
ータ14とから構成されている。
【0032】アルミニウム板8として、具体的には例え
ば400mm×400mm×60mmの大きさの高力ア
ルミニウム合金(7475厚板)が用いられた。また、
プリアンプ10にはエヌエフ回路設計ブロック社製のモ
デルNF9913S(増幅率20dB)が用いられ、ウ
ェーブメモリ12には日本フィジカルアコースティック
社製のモデルDL  2120が用いられた。さらに、
マイクロコンピュータ14にはヒューレット・パッカー
ド社製のモデルHP216が用いられ、インターフェー
ス・ライン13にはGP−IB(汎用インターフェース
・バス)が使用された。
【0033】上記の構成において、シャープペンシル替
芯9をアルミニウム板8の下面に押圧して圧折し、この
とき発生する擬似AE波をアルミニウム板8の上面に設
けられたAEセンサー7で受波する。そして、電気信号
としてのAE信号が取り出され、プリアンプ10で増幅
された後、所定のタイミングでウェーブメモリ12に取
込まれる。ウェーブメモリ12内に取り込まれたAE信
号はインターフェース・ライン13を介してマイクロコ
ンピュータ14に転送され、フーリエ変換が行われる。 これにより、AEセンサー7の検出信号電圧の周波数依
存性を示す周波数スペクトルが得られる。
【0034】なお、周波数特性の比較のために、比較例
1として、上記61本のφ0.7のPZTの円柱の高さ
をすべて4mmにした単一共振型のAEセンサーを上記
と同一の材料及び製造方法により作製し、上記と同一の
測定を行った。
【0035】また、同じく周波数特性の比較のために、
比較例2として、単一共振型である市販の小型共振型A
Eセンサー(米国フィジカルアコースティック社製の商
品名PICO、サイズφ3.5×4.7)を用い、比較
例3として、無共振型である市販の広帯域AEセンサー
(富士セラミックス社製の校正用基準器REF10M、
周波数帯域0〜10MHz)を用いて上記と同一の測定
を行った。
【0036】測定結果を図4及び図5に示す。図中、縦
軸はAEセンサーの検出信号の出力電圧比であり、横軸
は周波数である。
【0037】図4は共振分散型のAEセンサーにおける
周波数スペクトルと単一共振型のAEセンサーにおける
周波数スペクトルとを比較するものであり、曲線15は
本実施例の共振分散型のAEセンサーを示しており、曲
線16・17はそれぞれ比較例1及び比較例2の単一共
振型のAEセンサーを示している。
【0038】図から明らかなように、出力電圧比が−6
0dBまで減衰する周波数は、今回比較用として試作し
たAEセンサー(比較例1)においても、市販のAEセ
ンサー(比較例2)においても、約1MHzであるが、
本実施例のAEセンサーでは約2MHzになっており、
AE波の検出可能な周波数帯域が約2倍に広がっている
。この広帯域化は共振分散による効果と考えられ、前述
のように、共振分散型のAEセンサーでは複数の異なる
共振周波数を持つために周波数帯域が広がっているもの
と考えられる。
【0039】図5は共振分散型のAEセンサーにおける
周波数スペクトルと無共振型のAEセンサーにおける周
波数スペクトルとを比較するものであり、曲線15は図
4と同様、本実施例の共振分散型のAEセンサーを示し
ており、曲線18は比較例3の無共振型のAEセンサー
を示している。
【0040】出力電圧比が−60dBまで減衰する周波
数は、本実施例のAEセンサーにおいても、市販の広帯
域のAEセンサー(比較例3)においても、ほぼ等しく
約2MHzであるが、1〜2MHzの高周波数域及び5
00kHz以下の低周波数域の感度低下は本実施例のA
Eセンサーの方が少ない。
【0041】この差はAEセンサーが共振型であるか、
無共振型であるかに依るものであり、比較例3の無共振
型のAEセンサーでは、セラッミックス圧電体PZTを
樹脂からなるダンピング材料で押さえつけて共振点を抑
圧することにより広帯域化を図っているが、このために
高周波数域だけでなく低周波数域の感度低下も引き起こ
している。これに対し、本実施例の共振分散型のAEセ
ンサーでは、異なる高さの柱状のセラミックス圧電体3
(図2)を用いることにより低域、中域及び高域の各周
波数域にそれぞれ共振点を配置したので、いずれの周波
数域においても感度の低下がより少ない。これにより、
広帯域で、かつ、平坦な検出周波数スペクトルが得られ
る。また、以上の測定結果は同一測定系(図3)により
評価されたものであるので、出力電圧比を相互に絶対比
較することができ、本実施例のAEセンサーは0〜2M
Hzの全周波数域に渡って、比較例3のAEセンサーよ
り高感度であると結論できる。
【0042】次に、上記具体例で示したウレタンゴム−
PZT複合圧電素子にハウジングを設けたAEセンサー
を試作し、このAEセンサーを用いて、より精密に測定
した周波数特性について、図6ないし図8に基づいて説
明すれば、以下のとおりである。
【0043】測定に用いられたAEセンサー20は、図
6の縦断面図に示すように、被検体からのAE波を受波
するアルミナ受波板22と、アルミナ受波板22上に接
着されAE波を電気信号に変換するウレタンゴム−PZ
T複合圧電素子19と、ウレタンゴム−PZT複合圧電
素子19全体を被うようにアルミナ受波板22上に固定
され、外部雑音のシールド及びウレタンゴム−PZT複
合圧電素子19の保護を行うコップ状のメタルハウジン
グ21と、ウレタンゴム−PZT複合圧電素子19によ
り受信されたAE信号を取り出すコネクター23と、ウ
レタンゴム−PZT複合圧電素子19の電極5・6’と
コネクター23とを接続するリード線24・24とから
主に構成されている。
【0044】メタルハウジング21の材料として、本実
施例ではアルミニウムを用いたが、ステンレス等を用い
てもかまわない。
【0045】また、アルミナ受波板22とメタルハウジ
ング21とは、接着により固定したが、はめ込みにより
固定してもよい。
【0046】上記の構成において、メタルハウジング2
1は、外部雑音のシールド及びウレタンゴム−PZT複
合圧電素子19の保護を行うだけでなく、アルミナ受波
板22を介してウレタンゴム−PZT複合圧電素子19
を被検体に固定させる役割も果たしている。すなわち、
ウレタンゴム−PZT複合圧電素子19は、前述のよう
に、φ10mm×4mm程度の大きさしかなく、このた
めに非常に軽いものであるので、メタルハウジング21
を設けることにより、アルミナ受波板22と被検体とを
グリース等により固定した際、はずれにくくしている。
【0047】また、メタルハウジング21は、アルミナ
受波板22自体の固有振動を緩和させることにより、ウ
レタンゴム−PZT複合圧電素子19に発生する不要な
残響を減衰させて、高周波数域の感度特性の改善も行っ
ている。
【0048】上記メタルハウジング21を備えたAEセ
ンサー20の周波数特性を精密に測定するため、シャー
プペンシル替芯を圧折して擬似AE波を発生させる前述
の測定系の代わりに、周波数に依らず一定振幅のパルス
を発生できるようにした測定系を使用した。
【0049】今回の測定系は、図7のブロック図に示す
ように、様々な周波数の電気パルスを発生するパルスジ
ェネレータ27と、パルスジェネレータ27から出力さ
れた電気パルスを縦波の音波パルスに変換する音源用セ
ンサー25と、伝達媒体としての鉄ブロック26と、前
記音波パルスを受信するAEセンサー20と、AEセン
サー20の出力を増幅するプリアンプ10と、プリアン
プ10の出力波形を記憶するウェーブメモリ12と、ウ
ェーブメモリ12の入力側に設けられたインピーダンス
・マッチングのための終端抵抗11と、ウェーブメモリ
12に記憶されたデータをインターフェース・ライン1
3を介して受け取り、周波数スペクトルを求めるマイク
ロコンピュータ14とから構成されている。
【0050】なお、音源用センサー25とAEセンサー
20とは、鉄ブロック26を挟んで対向するように設置
されている。
【0051】伝達媒体としては鉄ブロック26の代わり
にアルミニウムブロックを用いてもかまわない。
【0052】上記の構成において、パルスジェネレータ
27より100KHz〜2000KHzの範囲で周波数
を変えて電気パルスを発生させ、音源用センサー25に
て音波パルスに変換し、AEセンサー20で受信するこ
とにより、フーリエ変換を行うことなく直接的にAEセ
ンサー20の感度の周波数依存性を示す周波数スペクト
ルを得ることができる。
【0053】なお、周波数特性の比較のために、前述の
市販の小型共振型AEセンサー(米国フィジカルアコー
スティック社製の商品名PICO)及び、同じく前述の
市販の広帯域AEセンサー(富士セラミックス社製の校
正用基準器REF10M、周波数帯域0〜10MHz)
を用いて上記AEセンサー20の測定と同一の測定を行
った。
【0054】測定結果を図8に示す。
【0055】図中、縦軸はAEセンサーの検出信号の出
力電圧比であり、横軸は周波数である。なお、縦軸につ
いては、受信用のAEセンサー20(図7)を音源用セ
ンサー25と同一のセンサーに取り替えて計測された出
力電圧を基準として、求められている。
【0056】曲線28は本実施例の共振分散型でメタル
ハウジング21(図6)を備えたAEセンサー20の周
波数スペクトルを示しており、曲線29・30はそれぞ
れ市販の小型共振型AEセンサー及び広帯域AEセンサ
ーの周波数スペクトルを示している。
【0057】曲線28と曲線29の比較から、本実施例
のAEセンサー20は、市販の小型共振型AEセンサー
よりもはるかに広帯域であり、しかも、同程度に高感度
であることが分かる。
【0058】また、曲線28と曲線30の比較から、本
実施例のAEセンサー20は、市販の広帯域AEセンサ
ーよりも10〜20dBも高感度であり、しかも、同程
度に広帯域であることが分かる。
【0059】以上の実施例では、柱状のセラミックス圧
電体3の高さが3種類からなるAEセンサーを示したが
、この高さは何種類にしてもよく、例えば高さが4種類
でも同様の効果が得られる。
【0060】なお、あまり種類が多いと、共振周波数が
増えて全帯域幅は広がるが、帯域当たりの柱状のセラミ
ックス圧電体3の数が減るため、検出感度が悪くなって
しまうことになる。
【0061】また、本実施例では、断面形状が円形の柱
状のセラミックス圧電体3を使用したが、断面形状はこ
れに限らず、例えば4角形や6角形であってもかまわな
い。
【0062】また、楕円等の曲面でもよい。
【0063】以上のように、本発明のAEセンサーは、
検出周波数域が広いので、被検体内で発生するあらゆる
傷を検知する定性分析に使用でき、しかも、AE波中の
縦振動モードだけを優先的に検出するので、上記傷発生
の進行状況を検知する定量分析にも使用できる。また、
圧電特性に優れた合成樹脂−セラミックス複合圧電素子
1を使用しているので、小型で検出感度が高い。
【0064】なお、本発明のAEセンサーは、AE波だ
けでなく、気体・液体・固体中を伝播するすべての弾性
波の検出に利用できるだけでなく、逆に、外部から交流
電圧を印加することにより、弾性波を発生させることも
できる。
【0065】
【発明の効果】本発明のアコースティック・エミッショ
ンセンサーは、以上のように、柱状のセラミックス圧電
体を高さ方向に分極させたので、高さ方向に伝播して来
るAE波中、縦振動モードに対してのみ、合成樹脂−セ
ラミックス複合圧電素子の両端面に電位差を生じる。こ
れにより、縦振動モードだけが検出される。また、異な
る高さの柱状のセラミックス圧電体を用いたので、高さ
の種類だけ共振点が現れ、AE波の検出周波数域が広く
なる。このため、AE信号の立ち上がり時間も短くなり
、応答性が向上すると共に、検出感度も向上する。また
、セラミックス圧電体を同心円状に配列したので、無指
向性であり、AE波の伝播方向に依らずほぼ一定の検出
感度が得られる。以上により、AE波形解析に必要な広
い周波数域にわたるAE信号を感度良く検出できるアコ
ースティック・エミッションセンサーが得られるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAEセンサーの横断面図である。
【図2】図1のAEセンサーの縦断面図である。
【図3】擬似AE波の周波数スペクトル分析を行うため
の装置のブロック図である。
【図4】本実施例のAEセンサー及び比較例1及び2の
AEセンサーの周波数スペクトル図である。
【図5】本実施例のAEセンサー及び比較例3のAEセ
ンサーの周波数スペクトル図である。
【図6】本実施例のメタルハウジングを有するAEセン
サーの概略構成を示す縦断面図である。
【図7】パルスジェネレータを用いて、より精密に周波
数スペクトル分析を行うための装置のブロック図である
【図8】本実施例のメタルハウジングを有するAEセン
サー及び、市販の小型共振型AEセンサー及び広帯域A
Eセンサーの周波数スペクトル図である。
【符号の説明】
1    合成樹脂−セラミックス複合圧電素子3  
  セラミックス圧電体 4    合成樹脂マトリックス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の柱状のセラミックス圧電体をその高
    さ方向が互いにほぼ平行となるように合成樹脂マトリッ
    クス中に配列した合成樹脂−セラミックス複合圧電素子
    によりアコースティック・エミッションを検出するアコ
    ースティック・エミッションセンサーにおいて、上記合
    成樹脂マトリックス中には高さが異なり、かつ、高さ方
    向に分極された柱状のセラミックス圧電体が同心円状に
    配列されていることを特徴とするアコースティック・エ
    ミッションセンサー。
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