JPH0421074B2 - - Google Patents

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JPH0421074B2
JPH0421074B2 JP62022774A JP2277487A JPH0421074B2 JP H0421074 B2 JPH0421074 B2 JP H0421074B2 JP 62022774 A JP62022774 A JP 62022774A JP 2277487 A JP2277487 A JP 2277487A JP H0421074 B2 JPH0421074 B2 JP H0421074B2
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JP
Japan
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magnet
vibrator
magnetic
core
electromagnetic coil
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Keizo Takahashi
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TAKATSUKI DENKI SEISAKUSHO KK
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TAKATSUKI DENKI SEISAKUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は可動磁石式ダイヤフラムポンプに関す
る。さらに詳しくはダイヤフラムに連結された振
動子と、この振動子の外周部に設けられた電磁コ
イルとの磁気的相互作用によつて振動子を往復運
動させることにより、これに連動したダイヤフラ
ムを往復運動させ、さらにこれに連動して流体を
吸引しその後吐出する可動磁石式ダイヤフラムポ
ンプに関する。
本装置は主として養魚水槽、庭池養魚または尿
浄化槽における酸素補給、あるいは公害監視にお
ける検査ガスのサンプリングなどに利用されてい
る。
[従来の技術] 従来、この種のダイヤフラムポンプとしては特
開昭54−84603号公報に記載のものがある。かか
るダイヤフラムポンプの概要を第2図に示す。
第2図において、21はヨークであり、その縦
断面の第2図で示す上半部および下半部(以下、
上、下、左、右は第1図および第2図におけるも
のを示す)がE字型をした軸対称の円筒状のもの
であり、その中心軸部は中空となつている。また
ヨーク21の材料としてはFeなどの強磁性材料
が使用されている。そしてヨーク21の右半部お
よび左半部にはそれぞれヨーク21の内面に接し
てヨーク21と同一の中心軸を有する横断面がド
ーナツ状の円筒状電磁コイル22a,22bが設
けられている。そしてヨーク21の中心部にはヨ
ーク21の長手方向に沿つてヨーク21より少し
短い円柱状の振動子23がヨーク21と中心軸が
同一となるように設けられていて、振動子23の
右端および左端はヨーク21の右端および左端近
くまで伸びて形成されている。そして振動子23
には、右端がN極となり左端がS極となつている
鋳造磁石などからなる永久磁石24が設けられて
おり、該永久磁石24の両端面上には磁性体であ
る磁極片27a,27bが固定されている。また
振動子23が固定されていて、振動子23の中心
軸にそつて形成されている支持軸25の両端部に
は、ダイヤフラム26a,26bが固定されてい
る。
そして電磁石コイル22a,22bに通電した
交流電流の或る半波間においては、ヨーク21の
内周端に第2図においてN,Sで示された極性の
磁極が現われ、そしてつぎの半波間においては、
同様にN,Sで示された極性の磁極が現われるよ
うになつている。
かかる構成からなるダイヤフラムポンプにおい
ては、電磁コイル22a,22bに交流電流を通
電することによつて、ヨーク21の内周端に生じ
た磁極と振動子23の両端に生じたN極およびS
極の磁極との間に磁気的相互作用が生じ、これに
より振動子23は先の半波間で右方へ動かされ、
つぎの半波間で左方へ動かされる。このようにし
て振動子23が、通電した交流電流の周期に同期
して左右方向に振動し、これに連動してダイヤフ
ラム26a,26bも振動する。そしてダイヤフ
ラム26aの右方およびダイヤフラム26bの左
方に設けられている作動室(図示せず)内の流体
に規則的な圧力変動を与え、作動室内に流体を吸
引し、あるいは作動室外に流体を吐出することに
よつて前記ダイヤフラムポンプがポンプとして機
能する。
[発明が解決しようとする問題点] 前記従来のダイヤフラムポンプにおいては、支
持軸25に取り付けられた鋳造磁石などからなる
永久磁石24の残留磁束を強くするために磁石の
パーミアンス係数を大きくする必要があり、した
がつて寸法の長い永久磁石が使用されており、さ
らにまたヨーク21の左端部および右端部の内周
端に生じる磁極と永久磁石24のS極およびN極
との間に働く磁気力を強めるために、永久磁石2
4の左端面上および右端面上に、磁極片27a,
27bが設けられているので、振動子23の重量
は非常に大きなものとなる。
したがつてダイヤフラムの設計条件あるいは振
動子23の重量などによつて定まる振動子23の
固有振動数を電磁コイル22a,22bに通電さ
れる交流電流の周波数に一致させることができ
ず、これによつて交流電流の交番変化と振動子の
振動とが共振状態となることによりダイヤフラム
ポンプの吐出能力が急上昇するという状態がえら
れず、ダイヤフラムポンプの駆動効率が悪いとい
う問題がある。
以上のような問題を解決するために、本出願人
は、すでに特願昭61−208423号明細書(特開昭63
−65182号公報)に記載しているように、振動子
における電磁コイルのS極およびN極に対応する
部分に相対向する側の磁極の極性が同一となつて
いる2つの分離したフエライト磁石を設けた可動
磁石式ダイヤフラムポンプを提案している。
しかしながら、このようなダイヤフラムポンプ
によつても振動子に使用されるフエライト磁石の
磁気性能と使用可能な振動子の体積重量による制
約のため製作できるポンプの吐出容量は40/
min程度が限度であつた。
本発明はこのような可動磁石式ダイヤフラムポ
ンプの改良型に関するもので、かかるダイヤフラ
ムポンプでより大型強力にして大風量のポンプを
えるためには振動子に設けられる永久磁石を強力
にする必要があり、しかも共振状態を要するため
該永久磁石の重量を増大できないことを考慮した
ものである。
すなわち本発明は、振動子の重量を極力小さく
し交流電流の交番変化と振動子の振動との共振状
態を達成しポンプの駆動効率を上昇させるととも
に電磁コイルと振動子との磁気的相互作用力を非
常に増大させることによつて、より大容量の可動
磁石式ダイヤフラムポンプを提供することを目的
とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の可動磁石式ダイヤフラムポンプは、電
磁コイルと、該電磁コイル内に挿入され、ダイヤ
フラムに連結され、かつ一対の永久磁石が設けら
れている振動子とが装着されており、前記振動子
における前記電磁コイルのS極およびN極に対応
する部分に第1の永久磁石および第2の永久磁石
が離間して設けられており、これらの両永久磁石
の相対向する側の軸線方向における磁極の極性が
同一であり、かつ前記電磁コイルと前記振動子と
のあいだに磁性体からなるステートコアが介装さ
れてなるダイヤフラムポンプにおいて、前記第1
の永久磁石および第2の永久磁石が、フエライト
磁石と磁気エネルギー積がその2〜10倍である強
力な希土類磁石とを振動子の軸線方向に積層した
ものからなることを特徴としている。
[実施例] 以下、本発明をその実施例を示す図面に基づき
説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す吐出量が毎分
10程度の可動磁石式ダイヤフラムポンプの一部
断面図である。第1図において1は横断面がドー
ナツ状となつている電磁コイルであり、その中心
部に形成されている中空部の回りに沿つて導線が
捲回されている。そして電磁コイル1の外周部に
は電磁コイル1を覆う形でかつこれと中心軸を共
通とするように0.3mmの硅素鋼板を螺旋状に捲回
したものからなる厚さが約1mmの円筒状のヨーク
コア3が設けられている。
そして電磁コイル1の内周面および第1図で示
す左および右(以下左、右、上、下とは第1図に
おけるものを示す)の両端面上には、これに接す
る形で一様な厚さが2〜3mmである縦断面の上、
下の各半部がU字形となつている66ナイロンから
なるボビン2が設けられている。そしてボビン2
の左、右両端面上には、それぞれこれらに接する
形でドーナツ板状の厚さ0.5mmの硅素鋼板を数枚
積層したものからなる右側のヨークプレートコア
4aと左側のヨークプレートコア4bが固設され
ている。そしてヨークプレートコア4a,4bは
ボビン2の内周面より少し中心軸方向へ突出して
いる。そしてヨークプレートコア4aの右端面お
よびヨークプレートコア4bの左端面上にはそれ
ぞれこれらに接してポリカーボネートからなる略
ドーナツ板状の同型である右側のサイドプレート
5aおよび左側のサイドプレート5bが設けられ
ている。そしてサイドプレート5aの右側および
サイドプレート5bの左側には内径がヨークプレ
ートコア4a,4bの外径より少し小さい凹部が
形成されている。
そして電磁コイル1とボビン2とヨークコア3
とヨークプレートコア4a,4bとが前記2つの
サイドプレート5a,5bにより適宜手段で連結
されることにより挾持されている。そして電磁コ
イル1の中心軸部には、中心軸方向に延びて形成
されている振動子(後述)の支持軸6が設けられ
ており、支持軸6の前記ヨークプレート4a,4
bの内周端に対応する部分にはそれぞれ短円柱状
の右側の第1の永久磁石7a(以下、単に第1の
磁石という)および左側の第2の永久磁石7b
(以下、単に第2の磁石という)が適宜手段によ
り離間して固定して設けられている。
そして第1の磁石7aは短円柱状のフエライト
磁石7cとこれの右端面に固設された円板状の希
土類磁石7bと前記フエライト磁石7cの左端面
に固設された円板状の希土類磁石7eとからなつ
ており、フエライト磁石7cおよび希土類磁石7
d,7eの周端面は面一になつている。また第2
の磁石7bは短円柱状のフエライト磁石7fとこ
れの左端面に固設された円板状の希土類磁石7g
と前記フエライト磁石7fの右端面に固設された
円板状の希土類磁石7hとからなつており、フエ
ライト磁石7fおよび希土類磁石7g,7hの周
端面は面一になつている。そしてフエライト磁石
7c,7fの材料としては炭酸バリウムフエライ
トまたは炭酸ストロンチウムフエライトが好まし
く、また希土類磁石7d,7e,7g,7hの材
料としてはランタン、セシウム、サマリウム、ネ
オジムなどの希土類金属とコバルトまたは鉄との
金属間化合物が好ましい。
また希土類磁石7d,7e,7g,7hの厚さ
は2mmであり、フエライト磁石7c,7fの厚さ
とは8mmである。
そして第1の磁石7aおよび第2の磁石7bの
中心軸は支持軸6の中心軸に一致している。さら
に第1の磁石7aと第2の磁石7bの相対向する
面の磁極の極性はともにS極となつており、した
がつてこれらの反対面の磁極の極性はN極となつ
ている。そして第1の磁石7aおよび第2の磁石
7bのそれぞれの左、右両端面上には、これに接
する形で、円板状であつて厚さが0.5mmの磁性体
である硅素鋼板を数枚積層したものからなるマグ
ネツトシユー8a,8b,8c,8dが適宜手段
により固定して設けられている。そして最左端に
設けられているマグネツトシユー8aの左端面は
ヨークプレートコア4bの左端面より左方に約10
mmの範囲内で移動できるようになつており、同様
に最右端にあるマグネツトシユー8dの右端面は
ヨークプレートコア4aの右端面より右方に約10
mmの範囲内で移動できるようになつている。また
同時にマグネツトシユー8bの右端面はヨークプ
レートコア4bの左端面より右方に約14mmの範囲
内で移動できるようになつており、マグネツトシ
ユー8cの左端面はヨークプレートコア4aの右
端面より左方に約14mmの範囲内で移動できるよう
になつている。
そしてマグネツトシユー8bとマグネツトシユ
ー8cの間には中心軸が支持軸6の中心軸に一致
していて厚さが0.3mmの硅素鋼板を螺旋状に捲回
して全体の厚さが約1mmとなつている円筒状のポ
ールコア9が設けられており、ポールコア9の左
および右の端面はそれぞれマグネツトシユー8b
の右端面およびマグネツトシユー8cの左端面に
当接している。そしてポールコア9の外周面は第
1および第2の磁石7a,7bの外周面とほぼ面
一となるようになつている。そしてこれらの外周
面とヨークプレートコア4a,4bの内周面との
間には約1mm程度の〓間が形成されている。そし
て支持軸6と第1および第2磁石7a,7bとマ
グネツトシユー8a,8b,8c,8dとポール
コア9とから振動子10が構成されている。そし
てポールコア9とボビン2の間であつてボビン2
のほぼ中央部には、中心軸が支持軸6の中心軸に
一致していて厚さが0.3mmの硅素鋼板を螺旋状に
捲回して全体の厚さが約2mmとなつている円筒状
のステートコア11が設けられている。そしてス
テートコア11はその外周面がボビン2の内周面
に当接する形でこの内周面上に固定されており、
ステートコア11の内周面はヨークプレートコア
4a,4bの内周端面とほぼ面一になつている。
またステートコア11の長さはポールコア9の長
さより少し短くなつている。
そしてサイドプレート5a,5bの内周端面は
ヨークプレートコア4a,4bの内周端面より少
し内方へ突出して形成されており、この突出した
部分がサイドプレート5aについてはストツパー
5cとなつていて、サイドプレート5bについて
はストツパー5dとなつている。ここでストツパ
ー5c,5dの内周面とフエライト磁石7a,7
bの外周面との〓間の寸法は約0.5mmである。
そしてサイドプレート5a,5bの前記凹部に
はそれぞれ略ドーナツ状のPBTからなる右側の
ダイヤフラム台12aと左側のダイヤフラム台1
2bとが嵌合して設けられており、支持軸6の両
端部がダイヤフラム台12a,12bの中心部を
貫通して外方に突出している。そして第1図の右
方に示すように、ダイヤフラム台12aの右端面
には吸引室13a、吐出室13bおよび凹部13
cが形成されているPBTからなるケーシング部
材13が固定されており、ダイヤフラム台12a
とケーシング部材13との間には略円板状の
EPDMからなるダイヤフラム14がその周端部
がダイヤフラム台12aとケーシング部材13と
により嵌装されて設けられている。またダイヤフ
ラム14の中心部には支持軸6の右端部が貫通し
ていて、ダイヤフラム14の両面上にダイヤフラ
ム14を押し引きして左右に変位させるセンター
プレート15,15が設けられている。そしてこ
れらのダイヤフラム14およびセンタープレート
15,15が取り着け座16とナツト17との間
に介装され、ナツト17により締付けられること
により支持軸6の右端部上に固定されている。そ
してダイヤフラム14とケーシング部材13の凹
部13cとにより作動室が形成されている。
またケーシング部材13には吸引室13aに連
通する吸引口13dおよび吐出室13bに連通す
る吐出口13eが設けられており、作動室と吸引
室13aとの隔壁中に設けられた連通孔13f部
には吸引弁18が設けられており、また作動室と
吐出室13bとの隔壁に設けられた連通孔13g
部には吐出弁19が設けられている。
そして第1図においては本実施例の装置のダイ
ヤフラム台12bの左方の構成の作図を省略して
いるが、これはダイヤフラム台12aの右方の構
成と全く対称的に同じものとなつている。なお前
述のヨークコア3、ヨークプレートコア4a,4
b、ステートコア5a,5b、ポールコア9およ
びマグネツトシユー8a,8b,8c,8dは、
厚さが0.3〜0.5mmである硅素鋼板を積層したもの
となつており、それら自体で内部的に連続したル
ープを形成しないように電気回路的に開いた状態
となつている。
つぎに本実施例のダイヤフラムポンプの作用お
よび動作について説明する。
電磁コイル1に交流電流を流すと交流電流の変
化に同期して電磁コイル1の両端のそれぞれにお
いてN極およびS極の磁極が交互に生じる。した
がつて磁性体であるヨークプレートコア4a,4
bも交流電流の変化に同期して磁化され、ヨーク
プレートコア4aの内周端およびヨークプレート
コア4bの内周端にそれぞれ異なる極性の磁極が
交互に現われる。すなわちヨークプレートコア4
aの内周端がN極またはS極となるに対応してヨ
ークプレートコア4bの内周端はS極またはN極
となる。
ここで交流電流のある半波間においてヨークプ
レートコア4aの内周端がS極に磁化されている
ばあいには、ヨークプレートコア4bの内周端が
N極に磁化されており、このばあいにはヨークプ
レートコア4aの内周端のS極は第1の磁石7a
によつて磁化されたマグネツトシユー8dのN極
とは引力、第1の磁石7aによつて磁化されたマ
グネツトシユー8cのS極とは斥力の相互作用を
及ぼす。またヨークプレートコア4bの内周端の
N極は第2の磁石7bによつて磁化されたマグネ
ツトシユー8aのN極とは斥力、第2の磁石7b
によつて磁化されたマグネツトシユー8bのS極
とは引力の相互作用を及ぼす。これによつて振動
子10は左方へ向う力を受け、前述の移動範囲内
で左方へ移動する。つぎに交流電流が前記半波間
のつぎの半波間になつたばあいにはヨークプレー
トコア4aの内周端がN極に磁化され、これと同
時にヨークプレートコア4bの内周端がS極に磁
化される。そしてこのばあいにはヨークプレート
コア4aおよびヨークプレートコア4bの内周端
の磁極は、マグネツトシユー8c,8dおよびマ
グネツトシユー8a,8bの磁極と、先の半波間
のばあいとまつたく反対の相互作用を及ぼし振動
子10は前述の移動範囲内で右方へ移動する。
なお磁性体のマグネツトシユー8a,8b,8
c,8dを設けることにより、これらの周端に第
2および第1の磁石7b,7aによつて生じる磁
力線の大部分が集められるため、ヨークプレート
コア4aおよびヨークプレートコア4bの内周端
の磁極とマグネツトシユー8c,8dおよびマグ
ネツトシユー8a,8bの磁極との間に働く磁気
力は非常に強くなる。
このようにして振動子10が交流の周期と同期
して左右方向に往復振動を行い、これに連動して
ダイヤフラム14が左右に振動する。そして振動
子10が左方へ移動したときに吐出弁19が閉じ
たままで吸引弁18が開いて吸引口13bにより
吸引室13a内に吸引された流体は連通口13f
を通つて作動室内に流入し、つぎに振動子10が
右方へ移動したときに吸引弁18が閉じるととも
に吐出弁19が開き作動室内の流体が連通口13
gを通つて吐出室13bを経て吐出口13eより
吐出される。またダイヤフラム台12bの左方の
構成(図示せず)についても前記同様の動作が行
なわれ、このようにして本実施例の可動磁石式ダ
イヤフラムポンプが駆動する。
本実施例において、第1および第2の磁石7
a,7bは、ヨークプレートコア4aの内周端と
マグネツトシユー8d,8cの外周端およびヨー
クプレートコア4bの内周端とマグネツトシユー
8a,8bの外周端との磁気的相互作用を考慮し
て、ダイヤフラムポンプの設計条件に応じた一定
の厚さが必要であり、この厚さは約8mm〜16mmが
好ましい。そして希土類磁石7d,7e,7g,
7hは、フエライト磁石と比較して同形および同
寸法において2〜10倍程度の強力な磁気エネルギ
ー積を有している。例えば、12mm厚のフエライト
磁石〔商品名SSR−400、住友特殊金属(株)製〕で
は開放回路における磁極端面の磁束密度は1200ガ
ウスであるが、希土類磁石〔商品名CORMAX−
1800、住友特殊金属(株)製〕では、前記磁束密度は
4mm厚のもので1600ガウスであり、12mm厚のもの
でフエライト磁石の倍以上の2800ガウスにもな
る。従つて同径の円板状のもので比較するとフエ
ライト磁石の厚さの1/10〜1/4倍程度の厚さでフ
エライト磁石とほぼ同じ大きさの残留磁束とな
る。ここで第1および第2の磁石7a,7bの全
部を希土類磁石7d,7e,7g,7hと同材質
のものにすることによつて第1および第2の磁石
7a,7bの磁力を強くすることもできるが、希
土類磁石の材料が高価(フエライト磁石の約40
倍)であるためダイヤフラムポンプの製造コスト
が上昇し使用に耐えない。
しかし、希土類磁石は薄くても残留磁束の低下
が少なく、前記例のように2mm厚のものでも前記
磁束密度が1000ガウスもあるので、本実施例のよ
うに第1および第2の磁石7a,7bを8mm厚の
フエライト磁石の両側に2mm厚の希土類磁石をサ
ンドイツチ状に設けた構造のものにすることによ
つて、第1および第2の磁石7a,7bの前記磁
束密度が計算上は、1000ガウス(2mmの
CORMAX−1800)+1000ガウス(8mm厚のSSR
−400)+1000ガウス(2mm厚のCORMAX−
1800)=3000ガウスとなる。しかし厚みの増加に
対する前記磁束密度の逓減作用により、実際上の
第1および第2の磁石7a,7bの前記磁束密度
は2400ガウスになるが、それでも12mm厚のSSR−
400の前記磁束密度の2倍となる。さらにまたフ
エライト磁石7c,7fを設けることによつて、
前記2mm厚の希土類磁石の2枚を直接重ねるより
も磁石のパーミアンス係数を増大させることがで
き、第1および第2の磁石7a,7bの前記磁束
密度の値を2〜5倍程度に上昇させることができ
る。このように本実施例のような第1および第2
の磁石7a,7bの構成によつて、同径、同厚の
フエライト磁石と比較して、2〜5倍程度の残留
磁束密度の値の強力な磁力をえることができこれ
により振動子の振動力を増大でき、振動子の振幅
の増大あるいはより大きい径のダイヤフラムを振
動させることなどによつてダイヤフラムポンプの
吐出容量を増大できる。そしてさらに、12mm厚の
第1および第2の磁石7a,7bのうち8mm厚の
部分まで廉価なフエライト磁石を使用するのでダ
イヤフラムポンプの製造コストの上昇を抑制でき
る。そしてさらにヨークプレートコア4a,4b
の内周端の磁極がマグネツトシユー8c,8bの
S極とも強く相互作用するため振動子10を振動
させる力も非常に強いものとなる。
また振動子10を中空にして軽量化することに
より振動子10の固有振動数を電磁コイル1に通
電される交流電流の周波数に一致させており(本
実施例では該周波数を関東地区および関西地区で
使用される交流周波数を考慮し57Hzとしている)、
前記交流電流の交番変化と振動子10の振動とが
共振状態となつてポンプが駆動される。
そしてステートコア11が設けられていること
からこれが電磁コイル1の両極間に渡る磁束の通
路となり、ポールコア9の厚さを薄くできるた
め、振動子10の重量を少なくできる。
このような強力な振動力および振動子10の軽
量化により振動子10は交流電流の変化にほぼ同
期して振動する。
またヨークコア3、ヨークプレートコア4a,
4b、ステートコア11、ポールコア9およびマ
グネツトシユー8a,8b,8c,8dは厚さが
0.3〜0.5mmの硅素鋼板の薄板を積層したものとし
ていることからこれらの内部に渦電流が発生する
のを防止できるとともに、これら自体が開回路と
なつていることから開回路に沿つた2次電流の発
生を防止することもできる。
またヨークコア3、ヨークプレートコア4a,
4b、ステートコア11、マグネツトシユー8
a,8b,8c,8d、ポールコア9にはFeに
Siを添加した硅素鋼板が用いられており、該鋼板
は残留磁化も小さく、ヒステリンス損も小さいと
いう特性を有しているので電磁コイル1に交流電
流を流すことによつて生じる磁気回路内でのエネ
ルギーの損失も小さくなる。
このようなことからヨークコア3、ヨークプレ
ートコア4a,4b、ステートコア11、マグネ
ツトシユー8a,8b,8c,8d、ポールコア
9内における損失エネルギーも小さくなるととも
に発熱も少なくなり、従つてダイヤフラムポンプ
自体の発熱も小さくできる。
さらにまた、ダイヤフラム14が、その材質が
経時的変化により劣化するなどして破損するばあ
いには、振動子10が前述の振動子10の適性な
移動範囲を越えて移動し、マグネツトシユー8d
の右側面またはマグネツトシユー8aの左側面が
ストツパー5cの左方またはストツパー5dの右
方まで移動する。そして同時に、マグネツトシユ
ー8dまたはマグネツトシユー8aとヨークヨー
クプレートコア4aまたはヨークプレートコア4
bとの間の磁気力によりマグネツトシユー8dま
たはマグネツトシユー8aが、ヨークプレートコ
ア4aまたはヨークプレートコア4bの内周端面
に吸着され、マグネツトシユー8dの右側面また
はマグネツトシユー8aの左側面がストツパー5
cまたはストツパー5dによつて掛止されること
により振動子10の振動が制動される。
そしてこのためダイヤフラムポンプの吐出量の
変動などが生じてポンプ駆動の異常が検知され、
電磁コイル1への通電を停止することによりポン
プの駆動を停止でき、振動子10などの破損を未
然に防止できる。
なお前記実施例においてはフエライト磁石7
c,7fの左右両端面に希土類磁石7d,7e,
7g,7hを設けた場合について示したが、これ
はダイヤフラムポンプの設計条件に応じてフエラ
イト磁石7c,7fのそれぞれの片端面にのみ希
土類磁石を設けるようにしてもよく、またフエラ
イト磁石7c,7fのいずれか一方にのみ希土類
磁石を設けるようにしてもよい。
またフエライト磁石7c,7fおよび希土類磁
石7d,7e,7g,7hの材料は前記実施例の
ものに限定されるものではなく本発明の範囲内に
おいて他の材料も使用できることはもちろんであ
る。
またボビン2、サイドプレート5a,5b、ダ
イヤフラム台12a,12b、ケーシング部材1
3およびダイヤフラム14などの材料としては前
記実施例のものに限定されるものではなく耐熱性
を有するものであればABSおよびPETなども使
用できる。
さらにまたヨークコア3、ヨークプレートコア
4a,4b、ステートコア11、マグネツトシユ
ー8a,8b,8c,8d、ポールコア9の材料
についても前記実施例の硅素鋼に限定されるもの
ではなく残留磁化を小さくでき、ヒステリシス損
を小さくできるものであれば一般鋼材なども使用
できる。
さらにまた前記実施例で限定されているヨーク
コア3、ヨークプレートコア4a,4b希土類磁
石7d,7e,7g,7hおよびフエライト磁石
7c,7fなどの厚さの値および振動子10の移
動範囲の値などは前記実施例の値に限定されるも
のではなく、ポンプの容量およびその他の条件で
変わりえることはもちろんである。
[発明の効果] 以上のように本発明にかかわる可動磁石式ダイ
ヤフラムポンプによれば、振動子における電磁コ
イルのS極およびN極に対応する部分に、フエラ
イト磁石と磁気エネルギー積がその2〜10倍であ
る希土類磁石とからなり、フエライト磁石のみで
構成されて居るものよりはるかに強力な第1磁石
および第2磁石をほぼ同一の軽重量で設け、これ
らの磁石の相対向する側の磁極の極性が同一とな
るようにしたので、前記第1の磁石および第2の
磁石の4つの磁極のそれぞれが前記電磁コイルの
S極およびN極と同時に相互作用しこれらすべて
が振動子にこの軸方向の同一の向きに力を及ぼす
ことになり、従来のダイヤフラムポンプのように
振動子中の一つの磁石の2つの磁極が電磁コイル
の両極と作用するのと比較して振動子の振動力が
非常に強くなるとともに、振動子の磁石に長いも
のを使用する必要がなくなり振動子を中空にして
軽量化できることによつて電磁コイルに通電され
る交流の交番変化と振動子の振動との共振状態を
達成でき、ダイヤフラムポンプの吐出量の大容量
化を達成できる効果がある。
すなわち、電磁コイルに流される交流電流の周
期にほぼ同期した振動子の振動周期が強力な振動
力を有する軽量の振動子によつてえられるので、
これにより大容量のダイヤフラムポンプをうるこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例にかかわる可動磁石
式ダイヤフラムポンプの一部断面図、第2図は従
来の可動磁石式ダイヤフラムポンプの一部断面図
である。 (図面の主要符号)、1:電磁コイル、7a:
第1の磁石、7b:第2の磁石、7c,7f:フ
エライト磁石、7d,7e,7g,7h:希土類
磁石、10:振動子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 電磁コイルと、該電磁コイル内に挿入され、
    ダイヤフラムに連結され、かつ一対の永久磁石が
    設けられている振動子とが装着されており、前記
    振動子における前記電磁コイルのS極およびN極
    に対応する部分に第1の永久磁石および第2の永
    久磁石が離間して設けられており、これらの両永
    久磁石の相対向する側の軸線方向における磁極の
    極性が同一であり、かつ前記電磁コイルと前記振
    動子とのあいだに磁性体からなるステートコアが
    介装されてなるダイヤフラムポンプにおいて、前
    記第1の永久磁石および第2の永久磁石が、フエ
    ライト磁石と磁気エネルギー積がその2〜10倍で
    ある強力な希土類磁石とを振動子の軸線方向に積
    層したものからなる可動磁石式ダイヤフラムポン
    プ。
JP2277487A 1987-02-03 1987-02-03 可動磁石式ダイヤフラムポンプ Granted JPS63189676A (ja)

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JPS6048371B2 (ja) * 1979-07-26 1985-10-26 株式会社クボタ 作業車の走行用制動構造

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