JP3339627B2 - リニアモータの振動子 - Google Patents

リニアモータの振動子

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JP3339627B2 JP29406698A JP29406698A JP3339627B2 JP 3339627 B2 JP3339627 B2 JP 3339627B2 JP 29406698 A JP29406698 A JP 29406698A JP 29406698 A JP29406698 A JP 29406698A JP 3339627 B2 JP3339627 B2 JP 3339627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータの振
動子に関し、特に、気体を吐出するためのブロアに用い
るに好適なリニアモータ振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭や工場から排出される汚水の
量が増大しており、その処理が問題となっている。汚水
を清浄化するために最も有効な手段の一つは、汚水中に
酸素(又は空気)を送り込むことである。このため、公
共自治体の浄化処理場あるいはは工場内の浄化槽では空
気吹き込みブロアが多数用いられる。ブロアにはロータ
リーポンプ型とリニアモータ型等があるが、ロータリー
ポンプ型は吐出空気量が多いものが製作できるという特
長はあるものの、消費電力が多くオイルの給油が必要で
メンテナンス等の面で使用環境が制約される。それに対
し、リニアモータ型のブロアは小型・低消費電力・低騒
音・メンテナンスフリーという特長を有する。
【0003】リニアモータ型ブロアはその名の通り、電
磁ブロアーを用いて気体(一般には空気)を吸入・吐出
するものである。まず、リニアモータについて、図3を
用いて説明する。リニアモータ3は、一対の電磁石3
1、32と、それらの磁極間に挟まれた振動子33と、
から主に構成される。電磁石は一方向に配列された3本
以上のヨークを有しており、各ヨークにより形成される
磁極が、任意の一時点においてその配列方向で交互にN
極、S極となるように、各ヨークにコイル34が巻かれ
ている。図3のリニアモータ3の磁極は、3極となって
おり、コイル34は中央のヨークにのみ巻かれている。
両電磁石31、32は各ヨークが互いに対向するように
配置され、また、任意の一時点では両電磁石31、32
の対向する磁極は互いに逆極性となるように、コイルに
流す電流(あるいはコイルの巻方向)が制御されてい
る。両電磁石31、32の間の隙間には、板状の振動子
33が、電磁石31、32の磁極の配列方向(図3では
左右方向)に往復動可能に配置される。振動子33には
複数個の永久磁石35、36が振動方向に配列して埋め
込まれており、その数は各電磁石31、32の磁極の数
から1を減じた数となっている。この複数の永久磁石3
5、36の配列ピッチは電磁石31、32の磁極のピッ
チ(すなわち、ヨークのピッチ)とほぼ等しくなってお
り、各永久磁石35、36の磁極は互いに逆方向を向く
ように配列される。すなわち、図3の例で説明すると、
右側の永久磁石35をそのN極が上側にくるように埋め
込むと、左側の永久磁石36はN極が下側にくるように
埋め込む。
【0004】このリニアモータの動作は次の通りであ
る。初めに電磁石31、32の各コイル34に図3に示
される方向の電流を流すと、上側の電磁石31の各ヨー
クは左側からS−N−S極となる。一方、下側の電磁石
32の各ヨークは左側からN−S−N極となる。振動子
33の左側の永久磁石36は、上がS極、下がN極とな
っているため、この永久磁石36は左側のヨークに反発
され、中央のヨークに引かれる。また、永久磁石35は
中央のヨークに反発され、右側のヨークに引かれる。つ
まり、両永久磁石35、36とも、右方向の力を受ける
ため、振動子33は右へ移動する。両コイル34に流す
電流の向きを共に反転すれば振動子33の移動方向は逆
になるため、両コイルに適当な交流電流を流すことによ
り振動子33を連続的に往復動させることができる。
【0005】次に、ブロアの空気吸入・吐出部の機構及
び動作を図4を用いて説明する。ブロアの空気吸入・吐
出部は、ダイヤフラム42、吸入弁43及び吐出弁44
を備えた圧縮室41により構成される。ゴム製のダイヤ
フラム42の中央には図3のリニアモータの振動子33
が接続され、振動子33の往復動に従って図4(a)及
び図4(b)のように圧縮室41の容積が増減する。図
4(a)のようにダイヤフラム42が左側に引かれ、圧
縮室41の容積が増大すると、圧縮室41内の圧力が外
部の大気圧よりも低下するため、吸入弁43が開いて外
部の空気が圧縮室41に導入される。図4(b)のよう
にダイヤフラム42が右側に押されると、吸入弁43が
閉じ、吐出弁44が開いて圧縮室41内の空気をパイプ
45の方へ吐出する。こうして、振動子33の往復運動
により、空気が連続的にパイプ45に吐出される。な
お、図4の空気吸入・吐出部は図3のリニアモータの振
動子33の両側に取り付けられる。
【0006】ここで、従来のリニアモータの振動子とし
て、特許第2534596号に開示された振動子があ
る。この振動子は、図5の断面図に示されるように、繊
維強化樹脂製の板状のフレーム51と、このフレーム5
1の中央を振動子の振動方向に貫通する非磁性の金属製
シャフト53と、板状のフレーム51内のシャフト53
の両側にN極及びS極が交互に配列されて磁極面が露出
するように埋め込まれた平板状の希土類磁石52とから
構成されている。
【0007】また、実開昭61−194790号には、
図6に示された振動子が開示されている。図6に示され
る振動子は、板状のフレーム61と、フレーム61の両
面にN極及びS極が交互に配列された永久磁石62と、
永久磁石62をフレーム61に接着する接着相64と、
フレーム61の両端に一体的に形成された分離した非磁
性の金属製シャフト63とから構成されている。
【0008】さらに、特開平9−182404号には、
図7に示された振動子が開示されている。この振動子
は、被覆成形体71と、この被覆成形体71中をのびる
シャフト73と、被覆成形体71内に所定の形態で一体
的に埋設された複数の希土類磁石72と、から構成され
ている。このとき、振動子の従来例を示した図5〜7
は、それぞれリニアモータのヨークと対向する磁石をシ
ャフトと平行に通る線で振動子を切断したときの断面図
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2534596号に開示された振動子は、希土類磁石の
磁極面がフレームの表面より内部で露出した構造となっ
ていた。このフレームの表面と希土類磁石の磁極面との
距離のため、磁極面とリニアモータのヨークとの距離が
広がり、磁力のロスが生じていた。さらに、希土類磁石
としてNd系磁石を使用していたときは、錆びやすいと
いうことから、その表面をNiメッキ又は二硫化モリブ
デン等の防錆処理が一般的に施されていた。
【0010】また、実開昭61−194790号に記載
の振動子は、磁石をフレームに接着剤で固定している振
動子であるが、接着剤の表面へのはみ出し等によりリニ
アモータのヨークとの距離が広くなっていた。また、フ
レーム表面から磁石の磁極表面は突出しているため、磁
石表面の精密加工にコストがかかっていた。さらに、特
開平9−182404号に記載の振動子は、希土類磁石
がフレームを構成する被覆成形体内に埋設されているた
め、被覆成形体の厚みが磁力のロスを生じていた。
【0011】また、一般に従来の振動子に用いられる磁
石は焼結磁石であるが、焼結磁石は、原料を磁石の原料
粉末を成形した後に焼結させることにより得られるが、
その焼結時に成形体に歪みが生じていた。このため、振
動子に用いるために焼結磁石には、形状を加工する必要
があり、この加工のコストの増加および加工による焼結
磁石の磁力のロスが生じていた。
【0012】さらに、従来の振動子に用いられる磁石は
脆いため、振動子の製造時およびリニアモータにおける
使用時の割れや欠けという問題も生じていた。本発明は
上記実状に鑑みてなされたものであり、磁石の組付けが
容易に出来るリニアモータの振動子を得ることを課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らはリニアモータの振動子について検討を
重ねた結果、焼結後、形状の加工が施されていない焼結
磁石とフレームとの間隙に焼結磁石とフレームを一体的
に固定するボンド磁石が注入成形されることで上記課題
を解決できることを見出した。すなわち、本発明のリニ
アモータの振動子は、空間を挟んで一方には電磁石のN
極及びS極が一方向に交互に配列され、それら磁極に対
向する他方には電磁石の逆極性の磁極が同方向に交互に
配置された経時的に各該磁極が反転する固定子を有する
リニアモータの空間内で往復動する板状の振動子であっ
て、磁石は、磁石の大部分を占める焼結後、形状の加工
が施されていない焼結磁石部と、焼結磁石部とフレーム
とを型内に配置し焼結磁石部とフレームとの間隙に注入
成形され焼結磁石部とフレームとを一体的に固定する樹
脂磁石部と、から構成されていることを特徴とする。本
発明のリニアモータの振動子は、磁石の樹脂磁石部がフ
レームと磁石とを一体的に結合する。このため、樹脂磁
石部を注入成形することによりフレームと磁石とが結合
されるため、接着等の組み付け作業を必要としない。ま
た、磁石は100%磁石粉末で形成された焼結磁石部を
持つため磁気特性が優れている。
【0014】本発明のリニアモータの振動子は、磁石の
樹脂磁石部がフレームと磁石とを一体的に結合する。こ
のため、樹脂磁石部を注入成形することによりフレーム
と磁石とが結合されるため、接着等の組み付け作業を必
要としない。また、磁石は100%磁石粉末で形成され
た焼結磁石部を持つため磁気特性が優れている。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のリニアモータの振動子
は、焼結磁石部と、焼結磁石部とフレームの間隙に注入
成形され焼結磁石部とフレームとを一体的に固定する樹
脂磁石部と、から構成される磁石を有する。すなわち、
本発明の振動子は、樹脂磁石部により磁気特性に優れた
焼結磁石部とフレームとを固定しているものである。
【0016】本発明の振動子は、樹脂磁石部が焼結磁石
部とフレームとの間隙に注入されて間隙を埋めるため、
焼結磁石部の形状の自由度が上がっている。すなわち、
焼結磁石部は、表面に凹凸を有していても、樹脂磁石が
注入されるようになる。また、樹脂磁石部は、焼結磁石
部の外周面に形成できるため、焼結磁石の磁極方向の厚
さがフレームの厚さより厚くすることができる。このこ
とは、リニアモータの固定子との間隙による磁力のロス
を低減できることとなる。
【0017】焼結磁石部とフレームの間隙は、焼結磁石
部とフレームとを型内に配置したときに焼結磁石部の外
周面に形成されている間隙である。この間隙は、少なく
とも焼結磁石部の磁極を有していない側面部に形成され
ていることが好ましい。樹脂磁石部は、焼結磁石部の磁
極部において焼結磁石部の磁極と同じ極に着磁されてい
ることが好ましい。樹脂磁石は、着磁されていない状態
では非磁性体であり、着磁することで磁性を有するもの
である。
【0018】フレームは、シャフトとフレーム部とから
なることが好ましい。フレーム部は磁石を固定子と逆磁
極で対向するように固定する板状の成形体であり、絶縁
性非磁性材料より形成される。この絶縁性非磁性材料と
しては、ポリアミド等の樹脂をあげることができる。ま
た、補強材としてガラス繊維等を混入させることが好ま
しい。すなわち、30%ガラス入りポリアミド等により
フレームを形成してもよい。
【0019】シャフトは、振動子がリニアモータに用い
られた時の往復動をダイヤフラムなどの外部に伝えるた
めのものであり、非磁性材料よりなる。このような、非
磁性のシャフトとしては、たとえばSUS304の非磁
性ステンレス鋼、真鍮等の材料をあげることができる。
フレームは、互いに対向する電磁石を結ぶ方向の厚さ
が、同じ方向のシャフトの厚さより厚いことが好まし
い。フレームの厚さをシャフトの厚さより厚くすること
は、フレーム表面に形成された磁石の表面をリニアモー
タの固定子に近づけることとなる。すなわち、磁石とリ
ニアモータの固定子との距離を短くすることができる。
【0020】焼結磁石部は、フェライト系、Sm−Co
系、Nd−Fe−B系焼結磁石よりなることが好まし
い。振動子に用いられる磁石の磁石特性は、リニアモー
タおよびブロアの能力を決定する要素のひとつである。
すなわち、磁石特性の異なるフェライト系、Sm−Co
系、Nd−Fe−B系焼結磁石を振動子の磁石に用いる
ことで、リニアモータの性能を決定できる。また、焼結
磁石の種類の変更とともに、その体積を変更することで
磁石特性を調節していた。
【0021】従来のブロアは、風量が80l/minま
でのブロアではフェライト磁石が、風量が80l/mi
n以上のブロアではフェライト磁石より磁力の強いSm
−Co焼結磁石が用いられ、この磁石のサイズを変更す
ることで磁石特性の調節を行っていた。樹脂磁石部は、
熱可塑性樹脂とSm−Co系、Sm−Fe−N系、Nd
−Fe−B系の1種以上の磁石粉末とからなることが好
ましい。樹脂磁石部は、磁石粉末を熱可塑性樹脂に分散
させたものを、成形した後に着磁することで磁性をもた
せるものである。熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル等の樹脂である
ことが好ましい。また、磁石粉末の種類および配合量
は、振動子に求められる磁気特性により調節される。
【0022】ここで、振動子の磁石表面と固定子との間
の間隔と仕事率について検討する。一般に、仕事率Wは
以下の式で示される。 W = S × F × f ここで、S:振動子の移動ストローク、F:振動子の駆
動力(磁力の吸引・反発力)であった。また、振動子の
駆動力Fは、 F = α × Bg で示された。なお、Bg:固定子と振動子の空隙の磁束
密度であり、Bgは、 Bg = Fm / Lg により得られた。ここで、Fm:磁石の起磁力(磁石の
材質、形状による)、Lg:固定子と振動子の空隙の長
さ、であった。
【0023】上気した式より、振動子の仕事率Wは固定
子と振動子の空隙の長さLgに反比例していることがわ
かる。つまり、固定子と振動子の空隙の長さが短くなる
ことで、リニアモータの仕事率が向上する。すなわち、
固定子と振動子の空隙の長さを短くすることで能力の高
いリニアモータが得られる。また、ブロアの能力は、使
用されるリニアモータによることから、リニアモータの
能力を高めることで、ブロアの能力も向上する。
【0024】本発明の振動子は、焼結磁石部とフレーム
とを成形型内に配置した状態で樹脂磁石を注入、成形す
ることにより製造される。このとき、磁場中で樹脂磁石
を注入することが好ましい。すなわち、磁場中で樹脂磁
石を成形することで成形とともに着磁することができ
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。 (実施例1)本実施例は、図1の平面図および図2の断
面図に示される三極リニアモータの振動子である。三極
リニアモータの振動子であるため、振動子の往復動の方
向に2極が配列され、各極は2個の磁石に分割されてい
るため、合計4個の磁石を有している。ここで、図2
は、図1に示されるII線での断面を示した。
【0026】本実施例の振動子は、30%ガラスファイ
バー入り6,6−ナイロンよりなる板状のフレーム部1
5の中央にSUS304よりなる棒状の非磁性シャフト
16が貫通しているとともに、フレーム部15を貫通す
るシャフト16の両側に磁石10が配置されている。な
お、フレーム部15の厚さは、シャフト16の直径より
厚く形成されている。
【0027】磁石10は、振動子の表面に磁極が露出す
るとともにフレーム部15を貫通するように配置されて
いる。磁石10は、フレーム部15の厚さ方向に磁極を
有するフェライトよりなる板状の焼結磁石11と、この
焼結磁石11の磁極面に形成された12−ナイロンより
なる樹脂とNd−Fe−B系の異方性または等方性磁石
粉末とからなる樹脂磁石部12よりなる。板状の焼結磁
石11は、樹脂磁石部12により覆われている。このと
き、用いられた焼結磁石11の最大エネルギー積は、3
5MGOeであった。
【0028】本実施例の製造方法は、シャフトが一体的
に形成されたフレームと板状焼結磁石とを成形型内に配
置して、磁場中で樹脂磁石を焼結磁石とフレームとの間
隙に注入成形することにより製造できる。すなわち、棒
状の非磁性シャフトを成形型内に配置し、30%ガラス
ファイバー入り6,6−ナイロンを射出成形により注入
成形して、シャフトで対称な位置に4カ所の磁石を配置
するための開口部を有する板状のフレームを形成した。
このフレームは、磁石を配置する開口部に凹凸が形成さ
れ、この凹凸により磁石がフレームの厚さ方向にずれる
ことをおさえている。また、フレームの厚さがシャフト
の直径より長く形成されている。
【0029】その後、板状の焼結磁石およびフレームを
成形型の所定の位置に配置し、焼結磁石とフレームとの
空隙に10kOeの磁場中または無磁場中で樹脂磁石を
射出成形して振動子が製造された。本実施例のリニアモ
ータの振動子は、その磁石のエネルギー積が6MGOe
であるため、リニアモータの振動子として十分に用いる
ことができる。このリニアモータの振動子は、その磁気
特性から風量が100l/minのブロアに用いること
が好ましい。
【0030】本実施例のリニアモータの振動子は、リニ
アモータの固定子と対向して往復動の駆動力を発生する
磁石の磁極がフレーム表面と同一平面に形成されてい
る。このため、固定子と磁極との距離が短くなることか
ら、能力の高いリニアモータが得られる。また、本実施
例の振動子は、樹脂磁石が焼結磁石とフレームとの間に
形成された間隙に注入されていることで、焼結磁石がフ
レームに固定されている。このため、樹脂磁石のフレー
ムへの固定において、組み付け工程を必要とせず、安価
に振動子を製造できる。また、焼結磁石に成形処理を施
さなくてもよく、その成形コストが低減できる。さら
に、切削や研磨という処理が不要なため、高価な焼結磁
石材料のロスをなくすことができる。
【0031】さらに、焼結磁石の外面が樹脂磁石に覆わ
れているため、焼結磁石の割れ、表面の酸化による劣化
を防止することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明のリニアモータの振動子は、焼結
磁石部とフレームとの間隙に樹脂磁石部を形成すること
で、焼結磁石部とリニアモータの固定子との間隙により
生じていた磁力のロスをおさえている。このため、高性
能のリニアモータが得られ、このリニアモータを用いた
ブロアも性能が向上する。
【0033】また、樹脂磁石部が焼結磁石部とフレーム
との間隙に注入成形されることで磁石の成形を行ってい
る。このため、高価な焼結磁石部の成形にかかるコスト
および成形加工により生じる磁石のロスをおさえること
ができる。さらに、焼結磁石部が樹脂磁石部により被覆
されることとなり、焼結磁石部の割れや、焼結磁石表面
の酸化等により生じる劣化をおさえられ、リニアモータ
の性能を長期間保持できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のリニアモータの振動子の平面図であ
る。
【図2】 実施例のリニアモータの振動子の側面を示す
図である。
【図3】 リニアモータの構造及び動作を説明するため
の図である。
【図4】 ブロアの空気吸入・吐出部の断面図である。
【図5】 特許第2534596号に示されるリニアモ
ータの振動子の磁石部の断面を示す図である。
【図6】 実開昭61−194790号に記載のリニア
モータの振動子の磁石部の断面を示す図である。
【図7】 特開平9−182404号に記載のリニアモ
ータの振動子の磁石部の断面を示す図である。
【符号の説明】
10…磁石 11…焼結磁石 1
3…樹脂磁石 15…フレーム部 16…非磁性シャフト 3…リニアモータ 31、32…電磁石 33
…振動子 34…コイル 35、36…永久磁石 41…圧縮室 42…ダイヤフラム 4
3…吸入弁 44…吐出弁 45…パイプ 51、61…フレーム 52、62、72…磁
石 53、63、73…シャフト 64…接着相 71…被覆成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−182404(JP,A) 特開 平10−127033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 33/16 H02K 1/34 H02K 7/14 F04B 43/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間を挟んで一方には電磁石のN極及び
    S極が一方向に交互に配列され、それら磁極に対向する
    他方には電磁石の逆極性の磁極が同方向に交互に配置さ
    れた経時的に各該磁極が反転する固定子を有するリニア
    モータの該空間内で往復動する板状の振動子であって、 前記磁石は、該磁石の大部分を占める焼結後、形状の加
    工が施されていない焼結磁石部と該焼結磁石部と前記フ
    レームとを型内に配置し該焼結磁石部と該フレームとの
    間隙に注入成形され該焼結磁石部と該フレームとを一体
    的に固定する樹脂磁石部とから構成されていることを特
    徴とするリニアモータの振動子。
  2. 【請求項2】 前記フレームは、シャフトとフレーム部
    とからなる請求項1記載のリニアモータの振動子。
  3. 【請求項3】 互いに対向する前記電磁石を結ぶ方向の
    前記フレームの厚さは同じ方向の前記シャフトの厚さよ
    り厚い請求項1記載のリニアモータの振動子。
  4. 【請求項4】 上記焼結磁石は、フェライト系、Sm−
    Co系、Nd−Fe−B系焼結磁石である請求項1記載
    のリニアモータの振動子。
  5. 【請求項5】 上記樹脂磁石は、熱可塑性樹脂とSm−
    Co系、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−B系の1種以
    上の磁石粉末とからなる請求項1記載のリニアモータの
    振動子。
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