JPH0421057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は回転機のシヤフトの芯だしに作業に用
いる、シヤフトの回転位置係止構造に関する。

例えば電動機とポンプのシヤフトの芯だし作業
に、レーザー・ビームが利用される。これを第３
図を参照して説明する。

ポンプ５１と電動機５２が向い合わせて設置さ
れている。各々のシヤフト５３，５４はフランジ
５５，５６で連結されるが、芯だし作業のときは
ボルトを外して連結を解除しておく。

シヤフト５３，５４にテープで取付け金具５
７，５８を固定する。取付け金具５７にはロツド
５９ａ，５９ｂを、取付け金具５８にはロツド６
０ａ，６０ｂを立て、それぞれにレーザー発信／
検出器６１とプリズム６２を取り付ける。

レーザー発信／検出器６１とプリズム６２の一
対のセンサーは、シヤフト５３，５４のある回転
位置、第３図に於いて図示の上方の180度の位置
にて、レーザー発信／検出器６１から発射された
レーザー・ビームがプリズム６２に当つて折り返
され、レーザー発信／検出器６１の基準点に入射
するように取り付ける。そしてシヤフト５３，５
４を左右に90度回転せしめた90度、270度の位置
での反射レーザー・ビームの基準点からの偏差を
測定して、シヤフト５３，５４間の平行及び傾斜
偏差を求め、マイクロ・コンピユータを内蔵した
演算表示器６３で調整量を求め、基本とするポン
プ５１に対して電動機５２を左右上下、あるいは
斜めに移動せしめて、両方のシヤフト５３，５４
が同一線上に並ぶように調整する。

従来の技術 従来、シヤフト５３，５４を180度の位置から
左右に90度回転せしめて90度、270度の位置での
偏差を測定する場合、両方のシヤフトを90度ある
いは270度の位置に回転せしめて、レーザー発
信／検出器６１とプリズム６２を手で支えてい
た。これは、90度、270度の位置に回転せしめた
ときにレーザー発信／検出器６１とプリズムの重
みでシヤフト５３，５４が回転するのを防止する
ためである。

この手で支える方法では、シヤフト５３，５４
を正確に90度あるいは270度の位置に固定するこ
とが難しく、シヤフトに取り付けたレーザー発
信／検出器６１とプリズム６２で測定する偏差が
不正確になる。

本考案の技術的課題は、両方のシヤフトを90
度、270度の位置に正確に固定できるようにする
ことである。

問題点を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本考
案の技術的手段は、二つの回転機のシヤフトがフ
ランジで連結され、基本とする回転機のシヤフト
に対する他方の回転機のシヤフトの平行あるいは
傾斜偏差を検出するときのシヤフトの回転位置係
止構造において、中央部分に雄ねじを形成したボ
ルトを両方のフランジのボルト孔に挿入し、スリ
ーブを介してナツトをボルトの雄ねじにねじ結合
して一方のフランジを固定し他方のフランジに遊
びを設けて連結し、ボルトの先端に支柱を有する
締付け部材を嵌め合せ、支柱を鉛直方向に位置さ
せて締付け部材でボルトと支柱を固定したもので
ある。

作 用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

シヤフトを90度あるいは270度の位置に回転せ
しめる。両方のフランジは90度あるいは270度の
回転位置で、ボルトで連結されている。ボルトは
支柱を有する締付け部材で鉛直方向に支持され、
ボルトは変位しない。従つて、ボルトで連結され
たシヤフトが回転することがない。

考案の効果 本考案は下記の特有の効果を生じる。

従来のようにシヤフトの回転を手で支えるもの
では、作業者は同時に演算表示器への測定偏差の
入力もしなければならず、芯だし作業が非常に煩
わしいものであつたが、本考案では測定偏差の入
力をするだけでよく芯だし作業が簡単になる。

シヤフトに取り付けるレーザー発信／検出器や
プリズムを支持するものでは、二つの支えが必要
になるが、本考案ではボルトでシヤフトの回転位
置を合せ、そのボルトを支持しているので、一つ
の支えでシヤフトの回転を防止できる。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例（第１
図、第２図参照）を説明する。

第３図のシヤフトを連結するフランジ５５，５
６の個所について第１図に示してある。第３図と
同じ部品には第３図と同じ参照番号を付してあ
る。第２図は第１図の斜視図である。

フランジ５５，５６のボルト孔にボルト１０を
挿入する。ボルト１０は中央部分に雄ねじを形成
している。フランジ５６のボルト孔はフランジ５
５のボルト孔よりも大きく形成されている。中心
にボルト１０に嵌まり合う孔を開けたスリーブ１
１をボルト１０の先端から挿入する。ボルトにナ
ツト１２をねじ結合し、ナツト１２を締め込んで
フランジ５５にボルト１０を固定すると共に、フ
ランジ５６に遊びを設けて連結する。

ボルト１０の先端にボルト締付け部材１３を嵌
め合せる。ボルト締付け部材１３にはボルト挿入
孔と直角方向にめねじが形成してある。ボルト締
付け部材１３のめねじにＵ字状の支柱締付け部材
１４を介してねじ１５を取り付ける。支柱締付け
部材１４にはねじ１５を挿入する孔と直角方向に
支柱１６を挿入する孔が形成してある。支柱１６
の下端には回転機を据付ける基台（図示せず）に
吸着する磁石が取り付けてある。ボルト１０に対
して支柱１６を鉛直方向に位置させて基台との間
の高さを調節し、ねじ１５を締め込んでボルト１
０と支柱１６を固定する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による回転位置係止構造の実施
例を示す断面図、第２図は第１図の斜視図、第３
図は回転機に芯だし作業のための測定器を取付け
た斜視図である。 １０……ボルト、１３……ボルト締付け部材、
１４……支柱締付け部材、１５……ねじ、１６…
…支柱、５１……ポンプ、５２……電動機、５
３，５４……シヤフト、５５，５６……フラン
ジ、５９……レーザー発信／検出器、６０……プ
リズム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二つの回転機のシヤフトがフランジで連結さ
   れ、基本とする回転機のシヤフトに対する他方の
   回転機のシヤフトの平行あるいは傾斜偏差を検出
   するときのシヤフトの回転位置係止構造におい
   て、中央部分に雄ねじを形成したボルトを両方の
   フランジのボルト孔に挿入し、スリーブを介して
   ナツトをボルトの雄ねじにねじ結合して一方のフ
   ランジを固定し他方のフランジに遊びを設けて連
   結し、ボルトの先端に支柱を有する締付け部材を
   嵌め合せ、支柱を鉛直方向に位置させて締付け部
   材でボルトと支柱を固定したシヤフトの回転位置
   係止構造。