JPH0418570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、各種血液測定のための採血に使用さ
れる比重針に関するものである。

（従来技術及び考案が解決しようとする問題点） 第２図は、現在使用されている比重針２１の概
略図を示す。図中２２は、塩化ビニル樹脂等の可
撓性の合成樹脂からなる採血チユーブで、その先
端部に穿刺針２３とこれを被冠する針キヤツプ２
４が装着され、後端部には汚染防止栓２５が装填
されている。

使用に際しては、針キヤツプ２４を取り外し穿
刺針２３を献血者の血管に穿刺して、血液を採血
チユーブ２２内へ所定量（約２ml）採血した後、
血管より針を抜き取り、全血比重の測定（硫酸銅
溶液中の滴下）や血液型検査（真空採血管への移
管）を実施していた。

しかしながら、各測定操作の前後において比重
針２１は常に水平に維持していなければならなか
つた。

これは、採血チユーブ２２内の血液量が２mlと
多い為、比重針２１を傾けると血液が両端からこ
ぼれたり、あるいは汚染防止栓２５を濡らすと穿
刺針２３より滴下しにくくなる恐れがあるからで
あり、採血チユーブ２２が水平に長いことと併せ
て、操作が実施しにくい欠点となつていた。

また、特開昭54−50176号には、穿刺カニユー
レ４におおい１後端部閉鎖部材７でつなぎ合わせ
た２本の細管６，８をつないで、これら細管６，
８を前記穿刺カニユーレ４が差し込まれた保護お
おい１内に納めた血液採取装置が記載されてい
る。しかしながら該血液採取装置は採血した血液
を血液ガス分析用のサンプルとして使用するとき
は保護おおい１からおおい１後端部閉塞部材７を
引抜いて、細管６，８を取り出さなければならず
取り出し作業が煩わしかつた。さらに細管の取り
出し作業が実施しやすいように各部材の寸法を微
調整しなければならないので、製造が困難で製造
コストが高価になつていた。そこで本考案者は以
上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結
果、次の考案に到達した。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、操作性が良くコンパクトな比重針を
提供することを目的とするものであり、可撓性合
成樹脂からなり血液流路が連通した一本の採血チ
ユーブ２と該採血チユーブ２の一端に装着された
穿刺針７とから構成され、前記採血チユーブ２を
二つ折りにして屈曲部４が形成され、該屈曲部４
を介して採血チユーブ２ａ，２ｂが並列に配置さ
れ、前記採血チユーブ２ｂの一端に汚染防止栓８
が装填され、前記採血チユーブ２ａ，２ｂの端部
は保持部材１０を介して固定され、前記採血チユ
ーブ２ａ，２ｂは接着部材により接着されてなる
比重針１を提供するものである。

（作用） 第１図の比重針１の場合、穿刺針７を上方向、
該屈曲部４を下方向に向けて供血者の血管に穿刺
針７を穿刺して、血液を穿刺針７を経て採血チユ
ーブ２ａ、接続管４、採血チユーブ２ｂ内へ流入
させることができ、穿刺針７を上方向に向けた状
態で血液を漏出せずに一時的に貯留できる。

（実施例） 第１図は、本考案の比重心１の概略図である。

図中２ａ，２ｂは採血チユーブで、これらは可
撓性合成樹脂からなり、血液流路が連通した一本
の採血チユーブ２を二つ折りにして、屈曲部４を
介して並列に配置したものである。

該採血チユーブ２ａ及び２ｂ間は溶剤、接着剤
等の接着部材５により強固に接着されており、容
易にはずれることはない。

採血チユーブ２の一端にはキヤツプ６を被冠し
た穿刺針７が装着され、採血チユーブ２ｂの一端
には、汚染防止栓８が装着されている。

採血チユーブ２ａ及び２ｂの固定をより強固に
するために、採血チユーブ２ａおよび２ｂの端部
に保持部材１０が装着されている。

使用に際しては、穿刺針７を上方向、該屈曲部
４を下方向に向けて穿刺針７を供血者の血管に穿
刺すると、血液は穿刺針７を経て採血チユーブ２
ａ、接続管４、採血チユーブ２ｂ内へ順次流入
し、血液が目盛線１１の位置まで達つしたら、採
血針６を抜いて次の全血比重の測定や血液型検査
に供える（穿刺針７を上方向に、該屈曲部４下方
向に位置させておけば、採血チユーブ２ａ，２ｂ
内の血液は、漏出しない）。

すなわち比重測定や血液型検査に際しては、穿
刺針７を下に傾けるのみで、採血チユーブ２２
ａ，２ｂ内の血液は落下し、真空採血管に採取す
る場合は、穿刺針７を平行に向けた状態で真空採
血管のゴム栓に穿刺することにより、徐々に水平
に傾けることにより採血チユーブ２ａ，２ｂ内の
血液を真空採血器内への移行させることができる
（以上の操作の時、汚染防止栓８側から血液は漏
出することはない）。

（考案の効果） 以上説明したように本考案では、採血チユー
ブ自体の長さを短くすることができ取扱い操作が
容易となり採血チユーブ内に血液を収納した後
も、穿刺針を上方向（屈曲部を下方向）に配置す
ることにより血液を漏出することなく一時的に貯
留することができる。

血液流路が連通した可撓性合成樹脂からなる
一本の採血チユーブを二つ折りにしているのみで
あるから、血液流路には段差がなく採血チユーブ
内に残血が生じるおそれはない。特開昭54−
50176号の血液採取装置と比較して構造を簡略化
できて、組み立てや取り扱いが容易で、製造コス
トも安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の比重針の概略図、第２図は従
来の比重針を示す概略図を示す。 図中、１は比重針、２，２ａ，２ｂは採血チユ
ーブ、６は針キヤツプ、７は穿刺針、８は汚染防
止栓、９は針基、１０は保持部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 可撓性合成樹脂からなり血液流路が連通した一
   本の採血チユーブ２と該採血チユーブ２の一端に
   装着された穿刺針７とから構成され、 前記採血チユーブ２を二つ折りにして屈曲部４
   が形成され、該屈曲部４を介して採血チユーブ２
   ａ，２ｂが並列に配置され、 前記採血チユーブ２ｂの一端に汚染防止栓８が
   装填され、前記採血チユーブ２ａ，２ｂの端部は
   保持部材１０を介して固定され、前記採血チユー
   ブ２ａ，２ｂは接着部材により接着されてなるこ
   とを特徴とする比重針１。