JPH0418356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、刈取結束機や、コンバインの排わ
ら結束処理機などにおいて、結束紐玉を収容保持
する装置の改良に関する。

(ロ) 従来の技術 刈取結束機などの結束紐保持装置は、紐ケース
の収容部を上方開放の略半円筒形に形成してその
収容部へ、内取式つまり円筒状に巻かれたものの
中心側から紐を引き出す形式の結束紐玉を落し込
み状に収容保持する如くに構成するものが主流と
なつているのであり、その従来例としては、例え
ば実開昭50−151737号公報や、実開昭52−16173
号公報などにみられるようなものが知られてい
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ところで、上記のような構成の結束紐保持装置
では、エンジン回転の変動や機械振動によつて結
束紐玉が収容部内で回転し、繰出される紐がねじ
れたり、もつれたりする不具合が起き易いので、
そのようなことを防止するために、結束紐玉の外
周に接当してその結束紐玉を回転しないように押
圧する弾性体を設けること（実開昭50−151737号
公報）や、押圧保持枠を設けること（実開昭52−
161737号公報）が行われているのであるけれど
も、これでは紐が残り少なくなつたときに、弾性
体や保持枠の押圧力が、結束紐玉を潰してしまい
円滑な紐の繰出しを損わせる問題が起きる。

また、結束紐玉は、収容部に落し込んで、結束
紐玉の外周面が収容部の壁面に広く面接触する状
態で保持されるので、降雨時などには、収容部内
壁面に広く面接触する部分が、前記内壁面をつた
う雨水や収容部内に溜る雨水によつて広く濡らさ
れることとなつて、紐濡れによる結束トラブルが
心配されるのである。

そこで本考案は、結束紐玉を押圧固定しないの
で、その結束紐玉の回転を阻止することができ、
あわせて降雨時などの紐濡れも無くすることがで
きる結束紐保持装置を、簡潔構造で提供すること
を目的として実施している。

(ニ) 問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するために、本考案では、収
容部に、内取式の結束紐玉を没入状態に保持する
構成の紐ケースにおいて、前記収容部の内壁面に
は複数個の突起を適宜に点在させて設け、これら
の突起によつて結束紐玉を面接触や線接触となら
ぬように収容部内壁面から浮き上がらせた状態に
して保持すべくなして結束紐保持装置を構成して
いる。

(ホ) 作用 したがつて本考案装置によると、結束紐玉を収
容部に装填すれば、その結束紐玉は、収容部内壁
面に複数個点在する突起によつて点接触的に支持
されることとなつて収容部内壁面には面あるいは
線接触せず浮き上り状態に保持されるから、エン
ジン回転の変動などによつて紐ケースが振動して
も結束紐玉が収容部内で回転することはなく、紐
の繰出しは常に良好に行われるのであり、結束紐
玉の回転を阻止するために押圧具で結束紐玉を圧
するようなことがないため、結束紐玉を潰すよう
なことはなく、また、構造は著しく簡潔となるの
である。

しかも、結束紐玉は複数個の突起で点接触的に
支持され、収容部の内壁面には面あるいは線接触
しないように保持されるから、降雨時収容部内壁
面をつたう雨水や、収容部内に溜る雨水によつて
紐濡れすることが防止され、紐濡れによる結束ト
ラブルを心配することなく作業できるのである。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の実施例を、図面を参照して説明
する。

第１図は、本考案の実施例装置による刈取結束
機（バインダ）の全体斜視状態を示す。

図示の刈取結束機は、走行ミツシヨンケースの
下部に軸架した走行車輪１を、機体に装備するエ
ンジン２によつて駆動するように成し、前記走行
ミツシヨンケースから後方に延設するハンドル部
３において運転操作できる如くに構成する走行機
体Ａの前進方向前部に、刈取結束部Ｂを装設して
構成される。

刈取結束部Ｂは、刈取フレーム４の進行方向前
端部に設置される分草体５の後部から斜め後上方
にむけて茎稈引起し装置６を斜設して、その装置
における引起し径路終端部下方の刈取フレーム４
に刈刃７を横設し、刈刃７の横一側部には結束機
８を装設し、更に、前記引起し径路の一側脇部か
ら結束機の後側にかけての部分には、茎稈を凭れ
掛け姿勢に支持するデツキ９を装設して構成され
る。

そして、走行車輪１の上方の機体部分には、結
束紐ケースＣを装設し、その紐ケースＣには、紐
を円筒状に巻きつけ紐の繰出しは円筒の中心側か
ら引き出して行う形式の結束紐玉１０を収容保持
し、前記結束機８の作動につれてその結束機にむ
けて紐を繰出し得るように構成されるのである
が、結束紐玉１０を収容保持する紐ケースＣは、
第２図乃至第５図に図示しているような具体構造
で構成される。

紐ケースＣの主体は、合成樹脂材や鉄板などの
適宜の部材を用いて成形構成されるのであり、円
筒形の前記結束紐玉１０を装入保持する収容部１
１は、断面形状が略々半円筒形で、上方は結束紐
玉１０を落し込んで装填できるように開放された
構成になされる。

しかして、収容部１１の内壁面１２は、前記結
束紐玉１０の外周との間に適宜の間隙１３ができ
るように大きく形成され、その内壁面部には内方
にむかつて突出する複数個の突起１４…を点在配
置して設けるのである。

尚、第２図と第３図に示した第１実施例では、
前記の突起１４…を形設するに、収容部壁自体を
複数箇所において局部的に内側へむかつて突曲変
形させて形成しており、また、第４図と第５図に
示した第２実施例では、例えば弾性体などの適宜
の部材で形成した突起体１４ａ…を、収容部壁の
所要の位置に取付けるように成しているのであ
る。

したがつて、いずれにしても結束紐玉１０を紐
ケースＣの収容部１１に装填したときには、その
結束紐玉１０は、収容部内壁面に点在する複数個
の突起１４…部のみで点接触に支持されることと
なつて、収容部の内壁面からは浮き上がつた状態
に収容保持されるのである。

(ト) 考案の効果 以上に説明したように、本考案では、紐ケース
収容部の内壁面に、複数個の突起を適宜に点在し
て設け、それらの突起との点接触によつて結束紐
玉を収容部内壁面から浮き上がらせた状態にして
保持するようにして結束紐保持装置を構成してい
るので、結束紐玉は収容部内壁面に広い面で接触
することなく保持されて、機械振動により結束紐
玉が収容部内で回転させられてしまうことはなく
なる、故に、結束紐玉の回転を阻止する押圧具を
設ける必要はないので、押圧具によつて結束紐玉
を押し潰してしまうような不具合はなくなり、ま
た、押圧具が必要でないことから全体構造は著し
く簡潔となる。

しかも、結束紐玉は局部的に複数の突起で支え
られて、収容部内壁面には略接触することがない
から、降雨時に収容部内壁面をつたう雨水や、収
容部に溜る雨水によつて紐濡れすることが防止さ
れ、紐濡れによる結束トラブルを心配することな
く作業できる、といつた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による刈取結束機の全体斜視
図、第２図は紐ケースの一部の斜視拡大図、第３
図は同紐ケースの断面図、第４図は他の実施例を
示す紐ケースの断面図、第５図は第４図における
突起体の一個を示す斜視図である。 Ｃ……紐ケース、１０……結束紐玉、１１……
収容部、１４……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収容部１１に、内取式の結束紐玉１０を没入状
   態に落し込んで保持する構成の紐ケースＣにおい
   て、前記収容部１１の内壁面には複数個の突起１
   ４…を適宜に点在させて設け、これらの突起１４
   …によつて結束紐玉１０を面接触や線接触となら
   ぬように収容部内壁面から浮き上がらせた状態に
   して保持すべくなしたことを特徴とする結束紐保
   持装置。