JPH0416975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は突起板上にペーパーポツトの如き育苗
容器を天地逆にして載置し、土詰後反転して突起
板を除去し出現した孔に播種するのに容易な反転
機を提供するものである。

（従来の技術） ペーパーポツトの如き育苗容器に播種する場
合、育苗容器に土詰後その上に播種孔を穿設する
か、突起板上にペーパーポツトを展開し、土詰後
反転して突起板を除去し出現する孔に播種する方
法が構じられている。後者の例は実公昭48−
71771号に記載されており、含まれているペーパ
ーポツトの本数と同一数の突起を設けた突起板上
にペーパーポツトを展開して載置し土壌を充填後
土詰衝撃機で所望の固さに土詰後突起板もろとも
反転するものである。反転は人手により行うこと
もあるが土詰した育苗容器は相当な重量となるの
で実願昭55−154275号に記載する如き連結杆に第
１転り支点と第１転り支点を設けた反転機で横転
させて反転さすものである。

（発明が解決しようとする問題点） 実願昭55−154275号の装置は労力を軽減するの
には役立つがそれでも第１転り支点、第２転り支
点への転動は一人の作業員では困難で常に二人を
必要とし、且つ転り時には大きいシヨツクを受け
るので、土詰後のペーパーポツトを突起板と底板
でサンドウイツチ状に保持し、全体を保持枠に固
定し反転させねばならないので作業能率が低下す
るとか作業の流れが直線となるので作業場に長い
建屋を必要とし立地条件が制限される等の不便が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案者は従来の反転機の不利を解消し、より
省力的で作業能率もよく、しかも立地条件に左右
されない土詰反転装置を得んと研究を進めた結
果、円回転で反転を行なうと従来の如き転り時の
シヨツクがないので保持枠に固定しなくてよいこ
とを発見し、円形又は橢円形の反転枠の内側に土
詰した育苗容器の挿入路と引き出し路を上下対向
する如く設け反転枠を回転可能に支持すると共に
重心が常に挿入路側に位置する如くすることによ
り解決した。

（作用） 本考案の反転機は土詰機で土詰したペーパーポ
ツトを反転さすから従来のように突起板を下側に
しその上にペーパーポツトを展開し、土詰機で振
動又は衝撃を与えながら土詰する。土詰後その上
に底板を載置し、反転機の挿入路と引き出し路で
囲まれた空間内に押し込む。押し込んだ後反転枠
を180度回転さすと底板側が下となり突起板側が
上となるので引き出し路から引出して反転させ
る。このとき引き出し路を挿入路と同一方向にな
るようにすると次に設ける播種装置は直列となり
引き出し路を直角方向に設けると曲列となる。又
ペーパーポツトを取出した後の反転機は重心が挿
入路側にあるので自力により回転し元の姿勢に戻
るので能率的な作業ができる。

（実施例） 本考案の例を図面により引き出し路を挿入路に
対し直角方向に設けた場合について説明する。図
中１は土詰機を示し、土詰機１は押込式、振動式
或いは衝撃式何れであつてもよいが好ましくは衝
撃式土詰機である。土詰は先づ土詰機１の上部に
突起板２を載置し、その上にペーパーポツト３を
天地逆にして展開し突起板２の突起と合致するよ
うに載置する。次いで上方より土壌を入れ衝撃又
は振動を与えて土壌を沈下させ所望の硬さとす
る。土詰後は上部を均平にし平滑な底板４を載置
する。このようにして準備したペーパーポツト３
は反転機５により反転さすが、本考案の反転機５
は架台６の上部に複数対の反転ローラ７，７……
を回転自在に設け各対の反転ローラ７，７には反
転タイヤ８，８を載置しタイヤ８，８を回転自在
に支持せしめる。タイヤ８，８間は横枠９，９で
連結固定し、１体的に回転できるようにする。又
タイヤ８，８は前記土詰したペーパーポツト３が
出入できる以上の間隔で切り欠き開放部１０を構
成させ開放部１０よりペーパーポツト３を取出す
が、開放部１０を設けず一方のタイヤ８側より送
入し、他側のタイヤ８より引出す如くしてもよい
ものである。反転タイヤ８，８の内側には開放部
１０を挟んで上下に上枠１１，１１と下枠１２，
１２を互に平行するように固定するが、下枠１２
は上枠１１側より必ず重くする。このため反転タ
イヤ８，８は自由に回転できるので開放部１０は
常時土詰機１の方向に向くことになる。前記上枠
１１，１１間にはローラ台１３を固定し該ローラ
台１３には開放部１０方向に回転できる引き出し
ロール１４，１４を設けるがペーパーポツト３の
引き出し方向を自由とするためロール１４，１４
をキヤスター等に変更してもよい。又下枠１２，
１２間にはローラ台１５を設けローラ台１５には
前記ロール１４，１４と直角方向に回転する送り
込みロール１６，１６を設け両ロール１４，１６
の間にはペーパーポツト３の高さよりやゝ高い間
隔を設けてある。更に前記上下枠１１，１２間の
１側には底板衝接板１７と突起板衝接板１８を
やゝずらした位置で上下対峙するように設けてあ
る。

今、土詰機１で土詰完了したペーパーポツト３
を矢示方向に押すと突起板２は送り込みロール１
６，１６上に移動し、その側部は突起板衝接板１
８に接し、底板４の上面は引き出しロール１４，
１４と対向し、その側部は底板衝接板１７に接す
る。所望の位置で停止させ反転タイヤ８，８を矢
印方向に回転さすとペーパーポツト３は突起板衝
接板１８と底板衝接板１７に支持せられて転動
し、180度回転さすと開放部１０は反対方向とな
り、底板４は引き出しロール１４，１４上に載置
せられ突起板２と送り込みロール１６，１６との
間には少許の間隔をあける。

一方、架台６上には引き出しローラ台１９を設
けてあり、その高さは反転時の引き出しロール１
４，１４の高さよりやゝ低くし開口部１０に対向
させてある。このため引き出しローラ台１９を開
放部１０方向に引き寄せ底板４の一端をその上に
載置し、更にタイヤ８，８を回転さすとペーパー
ポツト３は自重によりローラ１４，１４よりロー
ラ台１９上に移行する。又空になつた反転機５は
自重により回転し元の姿勢に復する。このため作
業員は土詰完了後ペーパーポツト３を反転機５に
押し込み反転タイヤ８，８を回転さすだけで反転
さすことができ反転後は上側となつた突起板２を
除去して出現した孔の中に播種する。

（効果） 本考案は上記例の如くしてなり、円形又は橢円
形のタイヤを使用するので回転が容易であり、タ
イヤ内に収納した育苗容器はその度毎に締め付け
る必要がないので省力となり、且つ反転後育苗容
器を取出した後は重心が挿入路側にあるので自動
的に回転してもとの姿勢に戻るので能率的に作業
ができる。又育苗容器は引き出し路を変更するこ
とにより所望の方向に引き出すことができるので
作業場の条件に応じた装置の設計ができる利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は反転機の正面図で反転前の姿勢を示し
第２図は反転後の姿勢を示す。第３図は反転機の
側面図を示す。 １……土詰機、２……突起板、３……ペーパー
ポツト、４……底板、５……反転機、７……反転
ローラ、８……反転タイヤ、１４……引き出しロ
ール、１６……送り込みロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円形又は橢円形をなす反転枠の内側に土詰した
   育苗育苗容器の挿入路と引き出し路を上下対向す
   る如く設け反転枠を回転可能に支持すると共に挿
   入路側に重心が位置する如くした土詰反転機。