JPH0415417Y2 - - Google Patents

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JPH0415417Y2
JPH0415417Y2 JP1983043476U JP4347683U JPH0415417Y2 JP H0415417 Y2 JPH0415417 Y2 JP H0415417Y2 JP 1983043476 U JP1983043476 U JP 1983043476U JP 4347683 U JP4347683 U JP 4347683U JP H0415417 Y2 JPH0415417 Y2 JP H0415417Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
技術分野 本考案は溶接の起動を容易にした消耗電極を用
いるアーク溶接用電源に関するものである。 従来技術 消耗電極を用いるアーク溶接には通常定電圧特
性の溶接電源が用いられている。このような定電
圧形アーク溶接電源においては、溶接の起動の前
後において出力電圧が一定であるために溶接アー
クの起動が難しくアークが安定するまでに時間が
かかり短時間のアーク発生、消滅をくりかえした
後に通常アークに至ることが多かつた。このため
に溶接始端部には欠陥の発生が避けられなかつ
た。そこで溶接起動の前後において出力電圧をア
ーク発生の容易な高い電圧から溶接に適した低い
電圧に切替えることによつてアークの起動を改善
せんとした装置が提案されている。第1図はこの
ように構成されたアーク溶接用電源の例を示す接
続図である。同図において1は入力端子であり図
示しない交流電源に接続される。2は出力端子、
3は出力制御部であり入力電圧を溶接に適した電
圧に変換する変圧器、入力信号に応じて出力電圧
を調整するサイリスタやトランジスタなどを用い
た出力調整回路などから構成されている。4は溶
接起動検出器であり、出力電流の変化または出力
電流と出力電圧との相対的な変化から溶接の起動
を判断する回路であり、5は出力電圧検出器、6
aおよび6bは出力電圧設定器であり、6aは溶
接中の出力電圧をまた6bは溶接起動前の高い出
力電圧をそれぞれ設定する。7は溶接起動検出器
4の出力によつて動作する切替回路であり出力電
圧設定器6aおよび6bの出力を溶接起動の前後
において選択するものである。8は切替回路7に
て選択された出力電圧設定器6aおよび6bの出
力と出力電圧検出器5の出力とを比較し差信号を
得るための比較器であり、9は比較器8の出力を
増幅し出力制御部3に制御信号を供給するための
増幅器である。同図の装置において出力電圧設定
器6aは溶接条件に応じて調整されるが出力電圧
設定器6bは通常固定であり最大出力電圧に定め
られる。これら出力電圧設定器6aおよび6bに
は相互に何ら関連性は設けられていない。 本考案者の実験によるとこれら出力電圧設定器
6aと6bとにおける最適値は両者の一義的な関
係によつて定まるものではないことがわかつた。
即ち出力電圧設定器6aは溶接中の出力電圧を定
めるものであり、これは単に使用する溶接ワイヤ
の形状や材質・シールドガスのみでなく要求され
る溶着金属の断面形状や溶接速度によつて大きく
変更される。しかし、出力電圧設定器6bは、溶
接起動時に溶接ワイヤが被溶接物に接触したとき
に短絡電流により溶断してアーク発生に至るまで
の出力電圧を定めるものであるから、溶接ワイヤ
溶断のために必要な短絡電流の値とアーク発生お
よび維持のための電圧とによつて定まり、結局こ
の出力電圧設定器6bの設定値は溶断の難易の原
因となる使用する溶接ワイヤの直径・材質および
溶接ワイヤ溶断時のアーク発生に要する電圧の主
要因となるシールドガスの種類によつて定まるこ
とにより、現実の溶接条件即ち出力電圧設定器6
aの設定値との直接的な関連性はないものであ
る。 本考案者は上記について実験した結果、各溶接
条件における溶接起動のための最適電圧として第
3図のような関係を得た。第3図において横軸は
ワイヤの直径D(mmφ)を示し、縦軸は溶接の起
動に適する出力電圧Voを示しす。図中イはワイ
ヤ材質:アルミニウム、シールドガス:アルゴ
ン、ロはワイヤ材質:軟鋼、シールドガス:炭酸
ガス、ハはロのシールドガスをアルゴンと20%の
炭酸ガスとの混合ガスとしたとき、ニはワイヤ材
質:ステンレス、シールドガス:アルゴンと2%
の酸素との混合ガスのそれぞれの場合に溶接起動
が容易な出力電圧の範囲を示すものであり、溶接
ワイヤおよびシールドガスのそれぞれの組合せに
対して図中に陰影を施した範囲よりも高くても低
くても溶接の起動が難しくなつた。 しかるに前述の従来装置においてはその設定方
法のゆえに十分に安定した溶接起動が実現できな
かつた。その理由は、上述のように溶接起動前の
出力電圧を定める出力電圧設定器6bは最大出力
に固定されているので、溶接の起動に際して溶接
ワイヤが被溶接物に短絡したときの短絡電流は非
常に大きな値となり、使用する溶接ワイヤが最適
値よりも細い場合にはこの強大な短絡電流のため
に溶接トーチから突き出された部分全体が爆発的
に溶断してしまうことになる。このために大粒の
スパツタが発生するばかりでなく、溶接ワイヤ溶
断直後の溶接ワイヤ先端と被溶接物との距離即ち
アーク長に相当する距離が甚しく長くなり、アー
クの維持ができずアーク切れに至るためである。
また被溶接物が薄板の場合にはこの大きな短絡電
流とその直後の高いアーク電圧とによつて被溶接
物が溶け落ちてしまうようなことも発生する。 本考案の目的 上記のように溶接起動時の出力電圧は高すぎて
も低すぎても良好な起動ができず、このときの出
力電圧には範囲があり、この溶接起動に適した範
囲内で低い値とすることが望ましい。そこで本考
案は溶接起動前の出力電圧設定器を可変として使
用する溶接ワイヤの直径や材質およびシールドガ
スの種類の組合せに応じて常に最適の出力電圧に
よつて溶接の起動を行うことができるようにした
アーク溶接用電源を提案したものである。 本考案の要旨 本考案は上記目的を達成するために出力電圧設
定器として溶接時の出力電圧を定める第1の基準
電圧設定回路と、溶接ワイヤの直径・材質・シー
ルドガスの種類の組合せに応じて定まる溶接起動
に最適の値に切替えるスイツチによつて予めその
一つが選定される複数の基準電圧設定器を有する
第2の基準電圧設定回路とを設け、溶接の起動完
了を検出するまではこの第2の基準電圧設定回路
の出力により出力電圧を制御し、溶接起動完了後
は第1の基準電圧設定回路によつて出力電圧を制
御するようにしたアーク溶接用電源である。 実施例 以下図示の実施例について本考案を説明する。 第2図は本考案の実施例を示す接続図であり、
同図において1ないし5および7ないし9は第1
図の従来装置と同様の機能を有するものを示す。
11は溶接中における出力電圧を設定するための
第1の基準電圧設定回路であり、第1図の基準電
圧設定器6aに相当し、通常直流電源と可変抵抗
器との組合せにより構成されて可変の電圧出力を
生ずる。12は溶接起動前の出力電圧を設定する
ための第2の基準電圧設定回路であり、使用する
溶接ワイヤの直径・材質・シールドガスの種類の
組合せに対応してあらかじめ実験にて定めた最適
値に設定した複数の基準電圧設定器121aない
し121iとこれを選択して切替回路7に供給す
る切替スイツチ122とからなり、切替スイツチ
122のそれぞれの切替位置には適合する使用材
料の組合せを表示するか、またはこれらの組合せ
と切替スイツチの選定位置との表を付近に表示し
ておくのが望ましい。これらの組合せに対する出
力電圧の適値は実験により求められ、例えば第3
図のような関係が得られる。そこでこれらの範囲
の略中心値を出力電圧の適値とみなしてこの結果
から切替スイツチ122をないしの6段とし
て出力電圧設定器として121aないし121f
をそれぞれ26v,33V,36V,43V,50V,56Vと
すれば溶接ワイヤおよびシールドガスの組合せに
対して下表のように切替スイツチ122を選定す
ればよい。
【表】 なお、これらの具体的な値は電源の総合的な出
力電圧電流特性(特に動的特性)によつて異なる
から絶対的なものではないのはもちろんである。 このようにして選択された第2の基準電圧設定
回路12の出力は切替回路7によつて溶接起動完
了までのあいだ比較器8に供給されて出力電圧検
出器5の出力と比較され、差信号が増幅器9にて
適宜増幅された後に出力制御部3に対する制御信
号として供給される。この結果出力電圧は、溶接
起動前においては第2の基準電圧設定回路12に
て設定された溶接ワイヤおよびシールドガスの組
合せに適した最適の電圧に保たれることになる。
この起動用の比較的高い電圧が印加された溶接ワ
イヤが被溶接物に向つて送給されて両者が接触す
ると、溶接ワイヤはこのときに流れる短絡電流に
よつて速やかに溶断しアークを発生する。このア
ークの発生は溶接起動検出器4によつて検出さ
れ、この検出信号をうけて切替回路7は基準電圧
を第2の基準電圧設定回路12の出力から溶接に
適した出力電圧を得るように設定された第1の基
準電圧設定回路に切替え、通常のアーク溶接に移
行する。第2図において溶接起動検出器4として
は、出力電流を検出してこれを起動と判断して直
ちに溶接起動信号を発して切替回路7を動作させ
るようにしても出力制御部3に応答遅れを有する
場合には支障なく溶接アークが発生することにな
るが、出力電流を検出して若干の時間遅れの後、
即ち被溶接物と短絡した溶接ワイヤが溶断してア
ークに移行するまでの間は第2の基準電圧設定回
路12によつて設定された起動用の出力電圧に保
ち、その後に第1の基準電圧設定回路11によつ
て設定された溶接用の出力電圧に切替えるように
溶接起動検出回路4に遅延要素を持たせた方がよ
り確実な溶接起動が可能となる。またこのような
遅延要素を設けるかわりに出力電流と出力電圧が
ともに一定値以上となつたときを溶接起動完了と
判断するようにしてもよい。即ち短絡した溶接ワ
イヤが溶断してアークに移行すると出力端子の電
圧は短絡時の低い電圧かアーク電圧に上昇しかつ
出力電流もアークが継続している限り検出される
ので、これらの両者を検出することによつて、短
絡、開放およびアーク発生の三つの状態が明確に
判断できることを利用するものである。 第2図の実施例においては、出力電圧検出器5
の出力と基準電圧設定回路11またた12の出力
とを比較し、差信号を出力制御部に供給するよう
にしたが、消耗電極を用いるアーク溶接において
は出力端子が短絡あるいはアーク発生のようにそ
の負荷の変動が甚しく大幅でかつ急激であるので
第2図のような通常のフイードバツク制御方式に
よる場合には制御系の遅れから出力電圧が不安定
になることがある。一方フイードバツク系を設け
ないオープンループ式の制御系では負荷変動に伴
う制御系の不安定は発生しない。そこで溶接用の
主出力制御部はこのオープンループ式の制御を行
ない、別途に略一定のモデル負荷を設け、このモ
デル負荷に対する出力調整回路を基準電圧設定回
路の出力とモデル負荷に対する出力電圧の検出値
との差信号によつて制御するとともに、同じ信号
によつて主出力制御部の制御信号を得るようにす
ればオープンループ式の安定性とフイードバツク
制御方式による正確さとを同時に得ることができ
る。第4図はこのようにしたときの実施例を示す
接続図であり、1,2,4,7ないし9,11お
よび12は第1図および第2図と同様の機能を有
する。13はモデル負荷であり、出力電圧にかか
わらず略一定の負荷、例えば電力容量に余裕のあ
る抵抗器を用いる。14は溶接負荷に供給する電
圧を制御する第1の出力調整回路であり15は入
力端子1とモデル負荷13との間に接続されてモ
デル負荷に供給する電圧を調整するための第2の
出力調整回路である。この第2の出力調整回路1
5は第1の出力調整回路と同じ構造としその容量
のみ異なるものを使用する。また、16はモデル
負荷13の端子電圧を検出する出力電圧検出回路
である。同図の例においてはモデル負荷13に対
する出力電圧は、切替回路7によつて選択された
基準電圧設定回路11または12の出力と出力電
圧検出回路16の出力とを比較器8にて比較した
差信号によつて制御されることになる。このモデ
ル負荷に対する制御は第2図の例と同じフイード
バツク制御方式であるが負荷は略一定であるので
変動はなく、この制御系に関する限り負荷の急変
に基因する制御系の不安定動作は発生しないこと
になる。一方出力端子2に対する出力電圧は比較
器8の出力に応じて制御される第1の出力調整回
路14によつて制御されるが、この制御回路はフ
イードバツク系を有していないので主制御回路は
完全なオープンループ制御系となり負荷の急変に
対して優れた過渡応答性を有することになり、消
耗性電極を用いるアーク溶接のように出力端子の
短絡、開放が頻繁に発生する場合にも動作が不安
定となることはない。 考案の効果 以上のように本考案においては、使用する溶接
ワイヤとシールドガスとの組合せに応じて溶接の
起動に最適の出力電圧を供給することができるの
で溶接の起動を常に確実に実施することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のアーク溶接用電源の例を示し接
続図、第2図は本考案の実施例を示す接続図、第
3図は溶接ワイヤ、シールドガスの組合せと溶接
の起動に最適な出力電圧との関係を示す線図、第
4図は別の実施例を示す接続図である。 3……出力制御部、4……溶接起動検出回路、
5,16……出力電圧検出回路、7……切替回
路、8……比較器、11……第1の基準電圧設定
回路、12……第2の基準電圧設定回路、13…
…モデル負荷、14……第1の出力調整回路、1
5……第2の出力調整回路、121a〜121i
……基準電圧設定器、122……切替スイツチ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 出力電圧を検出し、検出電圧を基準電圧と比
    較し両者の差に相当する電圧によつて出力を制
    御し所定の出力電圧に保つ出力制御部を有する
    消耗電極式アーク溶接用電源において、溶接起
    動検出回路と、出力電圧検出回路と、溶接時の
    出力電圧を設定する第1の基準電圧設定回路
    と、溶接に使用する溶接ワイヤの直径、材質お
    よびシールドガスの種類の組合せに応じて切替
    スイツチによつて溶接の起動に最適な値に予め
    選定可能な複数の基準電圧設定器からなる第2
    の基準電圧設定回路と、基準電圧を前記溶接起
    動検出回路の出力により溶接の起動が完了する
    までは前記切替スイツチにより予め選定された
    第2の基準電圧設定回路の出力とし、溶接起動
    後は前記第1の基準電圧設定回路の出力とする
    切替回路とを設けた消耗電極式アーク溶接用電
    源。 2 前記出力制御部は、溶接負荷に供給する出力
    を調整する第1の出力調整回路と、略一定のモ
    デル負荷に供給する第2の出力調整回路とを有
    し、前記出力電圧検出回路は前記モデル負荷の
    端子電圧を検出する回路であり、前記切替回路
    の出力は前記第2の出力調整回路に供給されて
    前記出力電圧検出回路の出力と比較されて差信
    号により前記第2の出力調整回路の出力を決定
    する制御信号として用いられ、前記第1の出力
    調整回路は前記第2の出力調整回路の制御信号
    に対応した信号によつて出力が決定される回路
    である実用新案登録請求の範囲第1項に記載の
    消耗電極式アーク溶接用電源。
JP4347683U 1983-03-26 1983-03-26 消耗電極式ア−ク溶接用電源 Granted JPS59148176U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0635058B2 (ja) * 1985-09-19 1994-05-11 松下電器産業株式会社 直流ア−ク溶接機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4867151A (ja) * 1971-12-20 1973-09-13

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