JPH04137871U

JPH04137871U - 透視防止印刷物

Info

Publication number: JPH04137871U
Application number: JP5491791U
Authority: JP
Inventors: 迪明小松
Original assignee: 大日本印刷株式会社
Priority date: 1991-06-20
Filing date: 1991-06-20
Publication date: 1992-12-22
Anticipated expiration: 2006-06-20
Also published as: JP2564626Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】印刷物に光を当てても透視出来ないようにす
る。【構成】表示をまわりの網点と色が異なり、かつ光を
略同程度に遮る網点で形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、透視防止印刷物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

文書には、不動産の権利書や株券等のようにその文書の所持そのものに絶対的な意義を有するものがあり、かかる文書では盗難，火災等からその文書を守ることが最重要課題となる。しかし、文書の中には所持も重要ではあるが、その文書の内容が漏洩しては困るというものがある。かかる文書では文書の外観に異変が認められれば内容が漏洩したかも知れないということが分かり却って対策の立てようもあるが、外観に何等の痕跡を残さない透視という方法で内容が漏洩した場合には漏洩の事実すら文書の所持者には分からないのであるから一番始末に悪い。そのため、文書の所持者は文書そのものを改良して透視出来ないようにすることと、文書の管理を徹底して第三者に透視されないようにすることとに努力してきた。後者の文書の管理を徹底させる努力の例としては、いわゆる三角くじが上げられる。三角くじとは、当落を表示した方形の紙片を対角線に沿って二つ折りし、かつ周縁部を貼合して前記当落の表示を隠蔽したもので、前記周縁部をむしり取って当落を見るものである。この三角くじは外面側に比較的濃い色調の印刷が施されていることが多く、普通の用い方をしていれば当落の表示が透視されるということはない。しかし、抽選者がその三角くじを自宅に持ち帰って強い光を当てたりすれば容易に透視出来る。そのため、くじの管理者は管理を徹底し、必ず目の前で開封させている。そのため、この三角くじは、例えば街の商店会等がくじを発行し各小売店がくじの開封を管理するというように、くじの発行者がくじの開封の管理までをも行い得るような比較的狭い地域内での使用には適しているが、大手メーカーが商品の販売キャンペーン用等として発行しスーパー，小売店等に開封を委託するというような広い地域での使用にはあまり適さない。すなわち、一般に文書の管理を徹底させるということには限界がある。そこで、前者の文書そのものを透視出来ないようにすることが期待されることになり、近時、いわゆるスクラッチカードが用いられるようになった。スクラッチカードとは、当落，正解等の表示の上に銀色等の塗料層を形成して前記当落，正解等の表示を隠蔽し、硬貨等で前記塗料層をこすって除去して当落，正解等を見るものである。このスクラッチカードは、化粧品，食品，電気機器等のメーカーが販売促進キャンペーン用等としてテレフォンカード等を景品に付けたくじとして商品購買者に渡すことが多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、絶対に透視不可能だと信じられてきたスクラッチカードも白熱灯等の強い光を当てると透視可能であるということが近時分かったという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の問題点を解決すべく考案されたもので、透視防止印刷物を、シート状物に施された表示を隠蔽層により蔽う透視防止印刷物であって、前記シート状物の前記隠蔽層により蔽われる部分に網点を設けるとともに、前記表示を他の網点と色が異なり、かつ光を略同程度に遮る網点により形成したものとして構成した。

【０００５】

【作用】

この考案の透視防止印刷物においては、白熱灯等を当てても全ての網点は均一な影として見える。

【０００６】

【実施例】

図２は、本考案の透視防止印刷物の一例としてのスクラッチカードを前面側から見た平面図である。このスクラッチカードの基本的な構成及び使用法等は通常のスクラッチカードと全く同じであり、シート状物の一例としての紙１の表面に、表示の一例としての正解と不正解のパターン２が印刷され、各パターン２の上に隠蔽層の一例としての銀色の塗料層３が印刷により設けられている。なお、本実施例では、同図に明らかなように、パターン２は各段に４個ずつ上下３段に配置し、塗料層３は各パターン２を被って方形状に印刷してある。そして、各段の４個のパターン２中に当たりのパターン２を１個ずつ含め、くじを引く者が各段の４個の塗料層３のうち１個の塗料層３のみを硬貨等で削って各段から当たりのパターン２を１個ずつ露出し、計３個の当たりのパターン２のみを露出したときにくじ全体が当たりとなるようにしてある。すなわち、同図に２点鎖線で示す十文字のパターン２のみを各段から露出したときにくじ全体が当たりとなるとしてある。本考案は、かかるスクラッチカードの紙１の塗料層３により蔽われる部分に網点を設けるとともに、パターン２を他の網点と色が異なり、かつ光を略同程度に遮る網点により形成するという点（以下主要部という）に特徴を有するものであり、かかる主要部は次のようにして形成することが出来る。

【０００７】（実施例１）主要部は、例えば黄色と橙色のように色としては異なっているが似かよった色でパターン２の網点と他の網点とを形成することにより、形成することが出来る。図１はその一実施例を示し、塗料層３を設ける前のパターン２を示す。同図において、４は黄色の網点であり、７は橙色の網点である。網点７は十文字のパターン２を形成している。本実施例では、網点４と網点７は黄色と橙色で色が異なるため、十文字のパターン２は明瞭に視認することが出来る。また、銀色の塗料層３を設けてスクラッチカードとした後に白熱灯等を当てると、黄色の網点４と橙色の網点７とは白熱灯の光を略同程度に遮る。そのため、黄色の網点４と橙色の網点７とはともに同じ暗さの影として見え、両者の識別は不可能である。すなわち、全体に均一な網点が散らばって見えるだけで、パターン２の透視は全く不可能である。

【０００８】（実施例２）主要部は、例えば黒色のような比較的濃い色の網点で無地網を形成し、その無地網の網点の上にその網点よりも濃くはない他の色の網点を重ねることにより、形成することが出来る。図１，図３はその一実施例を示し、図１は塗料層３を設ける前のパターン２を示し、図２は塗料層３を設けた後の断面を示す。パターン２の形成に当たっては、先ず、図１及び図３に示すように、紙１のうち塗料層３によって隠蔽されるべき部分全体に黒色の網点４を印刷して無地網５を形成する。次に、無地網５の網点４の一部に白色の網点６を重ね刷りしてパターン２と同寸の白色のパターンを形成する。次いで、網点６の上に赤色の網点７を印刷して赤色のパターン２を形成する。本実施例では、網点４と網点７は黒色と赤色で色が異なるため、十文字のパターン２は明瞭に視認することが出来る。また、銀色の塗料層３を設けてスクラッチカードとした後に白熱灯等を当てると、網点４，６，７が重なっている部分と、網点４の部分とは白熱灯の光を略同程度に遮る。そのため、網点４，６，７が重なっている部分と、網点４の部分とはともに同じ暗さの影として見え、両者の識別は不可能である。すなわち、全体に均一な網点が散らばって見えるだけで、パターン２の透視は全く不可能である。本実施例では白色の網点６を用いたが、網点６を省略して網点４の上に直接網点７を印刷してもよい。また、網点４，６，７は、網点７が網点４より濃くなくて、網点６が白に近い色であれば何色であってもよい。

【０００９】本考案は前記の実施例に限定されるものではなく、例えば次のようなものであってもよい。１）網点４，６，７は活版印刷，オフセット印刷，グラビア印刷，シルクスクリーン印刷その他如何なる印刷方法で設けてもよい。特にコンパクトな印刷機を用いることにより、本考案の適用範囲は後記４）で示すように飛躍的に増大する。２）網点４，６，７の大きさは、文字，絵柄等の表示の種類・態様、シート状物の種類等、印刷物の態様に合わせて適宜定める。３）シート状物は紙以外のものであってもよく、例えばプラスチックスのシート状物等であってもよい。４）本考案は透視されては困る文書一般に広く適用することが出来、特に次のような文書に好適である。一定期間機密を要する証拠書類（例）国家間の秘密協定，私企業間の秘密契約書，遺言書プライバシーを保護する必要のある通信文書（例）督促状，差押予告書，テストの結果通知書，各種調査報告書くじ，クイズ類

【００１０】

【考案の効果】

本考案は前記のように構成され、隠蔽層を除去すると、表示の網点がまわりの網点と色違いであるため表示を明瞭に視認することが出来る。また、白熱灯等の光を当てても表示の網点とまわりの網点とが光を略同程度に遮るため、表示の網点とまわりの網点とは全く同じ暗さの影として見え、透視防止の効果を奏する。そのため、文書の管理にあまり神経質になる必要がなく、文書の保管・搬送を極めて容易に行うことが出来るようになり、一定期間機密を要する証拠書類、プライバシーを保護する必要のある通信文書、くじ、クイズ等、極めて広範囲に利用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の表示１個の作成途中の状態
を前面側から見た平面図である。

【図２】同実施例を前面側から見た平面図である。

【図３】同実施例の表示１個の断面図である。

【符号の説明】

１紙２パターン３塗料層４網点５無地網６網点７網点

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シート状物に施された表示を隠蔽層によ
り蔽う透視防止印刷物であって、前記シート状物の前記
隠蔽層により蔽われる部分に網点を設けるとともに、前
記表示を他の網点と色が異なり、かつ光を略同程度に遮
る網点により形成したことを特徴とする透視防止印刷
物。