JPH04134604U - タービンの動翼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動翼の取り付けが作業性良く迅速に行われる
ことを目的とする。 【構成】 ローターディスクに刻設された溝に翼根をロ
ーターの軸方向の側面から嵌入して取り付けられるター
ビンの動翼の翼根がローターディスクの側面にねじを介
して取付けられた翼止め板により抑止されるように構成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、火力発電に適用される蒸気タービンやガスタービンなどタービンの 動翼に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は翼、翼台、翼根、頂部のシュラウドなどが一体に削り出されて造られて いる従来の蒸気タービンのシュラウド一体型の動翼の構造説明図である。図にお いて、シュラウドは本動翼の図示しない先端部に設けられて蒸気を溢出し、また この先端部の間隔を保持するとともに動翼の固有振動数を高めて耐震強度を増し ている。このようなシュラウド一体型の動翼をローターディスク１に取り付ける 場合は、Ｔ字型、鳩尾型、クリスマスツリー型などに形成された翼根４をロータ ーディスク１に刻設された同形の溝に全動翼を同時にローターの軸方向から嵌め 込み、ローターディスク１側と動翼側との間に形成された溝に半径方向に複数個 に等分割された翼止め板６を挿入口Ｃからローターディスク１の全周に順次挿入 して動翼をローターの軸方向に固定するサイドロック方式により行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように従来の蒸気タービンのシュラウド一体型の動翼をローターディスク １に取り付ける場合は上記のようなサイドロック方式により行われており、翼止 め板６を挿入口から順に挿入してローターディスク１全周に順送りしていくため に作業性が非常に悪く時間が費かる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るタービンの動翼は上記課題の解決を目的にしており、ローターデ ィスクに刻設された溝に翼根をローターの軸方向の側面から嵌入して取付けられ るタービンの動翼において、上記ローターディスクの上記側面にねじを介して取 り付けられ上記翼根を抑止する翼止め板を備えた構成を特徴とする。

【０００５】

【作用】

即ち、本考案に係るタービンの動翼においては、ローターディスクに刻設され た溝に翼根をローターの軸方向の側面から嵌入して取り付けられるタービンの動 翼の翼根がローターディスクの側面にねじを介して取付けられた翼止め板により 抑止されるようになっており、動翼は翼根をローターディスクの溝にローターの 軸方向の側面から嵌入して取り付けられ、ローターディスクの側面にねじを介し て取付られる翼止め板によりローターの軸方向への移動を抑止されて簡単にロー ターディスクに固定される。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例に係る蒸気タービンの動翼の構造説明図である。図に おいて、本実施例に係る蒸気タービンの動翼は火力発電などに使用される蒸気タ ービンのシュラウド一体型の動翼で、図に示すように翼（プロフィル）２、翼台 ３、翼根（ルート）４、シュラウド５などが一体に削り出されて造られている。 シュラウド５は翼２の先端部に設けられて蒸気を溢出し、またこの先端部の間隔 を保持するとともに動翼の固有振動数を高めて耐震強度を増している。翼２はロ ーターディスク１に刻設された翼根４用の溝にクリスマスツリー型に形成された 翼根４がローターの軸方向に挿入されて取り付けられている。

【０００７】 また、翼台３の上流および下流側の両側面にはローターと同心円状の溝Ａが刻 設され、またローターディスク１の上流および下流側の両側面の翼根４の下方に もローターと同心円状の溝Ｂが刻設されており、半径方向に複数に等分割されて 扇形をなしその扇形の円弧状の上下縁に連続した突起縁を有する翼止め板６がこ れらの溝Ａ，Ｂにその突起縁を嵌込まれて取り付けられている。これら翼止め板 ６はローターの軸方向から小ねじ７によってローターディスク１に係止され、ロ ーターディスク１の上流および下流側の両側面の全周に取り付けられており、翼 根４を抑えて動翼がローターの軸方向に移動しないように固定している。

【０００８】 シュラウド一体型の動翼の場合は翼２を１枚づつローターディスク１の溝に嵌 入して翼２毎に固定していくことができない構造であるため、ローターディスク １への翼２の取り付けには非常な手間を必要とするが、本動翼はローターディス ク１の翼根４の周辺に小ねじ７のねじ穴とローターと同心円状の溝Ａ，Ｂを設け るスペースさえ確保できれば、ローターディスク１全周に翼根４を同時に嵌入し た後、翼止め板６により簡単に翼２がローターの軸方向へ移動しないように抑止 されるので、ローターディスク１への動翼の取付けを作業性良く迅速に行うこと ができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案に係るタービンの動翼は前記のように構成されており、動翼が簡単にロ ーターディスクに固定されるので、動翼の取り付けが作業性良く迅速に行われる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は本考案の一実施例に係る蒸気ター
ビンの動翼の側面図、同図（ｂ）は正面図である。

【図２】図２（ａ）は従来の蒸気タービンの動翼の側面
図、同図（ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

１ ローターディスク ３ 翼台 ４ 翼根 ５ シュラウド ６ 翼止め板 ７ 小ねじ Ａ 溝 Ｂ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ローターディスクに刻設された溝に翼根
   をローターの軸方向の側面から嵌入して取付けられる蒸
   気タービンの動翼において、上記ローターディスクの上
   記側面にねじを介して取り付けられ上記翼根を抑止する
   翼止め板を備えたことを特徴とするタービンの動翼。