JPH04134069U - 免疫測定器具 - Google Patents

免疫測定器具

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JPH04134069U
JPH04134069U JP4910591U JP4910591U JPH04134069U JP H04134069 U JPH04134069 U JP H04134069U JP 4910591 U JP4910591 U JP 4910591U JP 4910591 U JP4910591 U JP 4910591U JP H04134069 U JPH04134069 U JP H04134069U
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hcg
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宏 鈴木
隆幸 楠
智恵 杉本
茂博 山本
郁夫 宮本
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テルモ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 免疫測定器具1Aは、吸水性を有する支持体
2と、検体を採取・保持し、支持体2へ供給する検体供
給部材6とを接合したものである。支持体2は、標識物
を担持した標識物担持部5と、検体中の特定物質(例え
ばhCG)と特異的に結合しうる物質を担持した検出部
4とを有する。検体供給部材6は、支持体2の設置面9
に対し、傾斜角度θをなして設置されている。 【効果】 測定時間が短く、また正確な測定結果が得ら
れる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、免疫反応を利用して検体中の特定物質を検出する免疫測定法(イム ノアッセイ)に用いられる免疫測定器具、特に水平に設置して測定を行う免疫測 定器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫測定法は、血液や尿のような検体中の特定物質(抗原、抗体等)の存在を 検出し、または定量するものであり、妊娠の判定や、各種疾病の診断等に広く利 用されている。
【0003】 このような免疫測定法の一つに、アフィニティークロマトグラフィーがある。 このアフィニティークロマトグラフィーに関する技術は、例えば、特開昭60− 133368号公報、同61−142463号公報、同62−169054号公 報、同62−169055号公報、同63−25551号公報、同63−255 53号公報、同64−32169号公報等に記載されており、その概略は、次の 通りである。
【0004】 例えば、サンドイッチ法により、女性の尿中の絨毛性性腺刺激ホルモン(hC G)を検出する場合、吸水性を有する帯状の支持体の所定部(検出部)にhCG の認識部位αと特異的に結合する抗hCG抗体Aを固定し、支持体の一端部に、 尿にhCGの他の認識部位βと特異的に結合する標識化された抗hCG抗体Bを 添加した尿サンプルを供給する。
【0005】 尿中にhCGが存在する場合には、このhCGと標識付抗hCG抗体Bとの複 合体が形成される。この複合体を含む尿サンプルは、毛細管現象により支持体上 を移動し、抗hCG抗体Aと接触して、抗hCG抗体A−hCG−抗hCG抗体 B−標識の複合体が形成される。標識が、例えば、有色の微粒子である場合には 、支持体が着色され、その色濃度を目視または光学的測定により調べることによ り、尿中のhCGの存在が検出され、妊娠と判定される。
【0006】 尿中にhCGが存在しない場合には、複合体は形成されず、従って、標識によ る着色はなされない。
【0007】 ところで、このようなアフィニティークロマトグラフィーにおいて、支持体へ の検体(尿サンプル)の供給は、支持体を鉛直にし、その下端を検体に浸漬する ことにより行われ、支持体上での検体の展開は、毛細管現象により検体を吸い上 げ、上方へ移動することによりなされていた。
【0008】 しかしながら、支持体の構成材料の特性によっては、液体浸透性が低く、十分 な毛管流が得られず、よって、検体の支持体上での移動速度(展開速度)が遅く 、測定時間が長くかかるという欠点がある。
【0009】 場合によっては、検体の供給量が不足し、これが原因で、標識化抗体の離脱や 移送が不完全であったり、検出部での呈色(着色)が不十分または不均一となっ たりし、正確な測定結果が得られないということもある。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、測定時間が短く、また、正確な測定結果が得らる免疫測定器 具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(3)の本考案により達成される。
【0012】 (1) 検体中の特定物質と特異的に結合しうる物質を担持した検出部を有する 吸水性の支持体と、検体を採取・保持し、前記支持体へ供給する検体供給部材と を接合してなる免疫測定器具であって、 前記検体供給部材は、前記支持体を水平に設置したとき、その先端が前記支持 体の設置面より上方に位置するように設置されていることを特徴とする免疫測定 器具。
【0013】 (2) 前記検体供給部材は、前記支持体に対し傾斜して設置されている上記( 1)に記載の免疫測定器具。
【0014】 (3) 前記支持体は帯状をなすものであり、前記検体供給部材の幅は、前記支 持体の幅より大きい上記(1)または(2)に記載の免疫測定器具。
【0015】
【考案の構成】
以下、本考案の免疫測定器具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説 明する。
【0016】 図1は、本考案の免疫測定器具の構成例を示す斜視図、図2は、図1に示す免 疫測定器具の断面側面図である。これらの図に示すように、免疫測定器具1Aは 、吸水性を有する帯状のクロマトグラフ媒体である支持体2を有する。この支持 体2の所定部位には、測定すべき検体中の特定物質(以下、目的物質という)を 検出する検出部4と、標識物を供給する標識物担持部5とが設けられている。こ れらを図1中斜線を施して示す。
【0017】 検出部4には、目的物質と特異的に結合しうる第1物質が担持されている。例 えば、目的物質が抗原またはハプテンである場合には、第1物質は抗体である。 この抗体としては、免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA、IgD、IgE )が好ましい。この抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、または それらの混合物のいずれでもよい。
【0018】 また、逆に、目的物質が抗体である場合には、第1物質は抗原またはハプテン である。
【0019】 このような第1物質が固定化されている領域(以下、第1物質固定領域という )の輪郭形状(検出部4の形状)は特に限定されず、図示のごとき帯状、線状の 他、矩形、三角形、楕円形、円形、あるいは特定のキャラクター形状等いかなる ものでもよい。
【0020】 第1物質固定領域の面積は特に限定されないが、通常、0.001〜1cm2 程 度、特に、0.01〜0.2cm2 程度とするのが好ましい。
【0021】 第1物質の検出部4への担持量は特に限定されないが、通常、0.05〜20 0μg 程度、特に、0.5〜10μg 程度とするのが好ましい。
【0022】 このような第1物質の検出部4への担持方法は、例えば、第1物質を含む液体 を、検出部4に含浸・乾燥(風乾、凍結乾燥等)するか、または検出部4に直接 スプレー・乾燥すること等により行なう。
【0023】 標識物担持部5には、以下のような標識物が担持されている。この標識物は、 免疫測定器具1Aが、サンドイッチ法および競合法のいずれにより測定するもの かにより異る。
【0024】 サンドイッチ法によるものである場合、標識物は、前記第1物質と結合する認 識部位とは異る認識部位にて目的物質と特異的に結合しうる第2物質に標識を付 与したものである。
【0025】 例えば、目的物質が抗原またはハプテンである場合には、第2物質は抗体であ る。この抗体としては、免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA、IgD、I gE)が好ましい。この抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ま たはそれらの混合物のいずれでもよい。
【0026】 また、逆に、目的物質が抗体である場合には、第2物質は抗原またはハプテン である。
【0027】 一方、競合法によるものである場合、標識物は、目的物質と競合して前記第1 物質に特異的に結合しうる第3物質に標識を付与したものである。
【0028】 例えば、目的物質が抗原またはハプテンである場合には、第3物質は、目的物 質と同様のまたは類似する抗原またはハプテンである。また、目的物質が抗体で ある場合には、第3物質は、目的物質と同様のまたは類似する抗体である。
【0029】 標識としては、支持体2の色と異る色の微粒子(本明細書では、有色の微粒子 という)、酵素、放射性物質、蛍光物質等が挙げられるが、測定を簡易に行なえ るという点で、有色の微粒子が好ましく、以下これで代表する。
【0030】 この有色の微粒子としては、コロイド粒子が好適に用いられる。コロイド粒子 としては、金属粒子、非金属粒子のいずれでもよい。
【0031】 コロイド状金属粒子としては、純粋な金属または金属化合物からなるものに限 らず、金属または金属化合物をポリマー核にコーティングしたものでもよい。こ のような金属としては、プラチナ、金、銀等が挙げられ、金属化合物としては、 硝酸銀、ヨウ化銀、臭化銀、水酸化銀、酸化鉄、水酸化鉄、水和酸化鉄、水酸化 アルムニウム、水和酸化アルムニウム、水酸化クロム、水和酸化クロム、硫酸銅 、硫酸水銀、硫酸バリウム、二酸化チタン、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩 化パラジウム、塩化白金酸等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、 コロイド状金である。
【0032】 コロイド状非金属粒子としては、例えば、ポリスチレン(ポリスチレンラテッ クス)、セファロース、セルロース、セファデックス、色素重合体等のポリマー よりなるものや、セレン、テルル、硫黄等の粒子が挙げられる。
【0033】 このような有色の微粒子の平均粒径は、0.1〜100nm程度、特に、10〜 30nm程度が好ましい。
【0034】 このような有色の微粒子の支持体2上での色は、微粒子の種類および粒径に依 存して異る。例えば、コロイド状金の場合、橙色〜赤〜青にわたる色を生じる。
【0035】 第2物質または第3物質と、標識との結合は、本考案の技術分野において一般 に知られた方法により行なえばよい。
【0036】 このような標識物が担持される領域(以下、標識物担持領域という)の輪郭形 状(標識物担持部5の形状)は特に限定されず、図示のごとき帯状の他、線状、 矩形、三角形、楕円形、円形、あるいは特定のキャラクター形状等いかなるもの でもよい。また、標識物担持領域は、支持体2の長手方向および/または幅方向 に2以上に分割されていてもよい。
【0037】 標識物担持領域の面積は特に限定されないが、サンドイッチ法、競合法共に、 通常、合計面積0.05〜5cm2 程度、特に、0.1〜3cm2 程度とするのが好 ましい。
【0038】 また、標識物の標識物担持部5への担持量は特に限定されないが、サンドイッ チ法、競合法共に、通常、1〜100μl 程度、特に、5〜20μl 程度とする のが好ましい。
【0039】 このような標識物の標識物担持部5への担持方法は、例えば、標識物を含む液 体を、標識物担持部5に含浸・乾燥(風乾、凍結乾燥等)するか、または標識物 担持部5に直接スプレー・乾燥すること等により行なう。
【0040】 なお、免疫測定器具1Aにおいて、検出部4と標識物担持部5との平均離間距 離は、5〜70mm程度、特に、10〜50mm程度とするのが好ましい。
【0041】 支持体2の構成材料としては、繊維質、または例えば、発泡体、ハニカム構造 体等の多孔質材料や微細顆粒状薄層のような非繊維質のものが挙げられるが、繊 維質のもの、特に、繊維の織物、編物または不織布であるのが好ましい。
【0042】 支持体2が織物の場合、その織り方は、例えば、平織、斜文織、朱子織等、い かなるものでもよい。
【0043】 支持体2が編物の場合、その編み方は、例えば、よこ編(平編)、たて編(ト リコット編)、丸編、平打ち、メリヤス編等、いかなるものでもよい。
【0044】 なお、支持体2が織物、編物の場合、その織り方、編み方は、規則性のあるも のが好ましく、支持体2が不織布の場合、繊維の配設密度(気孔率)が均一なも のが好ましい。これにより、検体の移動が均一になされ、検出部4における色ム ラが防止され、測定精度が向上する。
【0045】 繊維質の支持体2における繊維としては、レーヨン、キュプラ、ポリエステル (PET、PBT等)、ポリプロピレン、ナイロン、テトロン、アセテート、ビ ニロン、アクリル等の化学繊維、綿、絹、亜麻、大麻、ラミー、羊毛等の天然繊 維、またはこれらのうちの2種以上を組合せたものを用いることができるが、そ のなかでも、レーヨン、キュプラ、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、 テトロン、またはこれらのうちの2種以上を組合せたものが好ましい。これらの 繊維を用いた場合には、標識物担持部5からの標識物の離脱(放出)が円滑にな され、測定感度の向上および測定時間の短縮を図ることができる。
【0046】 なお、2種以上の繊維を組合せたものとしては、2種以上の繊維の混紡、2種 の繊維をそれぞれ縦糸と横糸としたもの、2種以上の素材を組み合せた分割糸等 が挙げられ、その比率も特に限定されない。
【0047】 また、繊維の径は特に限定されないが、0.1〜100μm 程度、特に、2〜 30μm 程度とするのが好ましい。
【0048】 なお、支持体2は、図示のような1層構成のものに限らず、同一または異る構 成のものを2層以上積層したものでもよい。
【0049】 また、支持体2には親水化処理を施す(例えば、所定の透水率調整剤を付与す る)こともできる。この場合、透水率調整剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナ トリウム、デオキシコール酸ナトリウム、トリトンX100、ツィーン20、ツ ィーン80、スパン20、スパン80等の界面活性剤、ポリエリレングリコール 、ゼラチンや牛血清アルブミン等のタンパク質、ポリビニルアルコール、ポリビ ニルピロリドン等が挙げられる。
【0050】 支持体2のAMMI規格における透水率(以下、単に透水率という)は、差圧 300mmHgのとき、0.01〜20 l/min・cm2程度あるのが好ましい。このよう な透水率とすることにより、支持体2上での検体の展開速度を速くし、また、検 出部4において色ムラ等が生じるのを防止することができる。
【0051】 支持体2の寸法は特に限定されないが、支持体2の長さは、10〜150mm程 度、特に、30〜120mm程度が好ましく、幅は、3〜25mm程度、特に、5〜 15mm程度が好ましく、厚さは、0.01〜1mm程度、特に、0.05〜0.5 mm程度が好ましい。
【0052】 また、支持体2の色は、無彩色、特に、白色またはこれに近似した色が好まし いが、その他の色でもよい。
【0053】 このような支持体2は、ケース7(図1中では点線で示す)内に収納され、保 護されている。
【0054】 このケース7には、検出部4に対応する位置に開口または透明体よりなる窓8 が形成されている。この窓8にて検出部4の呈色状態を観察または測定する。
【0055】 ケースの構成材料としては、検体等に対し、不活性なものが好ましく、例えば 、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、PET、P BTのようなポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、A BS樹脂等の各種樹脂、各種ガラス、アルミナ、シリカ等のセラミックス、ある いはステンレス、アルミニウム等の金属等が挙げられる。
【0056】 このようなケースは、支持体2を保護する役割を有するとともに、免疫測定器 具1Aを把持し、操作する際に、操作性や衛生の面で都合が良く、また、測定に 際し、免疫測定器具1Aを載置するのにも適している。
【0057】 なお、本考案では、このようなケース7に代わり、支持体2の裏面に板上の保 持部材を接着してもよく、また、支持体2自体が十分な剛性を有するものであれ ば、このような保持部材を設けなくてもよい。
【0058】 支持体2の標識物担持部5側の端部3には、検体を採取・保持し、支持体2へ 供給する検体供給部材6の基端部が接合されている。
【0059】 この検体供給部材6は、支持体2を水平に設置したとき、その先端60が支持 体2の水平な設置面9より上方に位置するように設置されている。
【0060】 すなわち、図2に示すように、検体供給部材6は、支持体2に対し、所定角度 傾斜して設置されている。
【0061】 このような構成とすることにより、検体供給部材6に保持されている検体は、 毛細管現象に加え、重力の作用により下方へ流下するため、この流速が速くなり 、支持体2の端部3への検体の供給が促進され、測定時間の短縮が図れる。
【0062】 検体供給部材6の傾斜角度(検体供給部材6と支持体2の設置面9とのなす角 度)θは、1〜70°程度、特に10〜60°程度とするのが好ましい。傾斜角 度θが1°未満では、検体供給部材6内での検体の流下速度が十分に増加せず、 また、傾斜角度θが70°を越えると、検体の流下速度が速過ぎ、支持体2での 展開速度を上回るため、検体供給部材6と支持体2との接合部に過剰な検体が滞 留してしまうからである。
【0063】 検体供給部材6の構成材料としては、吸水性を有するものであればいかなるも のでもよく、前記支持体2の構成材料と同様のものが挙げられるが、特に、繊維 質または非繊維質の多孔質材料が好ましい。
【0064】 この多孔質材料としては、例えば、濾紙等の紙類、前述したような織物、編み 物、不織布、PVA架橋物の発泡体、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発 泡ポリプロピレンのような発泡ポリオレフィン等の発泡体、素焼等の多孔質セラ ミックス、前記繊維よりなるメッシュの積層体、ガラス繊維や炭素、金属等の繊 維の積層体が挙げられる。
【0065】 このような多孔質材料のうち、それ自体親水性に乏しいものは、前記と同様の 親水化処理を施すことにより使用可能となる。
【0066】 検体供給部材6の透水率は、特に限定されないが、前記支持体2の透水率と同 等かまたはそれより大きい値とするのが好ましい。
【0067】 検体供給部材6の寸法は特に限定されないが、検体供給部材の長さは20〜1 00mm程度、特に30〜70mm程度が好ましく、厚さは、0.5〜20mm程度、 特に3〜10mm程度が好ましい。また、検体供給部材6の幅は、図1および図2 に示す構成例では、前記支持体2の幅と同程度とされる。
【0068】 なお、支持体2の端部3と検体供給部材6との接合は、両者が単に接触または 押圧接触している場合の他、接着または融着等により両者間に結合力を持たせた 状態としてもよい。
【0069】 次に、免疫測定器具1Aを用いた免疫測定方法を、サンドイッチ法および競合 法により、それぞれ、尿中の絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を検出する場合 について説明する。
【0070】 1)サンドイッチ法 支持体2の検出部4には、第1物質として、hCGの認識部位αと特異的に結 合する抗hCG抗体Xが固定化されており、標識物担持部5には、hCGの他の 認識部位βと特異的に結合する標識付抗体Yが担持されている。
【0071】 ケース7を把持し、検体、すなわち、測定対象である尿またはこれを含む尿サ ンプル(以下、尿サンプルという)を検体供給部材6に直接かけるか、または尿 サンプル中に検体供給部材6を浸漬すると、尿サンプルは検体供給部材6内に浸 透して保持される。
【0072】 次に、支持体2が水平となるように免疫測定器具1Aを置くと、検体供給部材 6が水平な設置面9に対し角度θで傾斜するので、毛細管現象および重力の作用 により、尿サンプルは下方へ流下する。
【0073】 この流下した尿サンプルは、支持体2の端部3に供給され、支持体2の毛細管 現象により支持体上を水平方向に移動(展開)し、まず標識物担持部5に到達す る。尿中にhCGが存在する場合には、標識物担持部5において、尿サンプル中 のhCGと標識付抗体Yとの複合体が形成される。
【0074】 さらに、尿サンプルは、支持体2上を検出部4の方へ移動するが、このとき、 形成されたhCG−標識付抗体Yの複合体は、標識物担持部5から離脱し、尿サ ンプルの移動に伴って移動する。
【0075】 尿サンプルが検出部4に到達すると、この複合体は、検出部4に固定化された 抗hCG抗体Xと接触して反応し、抗hCG抗体X−hCG−標識付抗体Yの複 合体が形成され、固定される。
【0076】 標識が、例えば、有色の微粒子である場合には、検出部4が着色され、その色 濃度を窓8から目視観察または光学的測定により調べることにより、尿中のhC Gの存在が検出または定量化される。
【0077】 尿中にhCGが存在しない場合には、複合体は形成されず、従って、検出部4 の標識による着色はなされない。
【0078】 2)競合法 支持体2の検出部4には、第1物質として、hCGと特異的に結合する抗hC G抗体Xが固定化されており、標識物担持部5には、hCGと競合して前記抗h CG抗体Xと特異的に結合する標識付hCG様物質Zが担持されている。
【0079】 前記サンドイッチ法と同様にして尿サンプルを検体供給部材6に供給すると、 同様に尿サンプルは端部3に供給され、さらに支持体2の毛細管現象により支持 体2上を水平方向に移動(展開)し、まず標識物担持部5に到達し、さらに、支 持体2の検出部4の方へ移動する。尿サンプルが標識物担持部5を通過する際、 標識付hCG様物質Zは、標識物担持部5から離脱し、尿サンプルの移動に伴っ て移動する。
【0080】 尿中にhCGが存在する場合、尿サンプルが検出部4に到達すると、検出部4 においては、hCGと標識付hCG様物質Zとが競合して抗hCG抗体Xと結合 し、抗hCG抗体X−hCGおよび抗hCG抗体X−標識付hCG様物質Zが所 定の比率で形成され、固定される。
【0081】 標識が、例えば、有色の微粒子である場合には、検出部4が着色されるが、そ の色濃度は、尿中のhCG量が少ないほど濃くなる。よって、その色濃度を窓8 から目視観察または光学的測定により調べることにより、尿中のhCGの存在が 検出または定量化される。
【0082】 尿中にhCGが存在しない場合には、検出部4に抗hCG抗体X−標識付hC G様物質Zによる複合体のみが形成され、従って、検出部4は、最も濃い色濃度 に着色される。
【0083】 このような測定においては、検体供給部材6が傾斜しているため、重力の作用 により尿サンプルの流下速度が速くなり、支持体2の端部3への検体の供給が迅 速になされ、また、その供給量も十分に確保される。
【0084】 さらに、支持体2は水平に設置されているので、尿サンプルの移動(展開)に 際し、従来のように支持体2を鉛直に設置する場合のように、重力によるマイナ スの影響を受けず、尿サンプルの支持体2上での移動速度が速くなる。特に、支 持体2の透水率を前記のような値とすることにより、十分な毛管流が得られ、尿 サンプルの支持体2上での移動速度が速くなるとともに、標識物の標識物担持部 5からの離脱やその後の移動が十分になされ、検出部4において均一な呈色が得 られる。
【0085】 以上のことから、測定時間の大幅な短縮および測定精度の向上が可能となる。 図3は、本考案の免疫測定器具の他の構成例を示す斜視図である。同図に示す免 疫測定器具1Bは、検体供給部材6の形状が前記免疫測定器具1Aと異なってお り、それ以外は同様である。
【0086】 即ち、免疫測定器具1Bにおける検体供給部材6の幅は、支持体2の幅より大 きくなっている。これにより、尿のような検体を検体供給部に直接かける場合に 、その操作が容易かつ確実となる。
【0087】 しかも、検体供給部材6が保持する検体の蓄積量が増すので、検体が高速で流 下する状態をより長時間維持することができ、よって、測定時間の更なる短縮が 図れるとともに、支持体2への検体の供給量が十分に確保されるため、均一な反 応が得られ、呈色ムラ等もなくなるため、測定精度が向上する。
【0088】 この場合、検体供給部材6の幅は、支持体2の幅の105〜300%程度、特 に150〜200%程度とするのが好ましく、具体的には、4〜45mm程度、特 に6〜30mm程度とするのが好ましい。
【0089】 なお、同様の目的で、検体供給部材6の厚さを厚くしてもよい。この場合、検 体供給部材6の厚さは、前述した厚さの105〜300%程度、特に150〜2 00%程度とするのが好ましく、具体的には、0.75〜40mm程度、特に4〜 12mm程度とするのが好ましい。
【0090】 さらに、検体供給部材6の幅および厚さの双方を増大させてもよい。
【0091】 図4は、本考案の免疫測定器具のさらに他の構成例を示す断面側面図である。 同図に示す免疫測定器具1Cは、検体供給部材6の形状が前記免疫測定器具1A と異なっている。
【0092】 即ち、免疫測定器具1Cにおける検体供給部材6は、支持体2を水平に設置し たとき、その先端60が支持体2の設置面9より上方に位置するように湾曲して いるものである。
【0093】 このような形状の検体供給部材6においても、前記免疫測定器具1Aと同様に 、検体の流下速度を速くし、支持体2の端部3への検体の供給を促進することが できる。
【0094】 なお、検体供給部材6の湾曲形状は特に限定されず、例えば、円弧状、楕円状 、放物線状、双曲線状、またはこれらの2以上の組み合せ、あるいはその他任意 の曲線が可能であり、さらには、直線部分と上記のような湾曲部とを組み合わせ たものでもよい。
【0095】 このような全部または一部が湾曲した検体供給部材6においても、前記と同様 、傾斜角度θの平均は1〜70°程度、特に10〜60°程度とするのが好まし い。
【0096】 以上、本考案の免疫測定器具を図示の構成例について説明したが、本考案はこ れらに限定されるものではない。
【0097】 本考案の考案測定器具は、免疫測定の分野において広範に用いられ、上記尿中 のhCGの検出(妊娠の判定)の他、例えば、尿中のアルブミン、グロブリン、 LH等の各種尿中成分、または、血液や血漿中のホルモン、薬物等の血中に存在 する各種成分の検出等にも適用することができる。
【0098】
【実施例】
以下、本考案の免疫測定器具の具体的実施例について説明する。
【0099】 (実施例1) 図1および図2に示す構成の免疫測定器具を製造した。各条件は、次のとおり である。
【0100】支持体 ナイロン/テトロン混紡の編み物(厚さ0.3mm)を幅12mm×長さ120mm に裁断し、これを支持体とした。
【0101】 この支持体の透水率を測定したところ、AMMI規格における透水率が、差圧 300mmHgのとき、4.2 l/min・cm2であった。
【0102】ケース 前記支持体をポリエチレン製のケースに収納した。このケースには、直径8mm の窓が形成されている。
【0103】検体供給部材 幅12mm×長さ60mm×厚さ4mmの発泡ポリオレフィンよりなる検体供給部材 を前記支持体の端部3に接合(押圧接触)した。この、検体供給部材の支持体と 接合した側の端部を斜めにカットし、傾斜角度θが30°となるように設置した 。
【0104】第1物質の固定化 支持体の端部3から20mmの位置に検出部を設定し、この検出部に、第1物質 として、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)と特異的に結合する抗hCG抗 体(ウサギ由来IgG)を、次の方法により固定化した。
【0105】 抗hCG抗体の濃度を10mg/ml に調整した液を、極細のニードルにより一定 速度で送出し、支持体2上を幅方向に一定速度で移送することにより検出部に抗 hCG抗体を固定化した。
【0106】 抗hCG抗体を固定化した領域の形状は、細線形であり、その面積は、0.0 5cm2 とした。また、抗hCG抗体の担持量は、1μg であった。
【0107】標識物の固定化 支持体の端部3から10mmの位置に標識物担持部を設定し、この標識物担持部 に標識物を担持した。
【0108】 標識物は、文献 G.Frens, Nature Physical Science vol.241,1990(1) P20-22 に記載された方法により調整した平均粒径20nmのコロイド状金(標識)に、前 記hCGと結合する認識部位とは異る認識部位にて前記hCGと特異的に結合す る抗hCG抗体(マウス由来IgG)を物理的に吸着させたものである。その作 製方法は、次の通りである。
【0109】 まず、pH8.0のリン酸緩衝液(3mM)中に上記免疫グロブリンを溶解し、こ れに上記コロイド状金の懸濁液を加え、4℃で24時間攪拌し、免疫グロブリン をコロイド状金に物理的に吸着させた。次いで、この標識物を遠心分離により回 収し、pH7.0のリン酸緩衝液(20mM)に再懸濁し、1%牛血清アルブミンを 加えて標識物懸濁液を調整した。
【0110】 このようにして調整した標識物懸濁液5μl (吸光度530nmで60(セル長 1cm)を示すような量)を標識物担持部に滴下して含浸させ、これを室温で30 分間乾燥して標識物を担持させた。
【0111】 標識物を担持した領域の形状は、四角形とし、その面積は、0.5cm2 とした 。
【0112】 次に、下記のような検体の調整を行ない、この検体に対し、上記免疫測定器具 を用いて、サンドイッチ法により免疫測定を行なった。
【0113】検体の調整 ヒト尿に対し、hCGが200mU/ml となるように調整した尿サンプルを作製 した。
【0114】測定方法 前記尿サンプル2mlを検体供給部材に含浸させた後、支持体を水平となるよう に免疫測定器具を載置し、この状態で、尿サンプルが支持体の端部に移行した瞬 間からの経過時間と、支持体上での尿サンプルの検出部方向への移動距離とを測 定した。その結果を図5のグラフに示す。
【0115】 (実施例2) 検体供給部の傾斜角度θを60°とした以外は実施例1と同様の免疫測定器具 を製造し、同様の測定方法で測定を行った。その結果を図5のグラフに示す。
【0116】 (実施例3) 検体供給部材の形状を図3に示す形状とし、その寸法を幅40mm×長さ60mm ×厚さ6mmとし、さらに傾斜角度θを60°とした以外は実施例1と同様の免疫 測定器具を製造し、同様の測定方法で測定を行った。その結果を図5のグラフに 示す。
【0117】 (比較例) 支持体と検体供給部材とが同一平面上に位置する(θ=0)ように接合した以 外は実施例1と同様の免疫測定器具を製造した。この免疫測定器具を検体供給部 材が下になるように鉛直に保持し、検体供給部材を尿サンプルに浸漬し、尿サン プルが支持体の端部に移行した瞬間からの経過時間と、支持体上での尿サンプル の検出部方向(上方向)への移動距離とを測定した。その結果を図5のグラフに 示す。
【0118】 図5のグラフに示すように、本考案の実施例1〜3は、いずれも、比較例に比 べ尿サンプルの支持体上での移動速度(展開速度)が速く、従って、測定時間が 短縮されることがわかる。
【0119】 また、実施例1〜3における各免疫測定器具の検出部を観察したところ、均一 に呈色しており、呈色ムラはなかった。
【0120】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の免疫測定器具によれば、支持体に十分な量の検体 を迅速に供給することができるので、測定時間の短縮および測定精度の向上を図 ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の免疫測定器具の構成例を示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示す免疫測定器具の断面側面図である。
【図3】本考案の免疫測定器具の他の構成例を示す斜視
図である。
【図4】本考案の免疫測定器具の他の構成例を示す断面
側面図である。
【図5】実施例における尿サンプルの支持体上での移動
距離の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1A、1B、1C 免疫測定器具 2 支持体 3 端部 4 検出部 5 標識物担持部 6 検体供給部材 60 先端 7 ケース 8 窓 9 設置面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山本 茂博 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)考案者 宮本 郁夫 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の特定物質と特異的に結合しうる
    物質を担持した検出部を有する吸水性の支持体と、検体
    を採取・保持し、前記支持体へ供給する検体供給部材と
    を接合してなる免疫測定器具であって、前記検体供給部
    材は、前記支持体を水平に設置したとき、その先端が前
    記支持体の設置面より上方に位置するように設置されて
    いることを特徴とする免疫測定器具。
  2. 【請求項2】 前記検体供給部材は、前記支持体に対し
    傾斜して設置されている請求項1に記載の免疫測定器
    具。
  3. 【請求項3】 前記支持体は帯状をなすものであり、前
    記検体供給部材の幅は、前記支持体の幅より大きい請求
    項1または2に記載の免疫測定器具。
JP4910591U 1991-05-30 1991-05-30 免疫測定器具 Pending JPH04134069U (ja)

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