JPH04130839U - 印刷シリンダー - Google Patents

印刷シリンダー

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JPH04130839U
JPH04130839U JP3643291U JP3643291U JPH04130839U JP H04130839 U JPH04130839 U JP H04130839U JP 3643291 U JP3643291 U JP 3643291U JP 3643291 U JP3643291 U JP 3643291U JP H04130839 U JPH04130839 U JP H04130839U
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JP
Japan
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plating
printing cylinder
corrosion resistance
electroless plating
adhesion
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Withdrawn
Application number
JP3643291U
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English (en)
Inventor
昭夫 出羽
隆 木村
Original Assignee
三菱重工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性および密着性に優れた均一なメツキ層
をその表面に有し、メツキ後の再研磨やギヤツプ部など
の手仕上げ加工を不用とする印刷シリンダーを意図す
る。 【構成】 表面にPの含有率が10〜14%のNi−P
無電解メツキを施し、150°C以上270°C以下の
加熱処理をして形成したNi−P非晶質層2を有するこ
とを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、版胴またはブランケツト胴などの印刷シリンダーに適用される高耐 食の薄膜コーテイング処理を施工した印刷シリンダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の輪転機または枚葉機に用いられている版胴またはブランケツト胴などの 印刷シリンダーは、印刷インキや湿し水、洗浄駅など、種々の腐食性環境にさら されるため、一般には母材である炭素鋼に、耐食性の表面処理を施したものが使 用されている。この表面処理としては、耐食性、耐摩耗性、光沢、平滑性などか ら硬質クロムメツキが適用されることが多く、そのため表面に硬質クロムメツキ 層を有する印刷シリンダーが数多く使用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の硬質クロムメツキを施した印刷シリンダーは、耐食性、耐摩耗性、光沢 、平滑性などにおいて優れた特徴を有するが、メツキ施工に起因する製作コスト の上昇という大きな欠点を有する。すなわち、印刷シリンダーの表面に均一な被 膜を得るためには、メツキ前の前処理としてシリンダーを研磨加工する必要があ り、またクロムメツキ層に特有のミクロクラツクが存在しているため、耐食性の 面を考慮してかなりの膜厚が必要となる。そのため、メツキ層の厚さのバラツキ を考慮し、100μmの膜厚を得ようとすると、130μm以上の膜厚にメツキ した後再度研磨加工により寸法調整を行う必要が生ずる。
【0004】 この研磨加工に際しては、硬質クロムメツキ層の硬さは、ビツカース硬度で測 定して700〜900あり、この研磨に要する時間がコストアツプの要因の一つ となる。また、硬質クロムメツキは電気メツキであるから、図5および図6に示 すように、版たまはブランケツトを固定させるための空洞部であるギヤツプ部3 のケガキ線部4などの複雑な形状部では、その隅角部の硬質クロムメツキ層5の 膜厚は厚くなり、均一な膜厚に施工できない。
【0005】 そのため、メツキ後に、手作業により研磨加工を行い膜厚の厚い部分のメツキ 層5を除去する膜厚修正作業が必要となり、特別な技量が要求されるという問題 点があった。図中6は研磨加工により除去すべきメツキ除去層を示し、7は研磨 加工後の硬質クロムメツキ層を示す。 本考案はこれら従来の問題点に鑑み提案するもので、その目的とするところは 、耐食性および密着性に優れた均一な薄膜を有し、しかもメツキ後の再研磨やギ ヤツプ部などの手仕上げ加工を不用とする印刷シリンダーを提供しようとする点 にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案の印刷シリンダーは、表面にPの含有率 を調整して非晶質にするNi−P無電解メツキを施し、150°C以上270° C以下の加熱処理して形成したNi−P非晶質メツキ層を有することを特徴とす る。
【0007】
【作用】
本考案の印刷シリンダーは、Ni−P無電解メツキのPの含有率を調整して安 定な非晶質にしたNi−P無電解メツキ浴に浸してその表面にメツキを施した後 、150°C〜270°Cに加熱して被膜の密着性を向上させる。加熱による密 着性の向上のメカニズムは明らかでないが、加熱により無電解メツキ時に侵入し た水素の放出、すなわち脱水素によるミクロ的な遅れ破壊の防止効果をもたらし ているものと考えられる。この場合、150°C以下では脱水素の効果は認めら れないし、また300°C以上に加熱するとNi3 Pを生成して結晶化するため メツキ層は硬化するが耐食性は劣化してくるため270°C以下が望ましい。こ のように、高耐食、高密度性の薄膜を複雑な形状を有する印刷シリンダーにコー テイング後の修正研磨加工が省略できる状態で形成できる。
【0008】
【実施例】
本考案の印刷シリンダーを図1ないし図4に示す。図1は側面図で、炭素鋼製 (S43C)のシリンダー本体1を研磨加工後に、その外表面に厚さ30μmの Ni−P〔88−12%〕の無電解メツキ2を実施した後、230°C×6hr の加熱処理をしたものである。この無電解メツキは硫酸ニツケル(25g/l) 、次亜リン酸ナトリウム(30g/l)、ブリコール酸(30g/l)を主成分 とした90°C〜95°Cのメツキ浴に縦吊りし、6〜8μ/hrでコーテイン グした。コーテイング後に印刷シリンダー本体1を切断し、その平行部、ギヤツ プ部3、ケガキ線部4の各断面を光学顕微鏡により観察したところ、いずれも非 接合やクラツク、ボイドなどは認められず、膜厚も30±3μmであって、きわ めて均一にコーテイングされていることが分った。
【0009】 図3に印刷シリンダー本体1のギヤツプ部3の断面図を示し、図4に印刷シリ ンダー本体1のケガキ線部4の断面図を示す。このギヤツプ部3およびケガキ線 部4のように特殊な形状をしている角隅部や内面のつきまわりも均一なメツキ層 が形成され、従来の硬質クロムの電気メツキのように、メツキ後に修正加工をす る必要は全くなかった。なお、無電解メツキの施工条件である膜の組成、膜厚、 加熱温度、加熱時間は予め平板試験片により、その耐食性、密着性を考慮して選 定したものである。
【0010】 図7に従来の硬質クロムメツキ(100μm)と本考案のNi−P〔88−1 2%〕無電解メツキ(30μm)をコーテイングした試験片による耐食性の比較 テスト結果を示す。図7の図表はそれぞれの試験片を、HCl、HNO3 、H2 SO4 、および湿し水A、湿し水Bに1日2回ずつ浸漬して比較したもので、湿 し水AはNa3 PO4 :(NH4 3 PO4 :Mg3 (PO4 2 =2:1:1 の割合で混合した腐蝕液であり、また、湿し水BはNaNO3 :NH4 NO3 : Mg(NO3 2 =1:1:1の割合で混合した腐蝕液を示す。
【0011】 この結果、H2 SO4 、HNO3 、湿し水Aの中ではNi−P無電解メツキの 方が優れ、塩化物イオンCl- の中では硬質クロム電気メツキの方が優れている 。また、HClおよび湿し水B中では、いずれも双方同等の耐食性を有すること が分かる。従って、腐蝕環境によって両者を使い分ける必要があるが、印刷シリ ンダーのおかれている腐蝕環境(湿し水Aまたは湿し水B)中では、Ni−P〔 88−12%〕無電解メツキ30μmは、硬質クロム電気メツキ100μmと同 等であるか、それ以上の耐食性を有することが分かる。
【0012】 図8にNi−P無電解メツキ30μmの被膜中のPの含有率と、湿し水A中で の耐食性の関係を示す。図8の図表からPが10%以上になると耐食性が上昇し てくることが分かる。なお、Pが14%以上になると健全な被膜が得られにくく なることと、再現性が悪いことから除外した。 図9にNi−P〔88−12%〕無電解メツキ30μmのメツキ後の加熱時間 と密着性、耐食性およびX線回析による結晶構造分析を示す。図9の図表におけ る密着性の評価は、切断および圧痕テストの総合評価により良、不良に分類した ものである。この結果、Ni−P〔88−12%〕無電解メツキしたままのもの 、および硬質クロム電気メツキのものは密着性において難点があり(硬質クロム メツキはミクロクラツクが存在するため圧痕テストによりクラツクが拡大されて くる)、無電解メツキのものは150°C以上に加熱すると密着性が大幅に向上 することが分かる。この理由は明らかでないが、メツキ中に侵入した水素が加熱 により除去される、いわゆる脱水素によるミクロ的な遅れ破壊の防止効果による ものと思われる。
【0013】 一方、耐食性は250°C×5hrまでの加熱では、いずれも良好であるが、 300°C×2hr熱処理すると著しく低下する。これはX線回析による構造分 析結果からも分かるように、300°Cで結晶化していることによるものと思わ れる。以上により、Ni−P無電解メツキのPを10〜14%とし、150°C 〜270°Cのベーキングをすることにより、印刷シリンダーに使用する環境の 耐食性、密着性において従来の硬質クムロ電気メツキ以上のコーテイング膜が得 られることが分かる。
【0014】
【考案の効果】
本考案によれば、印刷シリンダーの表面に、Pの含有率を調整して非結晶にす るNi−P無電解メツキを施工し、150°C以上270°C以下に加熱処理す ることにより耐食性に優れ、密着性の良好な均一の薄膜を形成させる。その結果 、メツキ後の再研磨加工が不用となり、特にギヤツプ部やケガキ線部の手仕上げ 加工が不用となることから、印刷シリンダーの製作コストの低減、製作工期の大 幅な短縮を図ることが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る印刷シリンダーの側面図である。
【図2】本考案に係る印刷シリンダーの側面図である。
【図3】本考案の印刷シリンダーのギヤツプ部の断面図
である。
【図4】本考案の印刷シリンダーのケガキ線部の断面図
である。
【図5】従来の印刷シリンダーのギヤツプ部のメツキ後
の加工処理を説明するための断面図である。
【図6】従来の印刷シリンダーのケガキ線部のメツキ後
の加工処理を説明するための断面図である。
【図7】本考案のものと従来のものとの発請状態の比較
図表である。
【図8】Pの含有率の変化による発請状態の変化を示す
図表である。
【図9】本考案の印刷シリンダーの熱処理による密着
性、耐食性および結晶構造に関する図表である。
【符号の説明】
1 シリンダー本体 2 無電解メツキ層 3 ギヤツプ部 4 ケガキ線部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にPの含有率を調整して非晶質にす
    るNi−P無電解メツキを施し、150°C以上270
    °C以下の加熱処理して形成したNi−P非晶質メツキ
    層を有することを特徴とする印刷シリンダー。
JP3643291U 1991-05-22 1991-05-22 印刷シリンダー Withdrawn JPH04130839U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3643291U JPH04130839U (ja) 1991-05-22 1991-05-22 印刷シリンダー

Applications Claiming Priority (1)

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JP3643291U JPH04130839U (ja) 1991-05-22 1991-05-22 印刷シリンダー

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JPH04130839U true JPH04130839U (ja) 1992-12-01

Family

ID=31918380

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JP3643291U Withdrawn JPH04130839U (ja) 1991-05-22 1991-05-22 印刷シリンダー

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