JPH0412972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、股下領域の対向側に伸縮弾性部材を
取り付けたフラツプの一部が内側へ折曲し、脚回
りからの排泄物の漏れを有効に防止するととも
に、通気防水性を有するように構成した使い捨て
おむつに関する。

〔従来の技術〕

従来、使い捨ておむつにおいて、対向側にこれ
らの間の中央部分よりも高可撓性のフラツプを形
成してその外側に伸縮弾性部材を取り付け、前記
フラツプを内側へ折り返してこの折り返し部分の
各端を固定することにより、対向側にポケツト
（袋）部分を形成したものが知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記公知のおむつは、前記ポケツト部分の形成
によつて着用者の股下ないし脚回りからの排泄物
の漏れを防止することを意図したものである。し
かし、前記ポケツト部分は吸収性コアの対向側か
ら外側へ延出する表裏面シート部分であるフラツ
プによつて形成してあつて通気性を有しない。こ
のフラツプに通気性を付与しようとすれば、前記
裏面シートの素材として通気性を有するものを使
用する必要があるが、そのように前記裏面シート
の全体にわたつて通気性素材を使用することはコ
スト高になる。かりにコスト高にならない通気性
素材を使用することができるとしても、前記フラ
ツプを前記裏面シートの一部によつて形成する
と、前記フラツプの通気性を前記コアが位置する
前記裏面シートの通気性よりも高くなるように構
成することができない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の主たる目的は、前記問題点を比較的簡
単な手段によつて解決することができる使い捨て
おむつを提供することにある。

前記目的を達成するための本考案は、図示する
ように、透水性表面シート１と、不透水性裏面シ
ート２と、該表裏面シート１，２の間に介在され
た吸収性コア３と、該コア３の外周縁から外側へ
延出させたフラツプ４，５とを含む使い捨ておむ
つを前提とする。

前記前提において、前記コア３を背側領域１０
に偏位させることで該背側領域１０における前記
フラツプ５の延出長さよりも前側領域９における
前記フラツプ５の延出長さを大きくし、一側縁に
伸縮弾性部材７を取り付けた通気防水性を有する
第２のフラツプ６の他側縁と前側領域９と背側領
域１０とを前記フラツプ４に固定して股下領域８
の対向側にポケツト部分１５を形成し、該ポケツ
ト部分１５の外側縁に凹欠部分１１を形成してあ
る。

〔実施例〕

さらに、本考案を図示の実施例に基づいて説明
すると、以下のとおりである。

第１図、第２図に示すように、透水性表面シー
ト１と、不透水性裏面シート２とを適宜大きさの
方形にそれらの原反シートから切断して形成して
ある。表裏面シート１，２の間には、これらより
も輪郭を小さく長方形に形成した吸収性コア３を
該コアの外周縁から該表裏面シート部分を外側へ
延出してフラツプ４，５を形成するように介在さ
せてある。この場合、少なくとも表裏面シート
１，２が相会する外周領域と、該表裏面シートと
コア３とが接する領域とにおいては、例えば、ス
トライプ状に塗布したホツトメルト粘着剤で接合
される。

一方、通気防水性シートで形成した細幅のフラ
ツプ６の一側縁６ａに伸縮弾性部材７を取り付け
て該一側縁を内側へ折り返し、その折り返し部分
をホツトメルト接着剤または溶着手段で接合して
ある。かくして形成したフラツプ６を伸縮弾性部
材７が内側に位置するようにフラツプ４の上面に
重ね合わせるとともに、フラツプ４，５の外側縁
と対向端（縦方向両端）とをホツトメルト接着剤
または溶着手段で接合してある。

第３図に示すように股下領域８におけるフラツ
プ４，５の外側部分を刳つて凹欠部分１１を形成
してある。さらに、前側領域９における外端に沿
つて中央部位を内側へ弧状に刳つて凹欠部分１２
を形成し、かつ、背側領域１０における外端に沿
う中央であつて凹欠部分１２と対向する部位を外
側へ弧状に延出するように凹欠部分１２と同形同
大の凸出部分１３を形成してある。さらに、各領
域８，９，１０の隅角外縁を曲線で形成してあ
る。この場合、表裏面シート１，２の素材を無駄
なく使用するためには、該表裏面シートをそれら
の原反シートから切断してうるときに、凹欠部分
１２と凸出部分１３とが形成されるようにしても
よい。ちなみに、凹欠部分１１は適合性をよくす
るため、凹欠部分１２はおむつが新生児の臍に当
るのを避けるため、かつ、凸出部分１３は背側領
域の中央部位から排泄物が漏れるのを防止するた
め、それぞれ設けてある。また、一部を除いてお
むつの外縁を曲線で形成してあるのは外観と着用
性をよくするためである。背側領域１０の対向側
には粘着テープ１４を外側へ延出させて取り付け
てある。

表面シート１は多孔性不織布、多孔性プラスチ
ツクフイルムなどから、また裏面シート２はプラ
スチツクフイルム、これと不織布とのラミネート
などから、それぞれ作られる。コア３は綿状パル
プ、これと高吸収性ポリマー粒子との混合物など
から作られる。フラツプ６は不織布にシリコン樹
脂などの撥水剤で処理したものなどで作られる。

コア３は、偏位させることで背側領域１０にお
けるフラツプ５の延出長さよりも前側領域９にお
けるフラツプ５の延出長さを大きくしてある。図
示例では、長方形に形成してあるが、場合によつ
ては、前記前背側領域９，１０を股下領域８より
も幅広く、いわゆる砂時計に形成してあつてもよ
い。

かくして形成したおむつは、第４図〜第６図に
示すような形態になる。すなわち、股下領域８に
おけるフラツプ６によつてポケツト部分１５が形
成される。

〔考案の効果〕

上述のような構成を有する本考案のおむつによ
れば、ポケツト部分を形成する第２のフラツプ６
が通気性を有するから、第２のフラツプ６を通じ
ておむつの内外部が通気しおむつの内部に蒸れが
生ずることがないことはもちろん、第２のフラツ
プ６は表裏面シート１，２の一部で形成されるフ
ラツプ４と別部材であるから、たとえ裏面シート
２に通気防水性素材を使用する場合でも、第２の
フラツプ６として裏面シート２よりも通気性の高
い素材を使用して前記蒸れを一層効果的に防止す
ることができる。

また、吸収体３を背側領域１０に偏位させてあ
るから、乳児や寝たきり病人・老人に多く見られ
るように仰むけに寝た場合でも背側領域１０から
の排泄液の漏れを防止することができる。しか
も、おむつを着用したとき前側領域９が着用者の
腹部に位置するが、背側領域１０におけるフラツ
プ５の延出長さよりも前側領域９におけるフラツ
プ５の延出長さを大きくしてあるから、着用者が
腹部の隆出する乳児である場合でも、吸収体３が
腹部に位置してこの部位がさらに不体裁に隆出し
たり、そのため乳児の運動を妨げるようなことも
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案おむつの一実施例を示すもので、
第１図および第２図はおむつの形成過程の展開平
面図、第３図は完成状態の展開平面図、第４図は
第３図Ｘ−Ｘ線断面図、第５図は第３図Ｙ−Ｙ線
断面図、第６図は第３図Ｚ−Ｚ線断面図である。 １……表面シート、２……裏面シート、３……
コア、５，６……フラツプ、８……股下領域、９
……前側領域、１０……背側領域、１２……ポケ
ツト部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透水性表面シート１と、不透水性裏面シート２
   と、該表裏面シート１，２の間に介在させた吸収
   性コア３と、該コア３の外周縁から外側へ延出さ
   せたフラツプ４，５とを含む使い捨ておむつにお
   いて、前記コア３を背側領域１０に偏位させるこ
   とで該背側領域１０における前記フラツプ５の延
   出長さよりも前側領域９における前記フラツプ５
   の延出長さを大きくし、一側縁に伸縮弾性部材７
   を取り付けた通気防水性を有する第２のフラツプ
   ６の他側縁と前側領域９と背側領域１０とを前記
   フラツプ４に固定して股下領域８の対向側にポケ
   ツト部分１５を形成し、該ポケツト部分１５の外
   側縁に凹欠部分１１を形成してあることを特徴と
   する前記おむつ。