JPH0412774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、モータを駆動するためにアマチユア
に電流を供給するためにブラシを保持するブラシ
保持装置に関する。

（従来の技術） 従来のブラシ保持装置の内、たとえばフラツト
モータに組込まれたブラシ保持装置は、第４，５
図に示すように構成されている。

このブラシ保持装置１は、マグネツト２の磁束
を切つて回転するようにアマチユア３に電流を供
給する一対のブラシ４を、それぞれブラシホルダ
５内に摺動可能に保持してある。このブラシホル
ダ５は、第５図に示すように、ブラシホルダサポ
ート６に形成された近接する一対のブラシホルダ
嵌挿穴８内にそれぞれ嵌挿される。

このようなブラシ保持装置１におけるブラシホ
ルダ５は、その支持を強固にするため、最近で
は、第５図に示すように、ホルダ５の下端に接着
剤Ｓを塗布して、ブラシホルダサポート６のブラ
シホルダ嵌挿穴８内に嵌挿している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この接着剤Ｓの塗布作業は、デ
イスペンサあるいは刷毛等を用いて行なうが、こ
の場合接着剤Ｓを塗布すべき範囲が狭く、接着剤
Ｓの塗布量とか、塗布した後のブラシホルダ５を
ブラシホルダサポート６内に挿入するまでの待機
時間等を十分考慮しなければならず、さらに前記
塗布作業は塗布用具を把持した作業となるので、
この塗布作業の自由がきかず、複雑な作業となつ
ている。

そこで、このような不都合を解決するために、
第６図に示すように、ブラシホルダサポート６に
形成された近接する一対のブラシホルダ嵌挿穴８
の開口縁部周囲に、接着剤Ｓを充填させるための
環状溝１０を形成し、ここに接着剤Ｓを充填して
ブラシホルダ５とブラシホルダサポート６とを固
着するようにしたブラシ保持装置が最近提案され
ている。

このようなブラシ保持装置あつては、ブラシホ
ルダ５をブラシホルダサポート６に形成されたブ
ラシホルダ嵌挿穴８に嵌挿した後に、環状溝１０
に接着剤Ｓを充填するだけで、固着作業が終了
し、その作業が著しく簡略化される。

しかしながら、このようなブラシ保持装置にあ
つては、近接する一対のブラシホルダ嵌挿穴８に
おける開口部周囲に環状溝１０を形成するため、
これら両環状溝１０が連通し、ここに接着剤Ｓが
充填されるため、この接着剤Ｓが固化する際に、
縮み変形を引起こし、第６図破線で示すように、
ブラシホルダ５，５をブラシホルダサポート６に
対して略直角位置から傾かせる虞れがあつた。

このように、ブラシホルダ５，５が傾くと、こ
こに収容されるブラシ４（第４図参照）が傾き、
このブラシ４がアマチユア３に対して傾いた状態
で摺接し、接触不良や騒音等を引起す虞れがあ
り、好ましくなかつた。

本考案は、このような不都合を解消するために
なされたもので、ブラシホルダをブラシホルダサ
ポートに容易かつ強固に固着することが可能であ
ると共に、ブラシホルダのブラシホルダサポート
に対する略直角性を保持し得るブラシホルダサポ
ートを提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） かかる目的を達成するために、本考案は、マグ
ネツト２の磁束を切つて回転するようにアマチユ
ア３に電流を供給する一対のブラシ４を、一対の
ブラシホルダ５内にそれぞれ摺動可能に保持し、
これらブラシホルダ５をブラシホルダサポート６
に形成された近接する一対のブラシホルダ嵌挿穴
８内にそれぞれ接着剤Ｓにより固着するようにし
たブラシ保持装置において、前記ブラシホルダサ
ポート６に形成された近接する一対のブラシホル
ダ嵌挿穴８におけるそれぞれの開口縁部周囲に、
前記ブラシホルダ５とブラシホルダサポート６と
の接着を行う接着剤Ｓを充填するための一対の環
状溝２１を形成すると共に、両環状溝２１間に、
一方の環状溝２１内に充填された接着剤が他方の
環状溝２１に流入するのを防止する遮蔽板部２２
を前記ブラシホルダサポート６と一体成形したこ
とを特徴とする。

（作用） このような手段を採用した本考案に係るブラシ
保持装置にあつては、ブラシホルダをブラシホル
ダサポートに形成されたブラシホルダ嵌挿穴内に
嵌挿した後、それぞれの環状溝内に接着剤を充填
するだけで、ブラシホルダとブラシホルダサポー
トとの固着作業が容易に終了する。また、それぞ
れの嵌挿穴における開口縁部周囲に形成した環状
溝を、遮蔽板部により仕切つているため、それぞ
れの環状溝内に充填される接着剤が固化するに際
しても、ブラシホルダのブラシホルダサポートに
対する略直角性を崩すことはなくなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について、図面を参照に
して説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すブラシ保持装
置の分解斜視図、第２図は組立状態における第１
図に示す−線に沿う断面図、第３図は本考案
の他の実施例を示す第２図と同様な断面図であ
り、第４〜７図に示す部材と共通する部材には同
一符号を付してある。

第１，２図に示すブラシ保持装置２０は、第４
図に示すフラツトモータにおけるアマチユア３に
電流を供給するブラシ４を進退移動自在に保持す
るためのもので、ブラシ４を保持するためのブラ
シホルダ５が弾性材料より成るブラシホルダサポ
ート６に固着されるようになつている。このブラ
シ保持装置２０は、第４図に示すブラシ保持装置
１と同様に、モータケーシング７に取付保持され
る。

第１，２図に図示しない一対のブラシがそれぞ
れ進退移動自在に収容される一対のブラシホルダ
５は、ブラシホルダサポート６に近接して形成さ
れた一対のブラシホルダ嵌挿穴８内に嵌挿され
る。これらブラシホルダ嵌挿穴８の開口縁部周囲
には、それぞれ環状溝２１，２１が形成してあ
る。しかも、これら環状溝２１，２１の間には、
近接する一対の両環状溝２１，２１が連通しない
ように、遮蔽板部２２がブラシホルダサポート６
と一体に突出成形してある。

したがつて、ブラシホルダ５を各ブラシホルダ
嵌挿穴８内に嵌入した後、各環状溝２１，２１に
チユーブ２３から接着剤Ｓを充填しても、一方の
環状溝２１内に充填してある接着剤Ｓが他方の環
状溝２１内へ流入することはなくなる。

このようなブラシ保持装置２０によれば、ブラ
シホルダ５をブラシホルダサポート６に形成され
たブラシホルダ嵌挿穴８内に嵌挿した後、それぞ
れの環状溝２１内に接着剤Ｓを充填するだけで、
ブラシホルダ５とブラシホルダサポート６との固
着作業が容易に終了する。また、それぞれの嵌挿
穴８における開口縁部周囲に形成した環状溝２１
を、遮蔽板部２２により仕切つているため、それ
ぞれの環状溝２１内に充填される接着剤が固化す
るに際しても、ブラシホルダ５のブラシホルダサ
ポート６に対する略直角性を崩すことはなくな
る。

なお、本考案は、上述した実施例に限定される
ものではなく、種々に改変することが可能であ
る。

例えば、第３図に示すように、環状溝２１の下
部に接着剤喰い付き用のアンダーカツト部２３を
形成するようにしても良い。この実施例の場合に
は、ブラシホルダ５のブラシホルダサポート６に
対する固着がより一層確実となる。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案によれば、ブ
ラシホルダをブラシホルダサポートに容易かつ強
固に固着することが可能なり、その作業性が大幅
に向上するという効果を奏する。また、ブラシホ
ルダのブラシホルダサポートに対する略直角性が
保持され、ブラシの接触不良や騒音等の原因を除
去できるため、モータ性能の向上にも寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブラシ保持装
置の分解斜視図、第２は組立状態における第１図
に示す−線に沿う断面図、第３図は本考案の
他の実施例を示す第２図と同様な断面図、第４図
は一般的なフラツトモータの要部断面図、第５図
は従来例を示すブラシ保持装置の分解斜視図、第
６図は最近提案されているブラシ保持装置の断面
図である。 ３……アマチユア、４……ブラシ、５……ブラ
シホルダ、６……ブラシホルダサポート、８……
ブラシホルダ嵌挿穴、２０……ブラシ保持装置、
２１……環状溝、２２……遮蔽板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マグネツト２の磁束を切つて回転するようにア
   マチユア３に電流を供給する一対のブラシ４を、
   一対のブラシホルダ５内にそれぞれ摺動可能に保
   持し、これらブラシホルダ５をブラシホルダサポ
   ート６に形成された近接する一対のブラシホルダ
   嵌挿穴８内にそれぞれ接着剤Ｓにより固着するよ
   うにしたブラシ保持装置において、前記ブラシホ
   ルダサポート６に形成された近接する一対のブラ
   シホルダ嵌挿穴８におけるそれぞれの開口縁部周
   囲に、前記ブラシホルダ５とブラシホルダサポー
   ト６との接着を行う接着剤Ｓを充填するための一
   対の環状溝２１を形成すると共に、両環状溝２１
   間に、一方の環状溝２１内に充填された接着剤が
   他方の環状溝２１に流入するのを防止する遮蔽板
   部２２を前記ブラシホルダサポート６と一体成形
   したことを特徴とするブラシ保持装置。