JPH04126731A - 表面の複合改質方法及び表面改質された材料 - Google Patents

表面の複合改質方法及び表面改質された材料

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JPH04126731A
JPH04126731A JP24721390A JP24721390A JPH04126731A JP H04126731 A JPH04126731 A JP H04126731A JP 24721390 A JP24721390 A JP 24721390A JP 24721390 A JP24721390 A JP 24721390A JP H04126731 A JPH04126731 A JP H04126731A
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JP
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sputtering
surface modification
graft polymerization
vacuum
plasma
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JP24721390A
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English (en)
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Masato Onishi
誠人 大西
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表面の複合改質方法および表面改質された材
料に関するものである。詳しく述べると、本発明は各種
の機能材料、特に医用材料の作製に用いられる表面の複
合改質方法および表面改質された材料に関するものであ
る。
(従来の技術) 血液などの体液あるいは組織と長期間にわたって接する
医用材料は、抗菌性、耐薬品性、生体適合性、機械的強
度等の種々の機能を有していることか要求されている。
しかしながら、複数の機能を十分に発揮する医用材料は
未だ得られていない。
ところで、材料を活用して種々の機能を発揮させようと
する場合に、その表面状態か影響する場合か少なくない
。このため、各種の素材よりなる材料の表面を改質し、
種々の用途に利用しようとする試みが従来より数多く行
われている。さらに、この表面改質法の進歩は、近年、
電子材料や機能性材料の開発に伴って、著しい。例えば
、真空プロセス内で一般によく行われる表面改質方法と
しては、高分子表面の温性向上やプラズマ窒化・プラズ
マ酸化などのプラズマ表面改質法、プラズマ中でモノマ
ーを重合させて重合物を沈着させるプラズマ重合法、真
空中で材料を加熱蒸発させ、蒸発粒子を材料上に沈着さ
せる真空蒸着法、イオン化ガス・放電プラズマを利用し
たスパッタリング法、蒸発粒子をイオン化して、電界に
より加速してから基板に付着させるイオンブレーティン
グ法、熱・プラズマ・光などを利用し、原料ガスより気
相または基板表面での化学反応により薄膜を形成させる
CVD(Chemical  VaporDespos
 it 1on)法などが知られている(成書、例えば
、材料のプロセス技術[東京大学8板金、材料テクノロ
ジー9]参照)。
また、例えは、プラズマ重合による表面改質を用いた医
用材料への応用例が記載されている先行技術として、特
開平1−270,872号(米国特許第4,844.9
86号)が挙げられる。これは、シリコーン類のプラズ
マ重合物を材料表面に形成させた後、シリコーンオイル
をコーティングすることにより、カテーテルなどの医療
用器具に表面潤滑性を付与する方法に関する特許(出願
)である。しかし、上記特許は、プラズマを前処理とし
て利用してはいるが、ドライプロセスであるプラズマ真
空プロセスを積極的に利用・開発して、より高付加価値
な表面を作製する複合改質方法については何ら記載され
ていない。
また、従来の真空プロセスで行われているスパッタリン
グなどの表面改質法は、金属等の無機物を利用した処理
が主であり、プラズマ存在下でかつ高温下で行われてい
るため、分子構造を保った状態で有機物質を材料表面に
沈着させて高い機能を発現させることか困難であった。
また、従来、高分子材料において、スパッタリング処理
を行う際のプラズマ(イオン、電子、紫外線)が材料表
面に与える影響は大きく、特に厚さの薄い材料では強度
低下や経時的変化がしばしば問題となっていた。
また、特に血液などの体液あるいは組織と長期間にわた
って接触する医用材料においては、従来、生体材料側と
の界面が微生物の温床となることが多いため、抗菌性を
有しかつ生体適合性の良好な医用材料か望まれているが
、高分子材料の表面改質にプラズマを利用した場合、高
分子鎖に生成されたラジカルか処理後も残留し、分子鎖
の切断・劣化が経時的に進行し、これにより材料の物性
低下や分解物の溶出が問題となることかしばしば発生す
るという問題がある。
一方、表面改質方法の他の方法として、グラフト重合が
あげられる。このグラフト重合法は、通常、溶液状態(
液相)で、γ線や紫外線あるいはラジカル生成剤を用い
て行われる方法であり、スパッタリングによる方法では
不可能である有機物質を表面沈着させることが可能であ
る。しかし、従来のグラフト重合では、逆に金属原子や
部分分解物を沈着させることができないため、目的とす
る処理効果が限られたものになってしまう欠点があった
また、従来のグラフト重合法は、真空プロセスで行われ
ることはあまり知られていないが、本発明者らは、プラ
ズマを利用した真空プロセスでのグラフト重合法(特開
昭62−262.705号)を開発・提唱した。しかし
、上記方法は、基材への高分子ラジカル(重合開始点)
の生成方法に特徴かなく、処理効果もグラフト重合の域
を出ないものであった。
このため、金属等の無機物、部分分解物および有機物質
を材料表面に沈着させ、多機能を持つ材料を得るために
は、スパッタリングとグラフト重合の両処理を行わなけ
ればならないか、上記両処理を行うことは、2つのプロ
セスを必要とし、手間かかかり操作性が悪(なる上に、
スパッタリングされた物質と大気との接触による酸化や
グラフトの前処理としてのプラズマ照射による表面劣化
の恐れがあるといった問題が発生していた。
(発明か解決しようとする課題) 従って、本発明は新規な表面の複合改質方法および表面
改質された材料を提供することを目的とするものである
。本発明はまた、スパッタリングとグラフト重合という
全く異なる2種の表面改質プロセスを一体化して操作性
を著しく向上させ、従来にない新規な表面を作製する表
面の複合改質方法および表面改質された材料を提供する
ことを目的とする。本発明はまた、スパッタリングによ
る材料の品質低下を解決する表面の複合改質方法−およ
び表面改質された材料を提供することを目的とする。本
発明はまた、医用材料において、抗菌性をHし、長期に
渡って安定した生体適合性および物性を保つ表面の複合
改質方法および表面改質された材料を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、真空プロセスで行われる材料の表面改質
法において、スパッタリングによりターゲット物質を沈
着させる工程と、イオン化ガス非存在下で不飽和結合を
分子内に有する単量体を接触させて表面グラフト重合を
行う工程とか、一連の真空プロセスで行われることを特
徴とする表面の複合改質方法によって達成される。
本発明はまた、真空プロセスで行われる医療用器具の表
面改質法において、抗菌性を有する無機物をスパッタリ
ンクにより材料表面に沈着させる工程と、不飽和単量体
によりグラフト鎖を材料表面に形成させる工程および/
または単量体によりプラズマ重合層を表面に形成させる
工程が、一連の真空プロセスで行われることを特徴とす
る表面の複合改質方法によっても達成される。
本発明はまた、材料が高分子材料であることを表面の複
合改質方法を示すものである。
本発明はさらに、真空プロセスで行われる高分子材料の
表面改質法において、プラズマ中でスパッタリングによ
りターゲット物質を沈着させると同時に、高分子材料表
面にグラフト重合可能な重合開始点を生成させ−た後、
不飽和結合を分子内に有する単量体を気相で供給して表
面グラフト重合せしめる表面の複合改質方法によっても
達成される。
上記諸目的は、さらに、上記記載のいずれかの方法で作
られた表面改質された材料によって達成される。
(作用) 本発明に係わる表面の複合改質方法は、真空プロセスで
行われる材料の表面改質法であって、スパッタリングに
よりターゲット物質を沈着させる工程と、イオン化ガス
非存在下で不飽和結合を分子内に有する単量体を接触さ
せて表面グラフト重合を行う工程とが、一連の真空プロ
セスで行われることを特徴とするものであるから、スパ
ッタリングによる沈着物とクラフト重合によるグラフト
鎖の少なくとも2種の化合物による機能性付与や表面設
計が可能となり、多機能性を有する新規な材料を提供す
ることかでき、さらに、上記2工程を一連の真空プロセ
スで行うため、基材を真空状態に減圧する操作を最初に
1回行うだけで2つの処理が可能となるため、手間が省
け、操作性が向上する。
また、スパッタリング工程とグラフト重合工程は一連の
真空プロセスで行うため、上記2工程は空気と接するこ
とがないので、スパッタリング処理された物質が酸化さ
れたり、スパッタリング時に基材上に生成したラジカル
が酸素と結合してパーオキシドラジカルに変換されてグ
ラフト重合が阻害されることがなくなる。パーオキシド
ラジカルは、室温で安定であるため、−皮形成されると
重合を阻害することになる。また、スパッタリングによ
り基材に生成したラジカルが、不飽和結合を分子内に有
する単量体ガスを接触させてグラフト重合させることに
より消失するので、パーオキシドラジカルに起因する高
分子の分子鎖切断や劣化が抑制され、特に、厚さの薄い
材料を用いる際には、分子切断による強度劣化が顕著に
抑制される。これより、スパッタリング処理の後にグラ
フト重合されたグラフト鎖により強度を補うことも可能
である。
また、本発明によると、抗菌性を有する無機物、例えば
銀原子を含む化合物をスパッタリングすることと、生体
適合性を有するグラフト鎖、例えばポリメトキシエチル
アクリレートを表面に形成させた医用材料を得ることが
可能である。従って、本発明の複合改質方法を用いるこ
とによって、抗菌性と生体適合性の2種類の機能を一連
のプロセスで容易に付与することかできる。
さらに、本発明の表面の複合方法により作製された材料
は、2種類以上の機能を持つ複合機能性材料として、高
い付加価値を有することができるものである。
以下、本発明の実施態様に基づき、より詳細に説明する
本発明中で使用される「一連のプロセス」とは、減圧下
で行われる真空プロセスが、大気圧に戻すことなく、連
続して行われるブ0セスであり、特に限定されないが、
例えば、液体を用いないドライプロセスか好ましい。こ
の場合、表面改質される材料の材質、形状あるいはプロ
セスの順序は特に限定されないが、例えば、材料の材質
はポリプロピレン等の高分子材料か好ましく、また、プ
ロセスの順序はスパッタリング後にグラフト重合を行う
ことが好ましい。
また、「スパッタリング」とは、イオンをターゲットに
照射させ、ターゲット表面の原子、分子を蒸発させ、材
料上に沈着させる方法であり、−般に薄膜作製プロセス
としてよく使用されている。
スパッタリングの方式としては、種々の方式(RF、D
C、マグネトロン、反応性スパッタ、バイアススパッタ
、ゲッタスパッタ等)があり、それにともない各種装置
か開発されているが、特に方法は限定されない。
また、「イオン化ガス非存在下」とは、プラスマ非存在
下であり、スパッタリンク′か行われていない状態を意
味する。
また、「不飽和結合を分子内に有する単量体」とは、分
子内に不飽和結合を有する単量体であればよく、例えは
、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチ
ルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル
アクリレート等のアクリレート、メチルメタクリレート
、エチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレー
ト、エトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート等のメタクリレート、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタ
クリルアミド、アクリロニトリル、メタクリレートリル
、スチレン、ビニルトルエン等の単量体を挙げることが
できる。
「表面グラフト重合」とは、材料上に生成したラジカル
を重合開始点として単量体をグラフト重合させることで
ある。グラフト重合方法としては、化学グラフト化法、
放電グラフト化法、カップリング剤による結合法、単量
体からの高分子化法等の種々の方法があるか、特に限定
されず、結合させようとする高分子の種類に応じて選択
するこが好ましいが、例えば、基材となる材料に低温プ
ラズマを照射した後、ガス状で供給される単量体と接触
させてグラフト重合を行う方法(特開昭62−262,
705号)が特に望ましい。
「基材表面に沈着させるターゲット物質」としては、有
機物、無機物のいずれでもよいが、基材が無機物の場合
は、グラフト重合可能な開始点(ラジカル)を生成しや
すい有機物よりなる沈着層をスパッタリングにより形成
させることが好ましい。基材自体が、ポリプロピレンの
ように重合開始点を生成しやすい物質より構成されてい
れば問題ないが、そうでない場合は、グラフト重合可能
な開始点(ラジカル)を生成しやすい沈着層をスパッタ
リング等により形成させることが望ましい。
「医療用器具」とは、病気や傷害の治療、予防などに使
用される器具若しくは器具を構成する材料であって、特
に限定されないが、安全性や衛生面において優れていな
ければならない。具体的には、人工骨や人工臓器などの
生体内埋込材料であるとか、カテーテルや尿バック、分
離膜等の医療器具、創傷被覆などに用いられる治療用材
料などがある。
「抗菌性を有する無機物」としては、特に限定されない
が、例えば、銀などの一般的によく知られた抗菌性金属
を含む無機物が好適に用いられる。
また、本発明は、材料が高分子材料であると、従来技術
の有した問題点をより改善し、効果を発現しやすくなり
、好ましい。この際、「高分子材料」とは、一定の規則
性を有する単量体が重合し、高分子化することによって
形成されている材料であり、強度、物性等が分子量に依
存しているため、分子量の低下により著しく性状が劣化
してしまう材料をいう。一般的には、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル等の汎用ポリマーが挙げられる。
(実施例) 以下、本発明の実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1 ポリプロピレン製多孔質膜(厚さ80μm1孔径0.4
5μm)を、リアクター内に設置し、膜の上部(上面)
を銀のカソード側とし、下部をアノード側として、RF
スパッタリング(アルゴンガス、8X10−3Torr
)を40Wで、10秒間行った。次いで、空気と接触さ
せることなく、lXl0−’Torr以下にまで減圧し
た後、メトキシエチルアクリレート(MEA)ガスを供
給し、0.8Torrの圧力条件下で、グラフト重合を
  □5分間行った。未反応のMEAガスを減圧除去し
た後、大気圧に戻してシートを取り出して、表面改質さ
れたシートを得た。
このようにして得られたシートは、メタノールを溶媒と
してソックスレー抽出器にて24時間洗浄された後、以
下の試験に供された。
フィルム上面に存在する銀原子を、ESCA(e(ec
tron 5pectroscopy for che
mical analysis)(日本電子銖製、JP
S−90SX)を用いて確認したところ、銀原子が表面
組成の約6%を占めていた。
さらに、エシェリキアコリとスタフィロコッカスアウレ
ウス(Staphylococcusaureus)を
指標菌として、シェークフラスコ法にて上記フィルムの
抗菌性を評価したところ、抗菌性が確認された。
メトキシエチルアクリレートがグラフト重合されている
ことを、フーリエ変換赤外分光器−ATR(FT−IR
−ATR)(DIGILAB製FTS40)を用いて確
認した。
さらに、上記シートをラットの皮下及び腹腔内に埋太し
、2.4.8週間留置し、フィルムとの生体適合性を観
察したところ、フィルム表面への異物細胞による攻撃は
ほとんど観察されず、これより、上記フィルムは優れた
生体適合性を示していた。また、上記フィルムの雑菌に
よる汚染も観察されなかった。
比較例1 実施例1と同様のポリプロピレン製多孔質膜(膜厚80
μm、孔径0.45μm) へMEAガスによるグラフ
ト重合を行い、前記膜について、実施例1と同様の方法
を用いて、抗菌性を評価したところ、抗菌性は認められ
なかった。
実施例2 単量体をMEAガスに代えてN、N−ジメチルアクリル
アミドを使用した以外は、実施例1と同様の方法を用い
て、表面グラフト重合されたポリオレフィンシート(ポ
リプロプレンとα−オレフィン混合物)及びポリオレフ
ィンチューブを得た。
このようにして得られたシート及びチューブよりなる尿
バック及び導尿カテーテルについて、実施例1と同様に
して抗菌性試験を行ったところ、未処理のものと比べて
各々顕著な抗菌性が認められた。
また、表面にはハイドロゲルを形成するポリN。
N−ジメチルアクリルアミドが形成されているので、カ
テーテルの潤滑性にも優れており、一連の真空プロセス
により容易に抗菌性と潤滑性を有する医用材料を作製す
ることが可能となった。
比較例2 実施例1と同様の一多孔質膜に銀スパッタリング処理の
みを施した後、60°Cに加熱したオーブンで1か月間
保存して経時的劣化試験を行った。すなわち、上記処理
を施した多孔質膜について、破断強度をストログラフ(
東洋精機練製)を用いて調べたところ、実施例1の多孔
質膜はほとんど強度劣化を示さなかった(3%低下)が
、スパッタリング処理のみを行った膜は顕著に強度を低
下させていた(20%低下)。
これより、グラフト重合は材料の強度劣化を抑制するこ
とが示された。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の表面の複合改質方法は、真
空プロセスで行われる材料の表面改質法において、スパ
ッタリングによりターゲット物質を沈着させる工程と、
イオン化ガス非存在下で不飽和結合を分子内に有する単
量体を接触させて表面グラフト重合を行う工程とが、一
連の真空プロセスで行われることを特徴とするものであ
るから、スパッタリング及びグラフト重合を連続して真
空下で行うことができ、スパッタリングとグラフト重合
という全く異なる表面処理技術を一体化させることが可
能となり、少なくとも2種類の異なった機能を有する物
質を保持させることができるものとなる。また、上記2
種類の表面処理技術による生成物は大きく異なっている
ため、両技術を一体化することによって、スパッタリン
グによる抗菌性、防臭性、導電性、耐磨耗性、触媒活性
などの付与及びグラフト重合による親水性、生体適合性
、タンパク非吸着性などの付与による多機能を有する材
料を提供することができ、広範な表面設計が可能となっ
た。
また、全く異なる表面改質技術を真空下で一本化したこ
とにより、大気圧から真空への減圧操作が最初の1回で
よくなり、2種の表面処理を効率よく行うことができる
ようになった。特に材料に多孔質体を用いる場合、表面
積が大きく放出ガス量も多いことから、減圧操作の削減
は大きなメリットとなる。
また、スパッタリング工程とグラフト工程は一連の真空
プロセスで行われ、スパッタリング処理は空気と接する
ことがないため、スパッタリングによるラジカル生成に
よる基材の物性低下が抑制され、従来は実用困難であっ
た多孔質膜などにもスパッタリング処理を施せるように
なった。
従って、本発明の表面の複合改質方法により得られた表
面改質された材料は、人工骨や人工臓器などの生体内埋
入材料、カテーテルや尿バック、分離膜等の医療器具、
創傷被覆をはじめとした各種医療用器具として広い用途
に適用することが可能となるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)真空プロセスで行われる材料の表面改質法におい
    て、スパッタリングによりターゲット物質を沈着させる
    工程と、イオン化ガス非存在下で不飽和結合を分子内に
    有する単量体を接触させて表面グラフト重合を行う工程
    とが、一連の真空プロセスで行われることを特徴とする
    表面の複合改質方法。
  2. (2)真空プロセスで行われる医療用器具の表面改質法
    において、抗菌性を有する無機物をスパッタリングによ
    り材料表面に沈着させる工程と、不飽和単量体によりグ
    ラフト鎖を材料表面に形成させる工程および/または単
    量体によりプラズマ重合層を表面に形成させる工程が、
    一連の真空プロセスで行われることを特徴とする表面の
    複合改質方法。
  3. (3)材料が高分子材料であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の表面の複合改質方法。
  4. (4)真空プロセスで行われる高分子材料の表面改質法
    において、プラズマ中でスパッタリングによりターゲッ
    ト物質を沈着させると同時に、高分子材料表面にグラフ
    ト重合可能な重合開始点を生成させた後、不飽和結合を
    分子内に有する単量体を気相で供給して表面グラフト重
    合せしめる表面の複合改質方法。
  5. (5)請求項1〜4のいずれかに記載の方法で作られた
    表面改質された材料。
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