JPH04120940U - フオトクロミツクフイルタを備えたカメラ - Google Patents
フオトクロミツクフイルタを備えたカメラInfo
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Landscapes
- Blocking Light For Cameras (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】NDフィルタを使用せず、固定絞りレンズ装着
カメラの露出制御をすることである。 【構成】撮影光路中にフォトクロミックフィルタを配置
した。 【効果】フィルタの着脱の手間が省ける。
カメラの露出制御をすることである。 【構成】撮影光路中にフォトクロミックフィルタを配置
した。 【効果】フィルタの着脱の手間が省ける。
Description
【0001】
本考案はフォトクロミックフィルタを備えたをカメラに関する。
【0002】
露出の制御は絞り及びシャッタスピードによって行われる。被写界からの光量
が多い場合、絞りを絞るか、又はシャッタスピードを速くするかの何れか一方又
は両方が行われる。しかしながら絞り及びシャッタスピードの両方とも限界があ
り、例えば、シャッタスピードは市販のカメラでは8000分の1が最高のスピ
ードである。又、反射型の望遠レンズを備えた一眼レフカメラは、絞りを有しな
い。更に、使い捨てカメラのような簡易なカメラでは、絞りとシャッタスピード
は、所定値に固定されている。従って、光量が多い場合、露出過剰な白っぽい写
真がとれてしまう。
そのため、光量が異常に多い場合、反射型の望遠レンズを備えた一眼レフカメ
ラでは、従来、NDフィルタをレンズの前に取付けることが行われていた。
【0003】
しかしながら、NDフィルタは、光量が異常に多い場合以外、つまり露出が適
当な場合は不要であり、これを外さなければならず、撮影の都度光量に応じてN
Dフィルタの取付け又取り外しが必要であった。
このことは非常に面倒であり、問題点となっていた。
【0004】
本考案は、簡単に言えば、NDフィルタに代えてフォトクロミックフィルタを
用いる点に特徴があり、カメラの撮影光路中にフォトクロミックフィルタを配置
した。
【0005】
【作用】
「フォトクロミック」とは、物質に光(紫外線を含む)が照射されたとき、そ
の物質が着色又は変色し、光の照射が止むと、直ちに又はしばらくして元に戻る
可逆的な性質を意味する形容詞である。実用化されたフォトクロミック物品とし
ては、調光サングラスがある。
本考案で使用するフォトクロミックフィルタは、透光性の基材例えばガラス板
又はプラスチック板にフォトクロミック物質を均質に分散させたものであり、一
般には円板形状をしている。
【0006】
フォトクロミック物質としては、無機系ではハロゲン化銀例えば臭化銀が使用
有機系ではベンゾスピロピラン誘導体、ジチゾン水銀錯体、トリアリールメタン
誘導体、フェナジン系化合物、フェノチアジン系化合物、ビスイミダゾール誘導
体、ビオロゲン誘導体、アゾ化合物、インジゴイド等が使用される。モノクロ写
真の場合には、光が照射されたときに、色彩はともかく濃度が濃くなり、光の照
射が止んだとき、濃度が薄くなることが繰り返し何度も可能なフォトクロミック
物質が好ましい。カラー写真の場合には、光が照射されたときに、無彩色で濃度
が濃くなり、光の照射が止んだとき、透明になることが繰り返し何度も可能なフ
ォトクロミック物質が好ましい。
【0007】
基材にフォトクロミック物質を分散させる方法としては、加熱下に基材へ練込
む方法、基材(プラスチック)を生成する液状モノマー中に予めフォトクロミッ
ク物質を分散させておき、そのモノマーを重合して基材を生成する方法、基材(
ガラス)を製造する原料粉末に予めフォトクロミック物質を分散させておき、そ
の原料粉末を溶解して基材を製造する方法、基材にイオンビームとして注入する
方法などが挙げられる。
フォトクロミックフィルタ(以下単にフィルタと言う)は撮影光路中に配置す
るが、本考案でいう「撮影光路」とは、レンズ(レンズの代わりにピンホールを
使用するカメラではピンホール)の前も意味する。一般にはレンズの前にこのフ
ィルタを装着することが好ましいが、フィルム面の前であればどこでもよい。
撮影光路に沿って被写体からの光がこのフィルタを通過すると、フィルタは自
然に着色又は変色して光量を減じる。従って、突然に光量が異常に多くなっても
フィルムには適正な光量の光が入る。そして光量が減ると、フィルタは自然に元
に戻り光量を増やす。そのため、フィルムには適正な光量の光が入る。こうして
自動的に露出が制御されることになる。
従って、このフィルタはカメラに装着したままで良く、フィルタの取付け、取
り外しの面倒がない。
【0008】
本考案の第1の実施例を図1〜図4により説明する。
図1は第1の実施例の断面図、図2は本実施例に使用するフィルタ(1)の吸収
曲線を示す図、図3は同じくEV値に対する透過率の減衰曲線を示す図、図4は
本実施例の撮影可能範囲を示す図である。
平行平面板のフィルタ(1)が撮影レンズ(2)の前方に設置されている。撮
影レンズ(2)の後方には絞り(3)とシャッタ(4)が設置され、撮影レンズ
(2)の後方焦点位置にフィルム(5)の面が設置されている。又ファインダ(
6)が設置され被写体の選定が可能である。
【0009】
フィルタ(1)はフォトクロミック物質としてコロイド状のハロゲン化銀を分
散含有したフォトクロミックガラス製で厚さ1mmの平行平面板である。
シャッタ(3)はシャッタスピードが125の1秒のみの簡易なものである。
絞り(4)は固定絞りであって露光量の調整を行うことはできない。
フィルム(5)は手動で巻き上げる。
【0010】
次にフィルタ(1)の吸収曲線について図2により説明する。
紫外線照射前は曲線(a)に示す吸収曲線を有し、400nm以上の波長の光を
ほぼ完全に透過する。これに対し高圧水銀灯から放射された365nmに極大強
度を持つ紫外線を垂直に照射したところ、照射前の吸収曲線は曲線(a)であっ
たが、照射量1000μW/cm2 (EV値12相当)で曲線(b)、照射量4
000μW/cm2 (EV値14相当)で曲線(c)にそれぞれ変化した。紫外
線照射後400nmより600nmの範囲において鋭い吸収は現れず透過率曲線
はなだらかにほぼ一定である。紫外線照射の遮断後30秒でほぼ完全に吸収曲線
は曲線(a)に戻る。
【0011】
次に紫外線の照射量による透過率の減衰率をEV値(露出値)に換算して図3
に示す。
太陽光線中の紫外線量が増加するEV値12以上で、フィルタ(1)は着色し
始め透過率の減衰が顕著になる。そしてEV値14のとき透過率は25%となる
。この透過率の減少は
−Log0.25=2であり
ちようどEV値で2段の差に相当する。
【0012】
次に撮影可能範囲について図4により説明する。
カメラは、シャッタ(3)の一定のシャッタスピード、固定の絞り(4)にお
いてEV値11において最も適当な露出が得られるようにフィルム(5)は露光
感度が設定してある。このフィルム(5)はラチチュードの大きいものが選択さ
れ図4(a)に示すEV値8から12の範囲で適正な露出が得られるが、EV値
8より小さいと露出不足、EV値12より大きいと露出過剰となる。
フィルタ(1)が挿入された状態でもEV値12以下ではフィルタ(1)の透
過率はあまり変化しないからフィルム(5)の露光量にはあまり影響を与えない
し、ラチチュードの範囲内にある。しかしEV値12を超えるとフィルタ(1)
の透過率が低下し、EV値14のとき透過率の減少はEV値で2段の差に相当し
、フィルム(5)の露光量はEV値12のときと同様になる。即ちフィルタ(1
)の挿入の効果により適正な露出範囲が図4(b)に示す範囲だけ拡張する。な
おフィルタ(1)の透過率の減少は過度に照射量が増大しても比例して大きくな
るものではないから、EV値14を超える輝度の大きいときは、露出過剰となり
適正な露出は得られない。
【0013】
次に撮影動作について述べる。
被写体をフィルタ(1)を設置したカメラのファインダ(6)にとらえ、シャ
ッタ(3)をきった。被写体を含む被写界は快晴の屋外でEV値14に相当する
輝度であったが、露出過剰とならず適正な露出の写真が得られた。
更に5分後に別の被写体を撮影した。被写体を含む被写界は明るい室内でEV
値9に相当する輝度であったが、露出不足とならず適正な露出の写真が得られた
。
【0014】
本考案の第2の実施例を図5〜図8により説明する。
図5は第1の実施例の断面図、図6は本実施例に使用する蒸着膜の吸収曲線を示
す図、図7は同じくEV値に対する透過率の減衰曲線を示す図、図8は本実施例
の撮影可能範囲を示す図である。
尚、第1の実施例と同一又は類似の点については説明を省略する。
撮影レンズ(2)の第1面に蒸着膜(7)が設置されている。蒸着膜(7)は
フォトクロミック物質としてハロゲン化銀を蒸着した上に、二酸化珪素を表面保
護のために蒸着して形成されている。
【0015】
次に蒸着膜(7)の吸収曲線について図6により説明する。
紫外線照射前は曲線(a)に示す吸収曲線を有し、400nm以上の波長の光を
ほぼ完全に透過する。これに対し高圧水銀灯から放射された365nmに極大強
度を持つ紫外線を垂直に照射したところ、照射前の吸収曲線は曲線(a)であっ
たが、照射量1000μW/cm2 (EV値12相当)で曲線(b)、照射量4
000μW/cm2 (EV値14相当)で曲線(c)にそれぞれ変化した。紫外
線照射後400nmより600nmの範囲において鋭い吸収は現れず透過率曲線
はなだらかにほぼ一定である。紫外線照射の遮断後30秒でほぼ完全に吸収曲線
は曲線(a)に戻る。
【0016】
次に紫外線の照射量による透過率の減衰率をEV値(露出値)に換算して図7
に示す。
太陽光線中の紫外線量が増加するEV値12以上で、蒸着膜(7)は着色し始
め透過率の減衰が顕著になる。そしてEV値14のとき透過率は50%となる。
この透過率の減少は
−Log0.5=1であり
ちようどEV値で1段の差に相当する。
【0017】
次に撮影可能範囲について図8により説明する。
カメラは、シャッタ(3)の一定のシャッタスピード(1/125秒)、固定
の絞り(4)(F5.6)においてEV値12において最も適当な露出が得られ
るようにフィルム(5)の露光感度はISO100に設定してある。このフィル
ム(5)はラチチュードの大きいものが選択され図8(a)に示すEV値9から
13の範囲で適正な露出が得られるが、EV値9より小さいと露出不足、EV値
13より大きいと露出過剰となる。
蒸着膜(7)が蒸着された状態でもEV値13以下では蒸着膜(7)の透過率
はあまり変化しないからフィルム(5)の露光量にはあまり影響を与えないし、
ラチチュードの範囲内にある。しかしEV値13を超えると蒸着膜(7)の透過
率が低下し、EV値14のとき透過率の減少はEV値で1段の差に相当し、フィ
ルム(5)の露光量はEV値13のときと同様になる。即ち蒸着膜(7)の蒸着
された効果により適正な露出範囲が図8(b)に示す範囲だけ拡張する。なお蒸
着膜(7)の透過率の減少は過度に照射量が増大しても比例して大きくなるもの
ではないから、EV値14を超える輝度の大きいときは、露出過剰となり適正な
露出は得られない。
【0018】
次に撮影動作について述べる。
被写体を蒸着膜(7)を設置したカメラのファインダ(6)にとらえ、シャッ
タ(3)をきった。被写体を含む被写界は快晴の屋外でEV値14に相当する輝
度であったが、露出過剰とならず適正な露出の写真が得られた。
更に5分後に別の被写体を撮影した。被写体を含む被写界は明るい室内でEV
値9に相当する輝度であったが、露出不足とならず適正な露出の写真が得られた
。
【0019】
尚、レンズ自体をフォトクロミックフィルタとさせてもよい。
【0020】
以上の通り、本考案によれば、フォトクロミックフィルタを撮影光路中に設け
たので自動的に露出が制御され、NDフィルタのような取付け、取外しの面倒が
なく、又被写体からの光量が多くとも適正な露出が得られることから撮影条件が
広がるなどの利点が得られる。
【図1】第1の実施例の断面図である。
【図2】第1の実施例に使用するフィルタの吸収曲線を
示す図である。
示す図である。
【図3】EV値に対する透過率の減衰曲線を示す図であ
る。
る。
【図4】第2の実施例の撮影可能範囲を示す図である。
【図5】第2の実施例の断面図である。
【図6】第2の実施例に使用するフィルタの吸収曲線を
示す図である。
示す図である。
【図7】EV値に対する透過率の減衰曲線を示す図であ
る。
る。
【図8】第2の実施例の撮影可能範囲を示す図である。
1...フィルタ
2...撮影レンズ
3...絞り
4...シャッタ
5...フィルム
6...ファインダ
7...蒸着膜
Claims (1)
- 【請求項1】 撮影光路中にフォトクロミックフィルタ
を配置したことを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3508791U JPH04120940U (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | フオトクロミツクフイルタを備えたカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3508791U JPH04120940U (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | フオトクロミツクフイルタを備えたカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04120940U true JPH04120940U (ja) | 1992-10-29 |
Family
ID=31917337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3508791U Pending JPH04120940U (ja) | 1991-04-19 | 1991-04-19 | フオトクロミツクフイルタを備えたカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04120940U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001357557A (ja) * | 2001-05-14 | 2001-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光学ヘッド |
-
1991
- 1991-04-19 JP JP3508791U patent/JPH04120940U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001357557A (ja) * | 2001-05-14 | 2001-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光学ヘッド |
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