JPH0411178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野及び目的 この考案は高圧配電線路の電力ケーブル及び配
電用機器の地絡電流検出表示器に関するものであ
る。

地絡電流検出表示器は電力ケーブルの接地線に
接続され、電力ケーブルに地絡故障が発生する
と、この接地線に地絡電流が流れ、その地絡故障
電流により、電流ケーブルの故障を表示するよう
になつている。そして、この表示器は地絡電流が
流れ動作した場合にも接地線を開路させない構造
を特徴としている。すなわち、接地線が閉路され
ているため、雷サージ等はもちろん過電状態でも
ケーブル表面及び配電用機器に誘導電圧を生ずる
おそれがないようにしてある。

この発明の目的は接地線に流れる地絡電流を検
出表示し、故障ケーブルの探査発見のための労力
と時間の短縮を図るとともに、接地抵抗を変化さ
せず、さらには簡単な構造で安定した動作表示を
行う地絡電流検出表示器を提供することにある。

考案の構成 この考案の地絡電流検出表示器は電流ケーブル
及び配電用機器の接地線に対し、変成器の一次巻
線をを直列に接続するとともに、スイツチ素子と
磁気反転表示器用コイルとの直列回路を前記一次
巻線と並列に接続し、前記スイツチ素子を変成器
の二次巻線に出力される電圧に基づいて作動する
ようにしたものである。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を第１〜
第３図に従つて説明する。

電力ケーブルＬの接地線１には変成器２の一次
巻線３が直列に接続されている。また、接地線１
に対し一次巻線３と並列にスイツチ素子としての
サイリスタSCRと磁気反転表示器４のコイル４
ａとの直列回路９が接続されている。そのサイリ
スタSCRは接地線１にアノードが、コイル４ａ
にカソードが接続されている。

変成器２の二次巻線５はその両端に整流器Ｄと
ゲート電圧設定用の抵抗ｒ１，ｒ２が直列に接続
され、抵抗ｒ１のマイナス側端子にサイリスタ
SCRのゲート端子が接続されている。そして、
抵抗ｒ２のマイナス側端子はサイリスタSCRの
カソード端子が接続されている。

次に磁気反転表示器４を第２図、第３図に従つ
て説明すると、外周部がＮ極及びＳ極に磁化され
たデイスク６はＮ極とＳ極とを結ぶ直線と直交す
る回動軸７により回動可能に支承されている。ま
た、丸棒状のステータ８は、デイスク６のＳ極と
対応する磁極部８及びデイスク６のＮ極と対応す
る磁極部８ｂとを有するとともに、両磁極部８
ａ，８ｂ間には前記コイル４ａが巻回されてい
る。そして、通常は磁極部８ａがＮ極に、磁極部
８ｂがＳ極に磁化されており、デイスク６の表面
６ａに付された色彩等の標識が表示されている。

そして、コイル４ａが非励磁のときにはデイス
ク６の表面６ａが外部から視認可能とななつてお
り、コイル４ａが励磁されると、第３図に示すよ
うに磁極部８ａがＳ極に、磁極部８ｂがＮ極に磁
化され、デイスク６はそのＮ極が磁極部８ａ（Ｓ
極）に、そのＳ極が磁極部８ｂ（Ｎ極）に対向す
るように回動され、デイスク６の裏面６ｂに付さ
れた色彩等の標識が表示されるようになつてい
る。なお、コイル４ａが消磁されても磁極部８ａ
はＳ極に、磁極部８ｂはＮ極に磁化されたままで
ある。

次に上記のように構成された地絡電流検出表示
器についてその作用を説明する。

磁気反転表示部４のデイスク６が表面６ａを表
示している状態で雷サージ、その他の事故により
接地線１に地絡電流が流れると、その瞬間に二次
巻線５に電圧が発生し、サイリスタSCRに充分
なゲート電圧が抵抗ｒ２に印加されると、サイリ
スタSCRはオン状態となつて導通する。すると、
接地線１に流れる地絡電流が直列回路９に流れこ
みサイリスタSCRを介して磁気反転表示器４の
コイル４ａに流れてコイル４ａを励磁させる。コ
イル４ａの励磁によりデイスク６は表面６ａの表
示から回動して裏面６ｂの色彩等の標識が表示さ
れる。

以上、述べたような動作すなわちサイリスタ
SCRがオンされてからデイスク６が回動するま
での動作は瞬間的に行われる。

なお、地絡電流が解消した後は前記磁気反転表
示器４はデイスク６を手動にて裏面６ｂから表面
６ａに反転することによりリセツトされる。

この地絡電流検出表示器は変成器２を使用して
いるため定常状態における接地線１の接地抵抗値
に影響をほとんど与えることはない。そして、こ
の地絡電流検出表示器はサイリスタSCRがオン
状態となつて導通すると接地線１から直列回路９
側へ流れ込む地絡電流を直接的に磁気反転表示器
４に入力することとなる。従つて、前記直列回路
９を接地線１に対して一次巻線３と並列に接続す
るという簡単な回路構成により、小さな地絡電流
のときでも安定した動作表示が保証される。

また、一般に磁気反転表示器４は微小電流のご
く短時間（例えば200mA，4ms）入力するだけ
て動作するものであるから、サイリスタSCRが
オンした瞬間の電流だけで充分に磁気反転表示器
４を動作させることができ、前記磁気反転表示器
４はその地絡表示状態を新たな保持電源を必要と
せずに自己保持する。従つて表示動作は非常に安
定する。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく例えば第４図に示すように抵抗ｒ２の代
わりに互いに異なつた抵抗値を有する複数本の抵
抗ｒ３〜rnを並列に配設した構成にし、切換えス
イツチにて任意に抵抗ｒ１と直列に接続可能にし
て分圧比を変更できるようにしてもよい。こする
ことにより、地絡電流の感度切換えを行うことが
できる。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案によれば接地線に
流れる地絡電流を検出表示し、故障ケーブルの探
査発見のための労力と時間の短縮を図ることがで
きるとともに、変成器を使用したことにより接地
抵抗を変化させることもなく、さらには簡単な回
路構成により接地線から地絡電流を直接的に磁気
反転表示器に入力できるので製造コストの低減を
図りつつ、常に安定した動作表示を行うことがで
きる優れた効果を奏し産業利用上優れた考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した地絡電流検出表
示器の回路図、第２図は磁気反転表示器を示す斜
視図、第３図は同じく磁気反転表示器の作用を示
す斜視図、第４図はその他の実施例の要部回路図
である。 １……接地線、２……変成器、３……一次巻
線、４……磁気反転表示器、４ａ……コイル、５
……二次巻線、６……デイスク、６ａ……表面、
６ｂ……裏面、９……直列回路、ｒ１，ｒ２……
抵抗、Ｄ……整流器、SCR……サイリスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電力ケーブルＬ及び配電用機器の接地線１に対
   し、変成器２の一次巻線３を直列に接続するとと
   もに、スイツチ素子SCRと磁気反転表示器用コ
   イル４ａとの直列回路９を前記一次巻線３と並列
   に接続し、前記スイツチ素子SCRを変成器２の
   二次巻線５に出力される電圧に基づいて作動する
   ようにしたことを特徴とする地絡電流検出表示
   器。