JPH04106510A - 光ファイバコード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、９００°Ｃ前後の高温環境下でも光ファイバ
が破断せず、消防用設備における通信施設などに使用可
能な光ファイバコード、ケーブル及び耐熱・耐火電線に
関する。

（従来の技術） 現在、光ファイバケーブルは、通信施設間に敷設される
ばかりでなく、例えば光ファイバを高圧送電線の地線の
中に組込んだ光架空地線も相当に普及し、該地線では瞬
時３００〜４００　’Ｃの高温に耐えることが要求され
ている。高電圧の交流を直流に変える変換器に用いるサ
イリスタでは、この点弧用の光ファイバにも耐熱性が必
要である。

また、現状よりも高温に耐えることが可能な光ファイバ
が提案されれば、高温炉周辺の配線や計測などへの用途
も期待されている。従来の光ファイバでは、表面保護の
ために、紫外線照射で固化するエポキシアクリレートや
ウレタンアクリレートなどのＵＶ樹脂又はナイロン樹脂
などを被覆しており、この樹脂の耐熱性が光ファイバケ
ーブルの耐熱・耐火性を左右する。このため、消防庁告
示第１０号（昭和６１年１２月１２日）で規定された耐
火・耐熱試験による３８０°Ｃ（１／２耐火曲線）、８
４０°Ｃ（耐火曲線）の条件下で光伝送を可能にするよ
うに、中心の光ファイバ心線まで熱伝達しにくいケーブ
ル構造が提案されている。例えば、光ファイバ心線を遮
熱テープで複数回押え巻きしたり、又はプラスチックソ
ースにＡＩ（○Ｈ）３９Ｍ　ｇ　（ＯＨ）２などの吸熱
材を添加する。

（発明が解決しようとする課題） 樹脂被覆した光ファイバ心線は、遮熱テープで押え巻き
したり、又はプラスチックソースに吸熱材を添加しても
、前記の耐火・耐熱試験における３８０°Ｃ（１／２耐
火曲線）の条件をようやく達成できるだけであり１，８
４０°Ｃ（耐火曲線）の条件下では光伝送は全く不可能
である。このため、光ファイバ表面をめっき又は蒸着に
よる金属皮膜で保護し、光ファイバ心線の耐熱性と機械
強度をいっそう高めることも試みられている。金属被覆
した光ファイバ心線は、金属皮膜層が厚ければ厚いほど
耐熱・耐火用として好ましいけれども、十分な耐熱性と
機械強度を得るために金属皮膜層を相当に厚くすれば、
該ファイバの柔軟性が相対的に低下して敷設作業などが
困難になる。一方、この光ファイバ心線において、金属
皮膜層の厚さが所定値（銅で１〜５μｍ、ニッケルで１
〜２μｍ）以下であると、前記の耐火・耐熱試験におけ
る８４０°Ｃ（耐火曲線）の苛酷な条件でなくても、酸
化雰囲気の場合には被覆金属が酸化し、光ファイバ心線
の機械強度が劣化して破断してしまう。

本発明者らは、金属被覆した光ファイバ心線に関して種
々研究を重ねた結果、光ファイバ心線における金属被覆
層の厚さが前記の所定値付近であっても、還元雰囲気の
場合には、前記の耐火・耐熱試験における８４０°Ｃ（
耐火曲線）の条件下でも被覆金属が酸化せず、光ファイ
バ心線の機械強度は劣化せず、光ファイバの損傷や破断
が発生しないことを知見したものである。従って、本発
明は、光ファイバコード及びケーブルの耐熱・耐火性を
改善するために提案されたものであり、９００°Ｃ前後
の高温環境下でも光ファイバが殆ど劣化しない光ファイ
バコード及びケーブルを提供することを目的としている
。本発明の他の目的は、前記の光ファイバコードを中心
に介在させた消防用の耐熱・耐火電線を提供することで
ある。

（課題を解決する力めの手段） 上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバコ
ード及びケーブル１では、第１図に示すように、コアと
クラッドからなる光ファイバ２上に金属皮膜層３を形成
した光ファイバ心線を用いる。金属皮膜層３は、直接光
ファイバ上に形成してもよいけれども、一般に、あらか
じめ光ファイバ２にカーボン皮ｊＩ４を被覆しておくと
好ましく、該カーボン皮膜は、一般に溶融状態のプリフ
ォームを線引すると同時に、反応炉においてアモルファ
スカーボンなどを被覆して形成し、その厚さは約３００
〜１５００程度度である。カーボン皮膜４は、緻密な組
織で水素、水分を通過させず、運搬時や保管時に光ファ
イバの表面に傷が付くことを防止する。カーボン皮＃４
は、導電性が低くて直接電解めっきを施しにくいため、
該カーボン皮膜上にまず金属皮膜層３の下地金属を設け
る。この下地金属は、カーボン被覆ファイバの周面に比
較的薄く均一に設け、無電解めっき法、真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンめっき法のいずれで施してもよ
い。この下地金属の厚さは数μｍ以下であればよく、例
えば銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などである。

金属皮膜層３における比較的厚い表面金属は、どのよう
なめっき法で形成してもよいが、一般に電解めっき法に
よって効率よく形成すると好ましく、その素材は下地金
属と同様に銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などで
ある。

この光ファイバ心線は、加熱特番こ還元性ガスを発生す
る樹脂５によって被覆する。この被覆樹脂５は、有機高
分子であって、高温下で熱分解する際に一酸化炭素（Ｃ
Ｏ）、パラフィン系やオレフィン系の炭化水素などの還
元性物質を生成することにより、金属パイプロ内を還元
雰囲気にすることを要する。被覆樹脂５としては、ナイ
ロン樹脂。

ポリウレタン樹脂１．ＵＶ硬化のアクリル系樹脂。

ポリビニリデンシフロライド（ＰＶＤＦ３などが例示で
きる。この被覆光ファイバ心線は、１本又は複数本集束
して公知のパーツフィーダなどによって金属パイプロに
挿入すればよく、このパイプには金属波付は管なども包
含する。この明細書では、個々の用語を厳密に定義して
いるわけでなく、通常、光ファイバ２上に金属皮膜層３
を形成したものを光ファイバ心線、樹脂被覆した光ファ
イバ心線を金属パイプロに挿入したものを光ファイバコ
ード、及びこのコードを１本又は複数本集束してプラス
チックソース７を施したものを光ファイバケーブルと称
している。

（作用） 本発明の光ファイバコード及びケーブル１は、通常、金
属パイプロ中における金属皮膜層３の厚さが一般に所定
値（銅で１〜５μｍ、ニッケルで１〜２μｍ）付近であ
るので、その柔軟性は殆ど低下せず、該ケーブルの敷設
作業などは容易である。一方、この光ファイバケーブル
１は、前記の耐火・耐熱試験における８４０°Ｃ（耐火
曲線）の条件下において、金属パイプロ内が被覆樹脂５
の熱分解によって還元雰囲気となり、金属皮膜層３は酸
化劣化しないことにより、光ファイバ心線の機械強度は
劣化せず、光ファイバの損傷や破断が発生しない。

（実施例） 次に本発明方法を実施例に基づいて説明する。

実施例１ 第１図に示す光ファイバケーブル１を製造するため、用
いる光ファイバ２は、コア径５０μｍ。

クラツド径１２５μｍの石英系グレーデッドインデック
ス形ファイバであり、プリフォームを線弓きすると同時
に反応炉（図示しない）に導入し、その表面に厚さ約５
００人のアモルファスカーボン皮膜４を被覆する。この
カーボン被覆ファイバは、洗浄槽への浸漬と水洗、エツ
チング槽への浸漬と水洗、活性化剤槽への浸漬と水洗を
行う。

無電解ニッケルめっきは、Ｎ１−Ｂめっき・ＢＥＬ８０
１　（上相工業社製）であって、ジメチルアミンボラン
（ＤＭＡＢ）を還元剤とする浴中に、６５°Ｃ−Ｃ５〜
５分間浸漬して、厚さ０．５〜１μｍの下地ニッケルめ
っき層を形成する。得ためつき被覆ファイバは、更に水
洗と湯洗を経てから乾燥する。

次に、下記の浴組成である電解めっき浴において、室温
の浴温で数分間処理して、金属皮膜層３として厚さ５μ
ｍの銅を被覆する。。

硫酸銅　　　　　　　　　２００〜２５０　ｇ／ｌ疏酸
　　　　　　　　　　　　３０〜７５ｇ／ｌ添加剤（光
沢剤）　　　　　　　　　　　　適　量この光ファイバ
心線は、ＵＶ硬化のアクリル系樹脂５で被覆し、この直
径は２５０μｍである。

樹脂被覆した光ファイバ心線は、長さ１００ｍで外径１
．２ｍｍ、内径０．８ｍｍのステンレス鋼パイプロに挿
入する。更に、その外径が２．２ｍｍになるように、難
燃性ポリ塩化ビニルのシース７を施す。

この光ファイバケーブル８ｍの耐熱性能を、消防庁告示
第１０号の耐火・耐熱試験における耐火曲線（３０分で
８４０°Ｃ）の条件で試験する。この試験の間、光ファ
イバの端末は、その一端をＬＥＤの入射に、他端をパワ
ーメータに接続して光パワーの変化を測定する。

この結果、光パワーの変動は全く認められず、試験終了
後のケーブル片端から光ファイバ心線を引抜くと、火炎
の当った部分的５０ｃｍではＵＶ硬化樹脂が欠落してい
るが、銅被覆光ファイバ心線には折損もなく、その表面
は還元されて美麗な銅色を呈している。

実施例２ 第２図に示す光ファイバ複合の消防用耐熱電線１０を製
造するため、実施例１で用いた光ファイバの表面に、実
施例１と同様に厚さ約５００人のアモルファスカーボン
皮膜を被覆し、更に厚さ０゜５〜１μｍの下地ニッケル
めっき層を形成する。

次に、下記の浴組成である電解めっき浴において、浴温
５０°Ｃで数分間処理して、金属皮膜層３として厚さ５
μｍのニッケルを被覆する。

スルファミン酸ニッケル　３００〜７００ｇ／！ホウ酸
　　　　　　　　　　　　　　３０ｇ／ｅ添加剤（光沢
剤、ビット防止剤）　　　　適　量得た光ファイバ心線
をＰＶＤＦて被覆し、この直径は３５０μｍである。樹
脂被覆した光ファイバ心１ｉｌＡ１１は、７氷菓束して
外径２．０ｍｍ、内径１．６ｍｍのステンレス鋼パイプ
１２に挿入する。一方、導体１３は直径０．９ｍｍの軟
鋼線であり、絶縁体１４としてそれぞれ厚さ０．２５ｍ
ｍの架橋ポリエチレンで被覆すると、その線心径は１．
４ｍｍである。この被覆導体１３を対撚りすると、その
外径は２．８ｍｍになる。

次に、光ファイバ心線７本を集束したパイプ１２を中心
に介在させ、対撚りした被覆導体５対を層撚りすると外
径が６．６ｍｍになる。更に厚さＱ、１５ｍｍの金属化
紙１５で押え巻きすると外径が６．９　ｍｍになる。最
後に厚さ１．０ｍｍのポリ塩化ビニルのシース１６を施
すと、外径８．９ｍｍの耐熱電ｌｌ１１０を得る。

この耐熱電１ｓ１０において、光ファイバ心線１１につ
いて消防庁告示第１０号の耐火・耐熱試験の耐火曲線（
３０分で８４０℃）の条件で試験を行った結果、ニッケ
ル被覆光ファイバ心線に折損や破断が発生せず、光パワ
ーの変動も認めらない。

実施例３ 第３図に示す光ファイバ複合の消防用耐火電線２０を製
造するため、実施例１で用いた光ファイバの表面に、実
施例１と同様に、厚さ約５００人のアモルファスカーボ
ン皮膜を被覆し、更に厚さ５μｍの銅皮膜層を形成する
。

得た光ファイバ心線をポリウレタン樹脂で被覆し、この
直径は２５０μｍである。樹脂被覆した光ファイバ心線
２１は、外径１．２ｍｍ、内径０゜８ｍｎｎのステンレ
ス鋼パイプ２２に挿入し、これを３本撚り合せる。一方
、導体２３として、直径０．８ｍｍの電気用軟鋼線を７
氷菓束すると、その総面積が３．５ｍｍ２で外径が２．
４ｍｍであり、耐火層２４として、厚さ１１５ｍｍのマ
イカテープを巻き付けると、その外径は３．４ｍｍにな
る。

更に絶縁体２５として、厚さ０．８ｍｍの架橋ポリエチ
レンで被覆すると、その外径は５．０ｍｍになる。

次に、３本撚り合せのパイプ２２を中心に介在させ、前
記の被覆導体４本を撚り合せると外径が１２．１ｍｍに
なる。更にプラスチックを介在させながら、厚さ０．１
ｍｍの不織布２６で押え巻きすると、その外径が１２．
３ｍｍになる。最後に厚さ１．５ｍｍの軟燃性ポリエチ
レンのシース２７を施すと、外径１５．３ｍｍの耐火電
線２０を得る。

この耐火電線２０において、光ファイバ心線２１につい
て消防庁告示第１０号の耐火・耐熱試験の耐火曲線（３
０分で８４０　”Ｃ）の条件で試験を行った結果、銅被
覆光ファイバ心線に折損や破断が発生せず、光パワーの
変動も認めらない。

（発明の効果） 本発明の光ファイバコード及びケーブルは、９００°Ｃ
前後の高温環境下において、金属パイプ内が被覆樹脂の
熱分解で還元雰囲気となって、金属皮膜層は酸化劣化し
ないことにより、光ファイバ心線の機械強度は劣化せず
、光ファイバの破断が発生しない。従って、この光ファ
イハケーフルを高圧送電線の地線の中に組込んた光架空
地線では、瞬時の３００〜４００℃の高温に容易に耐え
ることができ、高電圧の交流を直流に変える変換器に用
いるサイリスタの点弧に使用したり、高温炉周辺の配線
や計測などへの用途に適用可能となる。

また、本発明の消防用の耐熱・耐火電線は、インテリジ
ェントビル内の消防用設備の操作・信号回路などに用い
ると、その耐熱・耐火性能が優れているので正確な情報
を緊急時に得ることができ、消防用設備に使用すれば、
火災発生に関して誤情報を発信せず、安全面の上でも有
益である。本発明の光ファイバコード及びケーブルは、
十分な耐熱性と機械強度を有するにもかかわらず、金属
皮膜層を相当に薄くすることが可能であり、該ケーブル
の柔軟性は殆ど低下せず、その敞設作業は容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る光ファイバコードを拡大して示す
拡大断面図、第２図は光ファイバ複合の消防用耐熱電線
を拡大して示す拡大断面図、第３図は光ファイバ複合の
消防用耐火電線を拡大して示す拡大断面図である。 １・・・光ファイバコード、２・・・光ファイバ、３・
・・金属皮膜層、４・・・カーボン皮膜、５・・・被覆
樹脂、６・・・金属パイプ、７・・・プラスチックソー
ス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、コアとクラッドからなる光ファイバ上に金属皮膜層
   を形成した光ファイバ心線を用い、加熱時に還元性ガス
   を発生する樹脂によつて光ファイバ心線を被覆し、この
   被覆光ファイバ心線を１本又は複数本集束して金属パイ
   プに挿入している光ファイバコード。 ２、請求項１記載の光ファイバコードを１本又は複数本
   集束してプラスチックソースを施している光ファイバケ
   ーブル。 ３、コアとクラッドからなる光ファイバ上に金属皮膜層
   を形成した光ファイバ心線を用い、加熱時に還元性ガス
   を発生する樹脂によつて光ファイバ心線を被覆し、この
   被覆光ファイバ心線を１本又は複数本集束して金属パイ
   プに挿入し、更にこの光ファイバコードを１本又は複数
   本集束して中心に介在させている消防用耐熱・耐火電線
   。