JPH04106435U - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 送風機の並列運転時における、送風機同志の
干渉による送風機の出力低下を押えるとともに、暖房着
霜時等の静圧−風量特性の改善。 【構成】 並列に配置された送風機の回転方向を互いに
逆方向とする。また第１の送風機を軸流形とし、第２の
送風機を斜流形とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は２つ以上の送風機を並列に配置した空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、家庭における空気調和機の普及とともに、色々な要求が生じてきた。１ つは室内機のインテリア性向上（ビルトイン化）の要求であり、もう１つは室外 機のエクステリア性の向上である。家庭の軒下、ベランダに吊り下げる場合は、 できるだけ室外機の高さを低くしたい、また複数の室内機を使用するマルチ型の 室外機では、できるだけスッキリと外観をまとめるためスリムタイプが要望され ている。これらの要望を満たすため、小型の送風機を並列に配置し、横長構成、 または縦長構成とした空気調和機の室外機が近年増加している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来、この種の空気調和機の室外機では、羽根枚数Ｚと回転数Ｎ （ｒｐｍ）の積で示される回転音の干渉周波数ｆ＝ＮＺ／６０（Ｈｚ）によるう なり音の課題、また、同一送風機入力に対し、複数送風機並列配置の場合出力が 単一送風機よりも１０％程度低下するという不都合があった。またさらには、小 型送風機複数配置による静圧−風量特性カーブの低下等の不都合があった。

【０００４】 本考案は送風機同志の干渉によるうなり音対策のため従来例の様に回転数に差 をつけたり、送風機の羽根枚数差をつけたりすることなく、送風機の出力低下を 押え、また、静圧−風量特性カーブの改善をはかろうとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そして、上記課題を解決する本考案の技術的手段は、並列に配置した送風機の 回転方向を互いに逆方向としたものである。また本考案は第１の送風機を軸流形 に、第２の送風機を斜流形としたものである。

【０００６】

【作用】

この技術的手段による作用は次の様になる。

【０００７】 並列に配置された送風機にて、互いに同一の回転方向であると、その近接部に おいて、風の流れは逆方向となり送風機負荷が増大するに対し、逆方向の回転方 向であると、その近接部においては、風の流れは同一方向となり、送風機負荷が 減少する。また、一つを軸流形、他方を斜流形にすることにより、送風機負荷が 増大する暖房時の着霜状態にて、風量の大幅な低下を防ぐことが可能となるもの である。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参考に説明する。まず図１，図２より 、本考案の第１の実施例について説明する。図１において１０は外装ケースを示 し、この外装ケース１０の吸込口１１にはフィンチューブ形熱交換器１２が配置 され、またこれに対向して送風機１３ａ，１３ｂと駆動用電動機１４ａ，１４ｂ が並列に配置されている。図２は静圧（Ｐ）−風量（Ｑ）特性図である。送風機 １３ａがある回転数、例えばＮ＝７５０ｒｐｍにてＰ₁−ｑ₁の特性を持ち、送風 機１３ｂがＰ₁−ｑ₂の特性を持つならば、同時運転した場合その特性カーブはＰ ₁ −ｑ₃（ｑ₃＝ｑ₁＋ｑ₂）になるはずであるが送風機１３ａ，１３ｂ間の近接部 ２０付近の逆方向の流れによる乱れのため、実際の特性カーブはＰ₁−ｑ₄（ｑ₄ ＜ｑ₃）となり合成風量は約１０％の低下となる。そのため同じ出力を得るため には入力を上げるほかなく、また入力（＝回転数）の上昇は騒音値の上昇を招い ていた。

【０００９】 しかしながら、本考案では、送風機１３ａ，１３ｂの回転方向を互いに逆回転 としているため、送風機１３ａと１３ｂ間の近接部２０付近の順方向の流れによ り、乱れは押えられ、その合成した特性カーブはＰ₁−ｑ₅（ｑ₄＜ｑ₅＜ｑ₃）と なり、風量低下は約３％に押えることができる。そのため従来と比べ入力の増加 は少く、また騒音値の上昇はわずかの上昇で押えることが可能となる。

【００１０】 次に、図１，図３により、本考案の第２の実施例について説明する。ここで、 先の実施例と同一のものについては、同一の符号を付して説明を省略する。送風 機１３ａは軸流形とし、送風機１３ｂは斜流形とする。

【００１１】 図３のように、ある回転数、例えばＮ＝７５０ｒｐｍにて軸流形送風機１３ａ がＰ₁−ｑ₁の特性カーブをもち、斜流形送風機１３ｂがＰ₂−ｑ₂の特性を持つな らば、同時運転した場合の特性カーブは変位点ｔをもつＰ₂−ｔ−ｑ₃のカーブと なる。

【００１２】 小型送風機を並列運転した場合、図２のように、風量（Ｑ）は約２倍となるが 、静圧（Ｐ）は変わらないため、全体としてカーブは寝ることになり、抵抗の増 大につれ、風量は急激に低下し、暖房時の着霜状態時などでは、急激な霜の成長 等で問題があった。

【００１３】 しかしながら本考案では前述のように、低静圧タイプの軸流形と高静圧タイプ の斜流形を並用しているため、抵抗の少い通常時は軸流形の特性カーブにのり、 大風量を得、また着霜時等通風抵抗が多大な時は、斜流形の特性カーブにのり、 風量の低下を押えることが可能となる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、並列運転する送風機の回転方向を互いに逆方向としたもの、またさ らに第１の送風機を軸流形に第２の送風機を斜流形としたことにより、送風機の 出力低下を押えるとともに、着霜時等の通風抵抗過大時の特性改善に多大に寄与 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す空気調和機の構成図

【図２】本考案の第１の実施例による風量と静圧の関係
を説明するための図

【図３】本考案の第２の実施例による風量と静圧の関係
を説明するための図

【符号の説明】

１２ フィンチューブ形熱交換器 １３ａ，１３ｂ 送風機 １４ａ，１４ｂ 送風機駆動用電動機

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フィンチューブ形熱交換器に対向して、少
   くとも２つ以上の送風機と送風機を駆動する電動機とを
   各々並列に配置するとともに、第１の送風機の回転方向
   と第２の送風機の回転方向を互いに逆方向とした空気調
   和機。
2. 【請求項２】第１の送風機を軸流形に、第２の送風機を
   斜流形とした請求項１記載の空気調和機。