JPH04105797U - 音響変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で能率の高い音響変換装置を提供する。 【構成】 スピーカキャビネット１前面1aの孔1b₁ ，・・
・ ，1b₈₈に対応させて、８８個の圧電素子２₁ ，・・・ ，
２₈₈が、ピアノのキーと同じ音階を持つ様に、振動自在
に支持されている。この圧電素子２₁ ，・・・ ，２₈₈を並
列接続して、信号電圧３を印加すると、能率よく音響変
換される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は音響変換装置に係り、特に、圧電型音響変換素子を使用した音響変 換装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来の音響変換装置としては、図３に示すスピーカを図４に示すように接続し たものが多く提供されていた。

【０００３】 図において、11はスピーカ用キャビネット、11a はスピーカキャビネト11の前 面、11b は低音用スピーカユニットの孔、11c は中音用スピーカユニットの孔、 11d は高音用スピーカユニットの孔、12は低音用スピーカユニット、13は中音用 スピーカユニット、14は高音用スピーカユニット、15は信号源である。

【０００４】 従来の音響変換装置ではキャビネット11の前面11a の各孔11b ，11c ，11d に 夫々低音用スピーカユニット12、中音用スピーカユニット13及び高音用スピーカ ユニット14等の動電型スピーカユニットを取り付け、これを図４に示すように接 続して、マルチウェイシステムとし、音響再生を行なっていた。

【０００５】 このため、１つのスピーカユニットで広い帯域をカバーしなければならず、低 中高各スピーカユニット12，13，14の共振は極力押えられ、能率が非常に悪かっ た。

【０００６】 また、能率を改善するためホーンを用いることもあった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来の音響変換装置は、能率が１％程度と非常に低かった。

【０００８】 また、マルチウェイシステムでは帯域毎にフィルタが必要であった。

【０００９】 更に、ホーンを用いたものは、低音を再生するには非常に大型にしなければな らなかった。

【００１０】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、小型で能率の高い音響変換装置を提供するところにある 。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この考案の音響変換装置は、単一周波数で鋭い共振峰を有した音響変換素子で あって、共振周波数が最大１／12オクターブずつ順次異なる複数個の音響変換素 子を、キャビネットに振動自在に支持したものである。

【００１２】 また、前記音響変換素子として圧電素子を用いたものである。

【００１３】

【作用】

この考案によれば、単一周波数で鋭い共振峰を有し、共振周波数が最大１／12 オクターブずつ順次異なる音響変換素子を複数個キャビネットに振動自在に支持 しているので、この音響変換素子に可聴周波数信号電圧を印加すると、音響信号 を出力する。

【００１４】 また、音響変換素子に圧電素子を用い、図２に示すように圧電素子を並列接続 している。

【００１５】

【実施例】

この考案に係る音響変換装置の実施例を図１及び図２に基づき説明する。

【００１６】 図において、１はスピーカキャビネット、1aはスピーカキャビネット１の前面 、1bは前面1aに各音響変換素子用に８８個設けた孔である。２は音響変換素子で あり、本考案では圧電素子が用いられ、各圧電素子の共振周波数のずれが１／12 オクターブか、ずれをそれ以下にした音響変換素子が８８個設けられ、図２に示 すように電気的に並列接続されている。３は各音響変換素子を駆動する信号電圧 である。

【００１７】 上記のように構成した本考案の音響変換装置は、図１及び図２に示すように、 スピーカキャビネット１の前面1aに設けた音響変換素子２用の８８個の孔1b₁ ，・・・ ，1b₈₈に、この孔1bに対応した８８個の圧電素子２₁ ，・・・ ，２₈₈が、ピア ノのキーと同じ音階を持つように、振動自在に支持されている。

【００１８】 このため、鋭い単一共振峰を持ち、この共振周波数が１／12オクターブずつ順 次異なる圧電素子２を８８個用いている。

【００１９】 そして、各圧電素子２₁ ，・・・ ，２₈₈は並列接続され、信号電圧３が印加され ると、各圧電素子２₁ ，・・・ ，２₈₈は夫々の共振点の周波数で共振し、能率よく 音響変換を行なう。この際、フィルタは不要である。

【００２０】 また、各圧電素子２₁ ，・・・ ，２₈₈の再生帯域は多少幅を持っているため、共 振点からずれた周波数も、ある程度再生することができ、十分に音響再生ができ る。

【００２１】 図１における圧電素子２の配置は、直線的でもよいし、渦巻状にしても良い。

【００２２】 更に、圧電素子２の個数を増加させて、より広帯域にしたり、１／12オクター ブより細かく共振周波数を設定し、より高忠実再生をする様にしても良い。

【００２３】 これとは逆に１／12オクターブよりも間隔を粗くして、簡易な音響変換装置に することもできる。

【００２４】

【考案の効果】

この考案に係る音響変換装置によれば、上述の様に構成したので、共振を利用 でき、能率が非常に高くなる。

【００２５】 また、フィルタは必要なく、各圧電素子は小さいので小型化、軽量化が図れる 。

【００２６】 更に、帯域や忠実度を必要に応じて変えることができ、大きさや構成に自由度 を持たせることができる。

【００２７】 しかも、構造が簡単であるため実施も容易であるなどの優れた特長を有してい る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の音響変換装置を示す斜視図である。

【図２】同装置の接続図である。

【図３】従来例の音響変換装置を示す斜視図である。

【図４】同装置の接続図である。

【符号の説明】

１ スピーカキャビネット 1a 前面 ２ 圧電素子 ３ 信号電圧

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岩倉 志郎 東京都渋谷区渋谷２丁目17番５号 株式会 社ケンウツド内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 単一周波数で鋭い共振峰を有した音響変
   換素子であって、共振周波数が最大１／12オクターブず
   つ順次異なる複数個の音響変換素子を、キャビネットに
   振動自在に支持したことを特徴とする音響変換装置。
2. 【請求項２】 前記音響変換素子として圧電素子を用い
   たことを特徴とする請求項１記載の音響変換装置。