JPH04101833U - 負圧制御式の流体封入型マウント装置 - Google Patents

負圧制御式の流体封入型マウント装置

Info

Publication number
JPH04101833U
JPH04101833U JP1259591U JP1259591U JPH04101833U JP H04101833 U JPH04101833 U JP H04101833U JP 1259591 U JP1259591 U JP 1259591U JP 1259591 U JP1259591 U JP 1259591U JP H04101833 U JPH04101833 U JP H04101833U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
negative pressure
fluid
intake pipe
divided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1259591U
Other languages
English (en)
Inventor
明良 井出
芳樹 舟橋
篤 村松
Original Assignee
東海ゴム工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東海ゴム工業株式会社 filed Critical 東海ゴム工業株式会社
Priority to JP1259591U priority Critical patent/JPH04101833U/ja
Publication of JPH04101833U publication Critical patent/JPH04101833U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の吸気系統に生ぜしめられる負圧の
作用によって、マウント防振特性を切換制御するように
した負圧制御式の流体封入型マウント装置において、そ
の耐久性を向上せしめること。 【構成】 流体室を画成する可撓性ゴム膜の背後に形成
された作用室と、内燃機関の吸気管路とを接続する接続
通路上に、内部に配された仕切部材によって燃焼用ガス
の作用室内への流入を阻止すると共に、該仕切部材の変
位に基づいて圧力伝達を許容し得る圧力伝達装置を配設
し、内燃機関の吸気管路側から及ぼされる負圧を、かか
る圧力伝達装置を介して、作用室側に及ぼすようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本考案は、負圧によってマウント防振特性を切り換えるようにした負圧制御式 の流体封入型マウント装置に係り、特にマウント耐久性を充分に確保しつつ、内 燃機関の吸気系統に生ぜしめられる負圧を有利に利用することのできる、改良さ れた構造の負圧制御式の流体封入型マウント装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車におけるエンジンマウントやサスペンション・ブッシュ等の 如く、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら両部材を防振連結する マウント装置の一種として、特開昭57−9340号公報や特開昭63−172 035号公報等に開示されている如き、所謂流体封入型マウント装置が知られて いる。かかるマウント装置は、所定距離を隔てて配された第一の取付部材と第二 の取付部材とをゴム弾性体にて連結することによって構成されたマウント装置の 内部に、それぞれ所定の非圧縮性流体が封入された、複数の流体室を形成すると 共に、それらの流体室を互いに連通するオリフィス通路を設けてなる構造とされ ており、振動の入力時にオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作 用に基づいて、防振効果を得るようになっている。
【0003】 ところが、このような流体封入型マウント装置において、オリフィス通路を通 じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果は、流体の共振周波数に 応じた狭い周波数域の入力振動にしか有効には発揮され得ず、そのために、自動 車用エンジンマウントやサスペンション・ブッシュ等に要求される、広い周波数 域の入力振動に対する防振特性を実現することは、極めて困難であった。
【0004】 そこで、近年、特開昭61−59035号公報や特開昭61−119834号 公報、特開昭61−153035号公報等に示されているように、流体室の少な くとも一つにおいて、その壁部の一部を可撓性ゴム膜にて構成すると共に、該可 撓性ゴム膜の背後に密閉された作用室を形成し、この作用室に対して負圧を及ぼ しめて可撓性ゴム膜の変形を制御せしめることにより、マウント防振特性を切り 換えるようにした構造の、所謂負圧制御式の流体封入型マウント装置が提案され ている。そして、特に、自動車等の内燃機関を備えた装置にあっては、内燃機関 における吸気管路側において負圧を容易に得ることができることから、その採用 が検討されるようになってきている。
【0005】 ところが、本考案者らが検討したところ、そのようなマウント装置の作用室に 対して、内燃機関の吸気管路を直接に連通させることにより、負圧を及ぼすよう にすると、燃焼室側から吸気管路内に逆流するガソリンやオイル等の油分蒸気が 作用室内に流入するために、かかる油分蒸気によって、可撓性ゴム膜が侵され易 く、マウント耐久性が著しく低下する恐れのあることが、明らかとなったのであ る。
【0006】 そして、特に、マウント装置の使用環境温度変化が大きいために、前記受圧室 や平衡室への封入流体として、広い温度範囲に亘って低粘性率を発揮し得るアル キレングリコール等が好適に用いられることとなる、自動車用エンジンマウント 等においては、耐封入流体性と耐油性(耐ガソリン性および耐オイル性)とを共 に高度に満足し得るゴム材料が実現されていないことから、上述の如き、負圧制 御式の流体封入型マウント装置の実用化に際して、その可撓性ゴム膜の耐久性を 確保することが難しかったのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として為されたものであって 、その解決課題とするところは、充分なマウント耐久性が発揮され得る、改良さ れた構造の負圧制御式の流体封入型マウント装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本考案にあっては、所定距離を隔てて 配置された第一の取付部材と第二の取付部材とを、それらの間に介装されたゴム 弾性体にて連結する一方、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入された、オ リフィス通路を通じて互いに連通されてなる複数の流体室を形成し、更に該流体 室の少なくとも一つにおいて、その壁部の一部を可撓性ゴム膜にて構成すると共 に、該可撓性ゴム膜の背後に密閉された作用室を形成し、該作用室に対して負圧 を及ぼしめて該可撓性ゴム膜の変形を制御することにより、マウント防振特性を 切り換えるようにした負圧制御式の流体封入型マウント装置において、前記作用 室に対し、内燃機関における吸気管路を接続すると共に、それら作用室と吸気管 路とを接続する接続通路上に、内部空間が変位可能な仕切部材によって一対の分 割室に気密に仕切られて、それら分割室の容積が該仕切部材の変位に伴って相対 的に増減せしめられる圧力伝達装置を配設せしめ、その一方の分割室を前記作用 室側に他方の分割室を前記吸気管路側にそれぞれ連通せしめることにより、該吸 気管路側から及ぼされる負圧を、かかる圧力伝達装置を介して、該作用室側に伝 達せしめるようにしたことを、その特徴とするものである。
【0009】
【作用・効果】
すなわち、このような本考案に従う構造とされた流体封入型マウント装置にお いては、内燃機関の吸気管路側から及ぼされる負圧力にて圧力伝達装置の仕切部 材が変位せしめられることにより、接続通路を通じての、吸気管路側の負圧の作 用室側への伝達が為され得る一方、該圧力伝達装置の仕切部材にて接続通路が気 密に仕切られていることから、内燃機関の吸気管路を流通せしめられる燃焼用ガ スが作用室に直接に流入することがなく、圧力伝達装置と作用室との間の圧力伝 達媒体として空気等を採用することが可能となるのである。
【0010】 従って、かかる流体封入型マウント装置によれば、負圧源として内燃機関の吸 気系統を利用した場合でも、作用室を画成する可撓性ゴム膜が燃焼用ガスに晒さ れるようなことがなく、ガソリンやオイルによる侵蝕を考慮する必要がないので あり、また一方、燃焼用ガスに晒されることとなる圧力伝達装置の仕切部材にあ っては、マウント封入流体に晒されるようなことがなく、封入流体に対する侵蝕 を考慮する必要がないのであり、それ故、かかる可撓性ゴム膜として、封入流体 に対する耐久性に優れた材質のものを用いると共に、圧力伝達装置の仕切部材と して、耐油性に優れた材質のものを用いることにより、優れたマウント耐久性を 有利に得ることができるのである。
【0011】
【実施例】
以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考案の実施例について、 図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0012】 先ず、図1には、本考案を自動車用エンジンマウントに対して適用したものの 一具体例が示されている。かかる図において、10および12は、それぞれ第一 及び第二の取付部材としての、第一の取付金具および第二の取付金具であって、 互いに所定距離を隔てて対向配置せしめられている。また、これら第一の取付金 具10と第二の取付金具12との間には、ゴム弾性体14が介装されており、該 ゴム弾性体14によって、それら第一及び第二の取付金具10,12が、互いに 弾性的に連結されている。そして、このようなエンジンマウントにあっては、そ の第一の取付金具10および第二の取付金具12において、車体側およびエンジ ンユニット側の各一方に取り付けられて、それら車体とエンジンユニットとの間 に介装されることとなり、それによって該エンジンユニットを車体に対して防振 支持せしめるようになっているのである。なお、そのような装着状態下、かかる エンジンマウントにあっては、第一及び第二の取付金具10,12の対向方向に エンジンユニット重量が及ぼされ、ゴム弾性体14が弾性変形することによって 、それら第一及び第二の取付金具10,12が、所定寸法だけ接近して位置せし められることとなると共に、主として、それら第一及び第二の取付金具10,1 2の略対向方向(図中、上下方向)に入力される振動に対して防振効果が発揮さ れ得ることとなる。
【0013】 より詳細には、前記第一の取付金具10は、略円錐台形状にて形成されている 。なお、該第一の取付金具10における大径側端面の中央には、外方に向かって 突出する取付ボルト16が一体的に設けられており、該取付ボルト16によって 、エンジンユニット側に取り付けられるようになっている。
【0014】 また、かかる第一の取付金具10には、前記ゴム弾性体14が加硫接着されて いる。このゴム弾性体14は、全体として略円錐台形状を呈していると共に、大 径側端面に開口する凹部18を有している。そして、その小径側端面に対して、 第一の取付金具10が加硫接着されている一方、その大径側端部の外周面に対し て、略円筒形状を呈する連結金具20が加硫接着されて成る一体加硫成形品とし て形成されている。
【0015】 一方、前記第二の取付金具12は、軸方向両端部にかしめ部22,24がそれ ぞれ形成された、段付円筒形状の筒金具26と、該筒金具26における小径側の 軸方向端部に対して、その開口を覆蓋するように組み付けられる略皿形状を呈す る底金具28とによって構成されており、全体として深底の有底円筒形状をもっ て形成されている。また、かかる底金具28の略中央には、外方に向かって突出 する取付ボルト30が一体的に設けられており、該取付ボルト30によって、車 体側に取り付けられるようになっている。
【0016】 そして、かかる第二の取付金具12を構成する筒金具26の大径部32内に、 前記ゴム弾性体14の外周面に固着された連結金具20が嵌め込まれ、一体的に 組み付けられている。即ち、それによって、第一の取付金具10と第二の取付金 具12とが、防振すべき主たる振動入力方向(図1中、上下方向)に所定距離を 隔てて対向配置されていると共に、それら第一の取付金具10と第二の取付金具 12との間にゴム弾性体14が介装せしめられて、それら両取付金具10,12 が、かかるゴム弾性体14により、一体的に且つ弾性的に連結されているのであ る。
【0017】 また、前記第二の取付金具12における小径部34内には、全体として略厚肉 円盤形状を呈する仕切部材36が、主たる振動入力方向に対して略直角な方向に 広がるようにして、収容配置されている。かかる仕切部材36は、それぞれ略円 板形状を呈する上板金具38および中板金具40と、略円環板形状を呈する下板 金具42とが、軸方向に同軸的に重ね合わされて成る構造とされており、第二の 取付金具12に対して固定的に取り付けられている。なお、これら上板金具38 ,中板金具40および下板金具42の重ね合わせ面間、更に上板金具38と連結 金具20との当接面間には、それぞれ、Oリングが介装されて、流体密性が確保 されている。
【0018】 そして、この仕切部材36に対して第一の取付金具10側には、壁部の一部が ゴム弾性体14にて構成されて成る、内部に所定の非圧縮性流体が封入された受 圧室44が形成されている。即ち、かかる受圧室44には、第一及び第二の取付 金具10,12間への振動入力時に、ゴム弾性体14の弾性変形に基づいて内圧 変動が惹起されることとなるのである。なお、受圧室44内に封入される非圧縮 性流体としては、温度特性等を考慮して、通常、アルキレングリコールやポリア ルキレングリコール等が好適に用いられることとなる。
【0019】 また一方、仕切部材36を挟んで、かかる受圧室44と反対側には、第二の取 付金具12を構成する底金具28との間に、該受圧室44とは独立した空所が形 成されていると共に、該空所内に、第一のダイヤフラム46が、その外周縁部を 仕切部材36(下板金具42)と底金具28との間で流体密に挟持された状態で 、収容配置されている。そして、この第一のダイヤフラム46により、仕切部材 36と底金具28との間に形成された空所が二分されており、以て、かかる第一 のダイヤフラム46を挟んで、仕切部材36側には、該第一のダイヤフラム46 の変形に基づいて容積変化が許容される、内部に前述の如き所定の非圧縮性流体 が封入されて成る第一の平衡室48が形成されている一方、底金具28側には、 かかる第一のダイヤフラム46の変形を許容する、通孔50を通じて外部に連通 された第一の空気室52が形成されている。
【0020】 さらに、仕切部材36には、上板金具38,中板金具40および下板金具42 の重ね合わせ面間において、その外周部分を周方向に所定長さ(本実施例では、 一周以上、二周以下の長さ)で延びる第一のオリフィス通路54が形成されてい る。そして、この第一のオリフィス通路54にて、前記受圧室44と第一の平衡 室48とが互いに連通せしめられて、それら両室44,48間での流体の流動が 許容され得るようになっている。
【0021】 更にまた、前記仕切部材36の内部には、中板金具40に設けられた凹所58 の開口が上板金具38にて覆蓋されることにより、前記受圧室44および第一の 平衡室48とは独立した空所が形成されている。また、この仕切部材36に形成 された空所内には、可撓性ゴム膜としての第二のダイヤフラム56が、その外周 縁部に加硫接着された取付リング59を上板金具38と中板金具40との間で流 体密に挟持されることにより、収容配置されている。そして、この第二のダイヤ フラム56により、上板金具38と中板金具40との間に形成された空所が二分 されており、以て、かかる第二のダイヤフラム56を挟んで、上板金具38側に は、該第二のダイヤフラム56の変形に基づいて容積変化が容易に許容される、 内部に前述の如き所定の非圧縮性流体が封入されて成る第二の平衡室60が形成 されている一方、中板金具40側には、かかる第二のダイヤフラム56の変形を 許容する作用室62が形成されている。なお、第二のダイヤフラム56は、その 弾性に基づいて、第二の平衡室60側に凸となる形状をもって形成されており、 それによって、通常状態下では、作用室62が、所定容積をもって現出せしめら れることとなる。
【0022】 そして、かかる第二の平衡室60にあっては、上板金具38の中央部を厚さ方 向に貫通して設けられた第二のオリフィス通路64により、受圧室44に連通さ れており、該第二のオリフィス通路64を通じて、それら両室44,60間での 流体の流動が許容され得るようになっている。また、そこにおいて、図からも明 らかなように、かかる第二のオリフィス通路64は、第一のオリフィス通路54 よりも大きな流路断面積と短い流路長さとをもって形成されて、断面積/長さの 比が大きく設定されており、それによって該第二のオリフィス通路64内を流動 せしめられる流体の共振周波数が、第一のオリフィス通路54内を流動せしめら れる流体の共振周波数よりも高くなるようにチューニングされているのである。
【0023】 なお、特に、本実施例では、第一のオリフィス通路54内を流動せしめられる 流体の共振作用によって、シェイクやバウンス等に相当する低周波振動に対する 高減衰効果が、また第二のオリフィス通路64内を流動せしめられる流体の共振 作用によって、アイドリング振動等に相当する高周波振動に対する低動ばね効果 が、それぞれ発揮され得るようにチューニングされている。
【0024】 また一方、前記作用室62は、中板金具40を貫通して設けられた連通孔66 と該連通孔66の開口部に螺着された接続用口体68を通じて外部に連通されて いる。そして、マウントの装着状態下において、図示されている如く、この接続 用口体68に管体70が接続されることにより、かかる作用室62が、該管体7 0を通じて、切換バルブ72を介し、図示しない内燃機関の吸気管路に接続され ており、それによって、該切換バルブ72の切換操作に従い、大気中或いは内燃 機関の吸気管路に対して、択一的に接続されるようになっている。
【0025】 また、そこにおいて、管体70によって構成された、作用室62を大気中或い は内燃機関の吸気管路に対して接続せしめる接続通路上には、作用室62と切換 バルブ72との間に位置して、圧力伝達装置としてのダイヤフラム型作動装置7 4が配設されている。かかるダイヤフラム型作動装置74にあっては、円筒形状 を呈する筒金具78の軸方向両側開口部に対して、それぞれ略円板状の第一及び 第二の蓋金具80,82がかしめ固定されることにより、その内部に密閉された 空所が形成されて成る中空ハウジング構造をもって形成されていると共に、筒金 具78の内部には、略薄肉円板形状のゴム弾性膜76が収容配置せしめられて、 その外周縁部を該筒体80の内周面に加硫接着されている。それによって、ハウ ジング内に形成された空所が、かかるゴム弾性膜76を挟んで、軸方向両側に気 密に仕切られているのであり、以て、該ゴム弾性膜76を挟んだ両側に、それぞ れ蓋金具80,82に設けられたポート部84,86を通じて外部に連通されて 成る第一及び第二の分割室88,90が形成されている。
【0026】 そして、このようなダイヤフラム型作動装置74は、その第一の分割室88が 、第一の蓋金具80に形成されたポート部84を通じて、マウントの作用室62 に連通される一方、第二の分割室90が、第二の蓋金具82に形成されたポート 部86を通じて、切換バルブ72に連通されるように、各ポート部84,86が 管体70に対して接続されている。それによって、マウントの作用室62に対す る内燃機関の吸気管路および大気の接続、延いては該作用室62に対する負圧お よび大気圧の作用が、何れも、かかるダイヤフラム型作動装置74を介して、為 されるようになっている。
【0027】 すなわち、かかるダイヤフラム型作動装置74における第二の分割室90を、 内燃機関の吸気管路側に連通せしめた状態下では、図2に示されているように、 該吸気管路に生ぜしめられる負圧が第二の分割室90に及ぼされて、ゴム弾性膜 76が該第二の分割室90側に吸引変形されることにより、第一の分割室88に 負圧が惹起され、この負圧がマウントの作用室62に及ぼされることとなるので あり、一方、第二の分割室90を、大気中に連通せしめた状態下では、図1に示 されているように、ゴム弾性膜76の自由な変形が許容されることにより、マウ ントの作用室62が略大気圧に維持されることとなるのである。なお、第二の分 割室90は、吸気管路への接続時におけるゴム弾性膜76の変形許容量が充分に 確保され得て、第一の分割室88側に負圧が有効に発揮され得るように、充分な 容積をもって形成されている。
【0028】 しかも、このようなダイヤフラム型作動装置74を、マウント作用室62を大 気中或いは内燃機関の吸気管路に対して接続せしめる接続通路上に配したことに より、かかる接続通路が、該ダイヤフラム型作動装置74におけるゴム弾性膜7 6を挟んで、切換バルブ72側と作用室62側とに気密に仕切られることとなり 、それによって、作用室62側の圧力媒体として空気が採用され得、切換バルブ 72側に圧力媒体として導入される内燃機関の燃焼用ガスの作用室62側への流 入が完全に防止されているのである。
【0029】 そうして、上述の如き構造とされたエンジンマウントにあっては、その装着状 態下、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に振動が入力された際、 受圧室44と第一及び第二の平衡室48,60との間に惹起される内圧変動に基 づいて、第一及び第二のオリフィス通路54,64を通じての流体の流動が生ぜ しめられることとなるが、そこにおいて、切換バルブ72の操作により、ダイヤ フラム型作動装置74における第二の分割室90に対して負圧乃至は大気圧を選 択的に及ぼすことによって、それら第一のオリフィス通路54と第二のオリフィ ス通路64とが、択一的に機能せしめられることとなるのであり、それらの内部 を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される防振効果を、入力振動 に応じて、何れも有効に且つ選択的に得ることができるのである。
【0030】 より具体的には、第一のオリフィス通路54による防振効果が要求されるシェ イクやバウンス等の低周波数域の振動入力時には、ダイヤフラム型作動装置74 における第二の分割室90を内燃機関の吸気管路に連通するように、切換バルブ 72が切り換えられることとなる。即ち、それによって、図2に示されているよ うに、かかるダイヤフラム型作動装置74を介して、マウントの作用室62に負 圧が及ぼされて、第二のダイヤフラム56がその弾性力に抗して吸引されること により、該作用室62が実質的に消失せしめられて、第二の平衡室60が容積不 変とされるのであり、それ故、受圧室44内に惹起される内圧変動に基づいて、 専ら、該受圧室44と第一の平衡室48との間における第一のオリフィス通路5 4を通じての流体の流動が生ぜしめられることとなって、該第一のオリフィス通 路54内を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、優れた振動減衰効果を 得ることができるのである。
【0031】 また一方、第二のオリフィス通路64による防振効果が要求されるアイドリン グ振動等の高周波数域の振動入力時には、ダイヤフラム型作動装置74における 第二の分割室90を大気中に連通するように、切換バルブ72が切り換えられる こととなる。即ち、それによって、図1に示されているように、ダイヤフラム型 作動装置74を介して、マウントの作用室62が略大気圧に維持されて、第二の ダイヤフラム56の変形が許容されることにより、第二の平衡室60が容積可変 とされて、受圧室44と第二の平衡室60との間での、第二のオリフィス通路6 4を通じての流体の流動が有利に生ぜしめられ得るのであり、以て該第二のオリ フィス通路64内を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、優れた低動ば ね効果を得ることができるのである。なお、かかる状態下、第一のオリフィス通 路54も連通状態に維持されることとなるが、この第一のオリフィス通路54は 、第二のオリフィス通路64よりも、流体の流動抵抗が大きいために、受圧室4 4と第一の平衡室48との間での流体の流動は惹起され難く、実質上、上記第二 のオリフィス通路64を通じての、受圧室44と第二の平衡室60との間での流 体の流動のみが有効に生ぜしめられることとなる。
【0032】 しかも、上述の如きエンジンマウントにあっては、作用室62と内燃機関の吸 気管路とを接続する接続通路が、ダイヤフラム型作動装置74のゴム弾性膜76 によって、圧力伝達性を損なうことなく気密に仕切られて成る構造とされている ことにより、マウント封入流体に接触せしめられる第二のダイヤフラム56にあ っては、吸気管路を流通せしめられる燃焼用ガスに対する接触が完全に回避され 得ると共に、かかる燃焼用ガスに対して接触せしめられるゴム弾性膜76にあっ ては、マウント封入流体に対する接触が完全に回避され得るのである。
【0033】 従って、第二のダイヤフラム56については、燃焼用ガスに含まれるガソリン やオイルによる侵蝕を考慮する必要がなく、ゴム弾性膜76については、マウン ト封入流体による侵蝕を考慮する必要がないのであり、それ故、かかる第二のダ イヤフラム56の材質として、耐封入流体性に優れたものを、ゴム弾性膜76の 材質として、耐油性に優れたものを、それぞれ採用することによって、優れたマ ウント耐久性が容易に且つ有利に発揮され得ることとなるのである。因みに、第 二のダイヤフラム56として有利に採用され得る、耐エチレングリコール性に優 れたゴム材料としては、IIR(ブチルゴム)が挙げられ、またゴム弾性膜76 として有利に採用され得る、耐油性(耐ガソリン性および耐オイル性)に優れた ゴム材料としては、NBR(ニトリルゴム)やCHC(エピクロルヒドリンゴム )が挙げられる。
【0034】 以上、本考案の実施例について詳述してきたが、これは文字通りの例示であっ て、本考案は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0035】 例えば、マウントの作用室と内燃機関の吸気管路とを接続する接続通路上に配 される圧力伝達装置の具体的構造は、前記実施例のものに限定的に解釈されるも のではなく、内部に配された仕切部材によって燃焼用ガスの作用室内への流入を 阻止し得ると共に、該仕切部材の変位に基づいて圧力伝達を許容し得るものであ れば良い。
【0036】 すなわち、具体的には、前記実施例において仕切部材として用いられるゴム弾 性膜76の代わりに、気密性の樹脂シート等のゴム材料以外の可撓性膜を採用し ても良い。また、圧力伝達装置におけるマウント作用室側の空間容積が、略大気 圧に維持された状態下において、容積変化が許容されなくても空気の圧縮性に基 づいて第二のダイヤフラム56の変形を確保し得る程に充分に確保されていれば 、仕切部材として可撓性を有しないものを用いることも可能であり、そのような 場合には、かかる仕切部材として、内燃機関の吸気管路側の負圧が及ぼされた際 の変位が許容され得る各種のもの、例えば金属ベローズやピストン部材等を採用 することも可能である。
【0037】 また、本考案が適用される流体封入型マウント装置の具体的構造も、前記実施 例によって限定されるものでは決してない。例えば、流体室の数やその構造、或 いはオリフィス通路の数やその構造等は、マウントに要求される防振特性等に応 じて決定されるものであって、実施例のものに限定されるものではないことは勿 論であり、前記特開昭61−59035号公報や特開昭61−153035号公 報、特開昭61−119834号公報等に示されている如き、可撓性ゴム膜を挟 んで流体室の背後に形成された作用室に対して負圧を及ぼすことにより、マウン ト防振特性を切り換えるようにした、公知の各種の構造のマウント装置に対して 、何れも、有利に適用され得ることとなる。
【0038】 更にまた、本考案は、そのようなタイプのものだけでなく、前記特開昭63− 172035号公報等に開示されている如き、筒型タイプの流体封入型マウント 装置に対して、その流体室を画成する可撓性ゴム膜の背後に作用室を形成し、そ こに負圧を及ぼすことにより、マウント防振特性を可変とした構造のものに対し ても、同様に適用され得るものである。
【0039】 その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて、種々なる 変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、その ような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に 含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を自動車用エンジンマウントに対して適
用したものの一具体例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントにおける別の
作動状態を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10:第一の取付金具 12:第二の取
付金具 14:ゴム弾性体 36:仕切部材 44:受圧室 46:第一のダ
イヤフラム 48:第一の平衡室 52:第一の空
気室 54:第一のオリフィス通路 56:第二のダ
イヤフラム 60:第二の平衡室 62:作用室 64:第二のオリフィス通路 66:連通孔 70:管体 72:切換バル
ブ 74:ダイヤフラム型作動装置 76:ゴム弾性
膜 88:第一の分割室 90:第二の分
割室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離を隔てて配置された第一の取付
    部材と第二の取付部材とを、それらの間に介装されたゴ
    ム弾性体にて連結する一方、それぞれ内部に所定の非圧
    縮性流体が封入された、オリフィス通路を通じて互いに
    連通されてなる複数の流体室を形成し、更に該流体室の
    少なくとも一つにおいて、その壁部の一部を可撓性ゴム
    膜にて構成すると共に、該可撓性ゴム膜の背後に密閉さ
    れた作用室を形成し、該作用室に対して負圧を及ぼしめ
    て該可撓性ゴム膜の変形を制御することにより、マウン
    ト防振特性を切り換えるようにした負圧制御式の流体封
    入型マウント装置において、前記作用室に対し、内燃機
    関における吸気管路を接続すると共に、それら作用室と
    吸気管路とを接続する接続通路上に、内部空間が変位可
    能な仕切部材によって一対の分割室に気密に仕切られ
    て、それら分割室の容積が該仕切部材の変位に伴って相
    対的に増減せしめられる圧力伝達装置を配設せしめ、そ
    の一方の分割室を前記作用室側に他方の分割室を前記吸
    気管路側にそれぞれ連通せしめることにより、該吸気管
    路側から及ぼされる負圧を、かかる圧力伝達装置を介し
    て、該作用室側に伝達せしめるようにしたことを特徴と
    する負圧制御式の流体封入型マウント装置。
JP1259591U 1991-02-14 1991-02-14 負圧制御式の流体封入型マウント装置 Pending JPH04101833U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1259591U JPH04101833U (ja) 1991-02-14 1991-02-14 負圧制御式の流体封入型マウント装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1259591U JPH04101833U (ja) 1991-02-14 1991-02-14 負圧制御式の流体封入型マウント装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04101833U true JPH04101833U (ja) 1992-09-02

Family

ID=31746628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1259591U Pending JPH04101833U (ja) 1991-02-14 1991-02-14 負圧制御式の流体封入型マウント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04101833U (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0930447A2 (en) 1998-01-14 1999-07-21 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration damping device having fluid chambers on opposite sides of partition structure having movable rubber plate
JP2007198541A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0930447A2 (en) 1998-01-14 1999-07-21 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration damping device having fluid chambers on opposite sides of partition structure having movable rubber plate
JP2007198541A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
JP4623428B2 (ja) * 2006-01-27 2011-02-02 東海ゴム工業株式会社 流体封入式防振装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2843088B2 (ja) 流体封入式マウント装置
US5215293A (en) Fluid-filled elastic mount having double-layered flexible membrane separating fluid chamber and vacuum-receiving chamber
US5314173A (en) Fluid-filled elastic mount having vacuum-receiving chamber partially defined by elastic member for isolating high-frequency vibrations
JP3539067B2 (ja) 流体封入式マウント装置
US7416173B2 (en) Pneumatically switchable type fluid-filled engine mount
JP4381333B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0689803B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2884799B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2623013B2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH04110244U (ja) 流体封入式マウント装置
JPH08270718A (ja) 流体封入式マウント装置
JP2986389B2 (ja) 液封防振ゴム装置
EP0851146A1 (en) Fluid-filled vibration damping device having pneumatically oscillated members partially defining primary and auxiliary fluid chambers
US7025341B2 (en) Pneumatically operated fluid filled engine mount for vehicles
JP3715230B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP3551637B2 (ja) 流体封入式マウント装置
EP0851144B1 (en) Vibration damping device including pneumatically oscillated member partially defining fluid-filled pressure-receiving chamber
JP3039102B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3714239B2 (ja) 流体封入式防振装置
US20030011115A1 (en) Fluid-filled vibration damping device
JPH04101833U (ja) 負圧制御式の流体封入型マウント装置
JP4269952B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3407616B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3487129B2 (ja) 空気圧制御型流体封入式防振装置
JP2657550B2 (ja) 流体封入式マウント装置