JPH039855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、パイプの曲げ加工治具に係り、特に
断面が平板状の中仕切りによつて２つに仕切られ
たパイプを単一の治具で曲げ加工機により任意の
方向に曲げ加工できるようにした治具に関する。

従来技術 従来、パイプを曲げ加工機で曲げる際には、曲
げ加工部において断面積が変化したりしわが寄ら
ないようにするためには、パイプ内に砂等の粒状
物を圧入して曲げたりしていたが、この方法によ
ると作業能率が悪く、多量生産には適さないとい
う欠点があつた。また別の方法としては、パイプ
の断面形状と同一の断面形状の芯金を曲げ加工部
直前まで挿入して曲げ加工する方法もあつたが、
これによると中仕切りのないパイプであればこれ
を任意に曲げることができるが、パイプ内に中仕
切りがあつてその断面が複数の通路に仕切られて
いるパイプでは、芯金が曲げ加工機側に固定され
て回転不能であるため一方向にしか曲げ加工する
ことができないという欠点があつた。

目 的 本考案は、上記した従来技術の欠点を除くため
になされたものであつて、その目的とするところ
は、パイプの断面が平板状の中仕切りによつて仕
切られて２つの断面半円形の通路が形成されたパ
イプを曲げ加工するために用いるものにおいて、
２本の断面半円形の芯金と、曲げ加工機側に固定
されるフランジとを回動自在に連結することによ
つて、２本の芯金がパイプと共に回転できるよう
にし、中仕切りがあパイプであつても立体的に任
意の方向に曲げ加工できるようにすることであ
り、またこれによつて中仕切りを有するパイプ曲
げ加工の作業能率を大幅に向上させることであ
る。

構 成 要するに本考案は、断面が平板状の中仕切りに
よつて仕切られて２つの断面半円形の通路が形成
されたパイプを曲げ加工するために用いるものに
おいて、前記２つの通路路に夫々挿入されて曲げ
加工される前記パイプのガイド部材となる２本の
断面半円形の芯金と、パイプの曲げ加工機側に固
定されるフランジ部とを備え、該フランジ部と前
記芯金とを回動自在に連結したことを特徴とする
ものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。本考案に係るパイプの曲げ加工用治具１は、
断面が平板状の中仕切り２ａによつて仕切られた
２つの断面半円形の通路P₁，P₂が形成されたパ
イプ２を曲げ加工するために用いるものであつ
て、複数の通路P₁，P₂に夫々挿入されて曲げ加
工されるパイプ２のガイド部材となる２本の断面
半円形の芯金３と、パイプ２の曲げ加工機４側に
固定されるフランジ部５とを備えており、該フラ
ンジ部５と芯金３とは一対のロツド６を介して回
動自在に連結されている。芯金３は、ロツド６に
固着されており、ロツド６は回転フランジ８にボ
ルト９によつて締め付け固定されている。そして
芯金３に第２図に示すようにパイプ２が挿入され
た場合には、該パイプ２には中仕切り２ａが存在
してもフランジ部５に対して該パイプ２を自由に
回転させることができるようにしたものである。

作 用 本考案は、上記のように構成されており、以下
その作用について説明する。パイプ２を曲げ加工
機４によつて曲げ加工するには、まず本考案に係
るパイプの曲げ加工用治具１をそのフランジ部５
のロツド５ａによつて曲げ加工機４に取り付けて
フランジ部５が回転しないように固定する。そし
て第２図に示すように、パイプ２を図中右方向か
ら芯金３に挿入する。この場合において各芯金は
パイプ２の通路P₁，P₂に挿入される。そこで曲
げ加工機４の押え金１０が矢印Ｃの如く接近し、
ローラ１１に対してパイプ２を軽く押圧する。次
いで押え金１０がローラ１１と共に軸１２を中心
にして矢印Ｄの如く回転すると、第４図に示すよ
うに、パイプ２はローラ１１の曲立半径に従つて
曲げ加工され、このときパイプ２は矢印Ｅの方向
に引きずられることになる。そして押え金１０が
パイプ２の曲げ角度θだけ回転して１回の曲げ加
工が完了する。すると押え金１０は矢印Ｆの方向
に後退し、更に矢印Ｇの方向に回転して第２図に
示す回転位置に戻る。

次に、このように第１の湾曲部２ｂにおいて曲
げ加工されたパイプ２を、第５図に示すように、
直角に回転させ、90度異なる方向に立体的に曲げ
加工する場合について説明すると、パイプ２を芯
金３に対して図中右方向にずらし、曲げ加工を必
要とする部分をローラ１１に対して位置決めし、
パイプ２を第５図のように回転させる。この場合
において、中仕切り２ａの存在にもかかわらず芯
金３がフランジ部５に対して回動自在であるの
で、該芯金が矢印Ｈの如く回転し、パイプ２は第
５図に示す方向に回転位置が定められる。この状
態において再び押え金１０が矢印Ｃの如く接近し
てローラ１１に対してパイプ２を軽く押圧する。
そして第７図に示すように、押え金１０が矢印Ｄ
の方向に回転して所定の角度αだけ回転し、第２
回目の曲げ加工が完了する。すると押え金は矢印
Ｆの如く後退し、矢印Ｇの如く第５図に示す位置
に戻り、パイプ２の曲げ加工が完了し、作業者は
該パイプ２を芯金３から引き抜く。

以上のように本考案によれば、第８図に示すよ
うにまずパイプ２をｘ，ｙ方向に曲げ加工し、湾
曲部２ｂを形成してから、次にｘ，ｚ方向にパイ
プ２を曲げ加工し、湾曲部２ｃを形成するような
三次元的な曲げ加工を自由に行うことができるの
である。これは各芯金３が２つの通路P₁，P₂に
挿入されて本来ならばパイプの曲げ加工用治具１
が回転不能であるのに、本考案ではこれがフラン
ジ部５に対して回動自在に構成されている結果得
られる特有の効果である。

なお上記実施例においては、パイプ２の中仕切
り２ａは該パイプ２を通路P₁，P₂に分割する単
一のものとして説明したが、該中仕切りはパイプ
２の断面を３分割、４分割等に分割するような３
つ又はそれ以上の数のものであつてもよいことは
明らかである。

効 果 本考案は、上記のように構成され、作用するも
のであるから、パイプの断面が平板状の中仕切り
によつて仕切られて２つの通路が形成されたパイ
プを曲げ加工するために用いるものにおいて、２
本の断面半円形の芯金と、曲げ加工機側に固定さ
れるフランジとを回動自在に連結したので、２本
の芯金がパイプと共に回転できるため、中仕切り
があるパイプであつても任意の方向に曲げ加工す
ることができるという効果が得られ、またこの結
果中仕切りを有するパイプの曲げ加工の作業能率
を大幅に向上させることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に係り、第１図はパイプ
の曲げ加工用治具の斜視図、第２図は第１回目の
曲げ加工を行う作業開始状態を示す横断面図、第
３図は第２図の−矢視縦断面図、第４図は第
１回目の曲げ加工が行われている状態を示す横断
面図、第５図は曲げ方向が異なる第２回目の曲げ
加工を行う場合の作業開始状態を示す横断面図、
第６図は第５図の−矢視縦断面図、第７図は
２回目の曲げ加工を行つている状態を示す横断面
図、第８図はパイプの曲げ加工を座標で示す概略
斜視図である。 １はパイプの曲げ加工用治具、２はパイプ、２
ａは中仕切り、３は芯金、４はパイプの曲げ加工
機、５はフランジ部、P₁，P₂は通路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が平板状の中仕切りによつて仕切られて２
   つの断面半円形の通路が形成されたパイプを曲げ
   加工するために用いるものにおいて、前記２つの
   通路に夫々挿入されて曲げ加工される前記パイプ
   のガイド部材となる２本の断面半円形の芯金と、
   パイプの曲げ加工機側に固定されるフランジ部と
   を備え、該フランジ部と前記芯金とを回動自在に
   連結したことを特徴とするパイプの曲げ加工治
   具。