JPH0396745A - ダンパおよびオートテンショナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ダンパおよびそれを用いたオートテンショ
ナ、さらに詳しくは、自動車用エンジンのクランクシャ
フトのプーりとカムシャフトのブーりの間に掛けられた
タイミングベルトなどに所定の張力を付与するオートテ
ンショナに関する。

従来の技術および発明の課題 自動車用エンジンにおいては、タイミングベルトに適正
な張力を与えるために、通常、テンショナが使用される
。なかでも、ベルトの経時的な伸びやエンジンの温度変
化に伴うベルト張力の変化を補正するために、オートテ
ンショナが使用される。

オートテンショナには多くの種類があるが、エンジンブ
ロックなどの固定部分に略円柱状の固定部材をボルトで
固定し、この固定部材に軸受内輪に相当する略円柱状の
偏心可動部材を偏心状かつ回転自在に嵌合し、ベルトに
張力を付与するためにばねを備えるとともに、ベルト張
力の振動に共振しないようにダンパを内蔵したものがあ
る。ダンパは、たとえば、固定部材と可動部材の嵌合部
に高粘度の油など粘性流体を介在させることによって構
成されるが、可動部材の内径および軸方向寸法に制約が
あるため、粘性流体の粘性剪断抵抗が作用するダンパの
浦の剪断面の表面積を大きくとることができず、したが
って、強力なダンパを得ることができなかった。

オートテンショナ以外の同様のダンパについても、同じ
問題がある。

この発明の目的は、上記の問題を解決し、粘性流体の剪
断面の表面積を大きくとれるダンパおよびオートテンシ
ョナを提供することにある。

課題を解決するための手段 この発明によるダンパは、固定部材に一体に取付けられ
たスリーブと、可動部材に一体に取付けられたスリーブ
とが互いに入れ子状に組み合わされるとともに、これら
の組み合わせられた隙間に粘性流体が封入されているも
のである。

この発明によるオートテンショナは、上記のダンパを有
するものである。

作　　　用 固定部材のスリーブと可動部材のスリーブとが互いに入
れ子状に組み合わされて、これらの組み合わせられた隙
間に粘性流体が封入されているので、粘性流体の剪断面
の表面積が増加し、粘性減衰係数が大きくなる。このた
め、ダンパの直径および軸方向寸法に余裕がない場合で
も、従来のものに比べて強力なダンパが得られる。

したがって、このダンパをオートテンショナに使用する
と、ベルトの大きな張力の振動に共振しなくなる。

実　　施　　例 以下、図面を参照して、この発明を自動車用エンジンの
タイミングベルトのオートテンショナに適用した実施例
について説明する。

第１図および第２図は、第１実施例を示す。

エンジンの固定部分（たとえばエンジンブロック）　（
１）　ｌこ、段付円柱状の固定部材（２）がその中心を
貫通して固定部分（１）にねじ込まれたボルト（３）に
より固定されている。固定部材（２）の基端側（固定部
分（１）側）端部および先端側（ボルト（３）の頭（３
ａ）側）端部の小径段部（２ａ）　（２ｂ）に、第１側
板（４）および第２側板（５）がそれぞれ圧入により固
定されている。第１側板（４）は固定部材（２）より外
径の大きい円板部（４ａ〉の対称２箇所に半径方向外側
に突出した係合部（４ｂ）とストツバ部（４Ｃ）が一体
に形成されたものである。係合部（４ｂ）には穴（６）
が形成され、固定部分（１）に固定された回り止めビン
（７〉がこの穴（６）に通されている。第２側板（５〉
は円板状をなし、その外径は固定部材（２）の外径より
大きい。

固定部材（２）の周囲の側板（４）　（５）の間に、偏
心穴（８）を有する略円柱状の偏心可動部材（９）がダ
ンパ（１０〉を介して偏心状かつ回転自在に取付けられ
ている。固定部材（２）の中間の大径部（２ｃ）に固定
スリーブ（１１）が一体に取付けられている。固定スリ
ーブ（１１）の先端側端部に肉厚（軸方向の厚さ）の比
較的厚い内向きフランジ部（Ｉｌａ）が一体に形成され
ており、固定部材（２）の大径部（２ｃ）の先端側端部
にこのフランジ部（Ｉｌａ）が圧入により固定され、大
径部（２Ｃ）とスリーブ（ｔ１）の間に基端側が開口し
た環状空間が形成されている。可動部材（９〉の偏心穴
（８）の先端側を除く部分に可動スリーブ（１２）が一
体に取付けられている。可動スリーブ（１２）の基端側
端部に肉厚の比較的厚い外向きフランジ部（１２ａ）が
一体に形成されており、偏心穴（８）の基端側端部にこ
のフランジ部（１２ａ）が圧入により固定され、スリー
ブ（ｌ２）と偏心穴（８）の間に先端側が開口した環状
空間が形成されている。固定部材（２）の大径部（２Ｃ
）と固定スリーブ（ｌｌ）の間の環状空間に可動スリー
ブ（ｌ２）がはめられるとともに、可動スリーブ（ｌ２
）と偏心穴（８）の間の環状空間に固定スリーブ（ｌ１
）がはめられて、スリーブ（１１）　（１２）同志が入
れ子状に組み合わされている。そして、これらの組み合
わせ部分の隙間、すなわち、固定部材（２）の大径部（
２ｃ）の外周面と可動スリーブ（１２）の内周面との隙
間、可動スリーブ（ｌ２）の外周面と固定スリーブ（１
１）の内周面との隙間、および固定スリーブ（１１）の
外周面と偏心穴（８）との隙間に、たとえば粘度が１０
０，ＯＯＯｃｓｔ　　（２５℃）以上のシリコーンオイ
ル（粘性流体）（０）が封入されている。

可動スリーブ（１２）の基端側端部の内周面に、固定部
材（２）の基端側小径段部（２ａ）との間を密封してシ
リコーンオイル（０）を封止するオイルシール（１３）
が取付けられ、固定部材（２〉の先端側小径段部（２ｂ
）の外周面に、可動部材（９）の偏心穴（８〉との間を
密封してシリコーンオイル（０）を封止するオイルシー
ル（ｌ４）が取付部材（４８）を介して取付けられてい
る。そして、これらスリーブ（１１）（１２）、オイル
シール（１３）（１４）およびシリコーンオイル（０〉
により、ダンパ（ｌＯ）が構成されている。

可動部材（９）の基端側に固定部材（２）とほぼ同心の
ボス部（９ａ）が形成され、残りの先端側の部分が固定
部材（２〉に対して偏心した偏心部（９ｂ）となってい
る。

可動部材（９）の偏心部（９ｂ）の周囲に、円筒状のア
イドラ（ｉ５）が複数の球状転勤体（１６）とシール（
１７）を介して回転自在に取付けられている。

可動部材（９）のボス部（９ａ）の周囲に、ブラケット
（１８）の短円筒部（１８ａ）がはめられている。

ブラケット（１８）は、可動部材（９）の偏心部（９ｂ
）の基端側側面に挿入された固定ピン（１９）により、
可動部材（９）に対して回転しないように固定されてい
る。ブラケット（ｉ８）の一部は基端側に折れ曲ったの
ち、第１側板（４）のストッパ部（４Ｃ）に対応して半
径方向外側に突出しており、この部分がストッパ部（１
８ｂ）となっている。このストッパ部（１８ｂ）にはば
ね取付け穴（２０）が形成され、この穴（２０）にはめ
止められたブシュ（２ｌ）と固定部分（１）とに引張コ
イルばね（２２）の両端部が取付けられている。そして
、このばね（２２）は、ブラケット（１８）のストッパ
部（１８ｂ）が第１側板（４）のストッパ部（４Ｃ）か
ら離れる方向（時計方向）に可動部材（９）を付勢し、
アイドラ（ｌ５〉をタイミングベルト（２３）の＠（２
４）のない面に押付けている。

次に、上記のオートテンショナの動作を説明する。

ベルト（２３）が緩んで張力が小さくなろうとすると、
ばね（２２）の弾性力（ばね力）により可動部材（９）
が固定部材（２）を中心にベルト（２３）に接近して張
力を増す方向（時計方向）に回転し、張力が所定の値に
保持される。逆に、ベルト（２３）が張って張力が大き
くなろうとすると、ばね力に抗して可動部材（９）がベ
ル｝　（２３）から離れて張力を減らす方向（反時計方
向）に回転し、張力が所定の値に保持される。また、ベ
ルト（２３）の振動やエンジンの振動によるアイドラ（
１５）および可動部材（９）の振動は、ダンパ（１０）
のシリコーンオイル（０）の回転に対する粘性剪断抵抗
により抑制される。

上記のオートテンショナのダンパ（１０）では、固定部
材（２）と可動スリーブ（ｌ２）との隙間、可動スリー
ブ（ｌ２）と固定スリーブ（１１）との隙間、および固
定スリーブ（１１〉と可動部材（９）の偏心穴（８）と
の隙間にシリコーンオイル（０）が封入されて、これら
がすべて剪断面となっている。

このため、固定部材とその外周に直接取付けられた偏心
可動部材の偏心穴との隙間にシリコーンオイルが封入さ
れている従来のオートテンショナのダンパに比べ、シリ
コーンオイル（０）の剪断面の表面積が大きく、粘性減
衰係数が太きくなる。したがって、偏心穴（８）の内径
や軸方向寸法に余裕がない場合でも、ダンパ（１０）は
強力なものとなり、オートテンショナはベルト（２３）
の大きな張力の振動に共振しなくなる。

第３図は、第２実施例を示す。なお、以下の実施例はオ
ートテンショナのダンパ（１０）の部分を拡大して示す
ものであり、すメての実施例について同じ部分には同一
の符号を付している。

第２実施例の場合、スリーブ（１１）（１２）の形状お
よび取付け方などが第１実施例のものと若干異なってい
る。固定スリーブ（１１）の内向きフランジ部（Ｌｌａ
）は内側に比較的大きく張出し、固定部材（２）の先端
側小径段部（２ｂ）に圧人されている。可動スリーブ（
ｌ２〉の外向きフランジ部（１２ａ）は外側に比較的大
きく張出し、可動部材（９）の偏心穴（８〉の基端側に
形成された大径段部（８ａ）に圧入されている。また、
先端側のオイルシール（１４）は、偏心穴（８）の先端
側に形成された大径段部（８ｂ）に取付けられて、固定
スリーブ（｛１）の外周面との間を密封している。他は
、第１実施例と同様である。

第４図は、第３実施例を示す。

第３実施例の場合、スリーブ（１１）（１２）の肉厚が
薄く、これらのフランジ部（ｌｌａ）　（１２ａ）を圧
入によって固定することは不可能である。このため、ス
リーブ（１１）（１２）は、それぞれスリーブ押え（２
５）（２Ｂ）によって固定されている。固定スリーブ押
え（２５）は固定部材（２）の先端側小径段部（２ｂ〉
に圧入され、これと大径部（２Ｃ〉の先端側端面との間
に固定スリーブ（１１）のフランジ部（ｌｌａ）が挾ま
れている。そして、スリーブ押え（２５）の適当箇所に
形成された切欠き（２７）にスリーブ（１１）のフラン
ジ部（ｌｌａ）に形成された突起（２８）がはめられ、
これによって固定スリーブ（１ｌ）の回り止めがなされ
ている。また、固定スリーブ押え（２５）の外周面に、
可動部材（９〉の偏心穴（８）との間を密封するオイル
シール（１４）が設けられている。可動スリーブ押え（
２６〉は可動部材（９）の偏心穴（８）の基端側大径段
部（８ａ）に圧入され、これと偏心穴（８）の小径部（
８ｃ）の基端側端面との間に可動スリーブ（ｌ２）のフ
ランジ部（１２ａ）が挾まれている。そして、スリーブ
押え（２６）の適当箇所に形成された切欠き（２９）に
スリーブ（Ｉ２）のフランジ部（１２ａ）に形成された
突起（３０）がはめられ、これによって可動スリーブ（
１２）の回り止めがなされている。また、可動スリーブ
押え（２６）の内周面に、固定部材（２）の小径段部（
２ａ）外周面との間を密封するオイルシール（１３〉が
設けられている。他は、これまでの実施例と同様である
。

第５図は、第４実施例を示す。

第４実施例の場合、固定スリーブ（｛ｌ）のフランジ部
（Ｌｌａ）の内周縁に短円筒部（ｌｌｂ）が形或され、
この短円筒部（ｌｌｂ）が固定部材（２）の先端側小径
段部（２ｂ）に圧入されている。そして、可動部材（９
）の偏心穴（８）の先端側端部に固定スリーブ押え〈３
０が圧入され、このスリーブ押え（３１）の内周面に固
定部材（２）の小径段部（２ｂ）との間を密封するオイ
ルシール（ｌ４）が取付けられている。可動スリーブ（
ｌ２）のフランジ部（１２ａ）の外周縁に短円筒部（１
２ｂ）が形或され、この短円筒部（１２ｂ）が偏心穴（
８）の基端側大径段部（８ａ）に圧入されている。そし
て、偏心穴（８）の基端側大径段部（８ａ）の基端側端
部に可動スリーブ押え（３２）が圧入され、このスリー
ブ押え（３２）の内周面に固定部材（２）の小径段部（
２ａ）との間を密封するオイルシール（ｌ３）が取付け
られている。他は、これまでの実施例と同様である。

第６図は、第５実施例を示す。

第５実施例の場合、固定スリーブ押え（３３）により固
定部材（２）に固定された内外３つの固定スリーブ（３
４）と、可動スリーブ押え（３５）により可動部材（９
）に固定された内外３つの可動スリーブ（３Ｂ）とが、
交互に入れ子状に組み合わされている。固定スリーブ押
え（３３）は固定部材（２）の先端側端部に圧入され、
このスリーブ押え（３３）の適当箇所に形成された突起
（３７）が固定スリーブ（３４）の先端側端部に形成さ
れた切欠き（３８）にはめられて、固定スリーブ（３４
）の回り止めがなされている。そして、可動部材（９）
の偏心穴（８）の先端側大径段部（８ｂ）に、固定スリ
ーブ押え（３３）の外周面との間を密封するオイルシー
ル（１４）が取付けられている。可動スリーブ押え（３
５〉は偏心穴（８〉の小径部（８Ｃ）の基端側端部に圧
入され、このスリーブ押え（３５）の適当箇所に形成さ
れた突起（３９）が可動スリーブ（３６〉の基端側端部
に形戊された切欠き（４０）にはめられて、可動スリー
ブ（３６）の回り止めがなされている。そして、可動ス
リーブ押え（３５）の内周面に、固定部材（２〉の小径
段部（２ａ）との間を密封するオイルシール（１３）が
取付けられている。シリコーンオイル（０）は、固定部
材（２）と最も内側の可動スリーブ（３Ｂ）との隙間、
隣接する可動スリーブ（３６）と固定スリーブ（３４）
とのすべての隙間、および最も外側の固定スリーブ（３
４）と可動部材（９）の偏心穴（８）との隙間に封入さ
れており、シリコーンオイル（０）の剪断面の表面積が
非常に大きくなっている。なお、スリーブ（３４）（３
８）の端部に切欠き（３８）（４０）を設けるかわりに
、スリーブ（３４）　（３Ｂ）の１箇所に全長にわたる
切欠きを設けて、これらの切欠きをスリーブ押え（３３
）　（３５）の突起（３７）（３９）にはめ、切欠きの
部分を油溜めとして使用することもできる。他は、これ
までの実施例と同様である。

第７図は、第６実施例を示す。

第６実施例の場合、固定部材（２）の基端側小径段部（
２ｄ）に固定スリーブ押え（４１）が圧人され、固定ス
リーブ（４２）の基端側端部に形戊された内向きフラン
ジ部（４２ａ）がこの固定スリーブ押え（４１）と固定
部材（２）の中間の中間径部（２ｅ）の基端側端面との
間に挾まれている。そして、固定スリーブ押え（４１）
の適当箇所に形成された突起（４３）が固定スリーブ（
４２）のフランジ部（４２ａ）に形成された切欠き（４
４〉にはめられ、これによって固定スリーブ（４２）の
回り止めがなされている。

可動スリーブ（４５）の先端側端部に形成された外向き
フランジ部（４５ａ）の外周縁に円筒部（４５ｂ）が形
成され、この円筒部（４５ｂ）が可動部材（９）の偏心
穴（８）の先端側大径段部（８ｂ）に圧人されている。

固定スリーブ押え（４１）の外周面と偏心穴（８）の基
端側大径段部（８ａ）との間、および固定部材（２）の
先端側大径段部（２ｆ）と可動スリーブ（４５）の円筒
部（４５ｂ）との間にそれぞれ軸受メタル（４６）＜４
７）が設けられており、これらのメタル（４Ｂ）（４７
）によって可動部材（９）が回転支持されている。そし
て、偏心穴（８）の基端側大径段部（８ａ）の先端側端
部に固定スリーブ押え（４１）との間を密封するオイル
シール（ｌ３）が取付けられ、可動スリーブ（４５）の
円筒部（４５ｂ）内周面の基端側端部に固定部材（２）
の大径段部（２ｒ）との間を密封するオイルシール（ｌ
４）が取付けられている。

他は、これまでの実施例と同様である。

第８図は、第７実施例を示す。

第７実施例の場合、オイルシール（１３）　（１４）の
取付位置が第６実施例のものと異なっている。

基端側のオイルシール（１３）は可動部材（９）の偏心
穴（８）の基端側大径段部（８ａ）の基端側端部に取付
けられ、先端側のオイルシール（ｌ４）は可動スリーブ
（４５）の円筒部（４５ｂ）の先端・側端部に取付けら
れており、軸受メタル（４６）　（４７）の外周而と偏
心穴（８）および可動スリーブ（４５）との間にもシリ
コーンオイル（０）が封入されている。他は、第６実施
例と同様である。

この発明によるオートテンショナは、自動車用エンジン
のタイミングベルト以外のベルトにも適用できる。また
、この発明によるダンパは、オートテンショナ以外のダ
ンパにも適用できる。

上記実施例では、固定部材（２）が内側に、可動部材（
９）が外側に配置されているが、固定部材が外側に、可
動部祠が内側に配置されることもある。

発明の効果 この発明によれば、上述のように、粘性流体の剪断面の
表面積が増加し、粘性減衰抵抗の大きい強力なダンパを
得ることができる。

そして、ベルトの大きな張力の振動に共振しない強力な
オートテンショナを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例を示すオートテンショナ
の縦断面図（第２図１−１線の断面図）、第２図は第１
図■一■線の断面図、第３図は第２実施例を示すオート
テンショナのダンパの部分の縦断面図、第４図は第３実
施例を示す第３図相当の図面、第５図よ第４実施例を示
す第３図相当の図面、第６図ま第５実施例を示す第３図
相当の図面、第７図よ第６実施例を示す第３図相当の図
面、第８図は第７実施例を示す第３図相当の図面である
。 （２〉・・・固定部材、（９）・・・偏心可動部材、（
１０）・・・タンバ、（１１）・・・固定スリーブ、（
１２〉・・・可動スリーブ、（３４）・・・固定スリー
ブ、（３６）・・・可動スリーブ、（４２）・・・固定
スリーブ、（４５）・・・可動スリーブ、（０）・・・
シリコーンオイル（粘性流体）。 以　　上

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）固定部材に一体に取付けられたスリーブと、可動
   部材に一体に取付けられたスリーブとが互いに入れ子状
   に組み合わされるとともに、これらの組み合わせられた
   隙間に粘性流体が封入されているダンパ。
2. （２）請求項（１）に記載のダンパを有するオートテン
   ショナ。