JPH0393701A - 切花用鮮度保持剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、保存時及び流通過程において切花の鮮度を保
持する切花用鮮度保持剤に関する。

〔従来の技術〕

切花の老化、萎凋にエチレンが関与することは古くから
知られ、その除去方法が種々提案されている。例えば、
活性炭、ゼオライト等の吸着剤を使用するもの（特開昭
６３−１８５３３６号）、過マンガン酸カリウムを含有
した材料を使用するもの（特開昭５５−１５４９０１号
）が開示されている。しかしいずれの方法でもエチレン
ガスの吸着・分解速度が遅く実用上は、適当といえなか
った。

〔発明が解決しようとする課題〕

切花の鮮度保持は、■使用方法が簡便である、■広範囲
の花に効果を発揮する、■効果の持続性がある等の性能
を満足したものでなければならない。これに対して、活
性炭、ゼオライト等の吸着剤は、そのエチレン吸着量が
限られており、持続性がない。また過マンガン酸カリウ
ム等のエチレン酸化分解剤は水溶液では不安定で、エチ
レン分解反応速度が遅い欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者等は、花におけるエチレン生成経路や切花の老
化現象等を鋭意研究した。その結果、水可溶性脱酸素剤
と銀化合物を含有する組或物がエチレン生或を抑制する
とともに切花腐敗に関与する微生物を抑制し、鮮度保持
効果が広範囲の花に対して発揮されることを見出し、本
発明を完成するに至った。

すなわち、花類におけるエチレン生合成経路はイオウを
含むアミノ酸の一種であるメチオニン（　ＣＩ｛３３Ｃ
Ｈ！ＣＨ！ＣＨ（ＮＨ！　）ＣＯＯＨ）が１−アミノシ
クロプロパン−１−カルボン酸（　ＣＨｚ　）ｔｃ（Ｎ
Ｈｔ　）Ｃｏｏ旧を経て、周辺の酸素により酸化されて
エチレンが生合成される。従って、エチレン生合成を抑
制するには何等かの方法で周辺の酸素濃度を低下させる
ことが有効であることが分った。酸素濃度を低下させる
脱酸素剤は多く知られている。そこで、その内でも切花
が使用される水系において安定した脱酸素力を保持する
物質を検討した。その結果、水に対する溶解度が室温（
１５〜２５°Ｃ）で０．０１〜０．５ｇ／ＷＩｌである
アスコルビン酸、没食子酸、及びピロガロール等が好適
であることが分った。さらに、これら脱酸素剤に銀化合
物を加えることで鮮度保持効果が一層向上する。これは
、銀化合物がエチレン生合成酵素の活性を阻害し、切花
の水吸上げ力を低下させ萎凋を進行させる茎切り口の微
生物繁殖を抑制するからであると考えられる。

以下本発明について詳細に説明する。

本発明において水可溶性脱酸素剤は水系において安定で
あり、その成分を徐々に溶出させ、脱酸素効果が持続す
る物質であればよい。例えばアスコルビン酸、ソルボー
ス、グルコース、リグニン、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、プチルヒドロキシアニソール、ヒドロキノン、カテ
コール、レゾルシン、ピロガロール、ロンガリット、没
食子酸等とそれらの誘導体を挙げることができる。この
うち、水に対する溶解性が適度であるアスコルビン酸、
没食子酸及びピロガロールが特に好ましい。

室温における水に対する溶解度は、股食子酸が０．Ｏｌ
ｇ／ｍＡ’、アスコルビン酸が０．２２ｇ／一、ピロガ
ロールが０．５０ｇ／一である。

本発明において銀化合物は、水系において銀を徐々に溶
出させ、切花に吸収され、エチレン生成酵素や茎切り口
の微生物繁殖を抑制する効果が持続する物質であればよ
い。例えば、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、塩
化銀、リン酸銀、チオ硫酸銀、ジアミン銀硝酸塩、ジア
ンミン銀硫酸塩等を挙げることができる。このうち切花
に吸収されやすい陰イオンの形で銀が存在するジアンミ
ン銀硝酸塩（Ａｇ（ＮＨｓ　）ｔｌＮＯｘ、ジアンミン
銀硫酸塩［Ａｇ（ＮＨｓ　）ｔ　］　ＩＳＯ４等のジア
ンミン銀錯体が特に好ましい。

本発明の鮮度保持剤において、銀化合物は水可溶性脱酸
素剤に対してモル比率で１：０．０１−１０の範囲で用
いるのが好、ましく、さらに好ましくは１：０．０５〜
ｌである。

本発明の鮮度保持剤は水１リットルに対して０．５〜１
０ｇを使用することが適当である。

本発明の鮮度保持剤は通常用いるれる多孔質の担体に担
持することができる。例えば、ポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ボリスチレン、
ポリウレタンエラストマーポリエステルエラストマー等
の有機発泡体、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ケイソ
ウ土、粘土、活性炭、層状化合物等の無機質多孔体が挙
げられる。このうち切花を刺すことができ、鮮度保持戊
分を有効に切花の茎部分に接触させることが容易な有機
発泡体を用いることが好ましい。

本発明の鮮度保持剤の原料及び調製法には特に限定はな
く、通常入手しうるちのを適宜均一に混合して使用でき
る。例えば、ポリオール、ポリイソシアネートおよびト
リクロルモノフルオルメタン、ジクロルジフルオルメタ
ン等の発泡剤にアスコルビン酸とジアンミン銀硝酸塩を
添加し、ポリウレタン生成反応を起こさせ、発泡或型品
を得ることができる。また担体であるゼオライトにヒド
ロキノン水溶液とジアンミン銀硫酸塩水溶液をそれぞれ
吸収、乾燥させ、次いでこれら顆粒状ゼオライトを混合
することで本発明の鮮度保持剤を調製できる。

さらに上記のようにして得られた鮮度保持剤は球状、板
状、ペレット状等に成型したり、通水性のある袋、容器
等に充填して使用したり、直接花器等に塗布して用いる
こともできる。

〔発明の効果〕

本発明の切花用鮮度保持剤はエチレン生合戊を抑制する
とともに切花茎付近に繁殖する微生物を抑制し、切花の
保存および流通過程における鮮度保持効果を示す。

〔実施例〕

次に本発明の実施の態様を実施例により説明する。但し
、本発明は実施例に限定されるものではない。

参考例Ｉ　（ジアンミン銀・硝酸塩の調製）硝酸銀３６
ｇを水７０−に溶解させ、これに３０％アンモニア水を
滴下した。褐色沈殿が生成したら、これを攪拌しながら
、さらに３０％アンモニア水を滴下し、褐色沈殿が再溶
解するまで続けた。再溶解したら、濾紙にて溶液を濾過
した後、１５℃以下に冷却させ、無色結晶を得た。結晶
を濾過後、減圧下２５℃で水分を除去し、粉砕した。

得られた粉末は（Ａｇ（Ｎｕｓ）ｚ］ＮＯ＋の化学式を
有する物質であった（Ｘ線回折分析で確認）。

実施例ｌ　（鮮度保持剤含有有機発泡体の調製）水可溶
性脱酸素剤及び銀化合物を所定量分取し、粉末状態にて
ボールミルにて混合粉砕した。得られた鮮度保持剤（粉
末）をさらに下記の配合比にて反応させ、発泡ポリウレ
タンを得た。

エチレンポリオール （日本ポリウレタン・ニツポラン１４１）　　７０部４
，４−ジフェニルメタン ジイソシアネート　　　　　　　　　　　１０部トリク
ロルモノフルオルメタン　　　　　１０部界面活性剤　
　　　　　　　　　　　　　　５部水可溶性脱酸素剤　
　　　　　　　０．５〜５部銀化合物　　　　　　　　
　　　　０．１〜５部水可溶性脱酸素剤、銀化合物の物
質名及び配合比を表１に示す。

実施例２（鮮度保持剤含有粒子体の調製）水可溶性脱酸
素剤及び銀化合物をそれぞれ水溶液とし、これらを担体
である合１＆Ａ型ゼオライト１００ｇに所定量吸着させ
た。１００℃にて乾燥した後、所定量配合させた。これ
らを目付０．３ｇ／ボのポリエステル不織布の袋にｌＯ
ｇ入れ、製袋（ヒートシール）した。

水可溶性脱酸素剤、銀化合物の物質名及び配合比を表２
に示す。

但し、担体として用いた合成Ａ型ゼオライトは、シナネ
ンニューセラミック社製Ａ型ゼオライト（Ｎａ２０　・
ＡＩ！２０ａ　・２．　ｌｓｉｏ２・ｎＨ２０　　粒径
１．３μｍ）にベントナイト５％加え造粒し、５０〜１
００メッシュに調整したものである。

試験例（切花保存試験） 実施例１及び２で得た鮮度保持剤含有体を３０ｇ入れた
花瓶に水３１加え、鮮度の良好なカーネーションｌＯ本
を入れ、これを密封状態にできる透明アクリル容器中に
入れ室内に保持した。各状態におけるエチレンガス量、
花弁落花までの日数、水中の一般細菌数を３日間ごとに
測定した。結果を表３に示す。なお、比較例として鮮度
保持剤をまったく添加しないもの（比較例ｌ）及び水可
溶性脱酸素剤のみのもの（Ｎｏ．　ｌ−５、比較例２）
、銀化合物のみのもの（　Ｎｏ．　２−５、比較例３）
も同様に試験した。

−４

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）水可溶性脱酸素剤と銀化合物を含有する切花用鮮
   度保持剤。
2. （２）水可溶性脱酸素剤がアスコルビン酸、没食子酸又
   はピロガロールである請求項１記載の切花用鮮度保持剤
   。
3. （３）銀化合物がジアンミン銀錯体である請求項１記載
   の切花用鮮度保持剤。