JPH039262B2

JPH039262B2 -

Info

Publication number: JPH039262B2
Application number: JP23143186A
Authority: JP
Inventors: Mitsumasa Murakami
Original assignee: Daishin Kogyo KK
Current assignee: Daishin Kogyo KK
Priority date: 1986-09-29
Filing date: 1986-09-29
Publication date: 1991-02-08
Also published as: JPS6389781A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、一般家庭などにおいて、使用頻度
の低い各種物品や季節毎に入替えを要する物品、
その他、家財品や食料品などを収納保管する場合
あるいは、商店において在庫品を収納保管する場
合に用いられるもので、殊に、天候の変動や温度
変化などの外部環境変化に対しても、温度や湿度
など収納部の環境条件を適正、安定に維持しやす
い地下式収納庫に関する。

（従来の技術）この種の地下式収納庫は、収納庫として主流を
占めている床下収納庫に比べて、収納部の環境条
件において、より優れているのみならず、一定敷
地面積のもとでの収納容量に制限が少なくて、大
型化しやすい利点がある。

この種の地下式収納庫として従来から知られて
いるものに、側壁、床、天井の全てを鉄筋コン
クリート造りにしたもの、側壁、床、天井の各
パネルを、防錆、防蝕仕上げしたスチールパネル
から構成したもの、一般構造用圧延鋼材を波形
に成型した波形成型パネルに枠をつけた小割りの
パネルを現場組立てすることにより、側壁、床、
天井パネルを構成し、かつ下地材として硬室発泡
ウレタンに合板と石綿材を貼り合わせた防湿効果
の高いボードを使用したもの、FRP製の型枠
を現場に搬入設置し、このFRP製型枠の中にコ
ンクリートを打設して両者を複合パネル化したも
の、などがある。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、上記した各従来例のうち、お
よびで示すものは、大部分が現場施工に頼らね
ばならないので、工期、工費の両面からコストア
ツプし易いとともに、のものは圧延鋼材の波形
成型といつたように、バネルの製作に特殊な加工
を必要とし、また、のものはFRPのもつ耐水
性の利用によつて防水、防湿性に優れている反
面、材料コストの高いFRPの使用および十分な
耐圧強度を得るためにコンクリート内に配筋を施
す必要があつて、何れにしてもトータル建築費が
非常に嵩み、一般家庭向けの収納庫の普及のネツ
クになつていた。

また、およびで示すものは、工場ですべて
組立てる、いわゆるユニツト生産方式の採用によ
り工期の短縮、工費の削減を図り得るものの、
のものは地下構造物として要求される土圧および
積載荷重に対する十分な耐力を得るために相当に
多量な鉄筋を使用し、壁厚も大きくしなければな
らず、従つて、結果的には現場施工タイプの、
のものとほとんど変わらないだけのトータル建
築費を要するものであり、また、のものはラー
メン構造の採用によつて土圧や積載荷重に対して
十分な耐力をもたせ易いものの、耐腐食性、耐錆
性が十分でなく、短期間のうちにスチールパネル
が腐食したり発錆したりして、収納庫全体として
の耐久強度に問題を生じる欠点があつた。

以上詳述した各従来例では、工期、耐久性、止
水性、防食性等々といつた地下式収納庫を安全、
かつ快適に使用する上で要求される性能の全てを
満足するものは無かつた。

この発明は上記の実情に鑑みて鋭意研究された
もので、トータル建築費の大幅な節減を図りつ
つ、土圧や積載荷重に対する耐力に優れ、しかも
耐食性、止水性等にも非常に優れた地下式収納庫
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）上記の目的を達成するために、この発明に係る
地下式収納庫は、４枚の側壁パネルと床パネルな
らびに天井パネルとをもつてボツクス形に構成さ
れ、上記天井パネルには昇降用出入口を形成して
なる地下式収納庫であつて、上記各パネルを、骨
組を構成するＬ形鋼の両側に相対向させて張付け
固定した内外２枚の中厚鋼板と、この内外２枚の
中厚鋼板間に注入充填した発泡性断熱材とのサン
ドイツチ構造にするとともに、各パネルの外面全
域には、耐アルカリ繊維補強ポリマーセメントモ
ルタルからなる層を一体に付着形成したことを特
徴とする。

（作用）この発明によれば、側壁、床、天井の各パネル
が、Ｌ形鋼からなる骨組の両側に中厚鋼板を張付
け固定し、かつその内外の中厚鋼板間に発泡性断
熱材を注入充填したサンドイツチ構造とされてい
るので、地下に埋設した際の土圧および積載荷重
に対して十分な耐力をもたせることができるとと
もに、断熱、防音、結露防止の諸性能に優れ、庫
内温度および湿度の安定化が図れる。また、各パ
ネルの外面には耐アルカリ繊維補強ポリマーセメ
ントモルタル層が付着形成されているので、耐ア
ルカリ性、耐薬品性、低透水性、少吸水性ならび
に層自体の耐衝撃性、耐ひび割れ性、強付着性か
ら漏水腐食防止性能を長期に亘つて確実、安定的
に維持できるのである。

（実施例）以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。

第１図乃至第５図において、１は四枚の側壁パ
ネル、２は床パネル、３は天井パネルであつて、
これら各パネル１，２，３の組合せをもつて、全
体がボツクス形に構成されている。

上記各パネル１，２，３は、第２図で明示のよ
うに、約50mm位の適宜間隔を隔てて対向位置し、
かつ、適当ピツチ間隔で配置されて骨組を構成す
るＬ形鋼９の両側に張付け固定された4.5mmと６
mmの内外２枚の中厚鋼板５，６とその内外２枚の
中厚鋼板５，６間に充填された発泡ウレタンなど
の発泡性断熱材７とのサンドイツチ構造に構成さ
れている。このようなサンドイツチ構造の各パネ
ル１，２，３，の内、側壁パネル１および天井パ
ネル３の内面にはクロス１０が貼付され、床パネ
ル２の内面にはクロシヨンフロア材１１が貼付さ
れている。

８は上記各パネル１，２，３，の全外面に、約
５〜30mmの厚味で一体付設した耐アルカリガラス
繊維補強ポリマーセメントモルタル（Ｆ−GRC）
層であつて、これは外側の中厚鋼板６の外面を下
地処理し、サンド処理した後、Ｆ−GRCを必要
厚にスプレーアツプまたはコテ塗り手段等により
形成されたもので、防水性、防蝕性、耐薬品性に
優れた層である。

尚、上記Ｆ−GRCは、セメントと細骨材とガ
ラス繊維ペーストとを混練してなるもので、スプ
レーガンやコテ塗りといつた現場施工が可能であ
り、かつ硬化後の特性の一例を示すと、曲げ強度
が173Kgｆ／cm²、圧縮強度が355Kgｆ／cm²、耐摩耗
性が0.3mm、付着強度が21.3Kgｆ／cm²、透水量が
2.3／hr、である。加えて、耐海水、耐アルカリ
性、耐薬品性にも優れている。

４は、上記天井パネル３の一側寄り位置に形成
した昇降用出入口であつて、その直下相当部には
昇降用出入口１２が固定装備されているととも
に、墜落防止などの安全性確保のために、開閉式
ハツチ１３とスライド式棚４とが上下に設けられ
ている。

１５は鉄筋コンクリート製のベタ基礎であつ
て、このベタ基礎１５上にボツクスを金具１６を
介して定着し、かつ、このベタ基礎１５を、収納
庫設置予定個所の掘削穴底部に敷均した割栗石１
７上に載置する。

以上のほか、収納庫内には、照明具１８および
換気装置（図示省略）が設備されている。

このように構成された地下式収納庫Ａは、第６
図イ，ロ，ハで示すように、住宅建物Ｈの床下相
当箇所の地表面下やガレージＧの直下相当箇所の
地下、さらには、庭などの地下に埋込み設置して
使用される。上記実施例は、第６図イで示す住宅
建物Ｈの床下相当箇所の地下に埋込み設置した使
用例であつて、上記昇降用出入口４の開閉式ハツ
チ１３が、住宅建物Ｈの床面FLと面一に設けら
れているとともに、住宅建物Ｈ用の基礎Ｂに近接
して埋込まれている。

なお、内外２枚の中厚鋼板５，６間に充填され
る発泡性断熱材７としては、発泡ウレタンが最適
であるが、そのほか、いかなる発泡性樹脂の断熱
材であつてもよい。

また、上記各パネル１，２，３の外面層８とし
ては、上記実施例で示したＦ−GRCが最適であ
るが、ガラス繊維の代りにカーボン繊維を使用し
た、いわゆるCFRCなど止水性、防蝕性、耐薬品
性に優れたものであれば良い。

（発明の効果）以上の説明からも既に理解されるように、この
発明による時は、２枚の中厚鋼板間に発泡性断熱
材を充填したサンドイツチ構造と、Ｆ−GRCな
どの止水性、防蝕性、耐薬品性に優れた層との複
合構造のパネルをもつてボツクス形に構成するこ
とにより、工場加工によりユニツト生産方法の導
入が可能で、コストダウン、高品質化ならびに工
期の短縮化を図り得るものでありながら、土圧及
び積載荷重に対して十分な耐力と、断熱、結露防
止、防水、耐薬品、防蝕など地下式収納庫として
要求される多くの性能に優れた効果とを発揮させ
ることができる。

従つて、立地条件的に非常に広範な用途をも
ち、その上、耐久性、断熱保温性に優れ、さらに
大型化、大容量化が可能な地下式収納庫を提供し
得るに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による一部破断斜
視図、第２図Ａはパネルの断面構造を示す要部の
拡大斜視図、第２図Ｂは同断面図、第３図は設置
施工状態の縦断側面図、第４図は第３図の半縦断
正面図、第５図は第４図Ｖ−Ｖ線での横断面図、
第６図イ，ロ，ハは設置例の概略断面図である。１は側壁パネル、２は床パネル、３は天井パネ
ル、４は昇降用出入口、５，６は中厚鋼板、７は
発泡性断熱材、８は外面層である。

Claims

【特許請求の範囲】１４枚の側壁パネル１と床パネル２ならびに天
井パネル３とをもつてボツクス形に構成され、上
記天井パネル３には昇降用出入口４を形成してな
る地下式収納庫であつて、上記各パネル１，２，
３を、骨組を構成するＬ形鋼９の両側に相対向さ
せて張付け固定した内外２枚の中厚鋼板５，６
と、この内外２枚の中厚鋼板５，６間に注入充填
した発泡性断熱材７とのサンドイツチ構造にする
とともに、各パネル１，２，３の外面全域には、
耐アルカリ繊維補強ポリマーセメントモルタルか
らなる層８を一体に付着形成したことを特徴とす
る地下式収納庫。２上記発泡性断熱材７が、発泡ウレタンである
特許請求の範囲第１項に記載の地下式収納庫。３上記耐アルカリ繊維が２次元ランダムな配向
性を有するガラス繊維である特許請求の範囲第１
項に記載の地下式収納庫。