JPH0386832A - 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法 - Google Patents

水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法

Info

Publication number
JPH0386832A
JPH0386832A JP1221700A JP22170089A JPH0386832A JP H0386832 A JPH0386832 A JP H0386832A JP 1221700 A JP1221700 A JP 1221700A JP 22170089 A JP22170089 A JP 22170089A JP H0386832 A JPH0386832 A JP H0386832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
oil
physiologically active
emulsifier
emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1221700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2963109B2 (ja
Inventor
Hitoshi Yamada
仁 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Jozo KK
Original Assignee
Toyo Jozo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Jozo KK filed Critical Toyo Jozo KK
Priority to JP1221700A priority Critical patent/JP2963109B2/ja
Publication of JPH0386832A publication Critical patent/JPH0386832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2963109B2 publication Critical patent/JP2963109B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、少なくとも乳化剤と油脂と適量の水で形成さ
れる水中油型(0/W)エマルジョンをプチドの吸着防
止方法に関する。
(従来の技術) 一般に生理活性ポリペプチド類は注射投与用製剤として
製剤化され、その際注射用として水溶液にすると、種々
の注射用容器表面や水−空気界面への吸着が起こりやす
い。そのため、インシュリン等を医薬品として非経口投
与する際、その容器や注射筒等への吸着のために、投与
量にロスを生ずる。また、そのロス率は溶液が希薄なほ
ど大きくなる。上記ポリペプチド類の投与量は微量であ
ることが多く、精密な投与を必要とする場合又は点滴静
注の場合にはかかる吸着ロスは重大な問題となる。例え
ば、医薬ジャーナル「ヒト型インスリンの輸液容器等へ
の吸着挙動J  (Vol  24.、弘5.1988
/P1031.書出ら)には精密投与が必要であるとさ
れるインシュリンを輸液ボトルに混合すると、その30
乃至60%が吸着されると報告されている。
従来、生理活性ポリペプチドの水溶液中での吸着を防止
する手段としては、界面活性剤又はタンパク等を添加す
る方法が知られている。上記界面活性剤としては比較的
安全性の高いポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられ、
又、上記タンパクとしてはヒトアルブミン、ゼラチン等
が挙げられる。しかしながら、最近、注射剤におけるこ
れら添加剤の安全性の問題が明らかにされ、ショック等
の副作用、ウィルス汚染等の問題点を有することがわか
ってきた。
一方、最近、生体膜成分であるリン脂質が、界面活性剤
を有しかつその毒性が極めて少ないという点で注目され
、生理活性ポリペプチドの吸着防止剤として有用である
と考えられている。かかる目的のためにリン脂質を含有
せしめた生理活性ポリペブタイド組成物としては、レシ
チン、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合
体、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース
、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリ
コールソルビタンオレエート、メチルシクロデキストリ
ンからなる群より選ばれたー又は二以上の添加剤を0.
001乃至1%含むセクレチン含有組成物(特゛開昭5
8−206518)、上記添加剤を上記%含むインシュ
リン含有組成物(特開昭59−76024)、及びペプ
タイドがP−物質、アンギオテンシン■、ブラディキニ
ン、ネオエンドルフィン、ニューロテンシン、カルシト
ニン、オキシトシン、グルカゴン、ACTH,グイノル
フィンである上記添加剤を上記%含むペプチド含有組成
物(特開昭6O−100524)が挙げられる。
上記の様に吸着防止法のみの目的においては、界面活性
作用を有するリン脂質の一種であるレシチンを車に添加
しただけでもある程度は有効であるが、十分な吸着防止
力と医薬品として必要な安定性や安全性を有した注射用
製剤としての実用化には種々の問題点を有している。
(発明が解決しようとする課題) リン脂質を吸着防止剤として利用する場合の問題点とし
て、まずその吸着防止力か弱すぎる点を挙げることがで
きる。
リン脂質を単に吸着防止剤として用いる場合、かなり高
濃度のリン脂質懸濁液として用いる必要がある。またリ
ン脂質は、その特性上、水に懸濁すると内部に水を有す
るリン脂質2分子膜、いわゆるリポソームを形成しやす
い。しかしながら、このリポソームは水溶液中で安定に
保つのは困難で、わずかの物理化学的要因の変化で凝集
や粒子径の増大等を起こし、静脈内投与の際には毒性の
増大につながる可能性を含む。さらに、加温などによる
リポソーム粒子の増大等の様な変化の過程において、水
溶性の生理活性ポリペプチドはリポソーム内部の水相に
取り込まれる形状となり、結果として薬効が低下又は徐
放化したり、目的以外の、薬効又は副作用を発現する。
上記の様にレシチン等のリン脂質を単に添加するだけで
は吸着防止力が弱く、又、高濃度で使用した場合に種々
の問題点が生ずるため、生理活性ポリペブタイド非経口
投与剤の吸着防止剤に使用することは困難である。
そこで本発明者等はリン脂質等の乳化剤の吸着防止剤と
しての実用化を鋭意研究した結果、単独では吸着防止力
が弱い乳化剤と吸着防止力のない油脂とを組合わせて適
量を水を用いて水中油型エマルジョンとなすことにより
、意外にも吸着防止力が高まることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
(課題を解決するための手段) 本発明は、少なくとも油脂と乳化剤と適量の水で形成さ
れる水中油型エマルジョンの水相に水溶性生理活性ポリ
ペプチドを存在せしめてなる水溶性生理活性ポリペプチ
ド廃剤組成物、及び、少なくとも油脂と乳化剤を適量の
水で形成される水中油型エマルジョンである水溶性生理
活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョン、並びに、
該吸着防止用エマルジョンと水溶性生理活性ポリペプチ
ドまたはその水溶液とを混合することからなる水溶性生
理活性ポリペプチド液剤組成物の吸着防止方法に関する
本発明によれば、油脂は乳化剤に取り囲まれてエマルジ
ョン粒子として水相中に分散するとともに、他方、水溶
性生理活性ポリペプチドは親水性であるため実質的にエ
マルジョン粒子の油脂中に取り込まれることなく該粒子
外側の水相中で安定に溶解することが可能となる。
本発明で使用する乳化剤としては、リン脂質、非イオン
性界面活性剤等を使用できるが、医薬品として使用可能
なものであれば特に制限はない。
リン脂質はその由来を特に限定されないが、好ましくは
、大豆軸等の植物墳、卵黄等の動物由来のものが使用さ
れる。リン脂質としては、例えば、レシチン(ホスファ
チジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホ
スファチジルイノシトール、スフィンゴくニリン、ホス
ファチジン酸、水素添加レシチン等を挙げることができ
る。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン
共重合体、ポリアルキレングリコール、硬化ヒマシ油ポ
リオキシアルキレン誘導体、ヒマシ油ポリオキシアルキ
レン誘導体等が挙げられるが、分子量2000〜200
00のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポ
リマー、硬化ヒマシ油ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ヒマシ油ポリオキシエチレンアルキルエーテル等
が好適である。
乳化剤として、上記列挙のリン脂質及び非イオン性界面
活性剤の化合物から2種以上選択し、混合して使用でき
ることは言うまでもない。
また、乳化剤がリン脂質の場合は抗酸化剤を配合するこ
とが好ましいが、この抗酸化剤としては医薬品として使
用可能なものであれば特に制限はないが、特にビタミン
Eが好適である。
本発明で使用する油脂としては、大豆油、ゴマ油、コー
ン油、サフラワー油、アルモンド油、オリーブ油、ツバ
キ油、ヒマシ油、ラッカセイ油、綿実油、エイコサペン
クン酸等の動植物油および中鎖脂肪酸トリグリセライド
、トリアセチン等の★− 合成油を挙げられるが、大豆油、ゴマ油、オリーブ油、
コーン油、サフラワー油等の植物油、中鎖脂肪酸トリグ
リセライド等の合成油が好ましい。
また、これら油脂に必要に応じてビタミンE、ジブチル
ヒドロキシトルエン(BIT)、ブチルヒドロ・キシア
ニソール(BHA)等の酸化防止剤を加えてもよい。
本発明で使用する水溶性生理活性ポリペプチドは、分子
量約1000乃至300000程度のものが好ましく、
例えば、水溶性ペプチドホルモン、蛋白質、ワクチン、
酵素及びその他の生理活性ポリペプチドである。これら
には、例えば、カルシトニン類、副甲状腺ホルモン(P
TH)類、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CORP
)類、インシュリン、ソマトスタチン、アンギオテンシ
ン、パップレシン、デソモプレシン、フェリプレシン、
プロティレリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH
−RH) 、副腎皮質刺激ホルモン(AcTH)、プロ
ラクチン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(TSH
)、黄体形成ホルモン、カリクレイン、バラチリン、グ
ルカゴン、オキシトシン、ガストリン、セクレチン、血
清生殖腺刺激ホルモン、エリトロポエチン、ウロガスト
ロン、レニン、ニューテロイシン、インターフェロン、
インターロイキン、トランスフェリン、ヒスタグロブリ
ン、マクロコルチン、血液凝固因子■、ソマトスタチン
、グイノルフィン、ブラテイキニン、エンドルフィン、
β−エンドルフィン、酢酸デスモブレシン、エンケファ
リン、非細胞および細胞の百日咳ワクチン、ジフテリア
ワクチン、破傷風ワクチン、インフルエンザワクチン、
ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、リンパ球増
殖因子のトキソイド、糸状血球凝集素、リゾチーム、ウ
ロキナーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタ
チオンパーオキシダーゼ等が包含される。
本発明では、これらの中、カルシトニン、副甲状腺ホル
モン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ソマトスタチ
ン、インシュリンが好ましく使用される。
上記のカルシトニン類とは、血清カルシウム低下作用を
有するペプチドであればよく、種々の天然型カルシトニ
ンまたはそのペプチド類似体をいう。天然型カルシトニ
ンの例としては、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニ
ン、サケカルシトニン、ブタカルシトニンまたはニワト
リカルシトニン等が挙げられる。またそのペプチド類似
体の例としては、[ASU’′’]ウナギカルシトニン
(WHO一般名:エルカトニン)、[ASU’・7]サ
ケカルシトニン、[ASUh’] ヒトカルシトニンま
たは[^5U1−?]ニワトリカルシトニン等が挙げら
れる。
特にエルカトニンは本発明で用いる最も好適なカルシト
ニン類である。これらの物質や合成法は、例えば英国特
許第1516947号明細書、日本化学会第50春期年
会1985年講演予稿集■第947頁等に記載されてい
る。
また、PTH[としては血清カルシウム上昇作用を有す
るペプチド類であって、34〜84個のアミノ酸配列を
有し、天然型PTHまたはその類似体が知られている。
例えばヒト−PTH(hP T H)  (1−84)
  [Biochemistry上7.5723(19
7B)]、h−PTH(1−38)[特開昭57−81
448号公報]、h−PTH(1−34)  [Hop
pe 5eyler′s Z、 Physiol、 C
hem、 。
355.415  (1974)] 、h−PTH(1
−34)Nnz[特開昭58−96052号公報]、[
Nle”’ ] h−PTH(134) 、[Nle”
”Tyr” ] h−PTH(134)[特開昭55−
113753号公報]、[Nle”” ] h −PT
 H(1−34)NH,[特開昭61−24598号公
報]、[N1e”fl、 Tyr” ] h−PTH(
1−34)NH2[特開昭60−34996号公報]、
ラット−PTH(184) 、  [J、 Biol、
 Chew、。
259 (5)、3320 (1984) 、ラットP
TH(134)  [Endocrinol、、 1 
17  (3)  。
1230  (1985)]、]ウシーPTH(1−8
4)  [Am、J、Med、、50 639  (1
971)]ウシPTH(1−34) 、ウシ−PTH(
1−34)NH,等[Pthobiology ann
ual l 1 、53(1981)]等が挙げられる
インシュリン類の例としては、ヒトインシュリン、ブタ
インシュリン、ウシインシュリン、ウマインシュリン、
ヒツジインシュリン等が挙げられる。
本発明の組成物及び吸着防止方法は各種方法によって実
施することができる。たとえば、1)水溶性生理活性ポ
リペプチドを溶解可能な水相中に生理活性ポリペプチド
、油脂および乳化剤を添加して混合することにより実施
してもよく、2)予め油脂および乳化剤を混合して水中
油型エマルジョンを調製し、これと水溶性生理活性ポリ
ペプチドとを混合して実施してもよい、また、3)予め
油脂および乳化剤を混合して水中油型エマルジョンを調
製し、これと水溶性生理活性ポリペプチドの水溶液とを
混合して実施してもよい。好適には、上記2)および3
)の方法が使用される。これらの方法は、1)の方法に
比べて、エマルジョン内部に水溶性生理活性ポリペブタ
イドが取り込まれるおそれが少ないからである。しかも
、上記2)および3)の方法によれば、本発明の水中油
型エマルジョンと市販の水溶性生理活性ポリペプチドま
たはその水溶液とを単に混合するだけで医療関係者も本
発明を容易に実施することができる。また、ポリペプチ
ドが水溶液中にて長期の安定性を保つことができないも
のである場合、上記2)または3)の方法にしたがって
、予め凍結乾燥したポリペプチドを必要に応じて用時溶
解し、これに使用時本発明の水中油型エマルジョンを添
加することによって実施することもできる。
上記2)および3)の方法で使用する水中油型エマルジ
ョンは、上記乳化剤及び油脂を材料として常法により調
整することができる。例えば、油脂として大豆油100
部、乳化剤として即製の精製レシチン5−20部、好ま
しくは6〜18部、最適には12部を用意し、これらに
適量の水を製部対500〜5000部にて使用すればよ
い。そして、80℃にてホモミキサーにより粗乳化し、
さらにホモジナイザーにより精乳化して得られるもので
、ホモジナイザーとしては、常用の例えば加圧噴射型ホ
モジナイザーや超音波ホモジナイザーなどの均質化装置
を使用すればよい。必要に応じて、乳化補助剤例えばス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、
リルン酸、ミリスチン酸などの炭素数10〜20の脂肪
酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ
金属塩を0.3%以下安定化剤、例えばコレステロール
やホスファチジン酸を1%以下、や等張化剤、例えばブ
ドウ糖やグリセリンなどを加えてもよい。
また、例えばこの水中油型エマルジョンとして従ことも
できる。
本発明の組成物では、油脂および乳化剤によって形成さ
れるエマルジョン粒子の粒径は、静脈内投与への適用も
考慮すると微細なエマルジョンの方が好ましく、0.0
5μI11〜0.5μmであることが最も好ましい。ま
た、エマルジョン粒子の安定性を保つために、油脂10
0部に対して乳化剤5乃至20部使用することが好まし
い。
本発明の組成物を実際に投与する場合、組成物中のエマ
ルジョンの使用量は、例えば上記の如くして調製した油
脂100部に対して乳化剤5〜20部と適量の水で形成
されたエマルジョンを目的とする水溶性生理活性ポリペ
プチド注射用水性製剤中に油脂量として0.0001〜
20%、好ましくは0.01〜10%として含有せしめ
るか、またはリン脂質量として0.00001〜4%、
好ましくは0.001〜2%の量として適宜希釈して用
いればよい。また本発明の組成物として点滴静注用のポ
リペプチド水性製剤をなしてアンプル、バ・イアル等に
調整して提供する場合、一般にかかる水性製剤は投与時
に輸液によりl00倍以上に希釈して上述の組成にて使
用される。このことから、上記の如くして調製したエマ
ルジョンの少量を点滴静注用のポリペプチド水性製剤に
加えて調製すればよく、またこの場合用いるエマルジョ
ンとしては油脂含量として1〜20%またはリン脂質含
量として0.1〜2%に調整したものを用いることが好
ましい。
尚、本発明の組成物及びエマルジョンには、必要に応し
て、酢酸塩、クエン酸塩等のpH11整剤、グリセリン
、塩化ナトリウム、ブドウ糖等の等張化剤、または、パ
ラベン類、クロロブタノール等を防腐剤等の添加剤を加
えてもよい。
(発明の効果) 上述のように、本発明の組成物及び吸着防止方法では、
水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止効果は上記エマ
ルジョンを極めて微量存在せしめることによって充分発
揮される。そのため該ポリペプチドの容器や注射筒等へ
の吸着防止はより完全にすることができ、輸液により高
倍に希釈される点滴静注の際にも有効量の正確な投与を
可能とした。また、一方、リン脂質単独の場合や形成さ
れるリポソームに比して本エマルジョン粒子は凝集や増
大等を起こしに<<、水溶液中において長期の安定性を
保つことが可能であり、静脈内においても安全である。
さらに内部が油であるため、ポリペプチドが内部に取り
込まれに<<、薬効の変化や低下等に起こしにくい等の
利点が挙げられる。
特に、乳化剤として、界面活性を有する物質の中で、注
射等の非経口投与の際、最も安全性の高いとされるリン
脂質を用いて生理活性ポリペプチドの欠点である水溶液
中での吸着を防止した注射用製剤の実用化を可能にした
点に意義がある。従来からリン脂質の吸着防止性は知ら
れていたが、その吸着防止力の弱さと、種々の問題点の
ため、実用化しにくかった。
しかしながら、本発明により、吸着防止力の大幅増強が
なされ、少量で行動な吸着防止と、点滴静注の際にも吸
着ロスを20%以下特に10%以下に減することを可能
とした。さらに、その長期安定性と安全性の高さから、
直接、生理活性ポリペプチド水溶液への添加、又は、生
理活性ポリペプチド凍結乾燥物の溶解液という方法によ
り、吸着防止の完全になされた生理活性ポリペプチド注
射用製剤の実用化を可能とした。
以下、実施例により本発明の詳細な説明するが、この実
施例は本発明を何ら限定するものではない。
〈実施例) 大施舅よ 卵黄製リン脂質1.2%、大豆油10%を含み、エマル
ジョン粒子径が0.1〜0.3μmの水中油型エマルジ
ョンを200m/常法により調製し、これを0.9%N
aCl水溶液により、リン脂質が0.00001.0.
0001、o、ooi、0.01゜0.1相当となるよ
う希釈した(試料液)。別に対照として卵黄製リン脂質
を1.2%となるよう水に懸濁し、同様に0.9%Na
Cl水溶液により、リン脂質が0.0.0OOO1,0
,0001,0,001,0,01,0,1となるよう
希釈した(対照液)。そして各濃度の試料液及び対照液
を2 mlずつ各ポリスチレン製試験管に取った。
次に、インシュリンの5単位/m(lの溶液を調製し、
この10μlを各試料液及び対照液に添加し、撹拌後直
ちに、その100μlを高速液体クロマトグラフィーに
注入し、インシュリン濃度を測定し、未吸着分のインシ
ュリン回収率を求めた。
結果を第1図に示す。図中吃儒のは本発明の吸着防止剤
、[=コはリン脂質のみの対照である。
大益聞又 カルシトニンの一種であるエルカ、トニンの1バイアル
ビン当り40単位の凍結乾燥物に、実施例1の各濃度の
試料液及び対照液を2 mltずつ実施例1と同様に加
えて溶解し、直ちに、ポリスチレン製試験管に全量取っ
た。攪拌後その200n+j!を高速液体クロマトグラ
フィーに注入し、エルカトニンの回収率を求めた。結果
を第2図に示す。
図中[は本発明の吸着防止剤、二=コはリン脂質のみの
対照である。
天社自糺1 セクレチンの1アンプル当り50単位の凍結乾燥物に、
実施例1の各濃度の試料液及び対照液を2 mAずつ実
施例1と同様に加えて溶解し、直ちにポリスチレン製試
験管に全量取った。撹拌後その200plを高速液体ク
ロマトグラフィーに注入し、セクレチンの回収率を求め
た。結果を第3図に示す。図中吃又yは本発明の吸着防
止剤、口=コはリン脂質のみの対照である。
なお、回収率の100%値は、はぼ100%吸着を防止
する0、 1%Tween80を含む0.9%NaCI
l水溶液を基準として求めた。
O高速液体クロマトグラフィー測定条件カラムe (1
7)Sカラム 波長 :210nm 移動相:         1.4ZHCI!Oa: 
 CH,CN・インシュリン   63  :  37
・エルカトニン   57  :  43・セクレチン
    60  :  40−11〜3の七 第1図〜第3図に示したように、いずれのポリペプチド
においても本発明の吸着防止剤であるエマルジョンは、
リン脂質のみの場合と比較すると、リン脂rt量におい
て数十倍から百倍の吸着防止力の増強が認められる。例
えば、インシュリンの75%回収率を得るには、本発明
のエマルジョンを用いれば、リン脂質で0.0001%
で足りるが、リン脂質のみでは0.01%と、百倍も多
く必要ときなる。
実差班l インシュリンの40単位/meの1 ralに実Mi例
1のエマルジョンを0.67m1加え、さらに0.9%
NaCl水溶液にて全量を8 mlとし、この液1 m
l中にインシュリン5単位、リン脂質0.1%相当のエ
マルジョン水懸濁液を含むテスト液を調製した。
このテスト液1 mlを、200mj!の生理食塩液の
入った輸液ボトル(ガラスビン)に加え、攪拌後、長さ
120cniのテルモ社製輸液セットを用いて5m!!
/rainの点滴速度で点滴した。点滴流出液は、あら
かじめ0.2gのTween80を入れである容器にて
受け、流出後の容器への吸着を防止した。全量流出後、
攪拌してその200μCを液体クロマトグラフィーに注
入し、点滴流出液のインシュリン回収率を求めた。
対照として、吸着防止剤未添加及び0.1%のリン脂質
のみのテスト液を調製し、同様に試験した。
次に、1 ml!中にインシュリン5単位、リン脂質1
.0%相当のエマルジョン水懸濁液を含むテスト液を調
製し、このテスト液1 ml!を、500mlの生理食
塩液の入った輸液ボトル(ガラスビン)に加え同じ輸液
セットを用いて、7mj2/minで同様に点滴し、そ
のインシュリン回収率を求めた。
対照として、吸着防止剤未添加、及び、1.0%のリン
脂質のみのテスト液を調製し、同様に試験した。結果を
第1表に示す。
実施例4の結果 第 表 インシュリンを点滴した場合の点滴流出液中回収率上表
の示した通り、 本発明のエマルジョン含有 インシュリン液1 telは、 OOl ml中 埋置塩液の点滴においても、 0%以上の回収率 を示した。それに対し、同量のリン脂質のみを含有する
インシュリン液1 mlにおいては、90%の回収率に
は至らなかった。
比較撚  油脂単独での吸着防止力 大豆油を0.9%NaCl水溶液に添加し、激しく振と
う混合し、さらに超音波処理を10分間施した。そして
大豆油をO,l、0.01.0.001%含む液を得た
しかしながら、大豆油を0.1%含む液は懸濁状であり
、しばらくすると油滴の浮遊が観察され、さらに放置す
ると、油相分離した。このように水溶液に油脂の添加量
が多いと、混じり合わず、油滴の発生や分離を生じ、た
とえ吸着防止効果が得られるとしても、ポリペブタイド
の非経口医薬に用いることは好ましくない。
大豆油0.OI、o、ooi%を含む液は、容器表面へ
の油の吸着が肉眼にても観察されたが、液はほぼ澄明で
あった。そこで、この液を試料液として、各2IIIl
ずつポリスチレン製試験管に取り、インシュリンの5単
位/1I11の溶液を、IOμ2添加し、実施例1と同
様の操作法にて、試験管未吸着骨のインシュリン回収率
を求めた。また、さらに実施例3と同様にセクレチンに
ついても同様の回収率を求めた。
結果を第2表に示したが、大豆油0.01.0.001
%のみを含む0.9%NaC12液では、吸着防止力は
ほとんど認められなかった。
第2表 卵黄製リン脂質1.2%、大豆油10%、濃グリセリン
2.5%を含み、平均粒子径が0.22μm(0,15
〜0.30μm)のエマルジョン200n7!を調製し
た。別に10mM酢酸Naと、0.9%NaC1を含む
液を200iJ調製し、両者を1:1に混合した。次に
、この混液400m1にエルカトニンを40単位/l1
llとなるよう溶解した。そして、この液を1Ll11
ずつアンプルに充填し、1アンプル40単位のエルカト
ニン注射剤を製造した。
本エルカトニン注射剤を室温に保存し、6ケ月が経過し
たが、0.1.3.6ケ月目のう・ノドの血清カルシウ
ム低下作用による生物活性は安定で正常な値を示した。
また、各測定時、エマルジョン粒子の変化も見られなか
った。結果を第3表に示す。
第3表 エマルジョン含有エルカトニンの室温における安定性性
1 :生物学的定量法は「医薬品研究J13(1)334〜
33ギ(1982)による。
注2二粒子径の測定はレーザー粒径解析システムLPA
 3000 S/3100による。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の吸着防止剤の効果をインシュリンの回
収率で示したものであり、同様に第2図はエルカトニン
の回収率を、第3図はセクレチンの回収率を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)少なくとも油脂と乳化剤と適量の水で形成される
    水中油型エマルジョンの水相に水溶性生理活性ポリペプ
    チドを存在せしめてなる水溶性生理活性ポリペプチド液
    剤組成物。(2)油脂が0.0001〜20%であって
    、油脂と乳化剤との比率が油脂100部に対して乳化剤
    5〜20部である請求項第1項記載の組成物。 (3)油脂と乳化剤のエマルジョン粒子の粒径が0.0
    5〜0.5μmである請求項第1項記載の組成物。 (4)水溶性生理活性ポリペプチドが、分子量1000
    〜300000の水溶性生理活性ポリペプチドである請
    求項第1項記載の組成物。 (5)水溶性生理活性ポリペプチドが、水溶性ペプチド
    ホルモン、蛋白質、ワクチン、酵素、その他の生理活性
    ポリペプチドである請求項第4項記載の組成物。 (6)水溶性ペプチドホルモンが、カルシトニン、副甲
    状腺ホルモン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ソマ
    トスタチン、インシュリンである請求項第5項記載の組
    成物。 (7)さらに、抗酸化剤を存在せしめた請求項第1項乃
    至6項のいずれか1項記載の組成物。 (8)請求項第1項に記載の組成物からなる点滴静注用
    の水性製剤。 (9)エマルジョンにおいてリン脂質量として0.1〜
    2%含有する請求項第8項に記載の水性製剤。 (10)アンプル、バイアル等の容器に封入された形態
    の請求項第8項記載の水性製剤。(11)少なくとも油
    脂と乳化剤と適量の水で形成される水中油型エマルジョ
    ンである水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマ
    ルジョン。 (12)油脂が0.0001〜20%であって、油脂と
    乳化剤との比率が油脂100部に対して乳化剤5〜20
    部である請求項第11項記載のエマルジョン。 (13)油脂と乳化剤とからなるエマルジョン粒子の粒
    径が0.05〜0.5μmである請求項第11項記載の
    エマルジョン。 (14)少なくとも油脂を乳化剤と適量の水で形成され
    る水中油室エマルジョンと、水溶性生理活性ポリペプチ
    ドまたはその水溶液とを混合することからなる水溶性生
    理活性ポリペプチドの吸着防止方法。 (15)油脂が0.0001〜20%であって、油脂と
    乳化剤との比率が油脂100部に対して乳化剤5〜20
    部である請求項14項記載の方法。 (16)水溶性生理活性ポリペプチドが、分子量100
    0〜300000の水溶性生理活性ポリペプチドである
    請求項第14項記載の方法。 (17)水溶性生理活性ポリペプチドが、水溶性ペプチ
    ドホルモン、蛋白質、ワクチン、酵素、その他の生理活
    性ポリペプチドである請求項第16項記載の方法。 (18)水溶性ペプチドホルモンが、カルシトニン、副
    甲状腺ホルモン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ソ
    マトスタチン、インシュリンである請求項第17項記載
    の方法。 (19)さらに、抗酸化剤を混合する請求項第14項乃
    至18項のいずれか1項記載の方法。 (20)水相中で水溶性生理活性ポリペプチドまたはそ
    の水溶液と油脂と乳化剤とを混合することからなる請求
    項第1項記載の組成物の製造方法。
JP1221700A 1989-08-30 1989-08-30 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法 Expired - Lifetime JP2963109B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1221700A JP2963109B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1221700A JP2963109B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0386832A true JPH0386832A (ja) 1991-04-11
JP2963109B2 JP2963109B2 (ja) 1999-10-12

Family

ID=16770908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1221700A Expired - Lifetime JP2963109B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2963109B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005025539A1 (ja) * 2003-09-10 2005-03-24 Senju Pharmaceutical Co., Ltd. コンタクトレンズ用眼科用組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005025539A1 (ja) * 2003-09-10 2005-03-24 Senju Pharmaceutical Co., Ltd. コンタクトレンズ用眼科用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2963109B2 (ja) 1999-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101989648B1 (ko) 부분불소화 알칸에 기초한 안정화된 단백질 조성물
JP6935364B2 (ja) 即効型インスリン組成物
US20210308226A1 (en) Controlled release peptide formulations
US20140378381A1 (en) Stabilized glucagon nanoemulsions
CS273139B1 (en) Method of pharmaceutical agent production for intranasal feed
US20230372436A1 (en) Somatostatin receptor agonist formulations
US20200222508A1 (en) Glucagon-like peptide 1 (glp-1) receptor agonist compositions
Bjerregaard et al. Sustained elevated plasma aprotinin concentration in mice following intraperitoneal injections of w/o emulsions incorporating aprotinin
JPH0386832A (ja) 水溶性生理活性ポリペプチドの吸着防止用エマルジョンおよびその吸着防止方法
US20170128542A1 (en) Non-aqueous glucagon formulations
KR20240110601A (ko) Hgh 융합단백질의 고농도 투여 제형
SI8712284A (sl) Pripravki za nazalno uporabo in postopki za njihovo pridobivanje
NZ617828B2 (en) Controlled release peptide formulations

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 11