JPH038525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はマスタシリンダ本体と、このマスタ
シリンダ本体に取付けられるオイルのリザーバと
を備えたマスタシリンダ装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 一般に、車輌にはデイスク・ブレーキ等を作動
させるためのマスタシリンダ装置が用いられてい
る。

従来、この種のマスタシリンダ装置は内部にピ
ストンを有すするマスタシリンダ本体と、このマ
スタシリンダ本体に設けられたポートを介してマ
スタシリンダ本体に連通しこれにオイルを供給す
るために、マスタシリンダ本体の上部に位置され
たリザーバとで概略構成されている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、上記構成のマスタシリンダ装置で
は、マスタシリンダ本体の上部にリザーバが取付
けられているのでマスタシリンダ装置の高さが高
くなつてしまう。このため、車輌の転倒時の衝撃
或いは走行時の風圧を受け易くなる。

［問題点を解決するための出段］ この考案は上記問題に鑑みなされたもので、そ
の目的はリザーバの高さを低くし、マスタシリン
ダ装置の高さ低減を図り、車輌の転倒時における
衝撃或いは風圧を受け難くくしたマスタシリンダ
装置を提供することにある。

この考案はリザーバ底壁よりハンドル側のピスト
ン外周に沿つて下方に延長する立下がり壁と、こ
の立下がり壁と対向してハンドルと対向する側の
リザーバ内壁に延長する立上がり壁とで凹部を形
成するとともに、上記リザーバ内壁よりハンドル
側に延長する取付部を形成し、この取付部は、中
央側に空間部を形成する如く上下に突出する突部
を有するとともに、上記空間部より上記リザーバ
の凹部に連通して上記立下がり壁に対向するドリ
ル孔を形成し、このドリル孔を介して上記立下が
り壁にポートを形成して、かつ上記ドリル孔を空
間部側よりシール部材で密封して成り、上記空間
部にハンドルの前部を嵌挿し、ハンドルと上記シ
ール部材とを当接状態に取付けるようにしたこと
を特徴としている。

［作用］ 上記のように構成することによつて、マスタシ
リンダ装置のリザーバの底部に凹部を設けられる
ので、その容積を小さくすることなく高さを低く
することができる。また、シール部材はハンドル
に当接保持されるので、外力等により抜け落ちる
ことがない。

［実施例］ 以下、この考案をその一実施例を示す第１図〜
第３図に基づいて説明する。

図において、１はマスタシリンダ装置のマスタ
シリンダ本体であり、これは内部にピストン２を
有し、後述する取付部を介してハンドル１４の前
部１４ａに取付けられる。このマスタシリンダ本
体１の上部にはリザーバ５が設けられている。こ
のリザーバ５において、リザーバ底壁５ａよりハ
ンドル側のピストン外周に沿つて下方に延長する
立下がり壁３と、この立下がり壁３の下端の凹部
底壁６及びこの凹部底壁６より立上がつてハンド
ル２と対向する側のリザーバ内壁５ｂに延長する
立上がり壁８とで凹部７が形成される。上記立下
がり壁３にはマスタシリンダ本体１に連通するポ
ート４が形成される。１５は上記リザーバ内壁５
ｂよりハンドル側に延長して設けられた取付部で
あり、この取付部１５は、中央側に空間部１１を
形成する如く上下に突出する突部１２，１３を有
するとともに、上記空間部１１よりリザーバ５の
凹部７に連通して上記立下がり壁３に対向するド
リル孔９が形成され、このドリル孔９を介して上
記立下がり壁３に上述のポート４が形成される。
１０は上記ドリル孔９を空間部１１側より密封す
るスチールボール等のシール部材である。

本考案のマスタシリンダ装置は上記取付部１５
の空間部１１にハンドル１４の前部１４ａを嵌挿
し、ハンドル１４と上記シール部材１０とが当接
するように取付けられる。

次に作用について説明する。リザーバ５内の油
は凹部７からポート４を介してマスタシリンダ本
体１の内部に供給される。よつて、第１図に示す
ように、ブレーキレバーＨを軸Ｔを支点として回
動させてピストン頭端Ｎを押圧することによりピ
ストン２を作動させ、油圧を発生させることがで
きる。

上記実施例によれば、リザーバ５に凹部７を設
けているので、リザーバ５の容積を小さくするこ
となく、リザーバ５の高さを低くでき、風圧や転
倒時の衝撃を受けにくいマスタシリンダ装置が得
られる。また、ドリル孔９をシール部材１０で封
止するとともに、このシール部材１０をハンドル
１４で当接保持するようにしているので、シール
部材１０がドリル孔より抜け落ちることがなく、
リザーバ５内へのゴミ等の侵入を防げ、リザーバ
５からのオイル洩れも発生しない。従つて、マス
タシリンダ装置としての信頼性を損なうことな
く、リザーバ５の高さを低くできるマスタシリン
ダ装置が得られる。

［考案の効果］ 以上、説明したようにこの考案はリザーバ底壁
よりハンドル側のピストン外周に沿つて下方に延
長する立下がり壁と、この立下がり壁と対向して
ハンドルと対向する側のリザーバ内壁に延長する
立上がり壁とで凹部を形成するとともに、上記リ
ザーバ内壁よりハンドル側に延長する取付部を形
成し、この取付部は、中央側に空間部を形成する
如く上下に突出する突部を有するとともに、上記
空間部より上記リザーバの凹部に連通して上記立
下がり壁に対向するドリル孔を形成し、このドリ
ル孔を介して上記立下がり壁にポートを形成し
て、かつ上記ドリル孔を空間部側よりシール部材
で密封して成り、上記空間部にハンドルの前部を
嵌挿し、ハンドルと上記シール部材とを当接状態
に取付けるようにしたことを特徴とするものであ
るから、リザーバ内へのゴミ等の侵入や、リザー
バからのオイル洩れを確実に防止できるととも
に、リザーバに凹部を設けたことによつて容積を
小さくすることなくリザーバの高さを低くし、マ
スタシリンダ装置の全体の高さを低くすることが
できる。

従つて、車輌の転倒時においても衝撃或いは風
圧を受け難くくなり、信頼性を向上することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示し、
第１図は正面図、第２図は第１図の一部を破断し
た平面図、第３図は第２図の−矢視線に沿つ
た断面図である。 １…マスタシリンダ本体、２…ピストン、３…
立下がり壁、４…ポート、５…リザーバ、５ａ…
リザーバ底壁、５ｂ…リザーバ内壁、６…凹部底
壁、７…凹部、８…立上がり壁、９…ドリル孔、
１０…シール部材、１１…空間部、１２，１３…
突部、１４…ハンドル、１４ａ…ハンドルの前
部、１５…取付部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部にピストンを有し、ハンドルの前方に取付
   けられるマスタシリンダ本体と、このマスタシリ
   ンダ本体に設けられたポートを介してマスタシリ
   ンダ本体に連通しかつマスタシリンダ本体の上部
   に位置されたリザーバとを備えたマスタシリンダ
   装置において、 リザーバ底壁よりハンドル側のピストン外周に
   沿つて下方に延長する立下がり壁と、この立下が
   り壁と対向してハンドルと対向する側のリザーバ
   内壁に延長する立上がり壁とで凹部を形成すると
   ともに、上記リザーバ内壁よりハンドル側に延長
   する取付部を形成し、 上記取付部は、中央側に空間部を形成する如く
   上下に突出する突部を有するとともに、上記空間
   部より上記リザーバの凹部に連通して上記立下が
   り壁に対向するドリル孔を形成し、このドリル孔
   を介して上記立下がり壁に上記ポートを形成し
   て、かつ上記ドリル孔を空間部側よりシール部材
   で密封して成り、 上記空間部にハンドルの前部を嵌挿し、ハンド
   ルと上記シール部材とを当接状態に取付けるよう
   にしたことを特徴とするマスタシリンダ装置。