JPH0383499A - ボイスコイルボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、音響機器であるスピーカ用ボイスコイルボビ
ンに関するものである。

［従来の技術とその問題点］ 従来、この種のスピーカ用ボイスコイルボビンの基材と
しては種々のものがあるが、最近では高弾性率繊維で補
強したボイスコイルボビンが多く提案・提供されるに至
っている。

更に、スピーカの特性、たとえば出力音圧周波数特性等
を向上させるために、さらに高弾性率、高強度、高耐熱
性あるいは高接着性を有するスピーカ用ボイスコイルボ
ビンの基材が要求されている。

従来のスピーカ用ボイスコイルボビンの基材としては、
樹脂中に高弾性率繊維、たとえばガラス繊維やカーボン
繊維等を一方向に揃えてボビンの弾性率の向上を図る試
みも知られているが、高弾性率繊維を一方向に揃えるこ
とはボビンの製造工程が煩雑となり、また十分な高弾性
率を得ることが困難であるという問題点を有していた。

そこで、この高弾性率繊維に替えて剛性の高いフィルム
を用いてボイスコイルから振動板に音を忠実に伝達させ
る試みが、実開平１−７８４９６号公報に記載され、密
度１．５０ｇ／ｃｍ”　、ヤング率１２００Ｋｇ／ａｍ
”を示す下記化学構造式のアラミドフィルムが、振動板
に音を忠実に伝えるボイスコイルボビンの材料として優
れることが開示されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、クロロ置換されたアラミドフィルムは相対的に
密度が大きく、しかも音速が精々３２００ｍ／秒にしか
ならず、ボイスコイルボビン基材として不満が残ること
が判明した。

本発明者らは、パラ配向型芳香族ポリアミドからなる特
定密度のアラミドフィルムが音響特性である音速につい
て特異的に優れていることを見出し、この様な特別の種
類のアラミドフィルムを用いることによって振動板への
音伝達について忠実なボイスコイルボビンを提供できる
ことを発見した。

・本発明は、このような発見に基づくものであって、そ
の目的とするところは、ボイスコイルボビンの剛性（引
張弾性率）を高め、さらに、低い密度をもつ材料を用い
ることにより、ボイスコイルボビンからの駆動力を振動
板に忠実に伝達させ、かつボイスコイルの変形を防止し
て磁気ギャップとの接触を避けることにより５極めて音
響特性に優れた高耐熱性のスピーカ用ボイスコイルボ”
ビンを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 即ち、本発明は、外周にボイスコイルが巻回され、上端
が振動板に接続されるボイスコイルボビンを、３３００
ｍ／秒以上の音速と １．４４ｇ／ｃｍ”以下の密度を有するパラ配向型芳香
族ポリアミドライルムにて形成したことを特徴とするス
ピーカ用ボイスコイルボビンである。

本発明のボイスコイルボビンに用いられるフィルムは、
パラ配向型芳香族ポリアミドからなっており、最も好ま
しくは下記化学構造式に示されるポリパラフェニレンテ
レフタルアミド（以下ＰＰＴＡという、）からなってい
る。

本発明に用いられるパラ配向型芳香族ポリアミドは、パ
ラ位またはこれに準する位置をアミド基で連結した繰り
返し構造の重合体を指し、１．４−フェニレン、４，４
′−ジフェニレン、１．４−ナフタレン、１，５−ナフ
タレン、２．６−ナフタレン、４．４’　−ジフェニレ
ンエーテル、３．４′−ジフェニレンエーテル等をアミ
ド基で連結したホモ、または共重合体を挙げることがで
き、これらに少量の他の成分が共重合されていてもよい
。

本発明に用いられるフィルムは、特公昭５７−１７８８
６号公報、特開昭６２−３７１２４号公報、特開昭６２
−１７４１２９号公報等に示されている公知の方法で得
ることができる。

本発明に用いられるフィルムの音波伝達速度は３３００
ｍ／秒以上、好ましくは３５００ｍ／秒以上が用いられ
、もちろん高いほうがよく、高音特性が良好になる。さ
らにｔａｎδ（内部損失）は０．０３０以上を有してお
り、高周波数帯′域での音響特性に優れている。

本発明に用いられるフィルムの密度は、１．４４ｇ／ｃ
ｍ”以下が用いられ、より好ましくは１．４２ｇ／ａｍ
”以下である。密度はより小さいほうが次の式により求
められる音速が大きくなるため好んで用いられる。

次に上記のフィルムでスピーカ用ボイスコイルボビンを
作成し、これにコイル線を巻回してボイスコイルとする
が、この作成方法は特に限定されるものではなく、フィ
ルムを短冊状に切り出して筒状にし、その外周にコイル
線を巻けばよい。また、−ＩＩ的に使用されているよう
に補強紙を必要に応じて用いてもよい。なお、ボビン形
成には短紐状のフィルムをスパイラル状にしてもよい。

上記のようにして得られたボイスコイルのボビン上端部
を接着剤等で振動板に接着し、スピーカの振動系が得ら
れる。

［実　施　例］ 以下、本発明を実施例により説明するが、当然のことな
がら本発明は実施例によって限定されるものではない。

なお、フィルムの厚さは、直径２Ｉ！ｌｌ１１の測定面
をもったダイヤルゲージで測定した。引張弾性率は、フ
ィルム試料を１００ｍｍＸ　１０ｍｍの長方形に切り取
り、定速伸長型強伸度測定機により、最初のつかみ長さ
３０ｍｍ、引張速度３０　ｒａｍ／分で荷重−伸長曲線
を５回描き、これより算出した。

密度は、四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法
により３０℃で測定した。

音速及びｔａｎδは、一般的な振動リード法によって測
定して求めた値である。

実施例Ｉ ＰＰＴＡフィルムは特開昭６２−３７１２４号公報で示
す方法により製造した。該ＰＰＴＡフィルムの物性は、
厚さが５０μｍ、引張弾性率が１４６０　Ｋｇ／ｍｍ”
、密度が１−４０５．ｇ／ｃｍ”　ｓ音速が３７２０ｍ
／秒、ｔａｎδが０．４０であった。

該ＰＰＴＡフィルムを短冊状に切り出し、第１図のよう
に筒状にし、核部をボビンｌとし、該ボビン１の下端部
にコイル線２を所定の巻き数と巻き幅で巻き付け、コイ
ル線２の巻き始端２ａと巻き終端２ｂの自由端側な図の
ように巻幅上方部に配置してリード部２ｃ、２ｄとし、
補強紙３にて固定してスピーカ用ボイスコイルを作成し
た。

上記のようにして作成されたボイスコイルのボビン上端
部を第２図に示すように振動板４に接着してスピーカー
に組み込んだ。上記ボイスコイルボビン１は弾性率が大
きいため、振動板４とボイスコイルボビン１との接続部
５において従来のフィルムよりも剛直性を保つことがで
き、高域共振周波数を、より高周波数側に移行すること
ができた。

実施例２ 特開昭６２−＝１７４１２９号公報に示す方法でＰＰＴ
Ａフィルムを製造した。このＰＰＴＡフィルムの物性は
、厚さが５５μｍ、引張弾性率が１１５０　Ｋｇ／＋ａ
ｍ”、密度が１　、４０ｇ／ａｍ”　、音速が３５８０
ｍ／秒、ｔａｎδが０．０３８であった。

該ＰＰＴＡフィルムを短冊状に切り出し、実施例１と同
様にしてスピーカ用ボイスコイルを作成し、これをスピ
ーカに組み立てた。

このスピーカにおいても実施例１と同様に高域共振周波
数を高周波数側に移行することができた。

比較例 次の構造をもつアラミドフィルム の物性を測定したところ、厚さが３８４ｍ１引張弾性率
が１０５０　Ｋｇ／ｍｍ”、密度が１．５０ｇ／ｃｍ３
、音速が２７００　ｍ／ｓｅｃ、、ｔａｎδが００Ｏ４
１であり、明らかに音響部材の特性である音速、密度が
劣っていた。

［発明の効果］ 測定結果から明らかなように、本発明のボイスコイルボ
ビンは、従来のボイスコイルボビン材として使用されて
いるフィルムよりも音速が優れているため動的弾性率も
高い。従ってボイスコイルボビン上端部近傍とスピーカ
の振動板との接続において、該接続部が振動時において
も従来フィルムよりも、より剛直性を保つことができ、
高域共振周波数を、より高周波数側に移行することがで
き、且つ、上記接続部の分割振動を抑えることが可能と
なる。

以上のことから、従来のフィルム製ボイスコイルボビン
を使用したスピーカよりさらに高性能のスピーカを提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、（Ｂ）はスピーカ用ボイスコイルボビン
を示し、（Ａ）図はボイスコイルボビンの斜視図、（Ｂ
）図は断面図であり、第２図はスビー力の要部を示す断
面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 外周にボイスコイルを巻回すると共に上端部を振動板に
   接続するようにしたスピーカ用のボイスコイルボビンが
   ３３００ｍ／秒以上の音速と１．４４ｇ／ｃｍ＾３以下
   の密度を有するパラ配向型芳香族ポリアミドフィルムに
   て形成されることを特徴とするボイスコイルボビン。