JPH037807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電子機器、通信機器、写真機器その
他の各種精密機器やそれらの部品等の耐圧力、耐
温度、耐湿度の試験を行うための耐環境試験器に
おける加湿用水浄化装置、特に前端が蓋体にて開
閉自在とされているとともに後端が閉塞され、底
部に加湿用水を入れられるようにした横型の外筒
と、前端が開放されているとともに後端に通気口
が設けられた内筒にして、前記外筒に該外筒内面
に対し間隔をおいて嵌入配置された該内筒と、前
記通気口に設けられた雰囲気循環用フアンと、筒
内空気ヒータと、加湿用水加熱ヒータとを備え、
前記外筒底部に加湿用水を、前記内筒に被試験物
をそれぞれ入れて前記内外筒に所定圧力、温度及
び湿度の雰囲気を循環させるようにした耐環境試
験器における加湿用水浄化装置に関する。

従来の技術及びその問題点 従来、この種の耐環境試験器においては、加湿
用水は試験期間中何等過されないまま使用され
ていた。従つて、該期間中高圧、高温、高湿度に
さらされる被試験物の例えば合成樹脂製部分から
発散して試験雰囲気に混入した有機性ガス状粒子
等の不純物は、外筒内面や内筒外面における結露
によりできた水滴中に混じつてそのまま外筒底部
の加湿用水中に流入し、再び水蒸気に混じつて試
験雰囲気中へ飛散していた。

このため、被試験物に不要な環境因子が作用
し、それだけ試験の精度、信頼性が低下し、ま
た、試験器に斯かる不純物が付着する結果、試験
器が腐食等により損傷し、これを出来るだけ避け
ようとすれば、加湿用水の交換、試験器の清掃を
短期間毎に行われねばならず、手間がかかるとい
う問題があつた。

本発明の目的は、斯かる従来問題点を出来るだ
け解消できる記述の如き耐環境試験器における加
湿用水浄化装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明の上記目的は、既述の如き耐環境試験器
における加湿用水浄化装置であつて、前記内筒の
両外側面と該側面に対向する前記外筒内側面との
間に該側面に沿つて架設された通水孔を有する棚
と、前記外筒の天井及び内側面並びに前記内筒の
天井及び外側面の少なくとも一部に結露してでき
る水滴の流れを受けて該水滴流中の不純物を過
するための前記棚に配置された過材とを備えた
ことを特徴とする耐環境試験器における加湿用水
浄化装置により達成される。

前記内筒の天井から両側壁にかけての形状は、
そこに結露してできる水滴が流下し易いように、
例えば山形、半円状ドーム形の如く実質的に下り
傾斜していることが望ましい。

前記過材を配置する棚には、通水孔を多数設
けたストリツプ状のもの、通水孔を多数設けた樋
状等種々の形態のものを採用できる。前記過材
には、例えば活性炭を棒状に成形したものを挙げ
ることができる。

作 用 本考案によれば、耐環境試験中被試験物から発
散した不純物は、前記外筒の天井及び両内側面並
びに前記内筒の天井及び両外側面上の少なくとも
一部における結露により生じた水滴に混じつて前
記過材へ流下し、該過材にて過され、不純
物過後の水が前記外筒底部の加湿用水中へ流下
する。

考案の効果 本考案によれば、耐環境試験器使用中加湿用水
は過材による不純物過分だけ清浄に保たれ、
それだけ被試験物に不要な環境因子が作用するこ
とが防止され、その分試験の精度が向上し、信頼
性が増し、また、試験器への斯かる不純物の付着
が大幅に減少し、それだけ試験器の寿命が長くな
るとともに加湿用水の交換、試験器の清掃が従来
に比べ長期間毎に行えば足り、それだけ手間が省
けるという利点をもたらす耐環境試験器における
加湿用水浄化装置が提供される。

実施例 本考案の１実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

まず、本考案の１実施例浄化装置を設ける耐環
境試験器の１例について説明する。

図示の試験器１０は、外筒１及び内筒２を備え
ている。外筒１は、前端１１がそこにボルト止め
可能な蓋体３にて開閉自在となつているととも
に、後端１２が閉塞され、底部１３に加湿用水７
を入れられるようにした全体として横型の円筒形
状体である。内筒２は、前端２１が開放されてい
るとともに後端２２が通気口２３を除いて閉塞さ
れた全体として横型の円筒形状体であり、外筒１
内に該外筒内面に対し間隔をおいて嵌入配置され
ている。

前記内筒２の通気口２３には、フアン４が設け
られ、電磁カプリング４ａ及び４ｂを介して筒外
モータ４０により駆動されるようになつている。
内筒２内には被試験物８の通気性ある支持台２４
が設けられている。外筒１にはその外周にバンド
状電気ヒータ５１が巻かれるとともに、フアン４
の後にもう１つの電気ヒータ５２が設けられてい
る。これらヒータ５１及び５２は筒内空気加熱用
のものである。

外筒１の底部１３には加湿用水７を加熱するた
めの電気ヒータ６が設置されている。

本考案１実施例である加湿用水浄化装置９は、
棚９１及び９１と、各棚に載置された過材９２
とからなつている。棚９１及び９１は内筒２の両
外側面とこれに対向する外筒１内側面との間に架
設されており、各棚９１は、底に多数の通水孔９
１１を設けた樋状に形成されている。

各過材９２は、活性炭を断面４角形状の棒状
に成形したものである。

いずれにしても各過材はカートリツジ式に交
換容易なタイプのものが好ましい。なお、図中２
５は内筒２内気体温度センサ、７１は加湿用水７
の温度センサである。

被試験物８の耐環境試験にあたつては、空気加
熱用ヒータ５１及び５２並びに加湿用水加熱ヒー
タ６に適宜通電され、試験器１０内に所定の圧
力、温度及び湿度の試験雰囲気がつくられる。こ
の試験期間中、外筒１の天井及び両内側面や内筒
１の天井及び両外側面に結露してできた水滴は、
それらの部分を伝つて過材９２及び９２へ流下
し、ここで該水滴流に含まれている被試験物８か
ら発散した不純物が過され、清浄水が外筒１の
底部１３へ流下する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を備えた耐環境試験
器の１例の断面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線に
沿う断面図である。 １……外筒、１１……外筒前端、１２……外筒
後端、１３……外筒底部、２……内筒、２１……
内筒前端、２２……内筒後端、２３……通気口、
３……蓋体、４……フアン、５１，５２……空気
加熱用ヒータ、６……加湿用水加熱ヒータ、７…
…加湿用水、８……被試験物、９……加湿用水浄
化装置、９１……棚、９１１……通気孔、９２…
…過材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端が蓋体にて開閉自在とされているとともに
   後端が閉塞され、底部に加湿用水を入れられるよ
   うにした横型の外筒と、前端が開放されていると
   ともに後端に通気口が設けられた内筒にして、前
   記外筒に該外筒内面に対し間隔をおいて嵌入配置
   された該内筒と、前記通気口に設けられた雰囲気
   循環用フアンと、筒内空気ヒータと、加湿用水加
   熱ヒータとを備え、前記外筒底部に加湿用水を、
   前記内筒に被試験物をそれぞれ入れて前記内外筒
   に所定圧力、温度及び湿度の雰囲気を循環させる
   ようにした耐環境試験器における加湿用水浄化装
   置であつて、前記内筒の両外側面と該側面に対向
   する前記外筒内側面との間に該側面に沿つて架設
   された通水孔を有する棚と、前記外筒の天井及び
   内側面並びに前記内筒の天井及び外側面の少なく
   とも一部に結露してできる水滴の流れを受けて該
   水滴流中の不純物を過するための前記棚に配置
   された過材とを備えたことを特徴とする耐環境
   試験器における加湿用水浄化装置。