JPH037570Y2

JPH037570Y2 -

Info

Publication number: JPH037570Y2
Application number: JP1982200401U
Authority: JP
Priority date: 1982-12-30
Filing date: 1982-12-30
Publication date: 1991-02-25
Also published as: JPS59105059U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、増圧型燃料噴射装置の部品として使
用するスプール型のサーボ弁の改良に関し、応答
性に優れたサーボ弁を提供するものである。

車両用エンジンの燃料噴射装置に使用されている
増圧プランジヤ式燃料噴射装置は、第１図に示す
ようなスプール型のサーボ弁１が使用されてい
る。このサーボ弁は、本体２の内部に形成したシ
リンダ３内にピストン部４ａと４ｂとを連結棒４
ｃによつて連結した弁体４（スプール）を滑動自
在に設けている。

この本体２には液体の供給口５と送出口６と還
流口７とが設けられており、前記弁体４のピスト
ン部４ａによつて供給口５を開閉し、またピスト
ン部４ｂによつて還流口７を開閉するように構成
されている。なお、前記送出口６はサーボピスト
ンに連結されている。

前記弁体４を駆動する手段としてソレノイドコ
イル（ヘリノイドコイル）で電気的に制御した
り、またこのサーボ弁に更にパイロツト弁を並設
してこのサーボ弁を制御している。

しかし、第１図に示した構造のサーボ弁１にお
いては、流体をサーボピストンに供給するために
供給口５より流体Ｌが矢印のように流入して送出
口６側に流出すると、ピストン部４ａの前面を通
過する関係上、ピストン部４ａの壁面４ｄ側に低
圧部分Ｖが発生し、このため弁体４が閉じようと
する力Ｆが発生する。この力Ｆはフローフオース
と称するものであつて、流体Ｌの速度が早いとこ
れに比例して大きなものとなる。

従つて、高速度で流体が流れる状態で開弁する
際には前記力Ｆ以上の力で弁体４に軸力を作用さ
せる必要がある。

また、スプール型サーボ弁を使用した内燃機関
の燃料噴射装置としては、特開昭54−118917号公
報や特公昭55−32903号公報が提案されている。

特開昭54−118917号公報に記載されているサー
ボ弁には母線に対して傾斜して制御縁が設けられ
たものが開示されているが、制御流体（燃料）を
この制御縁に当ててサーボ弁を開弁方向に移動さ
せる力を与えることを示唆するものではなく、作
動中にこのサーボ弁が流体の供給口に対して回転
した場合には、ピストン部の前面に低圧部分が発
生し、大きなフローフオースが発生する状態とな
る。

また、特公昭55−32903号公報に記載されたサ
ーボ弁は、シリンダ内に斜めに流体を流入する構
造が開示されているが、流体の流れを利用してサ
ーボ弁にピストン部の側面が低圧となつて発生す
るフローフオースをキヤンセルするような特定の
方向に力を発生させる構造は開示されていない。

前記のように、スプール型サーボ弁のシリンダ
中には弁体の移動に応じて高速で流体が流動する
わけであるが、前記のように弁体を構成するピス
トン部の前面に必然的に弁体の開弁方向とは逆方
向に弁体を引き寄せるフローフオースが発生する
ので、このフローフオースをキヤンセルするため
に大型のソレノイドコイル８を使用することにな
る。また、サーボ弁に並設されるパイロツト弁の
機構が複雑化するという問題がある。

本考案は、前記図示した構造を有するサーボ弁
の欠点である開弁時に弁体を閉止方向に強制的に
移動させようとするフローフオースを逆に利用し
たスプール型サーボ弁を提供することを目的とす
るものである。

前記目的を達成するための本考案にかかるスプ
ール型サーボ弁は、ノズルに燃料を供給するプラ
ンジヤポンプを駆動するサーボピストンを、スプ
ール型サーボ弁によつて制御する増圧プランジヤ
式燃料噴射装置において、前記サーボ弁は供給口
と送出口、あるいは送出口と還流口とを交互に切
換える２個のピストン部を有し、供給口と送出口
とが連通状態において、この連通状態を保持する
方向に燃料によつてピストン部を押圧する如く流
れを発生させるための斜めの燃料供給口を形成す
ることによつて構成されている。

つまり、スプール弁が開弁して燃料が供給口か
ら送出口側に流れる場合、流体の供給口側に位置
しているピストン部の側面に対して斜め方向から
流体を供給し、これをピストン部の側面に衝突さ
せるように燃料供給口を形成した点に特徴があ
る。

次に図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第２図は本考案に係るサーボ弁の要部を示す断
面図であつて、サーボ弁１０は本体１１の中央部
にシリンダ部１２が設けられ、このシリンダ部１
２内にピストン部１３ａと１３ｂとを連結棒１３
ｃによつて連結した弁体１３が滑動自在に設けら
れている。

前記弁体１３の一端の軸線上に連結棒１４を介
して鉄芯１５が設けられ、この鉄心１５の周囲を
囲んでソレノイドコイル１６が設けられている。
またピストン部１３ａの側にはスプリング１７が
設けられて弁体１３を所定の位置に戻すように構
成している。

前記本体１１には作動流体の供給口２５と送出
口２６と還流口２７とが設けられている。尚、各
口には連結部を介して配管２５ａ，２６ａ，２７
ａがそれぞれ設けられている。

さて、本考案において重要な構造は、流体の供
給口２５を斜めに角度αで傾斜して形成した点に
ある。

第２図においては、弁体１３が最右端に移動し
た状態を示すもので、ピストン部１３ａの壁面Ｓ
に対して流体Ｌが前記角度に応じて斜めに噴射す
るように構成されている。

次に本考案に係るサーボ弁の作動状態を説明す
る。

第２図においてサーボ弁１０が非作動の状態の
時には弁体１３のピストン部１３ａは２点鎖線で
示す位置にあり、供給口２５をこのピストン部１
３ａによつて閉止している。

エンジンのシリンダ内に燃料を噴射する際に
は、ソレノイドコイル１６に通電することによつ
て鉄芯１５を鎖線で示す状態から実線で示すよう
に右側に移動させる。

鎖線で示す状態においては、供給口２５はピス
トン部１３ａによつて閉止されているが、実線で
示す燃料の噴射状態になると供給口２５が開口さ
れ、流体Ｌが角度αでシリンダ部１２に対して傾
斜した供給口２５よりシリンダ部１２内に流入す
ることになる。

ピストン部１３ａに対して噴射した流体Ｌはピ
ストン部１３ａの壁面Ｓに衝突して矢印Ｍのよう
に方向を変更する際に力Ｆを発生する。この力は
第１図におけるフローフオースに相当するもので
あつて、流入する流体の速度が早ければ早い程そ
の力は増加する。

この弁体１３を右方向に移動させようとする力
Ｆは、ソレノイドコイル１６によつて鉄芯１５を
右側に移動して開弁する力Ｐに加勢する方向であ
つて、従つて弁体１３には力ＦとＰとが作用する
ことなる。

前記のように本考案に係るサーボ弁において
は、流体が高速でシリンダ部１２内に流入する際
に弁体１３を、供給口２５を開放する方向に移動
するので、ソレノイドコイル１６を小型化し、ま
たサーボ弁を駆動するパイロツト弁を簡単な構造
のものとすることができるのである。

次に本考案に係るサーボ弁を使用した増圧プラ
ンジヤ式燃料噴射装置を第３図について説明す
る。

Ａはインジエクタ部、Ｂは計量ピストン部であ
る。

第１低圧燃料源３０（例えば10〜20Kg／cm²）の
燃料をサーボ弁１０に供給し、このサーボ弁１０
内に収容されている弁体１３をソレノイドコイル
１６に通電して右側に移動することによつて供給
口２５を開口してサーボピストン３２のビストン
室３３内に燃料を供給する。

そしてサーボビストン室３３内に燃料が供給さ
れるとピストン３４を右側に移動させてこのピス
トン３４に連結棒３５を介して連結されているピ
ストン３６を右側に移動させてプランジヤポンプ
３７内のプランジヤ室３８に燃料源３０ａよりチ
エツク弁４０を介して供給されていた燃料を加圧
して燃料噴射ノズル４１内に供給してシリンダ内
に燃料を噴射する。

高圧燃料供給経路４２はリークオフ弁４３と連
通しており、後述の作用によりリークオフ弁４３
内に収容された弁体４４がそのバネ４５に抗して
移動すると前記高圧燃料供給経路４２を開放して
燃料噴射を終了する。

サーボピストン３３は管路４６を経由してリー
クオフ弁４３と計量ピストン４７に連通されてい
る。

さて、サーボピストン３４が右側に移動すると
低圧流体源５０（例えば１〜２Kg／cm²）よりサー
ボピストン室３３ａに予め供給された流体、例え
ば燃料が計量ピストン４７内に収容されたピスト
ン５１に作用してバネ５２に抗してピストン５１
を右側に移動させる。このピストン５１の移動は
アクセルペダル５３等の機関負荷に対応してレバ
ー５４を介して位置が変更されるストツパ５５に
当接して規制される。

ピストン５１がストツパ５５に当接して停止さ
れると、サーボピストン室３３ａ及び計量ピスト
ン室４７ａ、更にはリークオフポート４３ａに接
続する計量管５６の圧力が上昇することになり、
この圧力がリークオフ弁４３の弁体４４に作用
し、それによつてパネ４５に抗して弁体４４を右
側に移動させて高圧燃料供給経路４２を開放する
のである。

尚、６０は計量管５６の圧力を保持するリリー
フ弁、６１は他の気筒のインジエクタ部より計量
ピストン部Ｂに至る計量管、６２は機関の信号を
入力してその状況に応じてソレノイドコイル１６
の動作を規制するコントローラである。

以上の増圧プランジヤ式燃料噴射装置におい
て、インジエクター部Ａに設けてあるサーボ弁１
０のソレノイドコイル１６に通電されてピストン
１３が右側に移動して流体の供給口２５を開口す
ると第２図を参照して説明したように流体がピス
トン部１３ａの壁面Ｓに衝突してこのピストン部
１３ａを右側に移動するように附勢する。

従つて、本考案に係るサーボ弁によれば、高圧
の流体が高速でサーボ弁１０に供給されることに
よつて円滑に運動するので、サーボ弁のピストン
部を移動させるための力が少なくてもよく、燃料
噴射動作が確実となる。

前記のように力が少なくてもよいことは、第２
図に示したソレノイドコイル１６等のスプール型
のサーボ弁のピストン部の駆動手段を小型化ある
いは簡素化することになり、本考案に係るサーボ
弁を使用した装置の信頼性を向上する利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図はサ
ーボ弁の要部を示す拡大図、第２図は本考案に係
るサーボ弁の要部を示す拡大図、第３図は本考案
に係るサーボ弁を組込んだ増圧プランジヤ式燃料
噴射装置の一例を示す図である。１０……サーボ弁、１１……弁本体、１２……
シリンダ部、１３……弁体、１３ａ……ピストン
部、１３ｂ……ピストン部、１４……連結棒、１
６……ソレノイドコイル、２５……燃料供給口、
２６……燃料送出口、２７……還流口、３２……
サーボピストン、３３……ピストン室、３４……
ピストン、３６……ピストン、３７……プランジ
ヤポンプ、４１……燃料噴射ノズル、４３……リ
ークオフ弁、４７……計量ピストン、５６……計
量管、６１……計量管、６２……コントローラ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ノズルに燃料を供給するプランジヤポンプを駆
動するサーボピストンを、スプール型サーボ弁に
よつて制御する増圧プランジヤ式燃料噴射装置に
おいて、前記サーボ弁は供給口と送出口、あるい
は送出口と還流口とを交互に切換える２個のピス
トン部を有し、供給口と送出口とが連通状態にお
いて、この連通状態を保持する方向に燃料によつ
てピストン部を押圧する如く流れを発生させるた
めの斜めの燃料供給口を形成してなるスプール型
サーボ弁。