JPH0374718B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は滑動面間の静的および動的摩擦を減ら
す方法、および、それによつてつくられる低摩擦
性物品に関するものである。

ある種の装置においては一つの面がもう一つの
面の上を滑べる運動をゆつくりとかつ制御された
状態で開始させそして維持することが必要とされ
る。滑動関係にある二つの静止表面がしばしば、
それらの一つの面へ加えた圧力を徐々に増加して
も運動をおこすことなく、逐にそれらの面の突然
の滑動的分離がおこる域値圧力に達するような、
十分な運動開始抵抗を示すことがよく知られてい
る。静止表面が滑り関係に入るこの突然の分離を
ここではブレイクアウトとよぶ。

目盛をつけた第二の表面上を他の一つの表面が
滑らかに少しづつ線から線へ進むことによつて、
少量の正確に測定された液量を送り出すのに使用
する、注射器のような液体分配装置において、ブ
レイクアウトは特に厄介なものである。

ブレイクアウトの問題は摩擦と関係がある。摩
擦は、一つの物質の表面がそれ自体または別の物
質の隣合う表面の上で滑るかあるいは滑る傾向が
あるときにおこる抵抗力として、一般的には定義
される。接触している固体表面間には２種の摩擦
が存在し得る。すなわち、(1)静止摩擦として一般
的に知られている、一つの面をもう一つの面の上
で動かしはじめるのに必要とする力に対抗する抵
抗、および、(2)一般的には運動摩擦として知られ
る、一つの表面をもう一つの表面の上で可変、固
定または予定の速度において動かすのに必要とす
る力に対抗する抵抗、である。

静止摩擦に打勝ち、ブレイクアウトを誘起する
のに必要とする力はブレイクアウト力とよばれ、
ブレイクアウト後の一つの表面の別の表面上での
定常的滑動を維持するのに必要とされる力は持続
（sustaining）力とよばれる。二つの主な要因が
静止摩擦（従つてブレイクアウト力）に寄与す
る。ここで用いる用語「粘着」とは静止接触状態
にある二つの表面がある程度の相互接着力を発現
する傾向を意味する。用語「慣性」はある物体を
動かし始めるのに打勝たねばならない動かし難さ
（indisposition）として一般的に定義される。本
発明の文脈においては、慣性は接着力を含まない
ブレイクアウト力の成分を意味するものと理解さ
れる。

ブレイクアウト力、特に粘着度、は表面の組成
に従つて変る。一般には、弾性をもつ物質は、特
に表面同士が異なる組成をもつときに、非弾性物
質より粘着性が大きい。面が相互に静止接触状態
にあつた時間の長さはまたブレイクアウト力に影
響する。注射器業界においては、「パーキング
（parking）」という用語は貯蔵時間、放置時間、
あるいは充填と放出との間の間隔を意味する。パ
ーキングは一般的にはブレイクアウト力を増す。
注射器がパーキング中に冷凍されていた場合に特
にそうである。

（従来技術） ブレイクアウト克服への従来の試みは面と面の
界面への潤滑剤の塗布であつた。使用する普通の
潤滑剤は鉱油、ピーナツツ油、植物油などのよう
な炭化水素油である。そのような製品は医薬を小
出しするのに普通に用いられるベヒクルのような
各種の流体中に可溶であるという欠点をもつてい
る。その上、これらの潤滑剤は空気酸化にさらさ
れ、粘度変化と好ましからぬ変色をもたらす。そ
の上、それらは面対面の界面からの移行が特にお
こり易い。そのような潤滑剤移行は一般的にはパ
ーキング時間とともにブレイクアウト力が増加す
ることに起因すると考えられる。

シリコーン油もまた潤滑剤として普通に用いら
れる。シリコーン油は溶剤性が小さく、酸化を受
けないが、移行と粘着は実際におこり、そして、
高ブレイクアウト力が問題である。

ポリ四弗化エチレン面はブレイクアウト力のい
くらかの低減を提供するが、この物質はきわめて
高価であり、そのうえ、この物質による試みは十
分効果的ではなかつた。このように、高ブレイク
アウト力を克服しそれによつて静止的接触から滑
動的接触への二つの面の滑らかな移り変りを達成
できるより良好な方法を求める要望が存在してい
る。

グロー放電またはコロナ放電のいずれかによる
ガスの電磁活性化によるイオン化プラズマの形
成、および、面の変性、特に、ポリマー表面上へ
の物質の沈着のために、その種のプラズマを使用
することはよく知られている。そのような先行技
術の例はイマダらの米国特許No.4364970およびリ
デル（Lidel）の米国特許No.4072769である。

（発明の構成） 本発明の主題の一つは、面を静止接触から滑動
接触へブレイクアウトするのに必要とする力を減
らし、かつ面を滑動接触状態に保つ方法である。
面の少なくとも一つと潤滑剤とをイオン化プラズ
マで処理し、その潤滑剤をそれらの面の少くとも
一つへ潤滑剤付与の前または後に塗布する。

本発明の好ましい具体化においては、潤滑剤は
プラズマ処理前の面の少くとも一つへ塗布した低
分子量シリコーン油であり、そしてそのシリコー
ン油とその面の両者をプラズマにかけることであ
る。本発明の最も好ましい具体化においては、潤
滑剤はプラズマ処理前に、注射器筒の表面および
関連の注射器ストツパーの表面へ塗布された低分
子量ポリジアルキルシロキサンである。

本発明のもう一つの主題は、本発明の方法に実
質上従つて達成される、低ブレイクアウト力およ
び低持続力の滑動性表面をもつ物品である。

本発明の方法によると、ブレイクアウトに達す
るのに要する力が大いに低減され、それによつて
静止接触状態から滑動接触状態への面の移動を急
激な力の変化を伴うことなくおこすことができ
る。さらに、ブレイクアウトが完了し面が滑動接
触状態になると、面はきわめて小さい持続力の適
用によつて滑かに滑動する。従つて、実質的によ
り少ない潤滑剤ですみ、潤滑剤の移行を無くする
ことができる。本発明の方法によつて達成される
効果は長時間持続性であり、注射器のような物品
はいかなるパーキング期間中にも低いブレイクア
ウト力および持続力の利点を保持する。それらの
面が液体分配装置の部分であるときには、きわめ
て少量の液体の増分も急激な力の変化なしに繰返
して正確に分配することができる。このように、
本発明の方法に従つて処理した注射器は、患者へ
医薬を投与量の大巾なバラツキの危険を伴うこと
なしに投与するのに使用でき、それによつて投与
量の正確な制御と大いに増大した患者の安全性と
が実現される。

本発明は多くの異なる形態の態様によつて実現
されるが、ここで本発明の好ましい態様を詳細に
記述する。ただし、これらの記載は本発明の原理
の例示として考えられるものであり、本発明を解
説される具体例に限定する意図のものでないこと
が理解されるべきである。本発明の範囲は特許請
求の範囲およびその均等範囲によつて定められ
る。

本発明の方法によると、相互に滑動関係にある
面を潤滑剤で処理してイオン化プラズマにかけ、
それによつてそれらの表面のブレイクアウトが大
きな力を適用することなく達成できる。本発明の
方法は別の面と接触して滑動するいかなる面へも
適用できる。それらの面がつくられている物質
は、ガラス、金属、セラミツク、プラスチツク、
ゴムなどを含む。この方法は弾性をもつ物質でつ
くつた面、例えば、ゴムまたは各種ポリマーから
成る面にとつて最も有効かつ最も有用である。本
発明の方法によつて特に大きい効果を及ぼしうる
面は、天然ゴムまたは合成ゴムからつくつたも
の、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ四弗化エチレン、などのような
熱可塑性または熱硬化性のポリマーからつくられ
た面である。

潤滑剤は、２つの面が接触状態にあるときに潤
滑剤がそれらの面の界面に位置するように、それ
らの面の少くとも一つへ塗布される。適当である
潤滑剤は植物油、ピーナツツ油、鉱油などのよう
な炭化水素油、あるいは好ましくは、シリコーン
のような合成油である。適当なシリコーン油はど
れを使用してもよく、あるいは、必要な場合に
は、油の混合物を使用してもよい。好ましいシリ
コーン油は約100から20000、好ましくは約1000か
ら100000の分子量をもつ。最も好ましい種類の潤
滑剤は一般式： のポリジアルキルシロキサンであり、式中、Ｒと
R′は独立に１個から20個の炭素原子、好ましく
は１個から８個の炭素原子の低級アルキルであつ
てよく、ｎは１から2000、好ましくは１から800
の整数であつてよい。式の構造の好ましい潤滑
剤は約10−100000、好ましくは約50−1000センチ
ストークスの粘度をもつ。

潤滑剤皮膜の滑動面への塗布は任意の適当な方
法、例えば、浸漬、刷毛塗り、スプレーなどによ
つて達成してよい。潤滑剤はそのままで塗布して
もよく、あるいは溶剤中で適用してあとで溶剤を
蒸発によつて除去してもよい。潤滑剤皮膜は都合
の良いいかなる厚さでもよく、実際上は、潤滑剤
の粘度および塗布温度のような要因によつてきめ
られる。この皮膜の厚さは、経済的理由からは、
できるだけ薄く塗布するのが好ましい。なぜな
ら、厚い皮膜にしても顕著な利点は得られないた
めである。

潤滑剤と面とは潤滑剤施用前にイオン化プラズ
マで別々に処理してよい。好ましくは、潤滑剤を
面へ塗布し、その面と潤滑剤とを一緒にイオン化
プラズマで処理し、それによつて潤滑剤と面とを
プラズマにさらす。必要ならば、それらの面は、
潤滑剤付与後、プラズマ処理前に、静止接触状態
に組立ててよい。

プラズマ処理は例えば米国特許No.3847652に記
載のようないずれかのプラズマ発生器の中で実施
してよい。適当な任意のイオン化プラズマが使用
でき、例えばグロー放電またはコロナ放電によつ
て発生されるプラズマである。プラズマは各種の
ガスまたはそれらの混合物から発生させてよい。
頻繁に用いられるガスは空気、水素、ヘリウム、
アンモニウム、窒素、酸素、ネオン、アルゴン、
クリプトンおよびキセノンを含む。いかなるガス
圧も使用できるが、しかし、ガス圧は５mmHgま
たはそれ以下、好ましくは約0.1から約1.0mmHgに
保つことが、低電圧ですむ利点を得るために有利
である。

潤滑剤と面をプラズマへ暴露するについて、広
範囲の出力設定、高周波、および継続時間を使用
できる。有利な結果を与えるこれら三つの変数の
範囲はそれぞれ約200ワツトまでの直流（DC）ま
たは交流（AC）の電力、約0.1から約50メガヘル
ツ、および約0.1から約30分である。好ましい範
囲はそれぞれ10−50ワツト、10−20メガヘルツお
よび２−10分である。

ブレイクアウトおよび持続力は汎用的な機械的
試験器あるいは例えばインストロン・モデル1122
のような一定速度のクロスヘツド運動をもつタイ
プの試験機で便利に測定することができる。図は
５分間のパーク時間の後に100mm／分の速度で、
注射器筒中の熱可塑性合成ゴム注射器ストツパー
のブレイクアウト力と持続力とを示している。実
線はシリコーン油で潤滑されたイオン化プラズマ
処理されていないストツパーおよび筒についての
これらの力を示し、点線は潤滑油を施こした筒の
イオン化プラズマ処理後に測定した同じ力を示し
ている。プラズマ処理を行なわないときのブレイ
クアウト力と持続力とはそれぞれ0.72Kgおよび
0.61Kgであり、プラズマ処理後は、これらの力は
それぞれ0.1Kgおよび0.065Kgであることが見られ
る。ブレイクアウト後、これらの持続力はストツ
パーの移動距離と無関係に実質上一定のままであ
る。

まだ確定されたわけではないが、プラズマ処理
はシリコーン油中で架橋結合を誘起し、それによ
つて潤滑剤が高分子量の三次元的ポリマー網目構
造体へ転化されるものと信じられる。さらに、き
わめて反応性の化学種、おそらく遊離基、がシリ
コーンポリマー網目構造体の中及び該ポリマーの
塗布されている表面に形成され、それらが一緒に
反応して潤滑剤と表面との間で或る程度の化学的
結合を生ずると信じられる。結合のほかに、プラ
ズマ処理は潤滑剤分子の一部分、おそらく非架橋
端、をプラズマ処理によつて表面上に発生した孔
中へ入るよう誘導し、それによつて潤滑剤皮膜の
安定性と移行に対する抵抗性が増強されると仮定
される。

本発明のもう一つの面においては、ブレイクア
ウト力と持続力とが減少した滑動面をもつ物品が
提供される。本発明の方法に従つて処理される滑
動面をもつ物品はどれも、本発明の範囲内に含ま
れる。含まれる物品の例は注射器、注射器ポンプ
を備えた注射器、および液体分配装置または液体
計量装置であり、特に、ピペツト、ビユレツト、
滴下漏斗、などのような流量精密調節用のストツ
プコツクを用いるものである。

以下の実施例は本発明をさらに説明するための
ものであり、本発明を制限するものでは決してな
い。

実施例 100csのポリジメチルシロキサンの皮膜をクレ
イトン（Kraton）（シエル・コーポレーシヨンの
スチレンブタジエンコポリマー用商標名）ストツ
パーの接触リツプ上に塗りつけた。インターナシ
ヨナル・プラズマ・コーポレーシヨン（IPC）の
プラズマ発生器、2103−Ｂ型の中で250ミリトル
の圧力と50ワツトの電力で５分間、窒素ガスプラ
ズマへ露出したのち、ストツパーを潤滑剤を塗ら
ない10c.c.のポリプロピレン注射器筒の中へ組込ん
だ。ブレイクアウト力は、インストロン1122型の
汎用の機械的試験器で測定して同条件下で測定し
た非処理ストツパーのブレイクアウト力より500
％低いことが見出された。

実施例 皮膜を10c.c.のポリプロピレン注射器筒の内面
へ、該筒をフレオンTF（E.I.デユポン社のジクロ
ロジフロロメタン用商標名）中の100CSポリジメ
チルシロキサンの1.5％（重量／容積）溶液の中
へ浸すことによつて、塗布した。この筒をIPCプ
ラズマ発生器の中で300ミリトルの圧力と125ワツ
トの電力で10分間、空気プラズマへ曝露した。潤
滑剤を施こさないクレイトン・ストツパーをこの
注射器筒の中へ組込み、この組立品を５分間横に
とりのけて置いたのち、ブレイクアウト力をイン
ストロンで測定し、プラズマ処理を施こさなかつ
た同等の潤滑処理した注射器およびストツパーの
ブレイクアウト力と比較した。結果を図に描いて
いるが、処理しない組立品と処理した組立品につ
いてそれぞれ、0.72Kgと0.1Kgのブレイクアウト
力を示している。図はまた、ストツパーを100
mm／分の速度で動かすのに必要とする持続力は非
処理組立品について0.61Kgであり、プラズマ処理
を施こした組立品については0.065Kgであること
を示している。

実施例 実施例の実験を繰返したが、ただし、注射器
筒は、容量結合のパルス性（pulsed）150kHz発
生器で20トルの圧力におけるコロナ誘導プラズマ
で15秒間処理した。このプラズマ処理した組立品
のブレイクアウト力は非処理組立品と比べて500
％低下した。

実施例 実施例の実験を繰返したが、ただし、500cs
ポリメチルオクチルシロキサンを使つた。プラズ
マ処理組立品のブレイクアウト力は非処理組立品
と比べて500％低下した。

実施例 実施例の実験を繰返したが、ただし、２容積
部の10cSポリジメチルシロキサンと１容積部の
12500cSポリジメチルシロキサンとから成るシリ
コーン混合物を使用した。プラズマ処理した組立
品のブレイクアウト力は非処理組立品と比べて
500％低下した。

このように、本発明の方法によると、滑動性表
面間のブレイクアウト力はそれらの面と面対面界
面についての潤滑剤とのプラズマ処理によつて大
いに減らされる。それらの面の急激なブレイクア
ウトが避けられ、一つの面のもう一つの面上での
滑りは、一旦ブレイクアウトがはじまると低減し
た持続力で維持できる。本発明の方法によつてつ
くられる低ブレイクアウト・持続力の物品は本発
明の範囲内にある。

【図面の簡単な説明】

図はイオン化プラズマによる処理の効果を示
す、シリコーン油で処理した注射器筒についての
ブレイクアウト力と持続力とを示すグラフであ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリコーン油を表面へ塗布し、この表面とそ
   の上のシリコーン油とをイオン化プラズマで処理
   することから成る、別の面と滑動的に接合させる
   面の静止摩擦力および運動摩擦力を減らす方法。 ２ 上記面の成分がガラス、金属、セラミツク、
   プラスチツク、天然ゴム、および合成ゴムから成
   る面成分の群から選ばれる、特許請求の範囲第１
   項に記載の方法。 ３ 上記のプラスチツクがポリエチレン、ポリプ
   ロピレン、ポリスチレン、およびポリ四弗化エチ
   レンから成るプラスチツクの群から選ばれる、特
   許請求の範囲第２項に記載の方法。 ４ 上記シリコーン油が一般構造式： のポリジアルキルシロキサンであり、式中、Ｒと
   R′は独立に炭素原子数が１個から20個である低
   級アルキルであつてよく、ｎが１から2000の整数
   であつてよい、特許請求の範囲第１項に記載の方
   法。 ５ 上記のポリジアルキルシロキサンが構造式： のポリジメチルシロキサンであり、式中、ｎが１
   から2000の整数である、特許請求の範囲第４項に
   記載の方法。 ６ 上記のプラズマが空気、酸素、アンモニア、
   水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
   ン、キセノンおよび窒素から成るガスの群から選
   ばれるガスから発生される、特許請求の範囲第１
   項に記載の方法。 ７ 上記のプラズマが高周波放電を使用して発生
   される、特許請求の範囲第１項に記載の方法。 ８ 面とシリコーン油とをイオン化プラズマで処
   理し、処理されたシリコーン油を処理された面へ
   塗布することから成る、別の面と滑動的に接合さ
   せる面の静止摩擦力および運動摩擦力を減らす方
   法。 ９ 面の少くとも一つとシリコーン油潤滑剤とを
   イオン化プラズマで処理し、その潤滑剤をその面
   へ塗布することから成る、滑動的に接合させる面
   の静止摩擦力および運動摩擦力を減らす方法。 １０ 注射器筒の壁へポリジメチルシロキサン潤
   滑剤を塗布し、潤滑剤を壁面上にもつ上記注射器
   筒をイオン化プラズマにさらすことから成る、注
   射器筒の内側における滑動性表面の静止摩擦力お
   よび運動摩擦力を減らす方法。 １１ さらに、上記潤滑剤を注射器ストツパーへ
   塗布し、この潤滑剤塗布ストツパーを上記のイオ
   ン化プラズマにさらすことから成る、特許請求の
   範囲第１０項に記載の方法。 １２ 下記物品の面の一つがその面上にシリコー
   ン油を含み、その油とその一つの面がイオン化プ
   ラズマへさらされたものである、静止摩擦力およ
   び運動摩擦力を低下させた滑動的関係にある表面
   を有する物品。 １３ 注射器である、特許請求の範囲第１２項に
   記載の物品。 １４ ストツプコツクをもつ液体分配装置であ
   る、特許請求の範囲第１２項に記載の物品。 １５ ストツプコツクをもつ液体計量装置であ
   る、特許請求の範囲第１２項に記載の物品。