JPH0373097B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般に、高速多部位計算型断層撮影
（CT）医療走査システムに係り、特に、このよう
な走査システムに用いる電子ビームターゲツト構
造体に係る。

従来の技術 米国特許第4352021号には、Ｘ線源及びＸ線検
出器が固定されておりそして正確に配置された複
数のターゲツトを横切つて電子ビームをスイープ
することにより複数の扇状の放射ビームが発生さ
れ、これにより、各ターゲツトが扇状の放射ビー
ムを発生するような高速Ｘ線走査システムが開示
されている。

電子式の走査システムは、単一の電子ビーム管
を組み込んでいる。電子ビームは、適当な磁界及
び／又は電界によつて偏向されて、４つの隣接す
る半円形のターゲツトリングの１つに可動のＸ線
源を形成し、扇状の走査ビームが発生される。

これらのビームを使用して多数の部位における
組織の全体積を造影することができる。このよう
な電子走査システムは、米国特許第4075492号に
開示されたような公知の機械的な走査システムよ
りも速度という点で非常に優れている。即ち、単
一の部意を機械的に走査するのに必要な１秒以上
という時間に比して数分の１秒で或る体積部を走
査することができる。このシステムは、高い正度
及び整列を必要とする可動部の必要性を排除する
ものである。更に、スライド式の電気接点のよう
な精巧なシステムも排除される。スキヤナは、心
臓のような大きさの領域を包囲する人体の多数の
部位をほヾ同時に観察できるという点で、米国特
許第4158142号に開示されたものよりも改善され
ている。スキヤナは、８個程度の部位の像を形成
することができる。

このシステムは、ターゲツトリングに対向して
取り付けられた複数の検出器を使用している。

これらの検出器は、２つの隣接する部分円リン
グの配列体に配置される。各々の配列体は、例え
ば、432個といつた数の多数の検出器を有してお
り、検出器の数は全部で864個となる。２つの隣
接する検出器の角度的な分離は、0.5゜程度であ
り、非常に高い分解能を与える。走査システムに
は、Ｘ線源及び検出器の両方に対してコリメータ
が設けられている。線源のコリメータは、30゜の
開き角度にわたつて扇状のビームを発生する。検
出器のコリメータは、交換可能な任意の配列体、
即ち、二重部位検出器配列体、単一部位検出器配
列体、及び高分解能の単一部位検出器配列体を備
えている。種々の走査モードを選択することがで
き、８個までの部位を１秒当り少なくとも１回の
走査という速度で走査することができる。

上記システムでは、電子ビームターゲツトの高
い温度によつてＸ線源の焼損や質低下を招くよう
な問題が生じる。典型的に、電子ビーム電流は
120KVにおいて1Aであり、120KWのビーム電力
が１mm×10mmの典型的な領域の焦点に収束するこ
とにより、このスポツトが高い速度でターゲツト
に沿つて移動したとしても、ターゲツトの表面温
度が非常に高い値となる。

米国特許第4531226号には、弧状フレームと、
ここから延びた複数の支持ブラケツトとを含むタ
ーゲツト構造体が開示されている。各々の支持ブ
ラケツトは、少なくとも１つのくぼんだ部分を有
し、この部分は、電子ビームターゲツトの表面に
よつて必要とされる角度にされた１つの傾斜面を
含んでいる。ブラケツトは弧状であるから、傾斜
面は実際には円錐形状である。電子ビームターゲ
ツトは、平らな面を有する部材で構成される。こ
の部材は、傾斜したくぼみの壁に平らな面が係合
するように上記くぼんだ部分に支持される。固定
手段がターゲツトに係合し、ターゲツトの平らな
面を傾斜したくぼんだ面と強制係合状態に維持す
る。ターゲツトの形状は、傾斜したブラケツト面
の円錐形状をとる。固定手段は、色々な厚みのタ
ーゲツトを受け入れ、ターゲツトが熱膨張できる
ようにする。更に、各ターゲツトは、現場で容易
に交換することができる。便利なことに、多ター
ゲツト構成においては、各ターゲツトが支持ブラ
ケツトを電子ビームから遮蔽し、これにより、ブ
ラケツトの加熱を減少すると共にブラケツトへの
ダメージを最小とすることができる。

前記の′226号特許には、各ターゲツトセグメン
トがソリツドタングステンシートであるか或いは
OFHC銅のような取付基体であつてその上にタン
グステンシートがプラズマスプレーによつて付着
されるか又はタングステンシートがろう付けされ
たものであることが開示されている。タンタルや
モリブデンのような他のＸ線放射面材料を使用し
てもよい。然し乍ら、タングステン又はモリブデ
ンのシートを支持基体にろう付けしその複合構造
体を所望の形状に成形しようとする際には問題が
生じる。

発明の目的 本発明の目的は、Ｘ線スキヤナに使用する改良
された複合電子ビームターゲツトを提供すること
である。

本発明の別の目的は、所望の形状を有する複合
電子ビームターゲツトを製造する方法を提供する
ことである。

発明の構成 本発明の特徴は、少なくとも１つの個々の金属
層を予め成形しそしてダイクランプにおいてろう
付けすることによつてこれらの層を接合すること
にある。

簡単に説明すると、本発明によれば、基体を適
当な型において予め成形することによつて複合構
造体が製造される。この予め成形された基体とタ
ーゲツト材料の層とが、第２の予め成形された形
状を有するダイにおいてろう付けされる。

本発明の特徴によれば、このダイは、予め成形
された基体とろう付けされた複合シートとがそれ
らの端において「平担化」するのを克服するため
にバイ・ラジアルな円筒形状を有している。従つ
て、ろう付けダイを開いた時には、ろう付けされ
た材料の層が所望の形状をとるようになり、使用
中この形状を維持する。

高い輝度の収束を行なうと共に電子を放射する
電子ビームターゲツトにおいては、少なくとも１
つの層がタングステン、タングステン合金、モリ
ブデン又はモリブデン合金のような耐火金属であ
り、基体材料がOFHC銅又はチタン−ジルコニウ
ム−モリブデン合金である。タングステンは価格
が高く、加工性が悪く、もろく、然も、密度が高
いので、これらのターゲツトはしばしば積層複合
体とされ、活性層のみがタングステン（又はタン
グステン合金）とされる。隣接する基体材料は、
利用できる接合技術に必要とされる特性や、熱伝
導性、重量、加工特性、等の他の所望の特性に基
づいて選択される（古典的な接合技術は、とりわ
け、鍛造及びろう付けである）。ろう付けの問題
は、多数あり、膨張の相違や、濡れ特性や、温度
安定性や、ろう付け合金のコスト、等に関連した
ものである。

本発明、その目的及び特微は、添付図面を参照
した以下の詳細な説明より容易に明らかとなろ
う。

実施例 第１図を説明すれば、米国特許第4352021号に
開示されたシステムは、３つの主要な要素、即
ち、円筒部分１２及び半円形の円錐部分１３を含
む走査管１１と、検出器配列体１４と、コンピユ
ータシステム１６とを具備している。走査管は、
電子ビームをターゲツトリングに投射し、ターゲ
ツトリングからＸ線が発生される。これらのＸ線
は、検出器配列体１４によつてさえぎられる。検
出器配列体の出力は、コンピユータシステム１６
に送られる。コンピユータシステムは、後で処理
するためにデータを記録する複数の記憶デイスク
１８を備えている。又、コンピユータシステム
は、走査管を制御する出力も含んでいる。ビデオ
表示装置１９は、データを表示する。

第２図及び第３図には、走査システム及び検出
システムが詳細に示されている。電子ビーム管１
１は、円筒端１２に電子銃２２を収容する真空包
囲体２１を備えている。電子銃は、円筒部分に沿
つて軸方向の電子ビーム２３を投射する。収束コ
イル２４は、ビームをターゲツト２６に収束させ
る。曲げコイル２７は、ビームが管の部分円形円
錐部に沿つて扇状に広がつて部分円形のターゲツ
トリングに当たるようにビームを曲げる。ターゲ
ツト組立体２６は、複数の部分円形のターゲツト
リング２８，２９，３０及び３１を備えている。

これらターゲツトリング２８，２９，３０及び
３１の各々には適当な冷却コイル３２，３３，３
４及び３５が組み合わされており、ターゲツトリ
ングを冷却するように働く。

曲げ磁石は、ビームを偏向するだけでなく、第
２図及び第３図に示す部分円形のターゲツトに沿
つてビームを速やかにスイープする。ターゲツト
リングは直列に走査され、以下で述べるように多
数の部位が検査される。リングコリメータ３７，
３８，３９及び４０は、ターゲツトリングによつ
て放射されたＸ線をさえぎるように配置され、１
又は２cm厚みの平らなビームとして投射されたＸ
線ビームを画成する。このビームの扇状セクタ
は、検出器のコリメータ４６を通過し、カーブし
た検出器配列体によつて検出され、測定値を用い
て領域４４の断層撮影像が再構成される。

第４図はターゲツト２８−３１の斜視図であ
り、その各々は、弧状であり、（例えば、210゜）
であり、ターゲツト２８については６つのセグメ
ントで構成される。各セグメントは、ソリツドタ
ングステンシートであるか、或いは、OFHC銅の
ような取付基体であつてその上にプラズマスプレ
ーによつてタングステン層が付着されるか又はタ
ングステンシートがろう付けされたものである。
他のＸ線放射面材料、例えば、タンタルやモリブ
デンを使用してもよい。

複合ターゲツトセグメントの製造においてこれ
までに遭遇する問題は、所望のターゲツト形状を
維持しつつターゲツト材料を支持基体にろう付け
することにある。ろう付けされた層にはストレス
が誘起されるので、複合材料を形成した後にター
ゲツトを成形することは困難である。

本発明によれば、少なくとも支持基体を予め成
形することにより所望の最終形状を得ることがで
きると分かつた。予め成形された基体とターゲツ
ト材料の層は、特に成形されたダイにおいて互い
にろう付けされる。ろう付けプロセスの後には、
複合構造体をダイから取り外した際にこの構造体
が所望の形状をとることが分かつた。

第５図は、第４図の１つのターゲツトセグメン
ト２８−２を示す斜視図であり、モリブデン又は
モリブデン合金のような支持基体５４にろう付け
した後のタングステン又はタングステン合金のよ
うな圧延耐火金属５２を含む複合構造体を示して
いる。ターゲツト構造体２８−２の内部凹面層は
「弧状ブラケツト」の傾斜面の円錐形状に一致す
る。

本発明によれば、適当なダイにおいて少なくと
も基体を最初に予め形成することにより最終的な
複合構造体に所望の形状が実現される。この予め
の成形は、冷間成形ダイにおいて行なわれ、弾性
変形が解除された後に、予め成形された部分がろ
う付けダイに適当に嵌合される。次いで、予め成
形された基体及びターゲツト材料の層がバイラジ
アルのろう付けダイにおいて積層され、ろう付け
炉内でこのダイに加圧状態に保持される。この炉
においては全ての層が柔軟なものとなり、ろう付
けダイの形状に合致するようになる。ろう付けを
行ないそして材料が冷却した後、ろう付けダイが
開けられ、ろう付けされた構造体が所望の最終的
な形状をとる。ろう付けの前及びろう付け中に２
つの金属層の表面の曲率を強調することにより、
バイラジアルな円筒形状は、ろう付けされた構造
体をダイから取り外す際に該構造体が平らに広が
るのを補償する。即ち、ろう付けダイを開く際
に、積層されたろう付け材料が所望の形状とな
る。

曲率が175インチの凹状のタングステン合金面
を有するＸ線ターゲツトの一実施例においては、
GTEによつて供給される長さ14インチ、巾1.6イ
ンチそして厚み0.1インチのモリブデン合金のス
トリツプMT104より成る基体層が半径11インチ
の２部片スチールダイにおいて冷間状態で変形さ
れた。次いで、ユニオンカーバイト（Union
Carbide）社によつて供給されるバイラジアル形
状（R1＝65インチ、R2＝40インチ）のグラフア
イトグレードから形成されたろう付けダイが、２
つの「サンドイツチ」となるように横に並んで装
填され、その各々は、MT104の冷間成形部片、
銀及びパラジウムの1.5ミル厚み合金のフオイル
（GTE−Wesgoによつて供給されるpalsil−10）
及びSDC（マサチユーセツツ州、ホリストン
Schwarzkopf Development Corp oration）に
よつて供給される長さ14インチ、巾1.6インチ及
び厚み0.025インチの圧延タングステン−レニウ
ム合金のストリツプで構成される。

グラフアイトのダイがグラフアイトの加熱素子
を有する真空炉に装填され、401b_sのおもりを用
いてグラフアイトのダイが圧縮された。次いで、
炉内の温度が2000〓にゆつくりと上昇され、10分
間維持された。制御しつつ冷却した後に、グラフ
アイトのダイが解除され、半径175インチの円筒
形状のろう付けされたサンドイツチが得られた。

本発明は、少なくとも２つのろう付けされた金
属シートより成る複合構造体に適用することがで
きる。複合電子ビームターゲツト構造体を製造す
る本発明の方法では、Ｘ線スキヤナの必要とされ
る用途に対する所要の形状を有したターゲツトを
形成することができる。更に、電子ビームターゲ
ツトの製造に圧延タングステンを使用してコスト
の節減を計ることができる。ターゲツトを補強す
ることにより、高電力のビーム入力中にも形状が
変化しないようにされる。更に、所与の電力入力
におけるターゲツトの平均体積温度、ひいては、
ターゲツトの熱膨張が減少される。

特定の実施例について本発明を説明したが、こ
の説明は、本発明を解説するものに過ぎず、本発
明を何等限定するものではない。特許請求の範囲
に述べた本発明の真の精神及び範囲から逸脱せず
に種々の変形や応用が当業者に明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、多数の電子ビームターゲツトを用い
た計算型断層撮影Ｘ線透過走査システムを示す概
略部分斜視図、第２図は、第１図のシステムの断
面図、第３図は、第１図のシステムの端面図、第
４図は、第１図のシステムの電子ビームターゲツ
トの斜視図、第５図は、本発明による第４図の１
つのターゲツトセグメントの斜視図、そして第６
図は、本発明による第５図のターゲツトセグメン
トを製造するのに有用なダイの断面図である。 １１……走査管、１２……円筒部分、１３……
半円形の円錐部分、１４……検出器配列体、１６
……コンピユータシステム、１８……記憶デイス
ク、１９……ビデオ表示装置、２２……電子銃、
２３……電子ビーム、２４……収束コイル、２６
……ターゲツト、２８−３１……部分円形のター
ゲツトリング、３２−３５……冷却コイル、３７
−４０……コリメータ、５０，５２……検出器位
置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンピユータ化された断層撮影に使用する複
   合電子ビーム構造体であつて、一般的に円錐形状
   に合致するような電子ビーム構造体を形成する方
   法において、 主中心部が所望の円錐形状の半径R1によつて
   画成されそして縁部分が上記R1より小さい半径
   R2によつて画成されるような断面を有するダイ
   を用意し、 基本材料を予め成形し、 上記ダイにおいて上記基体の上にターゲツト材
   料の層を組み立て、そして 上記ダイにおいて上記基体に上記ターゲツト材
   料をろう付けし、ろう付けされた複合構造体がダ
   イから取り外された際に所望の円錐形状となるよ
   うにしたことを特徴とする方法。 ２ 所望の形状にろう付けされた金属シートの複
   合構造体であつて、この複合構造体は、２つの金
   属シートの少なくとも一方を予め成形し、予め選
   択された表面形状を有するダイにおいて上記２つ
   の金属シートを組み立て、上記ダイにおいて上記
   ２つの金属シートをろう付けすることによつて形
   成され、上記複合構造体は、上記ダイから取り出
   した際に上記所望の形状となることを特徴とする
   複合構造体。 ３ 最終的な複合構造体の形状の断面は、半径
   R1によつて定められ、上記ダイは、主中央部分
   が上記半径R1によつて画成されそして縁部分が
   上記R1より短い半径R2によつて画成されるよう
   な断面を有し、これにより、上記複合構造体は、
   これをろう付けして上記ダイから取り外した後に
   所望の形状となる特許請求の範囲第２項に記載の
   複合金属構造体。